ドルイニオン

概要

カテゴリー地名
スペルDorwinion
異訳ドルウィニョン、ドルウィニオン

解説

エルフ王(スランドゥイル)の宴でのみ供される葡萄酒の産地として登場する地名。
ここで作られる葡萄酒は非常に強く、酒に強い闇の森エルフですら一度に多く飲むと酔って眠ってしまう。そのため小さな器で少量を飲むのが正しい飲み方とされる。

場所について

原書『The Hobbit』および『The Lord of the Rings』の地図にはこの地がどこにあるかは記されていない。
トールキンが監修し、ポーリン・ベインズ?が製作した中つ国の地図では、ケルドゥイン川の下流、リューンの湖の北西に‘Dorwinion’の名が記されている。邦訳『指輪物語』付属の地図では、これに準拠して同じ場所に「ドルイニオン」の地名が付け加えられている。

しかし『終わらざりし物語』に収録されている、クリストファー・トールキンが製作した改訂版の地図にはドルイニオンの地名は記されていない(現在の英語版ではこちらの地図が使用されている)。

翻訳について

「ドルイニオン」は『指輪物語』付属地図上の表記で、『ホビットの冒険』での表記は「ドルウィニョン」。
ホビット ゆきてかえりし物語』での訳名は「ドルウィニオン」で、他の固有名詞のカナ表記に倣うと、これが最も適当と思われる。

Iron Crown Enterprisesによる設定

ICE設定ではこの地に住む人々は、ドルウィンリムと呼ばれている。

より具体的に、ケルドゥイン川とその支流であるウルドナ?川と挟まれた三角形の土地とされている。
ウルドナはリューンの海の南西にある丘陵地帯ウルドナの脊椎(Uldona spine)を源流とし、ケルドゥインとの合流地点まで北西に向かって流れている。そのため、ドルイニオン全体は東から西に向けて緩やかに傾斜した窪地となっている。

ケレドゥインの下流にあるシュレル=ケイン?(Shrel-Kain)がドルイニオンの首都とされる。この町はリューンの湖に面した最も大きな港で、ドル=リューネン?(Dor Rhunen)と総称される湖周辺の地域から人が多くの人が集まる。

歴史

第一紀400年頃から450年頃にかけて、大規模な民族集団がやってきて、リューンの湖の周辺に住み着いた。彼らは自らをドナス(Donath)と名乗った。ドナスの民のうち、後にドルイニオンと呼ばれるケルドゥインの西の地域に住んでいたのはブロエンドン(the Broendon)とリードン(Rhidons)の二部族だった。彼らはこの土地をフォラ・サレニン(Fola Salenin)と呼んだ

第二紀の十二世紀から十三世紀にかけて、東夷のムルガス(Murgath)の民の一部が、フォラ・サレニンまで逃れてきた。彼らはリューン北東を支配する東夷バラドリム(Baradhrim)の支配から逃れてきた人々で、カルネンの上流に住み、自らを川の民(River People)という意味のGargathと名乗るようになった。

1690年、三人のエント女が、リューンの丘陵に来て、多くの植物を植え始めた。ドナスとガルガスは農業の知識を授けられ、彼女らを大地の乙女(Earth Maiden)と呼んだ。
高地には、多くの種のブドウが植え付けられ、ブロエンドンはブドウを栽培して暮らすようになった。ガルガスは穀物を栽培するようになり、貧しかった二つの民は急激に豊かになった。三つの民の文化はやがて一つになり、川の国(Land of Rivers)を意味するフォルヤヴルド(Folyavuld)という一つの民になった。多くの森や沼が農地に変えられ、活発な交易が行われるようになった。
1735年、ウルドナ川(Uldona River)の下流に、ウルドナヴァン(Uldonavan,ウルドナの町の意)が建設され、ドルイニオンの最初にして最も大きな町へと発展した。川の対岸はバラドリムの支配地だったが、およそ二世紀の間はドルイニオンは守られた。

1887年、国王コルラナ・スズレル(Korlana Szrel)率いるバラドリムの軍勢が川を越えてドルイニオンに攻め込み、征服した。多くの者が奴隷にされ、富はバラドリムに奪われたが、一部の者はウルドナの山々に立てこもって抵抗を続けた。

