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エルベレス

概要

カテゴリー人名
スペルElbereth
その他の呼び名ヴァルダ(Varda)
エレンターリ(Elentári)
ティンタッレ、ティンタルレ(Tintallë)
ギルソニエル(Gilthoniel)
星々の女王(Queen of the Stars, Lady of the Stars)
種族アイヌルヴァラール
性別
生没年
配偶者マンウェ

解説

アマンではヴァルダの名で、中つ国ではエルベレスの名で知られる、ヴァリエールの中で最も偉大な存在。
アラタールの一人に数えられるヴァリエで、マンウェの妃。彼女はマンウェと滅多に離れることなく、タニクウェティルの最高峰オイオロッセに住まっており、マンウェが共にいれば他の誰よりも耳が聡く、地上からの全ての呼び声を聞くことが出来るという。
その面にはイルーヴァタールの光が生きており、人間の言葉でもエルフの言葉でも言い表せないほど美しい。

おお、ギルソニエルよ! エルベレスよ!
あなたの眼は澄み、吐く息は光る!
雪のように、まっしろなあなたに、
海のかなたから、ほめ歌をうたう。*1

光を灯す者

エルベレスは光の中に力と喜びを見出したアイヌであり、エアの全領域を知悉していた。
メルコールのことはアルダが創られる以前から知っていたという。だが彼を拒み、そのためメルコールはエルベレスのことをイルーヴァタールが創った他の何者にも増して恐れた。
アルダが創造されると、彼女はマンウェを助けるためにエアの深奥からやってきた。

アルダの黎明期、彼女は天空を照らす最初の星々を作り出した。灯火の時代中つ国を最初に照らすことになった二つの灯火に明かりを灯したのも彼女である。だが灯火はメルコールに破壊され、後世に残らなかった。

二つの木の時代アマン二つの木が創られると、エルベレスは大桶を設置し、木々から落ちる光の雫を貯蔵してヴァリノールで利用できるようにした。

星々の女王

やがてヴァラールの会議でエルフが目覚める定めの時が近づいていることをマンドスが告げると、エルベレスはそれに備えるために天空に新しい星々と星座を作った。これはヴァラールがアルダに入って以来成した仕事のうち、最大のものだという。

新しい星々は、ヴァルダの泉に溜められたテルペリオンの銀の雫から作られた。カルニルルイニルネーナルルンバールアルカリンクウェエレンミーレがそれで、アルダの黎明に彼女が作った古い星々よりも明るい光を持っていた。
さらにエルベレスは古い星々を使って星座を作った。それはウィルワリンテルメンディルソロヌーメアナルリーマ、そして最後の戦いを予告するメネルマカルと、メルコールへの挑戦の印であるヴァラキルカだった。

エルベレスがこの大仕事を成し遂げた時、中つ国クイヴィエーネンのほとりでエルフが誕生した。マンドスが予言した通り、エルフが最初に目にしたものは天空の星々だった。このため彼女はエレンターリ「星々の女王」と呼ばれ、エルフから最も崇拝されている。

エルベレスの御名

そしてその時かれは遥かな声を聞きました。遥かなしかしはっきりした声です。なつかしいホビット庄の夕闇の星空の下を歩いていたエルフたちの叫び声であり、エルロンドの館の火の広間で夢現に聞いたエルフの音楽でありました。

 ギルソニエル ア エルベレス!

するとその時かれの舌はほぐれ、かれの声はかれの知らない言葉となって叫びました。*2

太陽が昇って以後、中つ国に残るエルダールはしばしば彼女への賛歌を歌い、彼女に呼びかけた。
ア・エルベレス・ギルソニエル!(A Elbereth Gilthoniel!)とはその呼びかけのシンダリンである。「A」は感嘆詞であり、すなわちおお、エルベレス! ギルソニエル!(O Elbereth! Gilthoniel!)の意。

エルベレスの御名には力があるとされ、フロド・バギンズ風見が丘ナズグールに襲われた時、無意識にその名を唱えたことによって救われた。ナズグールにとっては御名だけで恐ろしい打撃であるという。
サムワイズ・ギャムジーキリス・ウンゴルシーロブと対峙した時、エルベレスの御名を唱えることによって心が奮い起こされ、玻璃瓶の光を呼び起こすことができた。

ア! エルベレス ギルソニエル!
スィリヴレン ペンナ ミーリエル
オ メネル アグラール エレナス、
ギルソニエル、ア! エルベレス!
この遠い国の木々の下に住んで、
いまもわれら思い出すのは、
西の海に輝くあなたの星の光。*3

多数の名の意味

エルベレス (Elbereth)
シンダリンで「星々の女王(Star-Queen)」の意。
ギルソニエル (Gilthoniel)
シンダリンで「星をともす者(Star-kindler)」の意。
ヴァルダ (Varda)
クウェンヤで「崇むべき者(the Exalted)」、「いと高き者(the Lofty)」の意。
エレンターリ (Elentári)
クウェンヤで「星々の女王(Star-Queen)」の意。
ティンタッレ (Tintallë)
クウェンヤで「灯をともす者(the Kindler)」の意。星々の作り手としての名。

エルベレスの民のマイアール

エルベレスの民として言及があるのは以下のマイアールである。

備考

エルベレスの御名には力があるという上記の設定を受け継ぎ、ゲーム『NetHack(Wikipedia:NetHack)』では床に「Elbereth」と書き込むと敵が近寄ってこなくなるという技がある。指で床の埃の上に「Elbereth」となぞるだけでも効果があるが、それだとすぐに文字が消えてしまうため、武器の先で床石に刻み込んだり、何らかの道具を使って書き込んだりすることによって、より強い効力を発揮する。

Include/アイヌル

コメント

最新の6件を表示しています。 コメントページを参照

  • あっエルベレス -- 2015-06-21 (日) 12:38:16
  • 綺麗で何処となく可愛らしい歌ですね。「旅の仲間」のまるで中世の御伽噺のような雰囲気はとても好きです。物語が進行するにつれて重苦しい雰囲気が増していくので、二週目三週目にはなおさら序盤の世界観は落ち着くというか清涼剤のような感覚がしますね。 -- 2018-10-29 (月) 20:59:25
  • 疑問なのだけど、この無意識のうちにフロドが御名を唱えたのは「その時不思議なことが起こった」並みの力が働いた感じ? -- 2018-11-28 (水) 20:48:14
  • Fanuilosもエルベレスのことなんですね 。「いと白き御方」? -- 2021-04-02 (金) 05:46:55
  • 電子版でヴァルダがワルダになってるみたいです(´・ω・`) -- 2023-01-03 (火) 21:37:36
  • ごめんなさい、対比表に書いてありましたm(__)m -- 2023-01-03 (火) 21:38:55
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