ファラミア

概要

カテゴリー人名
スペルFaramir
その他の呼び名ゴンドールの大将(Captain of Gondor)
白の塔の大将(Captain of the White Tower)
イシリアンの大公(Prince of Ithilien)
エミン・アルネンの領主(Lord of Emyn Arnen)
種族人間ドゥーネダイン
性別
生没年第三紀2983~第四紀82(享年120)
デネソール二世(父)、フィンドゥィラス(母)
兄弟ボロミア(兄)
配偶者エオウィン
エルボロン(息子)

解説

ゴンドール統治権を持つ執政
第26代
デネソール二世
2984~3019
第27代
ファラミア
第三紀3019
王の帰還
統治権の返上

ゴンドール執政デネソール二世の次子で、ボロミアの弟。

物腰穏やかで伝承の学と詩歌を愛する聡明な人物。だが決して臆病ということはなく、戦いにおいて必要とあらば勇敢さを示した。控え目な性格のため、周囲の評価ではボロミアに比べて見劣りする面もあったが、国民からの信頼は厚く、ファラミア自身も決して兄を妬むことはなく、兄弟の間には強い信頼と愛情があった。しかし父のデネソールからは冷淡かつ過酷に接せられることが多く、内心ファラミアは父の愛情を求めていた。
西方の血が強く発現していたらしく、常人よりはるかに明敏な感覚を持ち、人の心を読み取ることができた。

しかしファラミアに対しては突然かれの心はかつて覚えのない感動で奇体に動かされました。ここにいるのは、アラゴルンが時として垣間見せる神秀高潔な風格を具えた人でした。もっともアラゴルンほど高貴な血統ではなく、かといってアラゴルンほどのうかがい知れない大きさや近づきがたさを感じさせませんが、後代に生まれた人間の王たちの一員でありながら、長上族、エルフたちの智恵と悲しみをものぞかせるという人柄でした。ベレゴンドが敬愛の念をこめてかれの名を口にした理由がかれには今わかりました。かれはたとえ黒い翼の影の下であろうと、人々がその後について行こうとする大将の器でした。*1

夢のお告げ

指輪戦争が起こると、ファラミアは謎のお告げが出てくる夢を繰り返し見るようになる。

折れたる剣を求めよ。
 そはイムラドリスにあり。
かしこにて助言を受くべし、
 モルグルの呪魔より強き。
かしこにて兆を見るべし、
 滅びの日近くにありてふ。
イシルドゥアの禍は目覚め、
 小さい人ふるいたつべければ。*2

一度はボロミアも同じ夢を見たが、兄弟にはこの夢の言葉の意味がわからず、ただデネソールがイムラドリスとは北の隠れ里裂け谷の古称であることを教えてくれただけだった。ファラミアは謎の答えを求めて裂け谷を捜す旅に出ようとしたが、その旅路が不確かで危険に満ちているとして、イムラドリス捜索はボロミアが買って出た。

そのままボロミアはゴンドールに帰らず、パルス・ガレンで命を落とした。この時、ファラミアは彼の吹き鳴らした角笛の音を聞いたように思ったという。さらにその3日後の2月29日の夜半、大河の岸辺でボロミアの亡骸を載せた小船大海へ運び去られていくのに対面し、彼の死を悟る。

ゴンドールの大将

ボロミアが戻らなかったため、ファラミアはオスギリアスおよびカイア・アンドロスを拠点にアンドゥインの防衛を続けていた。

3019年、ファラミアはモルドールの召集に応えて北上してくるハラドリムの部隊を要撃するため、イシリアンに派遣される。そこでモルドールへ潜入する道を捜していたフロド・バギンズサムワイズ・ギャムジーに遭遇した。
ファラミアは彼らをヘンネス・アンヌーンまで連行して取り調べたが、始終丁重に扱うなど高潔な人柄を示した。わけても一つの指輪の存在を知り、それをボロミアが欲したことに気付きながらも、一つの指輪の危険性を正しく認識してそれを目にすることも触れることも望まなかったことで、二人の信頼を勝ち得る。フロドの指輪滅却の任務を知ったファラミアは彼に協力し、死罪になるはずだったゴクリの命を助け、ミナス・ティリスへ連行する決まりになっていた三人を釈放すると、援助と祝福を与えて送り出した。

その後モルドールから暗闇が流出しはじめたことで開戦を悟ったファラミアは、父に事態を報告するために危険を冒してナズグールの影の下を通り、ミナス・ティリスに戻った。
だがデネソールはファラミアが独断でフロド達を釈放し、みすみす一つの指輪を敵地へ送り込んだことに激怒。帰還の翌日、デネソールが諸卿にオスギリアスの防衛を求めると、ファラミアは亡きボロミアの代わりとして、この過酷な要求を引き受ける。そのため休む間もなくオスギリアスへ出陣することになった。

