アヴァリ

概要

カテゴリー種族
スペルAvari*1

解説

クウェンヤで「応ぜざる者たち(the Unwilling)」、「辞退者たち(the Refusers)」の意。
二つの木の時代ヴァラールの招致を拒み、クイヴィエーネンから西方のアマンへ移住する大いなる旅に出なかったエルフ(クウェンディ)のこと。これに対し、大いなる旅に出たエルフがエルダールである(だが、エルダールのすべてがアマンへ到達したわけではない)。

エルフの中でもヴァラールとの関係が最も小さいため、知識や技量はエルフの中で最も劣る。だがアヴァリは第一紀ヒルドーリエンで目覚めた人間の最初の教師となった。

しかし、伝えられるところによると、間もなくかれら(人間)は、いろいろな場所で暗闇のエルフと出会い、かれらによって助けられることになった。そして人間は、その揺籃期に、ヴァリノールに至る旅路に足を踏み出したこともなく、ヴァラールのことも噂や遠い名前としてしか知ることのない、この古き民の友となり、弟子となった。*2

シルマリルの物語』『ホビットの冒険』『指輪物語』等の物語本編には、アヴァリと明言されている名のあるエルフは登場しない。物語の主な舞台となる中つ国北西部に住みついているエルフはほとんどがエルダールだが、それ以外の土地には多数のアヴァリがいたようである。

中つ国のほかの場所では、長い間平和が続いた。しかし、ベレリアンドの住民が移り住んだところを除き、大部分の地は野蛮で荒れ果てていた。そこにはエルフたちも大勢住んではいた。数えられないほど長い年月の間そこに住みつき、海から遠い広大な土地を自由に放浪して歩いていたのである。しかし、かれらはアヴァリで、かれらにとってベレリアンドの出来事は噂に過ぎず、ヴァリノールに至っては遠い名前に過ぎなかった。*3

Iron Crown Enterprisesによる設定

エルダールが旅立った後の歴史や氏族について、トールキンの残した草稿を基に大きく設定が膨らまされている。

外見
エルダールと比べると小柄で、大半は髪も目も黒いが一部には赤毛や金髪、銀髪がいる。肌の色は青白い、又は黄色がかった者が多いが、氏族や住む地域によっては薄紫色やオリーブ色、黒、赤、茶色い肌の色をした者も見られる。
文化
ヴァラールに師事していないため、知識や技量で劣りエルダールと比べると原始的だった。太陽の光を苦手とし、星々と夜空を愛する。山脈や森林の奥深く、暗い地底での生活を好んでおり、自らの居住地を離れることはめったになく、例外としてネルヤールの民だけが船やボート(これもエルダールのそれと比べると原始的で単純な造りだった)で海を往来する生活をしていた。常命の種族を嫌う傾向にあったが、タトゥヤールの民の一部は東方のドワーフ、特に石足族の友になり、その細工師や石工から技術を学んでいた。また、影の支配下にはならず、トロルオークたちのような闇の種族とは決して友好的な関係にはならなかった。
歴史
エルダールと袂を分かった後、東方に残ったエルフ達はモルウェ(Morwë)とヌルウェ(Nurwë)によって治められ(この設定は草稿の段階で破棄されている)、彼はヒシルディ(Hisildi)と呼ばれる民を構成していた。彼らは太陽の登る以前、星々の下の中つ国の各地を歩き回っていた。星々の時代の後期、彼らの元にテューヴォ(Túvo)という男が現れた。彼は西へ向かった同胞と決別し、引き返してきたただ一人のミンヤール(Minyar)であるとも、モルゴスの弟子となって魔術を学んだが、後に師を裏切りウトゥムノから逃亡してきたとも言われるが、強大な魔法使いであり、その力によってクイヴィエーネンの大瀑布帯を住処とするアヴァリの王となった。その内の一人であるヌーイン(Nuin)は、南方を巡る流浪の途上で、風の山脈(Mountains of the Wind)の山間にあるムルメナルダ(Murmenalda)の隠れ谷に足を踏み入れ、そこで眠っている最初の人間の子供たちを見つけた。かつて目覚めたばかりのエルフ達がモルゴスの手によって連れ去られた事を覚えていたテューヴォは、彼らが同じ目に遭うのを危惧し、エルフが語りかけて人為的に目覚めさせることを禁じた。その後、アヴァリは目覚めた人間達の最初の師となり、世界についての知恵を授けた。しかし、モルゴスやその配下のマイアが彼らの元に現れ、人間エルフの中を引き裂き、自らの陣営に引き込もうと働きかけるようになった。その結果、多くの人間がモルゴスの側に寝返ってしまう。やがてアヴァリとの友情を守り続ける人間にドワーフを含めた陣営と、堕落した人間を含む闇の陣営の間で戦争が勃発。このパリソールの大戦(Battle of Palisor)の後、アヴァリは人間と袂を分かち中つ国の各地へと四散した。テューヴォは自らの民を率いてクイヴィエーネンの地下深い迷宮へと隠れ、ウィンダン(Windan)とペンニ(Penni)という氏族は族長「タレグ(Tareg)」に付き従い西方へ、残りは北方や南方、あるいはさらに東の地へと去って行った。

