ボロミア

概要

カテゴリー人名
スペルBoromir
その他の呼び名白の塔の長官(High Warden of the White Tower)
総大将(Captain-General)
白の塔の大将(Captain of the White Tower)
種族人間ドゥーネダイン
性別
生没年第三紀2978~†3019(享年41)
デネソール二世(父)、フィンドゥイラス(母)
兄弟ファラミア(弟)
配偶者なし
なし

解説

指輪の仲間の一人。ゴンドール執政デネソール二世の長子で、ファラミアの兄。

ゴンドールだけではなくローハンにまで名が届く勇猛な武将として知られた、剛勇の人物。その人となりはエアルヌアに似ていたと言われ、武芸を好み伴侶を持つことはなかった。
彼は自信と誇りに満ちあふれており、時にはそれが尊大に感じられることもあったが、本質的には礼儀正しく誠実な人物である。ガンダルフバルログと対峙したとき、アラゴルンとともにガンダルフを助けるため引き返そうとしたほどの勇気の持ち主でもある。

それから、少し離れたところに、気品のあるりっぱな顔立ちの、背の高い人が一人坐っていました。その人の髪の色は黒っぽく、灰色の目は誇り高くきびしい光をたたえていました。
かれのマントといい、編上げ靴といい、騎馬旅人のなりでしたが、現に、そのぜいたくな衣服も、毛皮の裏のついたマントも、長旅に汚れはてていました。かれは白い石の一つはまった銀の襟かざりをつけ、肩のあたりで巻き毛を切りそろえていました。肩から斜めにわたした飾り帯には銀の口金のついた大きな角笛をさしていたのですが、それは今は膝の上にのっていました。*1

ゴンドールの総大将

父のデネソールや弟のファラミアとは違い、西方の血はほとんど発現していなかった。外見的には父に似ていたものの、自尊心を除けば性格的には全く似ておらず、そのためにデネソールは一層彼を愛した。父親には冷遇されがちだったファラミアとも強い絆で繫がれており、二人の幼少期にはボロミアがファラミアの援助者であり保護者であったという。
ボロミアは長きに渡りゴンドールを守ってきた執政家を非常に誇りに思っていたが、心の底では執政が決して王にはなれないことへの不満も抱いていた。

長じると勇猛果敢な武将として知られるようになり、ゴンドールの総大将として再興したモルドールの脅威を食い止めるべく奮戦した。国民からの信望も厚く、彼はゴンドール第一の人物と目されており、そんなボロミアをデネソールは大いに寵愛した。
だが3018年6月、モルドールより突如大軍が押し寄せてイシリアンオスギリアスの駐屯部隊は撤退を余儀なくされる。この時モルドール軍は魔王以下ナズグールが指揮を執っており、ボロミアとファラミアはただ一つ残っていた橋を落とすことで辛うじて大河の西岸を防衛することができた。

イムラドリスへの旅

すると、ファラミアが何度も夢のお告げを見るようになり、一度はボロミアも同じ夢を見た。

折れたる剣を求めよ。
 そはイムラドリスにあり。
かしこにて助言を受くべし、
 モルグルの呪魔より強き。
かしこにて兆を見るべし、
 滅びの日近くにありてふ。
イシルドゥアの禍は目覚め、
 小さい人ふるいたつべければ。*2

二人はこの夢の言葉の意味をほとんど理解できなかったが、デネソールはイムラドリスが北の隠れ里裂け谷の古称であることを教える。すると他の謎を解くため、ファラミアが裂け谷へ向かおうとしたが、危険であるとしてボロミアがこの旅を買って出た。デネソールはこれに反対したものの、ボロミアは自分の意思を押し通して、裂け谷を求めゴンドールを出発した。