しかし奮戦も敵わず、モルドールの大軍はオスギリアスを奪取してアンドゥインの渡河を開始。加えて飛来したナズグールのもたらす恐怖のために部隊は潰走し、ファラミア自身も毒の投矢を受けて高熱と昏睡状態となり、都に運び込まれる事態となる。
瀕死のファラミアを見てようやく息子への愛を自覚したデネソールだが、悲嘆と絶望のあまり狂気に陥るに至り、ファラミアともども焼身自殺を図った。デネソールは自殺を遂げたが、ファラミアはベレゴンドペレグリン・トゥック、そしてガンダルフによって救出された。父の死によりファラミアは執政の職を受け継ぐ立場になったが、依然として意識は戻らないままであった。

最後の実権を持つ執政

ファラミアは長くナズグールの影の下にいたために黒の息に冒されており、意識が戻らないのはその影響によるものであった。
療病院に運ばれたファラミアは、そこでアラゴルン二世アセラスを用いた治療を受け、意識を呼び戻される。その時アラゴルンを認めたファラミアは、彼を王と認め、忠誠を誓った。
そのまま療病院に留まっていたファラミアは、そこで同じく黒の息から救われたエオウィンに出会い、彼女に惹かれるようになる。ファラミアは生きる望みを失っていたエオウィンに希望を与え、二人は愛し合うようになった。そうして二人は共にサウロンの没落を迎える。

統治権を持つ執政としてファラミアが行った最後にして唯一の職務は、王の帰還を受け入れることであった。
ミナス・ティリスの大門の前で執り行われたエレスサール王の戴冠式を司ったファラミアは、エレスサール王によって改めて執政に任じられた。

エミン・アルネンの大公

エレスサール王は、執政ファラミアをイシリアンの大公に封じ、執政家の父祖の地であるエミン・アルネンに住まうようにした。
ファラミアはエオウィンと結婚し、息子のエルボロンを設けたという。孫の名はバラヒア

略歴

映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定

二つの塔』にてフロド・バギンズの持つ一つの指輪のことに気がついたファラミアは、フロドとサムワイズ・ギャムジーゴラムをミナス・ティリスに連れて行くため、オスギリアスまで連行する。だが、ナズグールを前にしたフロドの行動を見て一つの指輪の魔力とその危険さを思い知り、フロド達を解放する。
王の帰還』原作では、オスギリアスからの撤退戦で負傷している。一方映画ではデネソール二世の命で、オスギリアス奪回のため無謀な突撃を行って負傷、部隊の中で唯一生き残り、自分の馬に引きずられながらかろうじてミナス・ティリスに戻ってくるという形にアレンジされている。
エクステンデッド・エディションでは、ミナス・ティリスにおいてピピンに与えられた鎧は、ファラミアが子供のころ使っていた物だったという設定が追加。

エオウィンとの恋愛の話はカットされたが、『エクステンデッド・エディション』に、療病院でわずかに見詰め合う二人と城壁の上で会話するシーンが登場。

画像

『ロード・オブ・ザ・リング』におけるファラミア

ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定

『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるファラミア『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における執政ファラミア

コメント

最新の10件を表示しています。 コメントページを参照(コメントページ直接編集もこちら)