氏族

The History of Middle-earth』の記述によれば、クイヴィエーネンに住んでいたエルフの最初の氏族をミンヤール(Minyar)、タトゥヤール(Tatyar)、ネルヤール(Nelyar)と言い、西方へと旅立ったミンヤールはヴァンヤールに、タトゥヤールはノルドールに、ネルヤールはテレリになった。ICE設定では東方に残ったエルフたちをまとめてヒシルディ(Hisildi)、「黄昏のエルフ(Twiglight-Elves)」と呼ぶ。うちタトゥヤールはロタリ(Loari)、ネルヤールはエルリニ(Erlini)という氏族を形成した。

タトゥヤール系アヴァリの分類
Hisildi
Tatyarin Avari or Loari
Hwendi (Luindrim)Kwindi (Helcarim)Namarian
HwentiWindanElves of AeganElves of RalianCuind (Fuinar)KindiKinn-Lai
ネルヤール系アヴァリの分類
Hisildi
Nelyarin Avari or Erlini
Pendi
Elves of CímóníemorElves of Taarun and ImaldawathElves of UivenFalasseär or FaledhilHwaninIlorianJaimaniMuri of the Inner SeasPeople of Lôs in Ibav

コメント

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  • このアヴァリ族が後に世界中で作られた小説やゲームに出てくるエルフ達の先祖なのか? -- 2010-07-05 (月) 20:25:11
    • 指輪戦争後も中つ国に残った闇森エルフだけでなく、彼らも現代までおとぎ話等で語り継がれるエルフ妖精の始祖だったとしたら素敵ですねw -- 2013-05-08 (水) 22:23:49
    • と言うより、トールキン教授が紹介する以前からヨーロッパ各地の伝承で語られていたエルフなどの諸妖精がアヴァリの系譜なのかも -- 2016-04-23 (土) 19:04:18
    • 中国の仙人・仙女もアヴァリかもね -- 2016-05-27 (金) 23:13:22
    • アーシェス・ネイ? -- 2016-06-10 (金) 01:31:53
  • ノルドール達が中つ国で最初に見いだしたアヴァリはノルドールと祖を同じくする第二氏族出自のアヴァリだったとされるが、彼らはアマンから来たノルドール達を「自分達を見下している」と嫌ったようだ。シンダールと第三氏族出自のアヴァリはそれなりに仲良くやれたみたいだが… -- 2013-05-07 (火) 16:04:03
    • 未開の野蛮人とノルドール側があからさまに蔑んだからかな? -- 2016-06-11 (土) 03:35:11
      • むくつけき蛮族とか? -- 2016-08-20 (土) 10:56:39
  • 東洋の神仙て彼らなんだろうか・・・・ -- 2015-01-07 (水) 11:10:06
  • 人間たちがベレリアンドに向かったのは、アヴァリ達から西方に向かった仲間の事を教えられたからなのか? -- 2015-10-30 (金) 16:59:31
  • 海外のトールキン関係のwikiでタトゥヤールとネルヤールというエルフの氏族の存在を知ったのですが、アヴァリの氏族でしょうか? -- 2015-11-28 (土) 23:21:51
    • 結論から言うと違う。ノルドールとテレリの古い名前みたい。http://www53.atwiki.jp/homeproject/pages/35.html -- 2015-11-28 (土) 23:39:06
    • HOME 11に載っているようです。最初に目覚めたエルフの第一がイミンでミンヤール=ヴァンヤールの始祖、第二がタタでタトゥヤール=ノルドールの始祖、第三がエネルでネルヤール=テレリの始祖とのこと -- 2015-11-28 (土) 23:46:34
  • アヴァリには悪い奴もいるって本当ですか? -- 2016-04-18 (月) 09:57:13
    • トールキン作中にそういった記述はありません。が、原理的には当然いるだろうと考えられます。ヴァラールの薫陶を受けていないエルフは悪に対する耐性がなく、アヴァリはそれに当てはまること、中つ国はメルコールの悪に汚染された世界であり、アヴァリはどのエルフよりもそこに長居していることからです。 -- 2016-04-18 (月) 21:25:42
    • もう一つ、第三紀の時点でもリューンやハラドにアヴァリはいたんでしょうか? -- 2016-04-18 (月) 23:14:54
      • その点は材料が無いので何とも。リューンにはいたかもしれません、クイヴィエーネンに近いですから。が、アヴァリは次第に西方に進んでいってシルヴァンやナンドールと混じって見分けがつかなくなっていったということなので、東方にはいくらか残留者がいたかもしれませんが、南方にまでさ迷って到達した者達はいたとしても極々少数ではないかと。 -- 2016-04-18 (月) 23:53:32
