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[[ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン]] -神。現代に転生したイルーヴァタール。といいつつ、「ベレンとルーシエン」「アラゴルンとアルウェン」に力を入れるあたり、微笑ましい。 -すばらしい人 -- &new{2008-09-08 (月) 20:53:10}; -唯一神という絶対者を存在させてしまったこと、人間を神の従僕になることでしか繁栄できない矮小な存在にしてしまったことはトールキンの罪だと思う -- &new{2010-11-16 (火) 18:18:10}; --言語という専門知識を通じて「準創造」をなし、ハイ・ファンタジーの大成者となった点は紛れも無く偉大ですが、それで描いた世界観については文化のギャップを感じることもままありますね。 -- &new{2010-11-16 (火) 22:33:12}; --自身の宗教観念を作品に盛り込むのは悪いこととは思えません。あるいは信者である以上、神の存在を前提とした作品をつくるのは当然のことでしょう。トールキンがその思想を作ったのなら罪なのかもしれませんが。 -- &new{2010-12-11 (土) 16:52:27}; --C.S.ルイスの「ナルニア国ものがたり」ではもっと露骨に選民思想、最後の審判、異教徒への侮蔑などの観念が表れていて、子供のころに読んでてもちょっといやな気がしました。しかしそれだけで作品を全否定しようとは思いません。 -- &new{2010-12-11 (土) 16:55:36}; --別に全否定はしてませんよ。それとも常に全面賞賛しないとファンとは言えませんか?先に書いた通りでハイ・ファンタジーの金字塔としては揺ぎ無く前世紀最高と思っています。教授と自身の時代と世相の差も理解してはいますが、一方で教授が作中で貫いていると思われるテーマや作品に対する言動は、明らかに時代を超えて人間全体に普遍的なものと信じて疑っていない部分がある。だから、そこまで主張されるとあれこれ疑問が沸くのです。教授が何を書いていたとしても自由ですが、罵倒でない限り思うことを口にすることもまた自由でしょう。 -- &new{2010-12-11 (土) 21:47:43}; --世界の創造と唯一度の変革(第二期末)、人類の誕生を除けば、「神」を世界の運命に直接干渉させていない事。人間には、アイヌリンダレ=宿命に縛られない「自由」を与えている事。更に、人間の文化に宗教観がさほど強くない事。以上の理由から、その批判は必ずしも当たらないかと。 -- &new{2011-01-10 (月) 13:21:59}; --人間に自由意志を与えていると表面上でつくろってはいますが、結局シルマリルや指輪の世界観は息がつまるような善が勝利を繰り返す物語でしょう。人間に限らずどんな種族も、イルーヴァタールの気に食わなさそうな性質─善でないこと─を見せれば、ほとんどは物語という絶対的な運命の段階で不遇な結末が与えられ、しかもガンダルフとサルマンの例のようにその対比表現はあまりに露骨です。作中の文章にはディストピアのプロパガンダと勘違いしかねない位、イルーヴァタールの秩序に背く者を罵る表現が多く見られます。宗教が実質存在しないというのも、逆説的にイルーヴァタールの過剰なまでの潔癖さを思わせます。逆に人間に本当の自由裁量があるはずならば宗教は確実に生まれますし、現実のように同じ神を信仰してすら、数多くの宗派を持つはずです。 -- &new{2011-01-10 (月) 19:15:42}; ---それなら「お話」を読まなければよろしいのではないでしょうか。 -- &new{2011-01-18 (火) 17:13:41}; ---ええ、ですから自分はトールキンの「お話」よりは世界観を構築した手法を楽しんでいます。残念ながら最終的に頭の中で両極の評価を分離はできても、読む段階ではまず、両方受け止めねばなりません。 -- &new{2011-01-19 (水) 00:12:36}; --さらにイルーヴァタールの直接介入がヌメノールで終わっているというのは誤解です。トールキンの書簡によれば、ガンダルフがドゥリンの禍と相討ちし、白として復活した裏には『「ヴァラールを超えた力」が道筋を変えんとする意図があった』とあります。作中の脈絡を見てもヴァラールにガンダルフの命をとやかくできる権限や力があるように思えません。第三紀最大のクライマックスである指輪戦争にまでイルーヴァタールが出しゃばっていたことは明白でしょう。結果的にもガンダルフの復活は、善悪の拮抗に極めてアンフェアな影響をもたらしています。結局全てはイルーヴァタールの手のひらの中、しかもその中でなくては、善は勝てなかったという、皮肉な要素がこれを筆頭に作中の随所に見られますよ。 -- &new{2011-01-10 (月) 19:16:26}; --あなたが良しとする世界観がトールキンのそれに優越しているという根拠はないでしょうから、やはり所詮は文化や個人の違いによる感性の問題なのでしょう。 私に関して言えば。エルは意に沿わないこと全てに露骨な介在を行っているわけではなく、あくまで全力で努力をしてそれでも報われない者にのみ、最後のチャンスを与える存在であるように読めます。そして悪が自滅の道を辿るのは、与えられたチャンスを自分自身の手で拒む心の弱さ、闇のゆえだと捉えます。したがって、エルの存在と他の種族との関係性や描き方をして「物語が矮小になっている」とする批評、もしくは感想には、私は賛同できませんね。 -- &new{2011-01-18 (火) 17:48:57}; --おっしゃる通り平行線でしょうが、自分は個人的見解を述べているだけなので、それで結構です。ただ、念のためまた言っておきますが、自分はトールキンをファンタジーの手法を確立した作家としてリスペクトした上で意見を言ってます。ましてや自分が別の世界観を提示もしてないのに、自分の考えてるなにがしが優れているなどとは断じて一言も言ってませんし、そんな滅相もない比較など考えてません。その辺ははっきりと邪推ですよ。私は一番最初の「文化のギャップを感じる」ことの理由を述べてきました。あなたが譲らないように、自分もまたあえて言い切るなら、絶対裁かれることの無い創造主の高慢。そしてサウロンやサルマンの数千年、数万年も重ねてきた執念を絶対者の一手で潰した上で、悪は自滅しているだけだと後ろ指を刺す。ましてやイルーヴァタールの善という庇護の上に乗って、それに抗った者を哀れむ姿勢には賛同できません。 -- &new{2011-01-19 (水) 00:14:19}; --ただ、議論に執心して否定的側面ばかり主張してしまったのは反省せざるを得ないので、バランスを取って一つだけ。架空の世界を創造するためのアプローチとして、教授のライフワークたる言語学という骨格が当てはまったことはまさに奇跡。新約聖書の「始めに言葉ありき」の言い得て妙な含蓄については、素直に感服したい。 -- &new{2011-01-19 (水) 00:15:07}; --「トールキンの罪」、非常によくわかります.宮崎駿がケチをつけたくなるのもわからないではない.ただ、フロドとサルマンの最後の対話は、トールキン自身がイルーヴァタールの、すなわち自身の神話世界の絶対性をほんの一瞬否定した、極めて美しい場面のように思われます. -- シェロブ &new{2011-01-28 (金) 22:54:01};