ワーグ †
概要 †
解説 †
ロヴァニオンに生息する凶悪な狼のこと。吠え声からなる原始的な言語を用い、オーク(ゴブリン)よりも鋭い嗅覚を持つ。霧ふり山脈のオークとは協同で略奪や戦闘を行う場合があり、その際にはオークを背中に乗せることもあった(狼乗り)。
『ホビットの冒険』では親分オオカミ率いるワーグの群れがゴブリン町から逃亡するトーリンとその仲間とオオカミ広場で遭遇し、ガンダルフから魔法の火の攻撃を受けたことで、以降はゴブリンと協力してトーリンの一行を付け狙った。
五軍の合戦ではゴブリンの同盟者として参戦し、ゴブリンが戦闘で混乱に陥って三軍の攻撃から逃れようとすると、仲間である彼らに襲い掛かって死傷者を引き裂くという残酷さをみせた。合戦での敗北後、ワーグは森から姿を消した。
『指輪物語』でのガンダルフのセリフによると、サウロンの配下の中には狼人と共にワーグも存在するという。第三紀3019年(大いなる年)の1月12日から13日にかけては、ワーグの群れが霧ふり山脈の西側に現れて指輪の仲間を襲撃したが、この群れは朝になるとあるはずの死体が消失しているといった超自然的な特徴を備えており、あるいは狼人のような悪霊であった可能性もある。
語源 †
『ホビットの冒険』において、ワーグ(Wargs)の名は「荒地のくにのさかいからさきにいる、たちの悪いオオカミはこう呼ばれていました」*3と説明されている。
『ホビット ゆきてかえりし物語』によると、トールキンは1966年に作家のジーン・ウルフへ宛てた手紙の中でwargの意味について以下のように説明している。
「オオカミを意味する古語で、無法者、犯罪者の意味でも使われました。現存するテクストでは、むしろあとのほうが普通の意味です。本書の悪魔のようなオオカミを呼ぶのにこの語を選んだのは、その意味を表すのに、いかにもそれらしい響きを持っているからです。」*4
またこの手紙ではwargは古英語のwearg、古高地ドイツ語のwarg、古ノルド語のvarg-rと説明されている。特にvargrは北欧神話に登場するフェンリル(Wikipedia:フェンリル)などの伝説上の狼に用いられる。
映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定 †
ハイエナのような風貌の獣として登場。『二つの塔』ではシャーク率いるオークのワーグ乗りがアイゼンガルド軍の斥候として登場する。『王の帰還』ではミナス・ティリスの攻囲戦の場面でゴスモグがワーグに乗っており、市内での戦いにも登場している。
画像 †
グッズ †
映画『ホビット』における設定 †
映画『ロード・オブ・ザ・リング』よりも狼らしい風貌。アゾグ及びその配下のオークが乗っており、アゾグのワーグだけが白い。
原作と異なりワーグはあくまでオークが乗用する獣の扱いであり、五軍の合戦の五軍のなかには、ワーグの代わりにグンダバドの軍勢が入っているものと思われる(別のオークはドル・グルドゥアの軍勢)。
ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定 †
敵として登場するだけではなく、モンスタープレイにおいてユーザーが操作することが可能。
オークを背中に乗せて走ることはできないが、移動力が高い。姿を隠す能力と、その状態からの奇襲攻撃能力があり、成功すれば敵を失神状態にさせられる。
コメント †
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