    • 悪い奴もいるって、エルフはみんな邪悪だよ?善良だなんていつから錯覚してたの?() -- 2016-05-24 (火) 21:00:51
      • 21世紀に生きる未来人の基準に当てはめれば、とんでもない邪悪行為を働いたエルフさんたちがいたことは確かですが、私らの基準に照らしても生涯を通じて善良な行いを行ったエルフさん達が存在したことが信頼できる文献(ISBN-13: 978-4566023826他)に記載されておりますので、上記された主張の「エルフさんたちがみんな「邪悪」だった」と結論づけられるためにはさらなる調査と実証が必要なのではと考えます。方法としては、全エルフさん達の脳(またはそれに類する器官)を何らかの方法でスキャンしてそれらの全てが邪悪だったことを証明するのが良いと思います。続報、お待ち申し上げます。【】[]() -- 2016-05-26 (木) 23:25:31
      • エルフを堕落させてオークを作ったという話もあるしな、別に諸手をあげて賞賛する対象ではない。 -- 2016-05-26 (木) 23:55:42
      • エルフを見て俺も作って見ようと思っていざ作ったら「なんじゃこりゃ!?」な出来の生物になったんじゃなかった? -- 2016-05-27 (金) 02:20:00
      • パクリまくるくせに劣化コピーしか造れない奴だし。 -- 2017-07-15 (土) 19:38:44
      • こいつモルゴスだろ -- 2017-09-13 (水) 00:29:07
      • 起源主張もしますからね。 ノルドールに技術を伝えたのは、儂だと言ってましたし。 -- 2017-09-19 (火) 02:08:07
  • アヴァリって夜行性なのかね? -- 2016-05-09 (月) 23:59:06
    • アヴァリでなくてもエルフは太陽が昇る前に誕生しているのだから、夜行性の特性があってもおかしくはないですねえ。星々の光に比べたら太陽はまぶしすぎそう -- 2016-05-10 (火) 20:29:46
    • 太陽を避け、人知れぬ所にひっそり隠れ住みつづけたアヴァリさんたち、もしかするといつしかワインより美味しい新しい食べ物を見つけ、スリングウェシルさんやガウアホスさんたちとも知り合いになって彼らの技を教えてもらい様々な時代を生き抜いて、B.ストーカーさんの作品に出演したり、ドボチョン一家でキーボード弾いたり、怪物くんたちと昭和・平成の日本で大暴れしたり、子作り励んでダンピールのDさんとかかわいがったりしたかもしれません。 -- 2016-05-27 (金) 22:51:22
  • 知識も技術も劣っていたというのは果たしてどれくらいの水準を想定してるんだろう。原始人レベルなのか、他のエルフと同じ古代~中世の生活レベルなのか -- 2016-05-17 (火) 01:23:40
    • 『終わらざりし物語』によると、エルダールでありながらベレリアンドに到達しなかったシルヴァン・エルフはアヴァリとほとんど変わらない民となったとあるので、シルヴァンと同等かと -- 2016-05-27 (金) 23:58:37
    • アヴァリを描いた絵の中には狩猟・採集民っぽいのもある -- 2016-06-20 (月) 00:28:19
    • ドルーエダインみたいな生活水準かも。 身に着けているのも腰巻くらいで。 -- 2016-06-24 (金) 05:20:30
  • 西洋人の感覚ではどうしても民族ごとの文化とか技術に序列をつけたくなるものなのかな -- 2016-08-07 (日) 01:18:56
    • 華夷思想とかご存知ない? -- 2017-05-10 (水) 08:32:12
    • アジアンも大好きよ -- 2017-05-10 (水) 09:35:30
      • 中国なんて特にそうだよね -- 2017-07-15 (土) 23:54:54
  • 第四紀以降アヴァリ達はどうなったのでしょうね?住む場所が無くなって遅ればせながらアマン行きの船に乗った連中も居たりして? -- 2017-07-15 (土) 00:38:29
    • あるいは人間と紛れて暮らしているとか? -- 2017-07-15 (土) 19:39:38
      • どこの国にも土着の神様とか精霊の伝説が残ってるだろ?それがそうなんだろ。中国の仙人や日本の八百万の神にも一部紛れ込んでるかもな -- 2017-07-15 (土) 22:38:34
    • 中つ国に残ったエルフ達はだんだん薄れて見えなくなり、木々の下や泉の畔を逍遥するだけの存在になるんじゃなかったっけ -- 2017-07-15 (土) 23:11:40
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*1 単数形アヴァール(Avar)
*2 シルマリルの物語』「人間のこと」
*3 『シルマリルの物語』「力の指輪と第三紀のこと」、第二紀中つ国について

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Last-modified: 2017-09-19 (火) 02:08:07 (454d)