ボロミアはローハンで馬を借り、ローハン谷を西へ抜けてエネドワイスを北上する。だが北へ向かう南北街道は使われなくなって久しく、ほとんど消失してしまっており、とうに橋の落ちたサルバドの浅瀬では馬を失うなど、その旅は困難を極めた。
三か月あまりをかけてどうにか裂け谷へ到達した彼は、その翌朝に開かれるエルロンドの会議に出席して謎解きを乞うこととなった。

指輪の旅

ボロミアはエルロンドの会議において、実際に「イシルドゥアの禍」である一つの指輪、「折れたる剣」であるナルシル、そして「小さい人」であるホビットを見ることになる。
それからボロミアはゴンドールへ戻る途中、指輪の仲間の一人として、フロド達と行動を共にする。ボロミアは、一行の中ではガンダルフの、ガンダルフがモリアで行方不明になった後にはアラゴルンの意見と指示に基本的に従っていたが、ゴンドールの大将としての責務があるため、途中でモルドールへ向かう道を逸れて仲間と別れ、ゴンドールへと帰国する予定であった。

だがボロミアはゴンドールを救う強大な力を求めており、一つの指輪を用いればすべて禍に転ずるというエルロンドガンダルフの言葉に心底から納得したわけではなかった。
無意識に一つの指輪を用いることを望むようになったボロミアは、ロスローリエンガラドリエルにその望みを指摘された後は、次第に一つの指輪の魔力に誘惑されて苦しむようになる。やがてパルス・ガレンにて我を忘れた彼は、フロド・バギンズから力ずくで指輪を奪い取ろうとした。

「誠ある人間は堕落しませんぞ。われわれミナス・ティリスの人間は、長年の試練に耐えて節操を失わずに通してきたのだ。 … かかる時にあたって、武人たるもの、偉大なる指導者たる者にできぬことが何があろう? アラゴルンにできぬことが何があろう? また、かれが拒んだ場合、なぜボロミアではいけないのか? 指輪はわたしに指揮の大権を与えてくれるだろう。われ、モルドールの軍勢を悉く蹴散らさんか、人々は挙ってわが旗の下に馳せ参ずるであろう!」*3

その直後ボロミアは正気に戻りフロドに許しを請うが、すでにフロドは逃げ失せて彼の耳には届かなかった。フロドはこれがきっかけとなり、仲間から離れて一人でモルドールへ向かう決意をする。

これを大いに悔いたボロミアは、仲間がオークに襲撃された時、身を挺してメリアドク・ブランディバックペレグリン・トゥックを守るために孤軍奮闘した。彼はゴンドールの角笛を吹き鳴らしたものの援軍が駆けつけることはなく、大勢のオークを倒したが最後には無数の矢を射かけられて彼自身も倒れた。ボロミアは、自身のいまわの際を看取ったアラゴルンホビットがさらわれたことを知らせ、また自分がフロドから指輪を奪おうとしたことを告白し、ゴンドールを救ってくれるよう言い残して息絶えた。

「おさらば、アラゴルン! ミナス・ティリスに行き、わが同胞を救ってください! わたしはだめだったが。」
「違う!」アラゴルンはそういうと、かれの手をとり、その額に口づけしました。「あなたは打ち勝ったのだ。このような勝利を収めた者はほとんどおらぬ。心を安んじられよ! ミナス・ティリスを陥落させはせぬ!」
ボロミアはほほ笑みました。*4

ボロミアの遺体はアラゴルン、レゴラスギムリの手により、ボロミアが倒した敵の武器などといった大量の戦利品と共に、ロスローリエンエルフが作った小船に乗せられて、アンドゥインに流されて葬られた。
その船はエルフの魔法のなせる業か、ラウロスの大瀑布に巻き込まれても沈むことなくアンドゥインを下り続け、オスギリアスに近い浜辺を流れているところをファラミアに目撃された。さらに船はアンドゥインを下り続け、ある星の夜大海に放たれていったと伝えられている。