  • 料理の腕前を知らず妻を選んだ男・・・ -- 2011-03-21 (月) 17:02:28
    • ファラミアが主夫になりそう(笑) -- 2011-03-21 (月) 17:35:23
      • 彼らの地位からすれば、少なくとも平時なら食事の用意をしてくれる召使いくらいはいるでしょう…(笑) -- 2011-03-22 (火) 00:51:32
      • でも愛する人に手料理をふるまおうとするエオウィン姫の心遣い(お節介)・・・・・・・・・・・・ -- 2011-03-22 (火) 09:49:02
      • 女官「今宵の宴は奥方様自らが台所に立って腕を振るわれましたのよ。」    ファラミア&家臣一同「・・・・・・・・。」 -- 2011-03-22 (火) 16:13:14
      • お呼ばれのメリピピ「なんてこった!晩餐会が蛮惨悔に変更だ!」 -- 2011-06-26 (日) 16:56:28
      • ジャイアンシチューと良い勝負になりそうだねw -- 2011-08-05 (金) 07:14:54
      • 馳夫さん(・・・・・・躍る小馬亭に帰りたい(´・ω・`) ) -- 2013-01-20 (日) 19:24:11
      • メシマズスレにいそう -- 2014-09-26 (金) 21:34:21
  • 映画も原作も何回も見(読み)なおしたが、やっぱり原作の高貴なファラミアの方が好きだな -- 2011-07-26 (火) 23:51:47
    • 私も原作のファラミアが好きですが、原作でも、デネソールのあまりに冷たい態度につい激昂してしまう部分をみると、映画のように、少しでも父に気に入られるようにしたい、という描写もありではないか、と思えてきます。 -- 2012-01-15 (日) 04:30:59
    • もっとも、映画のデネソールはさらに錯乱しているので、映画だけではそんな解釈がとりにくいですが -- 2012-01-15 (日) 04:35:34
    • 激しく同意。原作で1、2を争う「こういう人になりたい」というキャラクターだった。アラゴルン達ほど大胆さや高潔さ、神秘性は持っていないしやや悲壮感も漂うのに聡明さと慈しみを感じる。映画のファラミアだけ見てそう思うことは絶対に無い。 -- 2018-04-12 (木) 03:34:02
  • ファラミアって実際どのくらい武勇にすぐれてるのでしょうか。 -- 2012-08-16 (木) 09:13:17
    • ボロミアより強いと思った方がネタにはなりますね・・・・ -- 2012-10-09 (火) 13:15:50
      • ミドルアースRPGで、原作の主要キャラもNPC用としてパラメータが設定されていたそうですが、ボロミアだけ露骨に低かった…という話を聞きました。ネット情報の又聞きなので、信用度は不明ですが -- 2012-10-09 (火) 23:59:25
      • アクションゲーム版『王の帰還』では、アラゴルンとタメを張る印象の強さでした。まあ最高レベルまで上げると、ホビットですらウルク=ハイやトロルをばたばた斬り倒すなんてことになるゲームですが。それでもなお、ファラミアは強キャラの一人かと。 -- 2013-05-27 (月) 17:21:03
      • ミドルアースRPGですか? モリアの時点でアラゴルンがレベル27、レゴラスがレベル28、ボロミアがレベル20なので年相応に強いかと -- 2014-03-05 (水) 18:07:56
    • 個人的に、ボロミア=軍どうしの正面からの会戦に秀でる、ファラミア=ゲリラ戦や防御戦に秀でる、っていう印象がある。 -- 2014-02-25 (火) 23:51:25
  • チャンバラできるってことだけが必ずしも高潔なわけじゃないということを象徴する人に感じたので個人的には映画の改変は余り好きじゃない -- 2014-03-30 (日) 13:48:11
    • ボロミアがLOTRではあの様なので兄貴の小物臭を減らすためにもあれは必要な改変だったのかもと(-_-;) -- 2014-12-16 (火) 17:08:44
  • 映画版のファラミア関連でわからないことがあります。二つの塔と王の帰還にて、ファラミアに何度か話しかけていた老けた側近と思しき兵士(最後は息も絶え絶えのところをオークの指揮官ゴスモグに槍を突きたてられて死んだ人)がいましたが、どなたかあの兵士の名前をご存じの方はいませんか? まさか、ベレゴンドや老フォルロングをモチーフにしていたとか -- 2015-01-27 (火) 22:57:29
    • マドリルと言う名前だそうです。イシリアンの野伏のページに名前が載ってますよ -- 2015-01-28 (水) 00:04:05
      • 確認してみたらありました。ありがとうございます。 -- 2015-01-28 (水) 23:09:16
  • ファラミアが子供の頃竜退治の物語に夢中だったと語っていますが、バルドの物語だったら素敵ですね。 -- 2015-02-08 (日) 18:08:49
    • トゥーリンの物語の方だったら心配した方がいいと思う -- 2016-09-23 (金) 02:28:35
  • たまたまファラミアがノーアポでも空気読んで指輪所持者に補給してくれたから大事にならなかったけど、モルドールに忍び込むなら隣国ゴンドールの支援が不可欠なのは判りきっていることで、本来はエルロンドなりガンダルフなりが南方デュネダインに根回しして然るべきところだ。 -- 2015-11-25 (水) 09:58:50
    • そうすると指輪の所在を知られる危険も増しますけどね。 -- 2015-11-25 (水) 11:17:37
    • イシリアンを通ること自体が想定外でしょうし、そもそもゴンドール(というかデネソール)を信用できなかったのではないかと。モルドールに捨てに行くとかいったら、ゴンドール自体がが指輪狩りを始めそうだ。 -- 2016-09-23 (金) 09:44:00
      • 仮に予定変更してゴンドールに逸れたとしてもボロミアとかもついていってるはずだったからなぁ。旅の仲間の離散が完全に計算外 -- 2016-09-23 (金) 11:17:44
  • 「兄はヒマワリの花、私は月夜にひっそりと咲く月見草ですよ」 -- 2015-12-08 (火) 01:30:08
  • 語弊があるかもだけど、ファラミア以降はいわゆる「統治権を持たない執政」に戻ったという解釈でOK?ヴォロンディル以前のように。 -- 2015-12-09 (水) 19:11:26
    • それで合ってると思いますが、ミナスティリスに住まないところは違っているかも。まさかイシリアンから通勤したわけじゃないでしょうから、執政の椅子は空いていることが多かったでしょうね。 -- 2015-12-09 (水) 20:23:42
  • この人とエオウィンのロマンスは私の理想。何回でも読み返してしまう。 -- 2018-03-26 (月) 00:45:53
    • 互いに苦悩を抱えてる者同士であればこそ。昨今のオーソドックスな恋愛事情とは一線を画す二人 -- 2018-04-12 (木) 12:12:52
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*1 指輪物語 王の帰還』「ゴンドールの包囲」 ピピンが初めて目にしたファラミアへの印象。
*2 指輪物語 旅の仲間』「エルロンドの会議」 ボロミアが報告した兄弟で同じものを見たという夢の言葉。

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Last-modified: 2018-04-12 (木) 12:12:52 (251d)