ニエノール

概要

カテゴリー人名
スペルNienor
その他の呼び名ニーニエル(Níniel)
種族人間エダイン
性別
生没年第一紀(473)~†(499)(享年26)
フーリン(父)、モルウェン(母)
兄弟トゥーリン(兄)、ラライス(姉)
配偶者トゥーリン
なし(子を宿すも、出産前に母子共に死亡)

解説

名は「哀悼(Mourning)」の意。フーリンモルウェンの娘で、トゥーリンラライスの妹。
終わらざりし物語』の「ナルン・イ・ヒーン・フーリン」によると、髪は明るい金髪、瞳は灰色または青で、父親のフーリンを女性にしたような風貌。ただしフーリンと違って背丈は高く、シンダールの兵士にも劣らない描写がある。

ドル=ローミンからドリアスへ

フーリンニアナイス・アルノイディアドに出征したまま行方不明になり、兄トゥーリンドリアスへと去った翌年の初めにドル=ローミンに生まれる。母モルウェンはニエノールが成長すると彼女を連れてドリアスに向かったが、その時にはトゥーリンは既にドリアスにいなかった。だがモルウェンとニエノールは、そのままシンゴルメリアンの客人としてドリアスに留まった。

グラウルングの呪い、実の兄との出会い

やがてナルゴスロンドが陥落し、ナルゴスロンドにいたモルメギルという戦士がトゥーリンその人だったという知らせがドリアスに届くと、モルウェンシンゴルメリアンの制止を振り切ってトゥーリンを捜す旅に出る。ニエノールは兵士に変装すると、モルウェンを連れ帰すべく出発したマブルング達に密かに混じって、モルウェンの後を追った。
マブルングとニエノールはアイリン=ウイアルでモルウェンに追いつき、ドリアスに戻るよう説得したがモルウェンは聞き入れなかった。やむなく一行は全員でナルゴスロンドの廃墟に向かうが、アモン・エシアグラウルングの襲撃に遭う。一行は散り散りとなり、ニエノールはグラウルングに呪いをかけられて、記憶と言葉を奪われた。

グラウルングが去った後、戻ってきたマブルング達によってニエノールは発見される。マブルングらはニエノールをドリアスに連れ帰ろうとしたが、ドリアスの西境の近くで今度はオークの襲撃に遭い、恐怖によって錯乱したニエノールはオークからもマブルング達からも逃げてただ一人北に走り去った。彼女は森に入りこんでテイグリンの川を渡り、ハウズ=エン=エルレスで倒れているところを、トゥランバールと名乗ってブレシルで暮らしていたトゥーリンに発見される。ニエノールは記憶を失ったままであり、トゥーリンは彼女が自分の妹だと気づかなかったため、彼によって「涙乙女(Tear-maiden)」の意*1であるニーニエルの名を与えられた。

実の兄との結婚、グラウルングの死による真実の露見

その後ブレシルハレスの族の婦人たちの看護を受け、言葉を習い、族長ブランディアの癒しの術によってニエノールは回復する。実の妹とは知らないトゥーリンから求婚されると彼女は喜んだ。だが不吉な運命を予感したブランディアが彼女を引き止め、ブランディアからトゥランバールの本当の名がフーリンの息子トゥーリンであることを教えられると、ニエノールもまた不吉な予感を覚えたため、一度は求婚を断った。しかし、トゥーリンは翌年の春になると再度ニエノールに求婚し、彼女を妻に娶ることができれば二度と自分から戦場には赴かないが、それが叶わなければ荒野の戦いに戻っていくつもりだと告げる。今度はニエノールは喜んで求婚を受け入れ、夏至の当日二人は結婚した。

翌年の春、ニエノールはトゥーリンの子を身籠もっていたが、ちょうどその頃ナルゴスロンドからグラウルングが再び現れてブレシルを襲おうとしていた。グラウルングを座視できなくなったトゥーリンがこれと戦うために出陣すると、ニエノールはブランディアの制止を振り切ってトゥーリンの後を追った。
彼女がカベド=エン=アラスに辿りついた時にはグラウルングはトゥーリンに致命傷を与えられて倒れていたが、トゥーリンもグラウルングの血の毒に手を焼かれ、邪眼の力によって気を失っていた。彼女はトゥーリンの火傷の手当てをし、目を覚ましてくれるよう呼びかけていたが、その時グラウルングはニエノールに気づくと、死の間際の最後の悪意によって彼女に語りかけ、夫であるフーリンの息子トゥーリンは彼女の実の兄であることを告げて死んだ。
グラウルングが死んだことで忘却の呪いが解け、全ての記憶を思い出したニエノールは絶望に囚われ、その場に駆け付けたブランディアの制止をまたも振り切り、カベド=エン=アラスの崖から自分を海まで運んでくれるように願いながらテイグリン川へ身を投げた。彼女の願い通り、遺体は発見されなかった。

「さようなら、二重に愛するお方よ! ア トゥーリン トゥランバール トゥルン アンバルタネン、運命によって支配された運命の支配者よ! ああ、死ぬのが仕合せです!」*2

コメント

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  • 死ぬ時の「さようなら、二重に愛するお方よ」の言葉が、かなり可哀想。 -- ひあごん
    • Farewell, O twice beloved! -- wikiから 2010-12-04 (土) 17:08:43
    • 「運命によって支配された運命の支配者よ!」ここは訳文もすばらしい。兄への愛と恨み(運命への?)がこもっている -- 2010-12-04 (土) 18:19:18
  • 『終わらざりし物語』の記述によると、トゥーリンは母親似で彼女は父親似だったらしい。ただし身長はハドル家の出としては小柄だったらしいフーリンよりエルフの男性並みだったらしいニエノールの方がおそらく高い・・・ -- 2010-01-13 (水) 23:35:00
    • フーリンは弟よりも低かったから・・・ -- 2010-01-14 (木) 17:12:44
  • ラライスは「笑い」、ニエノールは「悲しみ(哀悼)」。なんでこんな名前を・・・ -- 2010-12-04 (土) 17:09:58
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*1 終わらざりし物語』の「ナルン・イ・ヒーン・フーリン」では「涙の乙女(Maid of Tears)」と訳される。
*2 シルマリルの物語』「トゥーリン・トゥランバールのこと」記憶が戻ったニエノールがトゥーリンにかけた言葉。

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Last-modified: 2011-05-20 (金) 08:21:14 (2765d)