映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定

俳優ショーン・ビーン
日本語吹き替え小山力也

最後はラーツという名のウルク=ハイと戦って倒れる。原作でボロミアの死が描かれているのは『二つの塔』冒頭だが、映画では『旅の仲間』のラストシーンに変更されている。
『二つの塔 スペシャル・エクステンデッド・エディション』では、ファラミアの回想シーンに登場。オスギリアスを奪回した戦いの後でファラミア、デネソールと会話している。そのシーンでは夢歌のことは登場せず、デネソールはエルロンドの招集に応じてボロミアをエルロンドの会議に派遣したことになっている。
王の帰還』では、デネソールがボロミアの幻影を見るシーンがある。

画像

『ロード・オブ・ザ・リング』におけるボロミア『ロード・オブ・ザ・リング』におけるボロミア『ロード・オブ・ザ・リング』におけるボロミア(回想シーン)

グッズ

ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定

『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における裂け谷でのボロミア

コメント

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  • 『指輪物語 対決(Lord of the Rings:The Confrontation)』という軍人将棋風のゲームだと、彼の能力が「相手の駒を道連れにする」という比喩でない意味の地雷キャラだったw -- 2017-07-19 (水) 03:29:42
  • まぁ弱さも含めて一番「人間」らしい人だよね。ファラミアやアラゴルンは立派過ぎる。 -- 2017-10-11 (水) 14:43:13
  • そもそも他の人間は指輪の魔力にほぼ即落ちな2コマなわけで、ボロミアが最後の最後まで抵抗したっていう描写はほしかったなあ -- 2017-10-21 (土) 13:05:20
  • 映画の唯一の不満はボロミアがちょっと弱くみえることです -- 2017-10-22 (日) 23:22:40
    • そうか? 心の臓を三度も撃ち抜かれても戦い続けたんだから、強いと思うけど。 -- 2018-03-19 (月) 13:13:08
  • 一度は誘惑に負けても、それを心底悔い、命を賭して誇りを守った1番人間臭く魅力的な人物。 -- 2017-11-03 (金) 14:55:57
    • 「屈辱だ。許せない。これ以上の屈辱はない。自分が許せなかった。ヤツに精神的に屈した自分を呪った。二度と、あの時の、みじめなボロミアには絶対に戻らない。」 -- 2018-03-17 (土) 20:10:10
      • 「誘惑を克服したボロミア」として復活しそうですね --花京院 2018-04-11 (水) 02:20:45
  • ネッドスターク -- 2017-11-09 (木) 20:00:55
  • アラゴルンがソロンギル時代に即位していたらアラゴルンの忠誠を誓って活躍で来たんだろうなあ、と思う人。 -- 2017-11-11 (土) 09:37:32
  • あなたについて行きたかった、我が兄 我が王よ。 この人の登場場面を二つの塔でも王の帰還でもカットしないでほしかったなー -- 2018-01-17 (水) 09:07:47
  • 誰も言及していませんが映画版のボロミアは原作での描写(黒髪、灰色の目)と全然違いますね -- 2018-03-17 (土) 17:47:52
    • 黒髪ではなく黒っぽい髪(dark)です。映画のボロミアの瞳は角度によっては灰色っぽく見えますし、髪の色も暗めですから、そう大きく外れているわけではないかと。 -- 2018-03-17 (土) 18:52:09
    • 弟のファラミアの髪はraven(邦訳は漆黒の髪)と形容されているので、ボロミアもたぶん黒髪でしょうね。 -- 2018-03-26 (月) 01:06:02
  • 今際の際の台詞は映画版の方が好きかもしれません。我が王よなんて台詞,原作でも言って欲しかった。 -- 2018-10-18 (木) 17:43:24
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*1 指輪物語 旅の仲間』「エルロンドの会議」
*2 指輪物語 旅の仲間』「エルロンドの会議」 夢のお告げの言葉。
*3 指輪物語 旅の仲間』「一行の離散」
*4 指輪物語 二つの塔』「ボロミアの死」

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Last-modified: 2018-10-18 (木) 17:43:24 (28d)