3434年、ガルガスの首長の息子ドゥロザ・カダル(Droza Kadal)は高地のドルウィンリムの戦士たちを率いて反乱を起こし、カダル家の領地をバラドリムの支配から解放した。反乱はケルドゥインの谷間全体に瞬く間に広がった。バラドリムの軍の多くは、サウロンの配下として最後の同盟と戦うための遠征に出ていたため、反乱に対処できなかった。反乱軍は当初劣勢に立たされたが、ロンドゥ家(Londu)のタルネサス(Tarnesus)らの協力もあり、その年の冬にはバラドリムの要塞イラニン?(Ilanin)が陥落した。

3435年、バラドリムの首都スズレル・アルカサ(Szrel-Arkasa)が陥落し、バラドリムの国は滅亡した。フォルヤヴルドに住む諸部族は同盟を維持し、一つの国として纏まることを決めた。同年の冬、ウルドナヴァンで最初の部族協議が開かれ、ドゥロザは初代頭領(Realm Master)に選出された。

コメント

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  • ここのワインをがぶ飲みして酔っ払うエルフって想像つかないな… -- 2012-12-17 (月) 00:01:38
  • きっと地元では「エルフ王の大好物」とか「一杯でエルフも酔い潰れる強さ(エルフ王を除く)。飲み過ぎ注意!」なんて触れ込み付きでワイン売ってるんだろうなw -- 2013-01-18 (金) 21:08:03
  • 岩波版『ホビットの冒険』ではここのワインはエルフ王しか飲めないとなっているが、英語原文を読むとそうでもないらしい。
    『兵隊や召使い用ではなく、じつに王ひとりの飲みものでしたから、』 原文not meant for his soldiers or his servants, but for the king's feasts only(王の宴でしか出されないとも訳せる)
    『もし、バタいっぱいのバタだるや、王さま用のブドウ酒だるが川に投げこまれて』 原文if the king's full buttertubs and his best wine is pushed into the river(王の一番のワイン。王専用とはいってない)
    つまりドルウィニョンの葡萄酒は、ワイン好きのエルフ王が持っているワインの中でも最上の品で、王の臨席する宴でしか供されない、とも読める -- 2015-05-31 (日) 17:22:19
    • まあどっちの訳でも牢番たちがあそこで勝手に飲むのは違反なんだよな。 -- 2017-07-30 (日) 00:23:28
  • クリストファー・トールキン曰く、あくまで推測だがポーリン・ベインズの地図(教授監修の地図)でドルウィニョンがリューンの湖の近くとされていたことは、父を驚かせたかもしれない、とのこと。つまり、ホビットの冒険の記述を基に、ベインズさんが勝手に書いた可能性があるらしい。 -- 2015-05-31 (日) 17:44:52
    • 交易のしやすさという点から考えると、闇の森まで続く水辺の側と考えるのは打倒でしょうけどね。あとは葡萄の発育に都合の良い季候かどうかですが、そのあたりはどうなんでしょう -- 2015-05-31 (日) 17:48:04
      • 参考としては森の王国の地域ではブドウが育たないthough no vines grew in those parts.とあります -- 2015-05-31 (日) 18:56:41
  • 創作物ではこの辺りの人たちは北国人と東夷の混血で自由の民に近い立場をとっていることにされていることが多い。 実際興味深い土地ではある  -- 2015-06-10 (水) 22:05:32
  • ドルイニオンの邦訳表記ってどこにででくるんでしょうか?ホビットの冒険のドルウィニョン以外で -- 2015-06-10 (水) 22:09:01
    • 『中つ国歴史地図』(琴家草訳、刊行2002年)がドルイニオン表記であるのを確認しました。トールキン自身の著作では『ホビットの冒険』にドルウィニョン(瀬田訳)とあるのが唯一のようですが、原書房版でどのような訳になっているかは当方未確認です。 -- 2015-06-11 (木) 02:03:03
      • 原書房では「ドルウィニオン」で、こちらの方がドルウィニョンやドルイニオンより正確な表記だと思われます。このサイトは瀬田・田中訳が優先だったと思いますが。 -- 2015-06-11 (木) 02:17:25
      • 酷評される原書房版ですが原音に忠実だと、基準に役立つこともあるのですね -- 2015-06-11 (木) 08:22:37
    • あ、『指輪物語』本編付属の地図もドルイニオン表記でした。だとしたらこの項目名もドルイニオンで良かったかもしれませんね -- 2015-06-12 (金) 19:28:52
    • 表記でけっこう、揉めましたね。 日本語は世界で最も発音形態が単純だと言われてますから、翻訳すると原音とかけ離れてしまう事が多々あるそうですから(笑)。 -- 2015-06-15 (月) 10:37:31
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Last-modified: 2018-03-05 (月) 00:57:40 (261d)