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#author("2020-10-27T17:35:16+09:00;2020-10-27T05:03:59+09:00","","")
-モルドールの北境をなす灰の山脈(Ashen Mountains)については、[[エレド・リスイ]]を参照してください。
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* &ruby(はいいろさんみゃく){灰色山脈}; [#l29c3cc0]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[地名]]|
|~スペル|Grey Mountains|
|~異訳|たそがれ山連山、たそがれ山の山脈|
|~その他の呼び名|エレド・ミスリン(Ered Mithrin)|

** 解説 [#Explanation]

[[シンダール語]]''エレド・ミスリン''の訳。[[ロヴァニオン]]の北限をなし、[[霧ふり山脈]]から[[エレボール]]北方にかけ東西に伸びる山脈。東部には[[ヒースのかれ野]]がある。山脈からは[[闇の森]]に向かって南東に流れる[[森の川]]と、[[グレイリン]]を含む[[アンドゥイン]]の源流が流れ出る。灰色山脈のさらに北には[[北方荒地]]がある。
[[シンダール語]]''エレド・ミスリン''の訳。[[ロヴァニオン]]の北限をなし、[[霧ふり山脈]]から[[エレボール]]北方にかけ東西に伸びる山脈。東部には[[ヒースのかれ野]]がある。山脈からは[[闇の森]]に向かって南東に流れる[[森の川]]と、[[グレイリン]]を含む[[アンドゥイン]]の源流が流れ出る。

第一紀((The Peoples of Middle-earth X. Of Dwarves and Men))、長髭族は[[カザド=ドゥーム]]と[[くろがね連山]]に館を設立し、これらの館の間にある灰色山脈を自分たちの領土内にあると考えた。((一部の人間(主にベレリアンドのハドル家に関係している)は灰色山脈と[[緑森>緑森大森林]]の間に定住し、彼らはモルゴスのオークに対して長髭族と同盟を結んだ。この同盟は、第二紀1697年サウロンがエレギオンを破壊した後に終わった。長髭族はカザド=ドゥームの扉を閉ざした。この間、オークは灰色山脈を支配した。))
この山脈は鉱物資源に富み、特に[[第三紀]]2210年に[[トーリン一世]]が[[エレボール]]より移住してからは[[長鬚族]]の[[ドワーフ]]の本拠地となった。だがこの地は[[龍]]の襲撃を何度か受けており、[[スカサ]]もそのうちの一匹だったが、スカサは[[エオセオド]]の[[フラム]]に退治された。(([[スカサ]]の襲撃と死がいつなのかははっきりしないが、[[フラム]]の父[[フルムガール]]が自らの民[[エオセオド]]を北方へと率いてきたのが1977年という年表の記述を考えると、スカサがフラムに退治されたのは2000年前後と思われる。))
2589年には[[冷血竜]]に襲撃され、当時の長鬚族の王[[ダイン一世]]とその次男[[フロール]]らは死に、ダインの長男[[スロール]]と弟[[ボーリン]]らはエレボールへ、三男[[グロール]]らは[[くろがね連山]]へと、各地に散ることになった。

第三紀((スカサの襲撃と死がいつなのかははっきりしないが、フラムの父フルムガールが自らの民エオセオドを北方へと率いてきたのが1977年という年表の記述を考えると、スカサがフラムに退治されたのは2000年前後と思われる。))、当時灰色山脈に巣食っていた[[大竜スカサ>スカサ]]は、[[エオセオド]]の族長[[フルムガール]]の息子[[フラム]]に退治され、以後この地は長虫の難を免れたということである。フラムは莫大な富を獲得したのであるが、スカサのためこんだ財宝の所有権を主張していたドワーフと確執を生ずるにいたった。フラムはドワーフにびた一文与えようとはせず、代わりにスカサの歯を頸飾りに作ったものを送りつけて侮辱した。このような無礼に対し、ドワーフたちはフラムを討ち果たしたとも伝えられている。((『指輪物語』追補編AⅡエオル王家))
『[[ホビットの冒険]]』中での[[ガンダルフ]]の発言によると、この地の麓には[[ゴブリン]]やホブゴブリン、[[オーク]]がいるという。

第三紀2210年、長鬚族の王[[トーリン一世]]は父[[スライン一世]]が築いた[[はなれ山の王国>山の下の王国#Kingdom]]から、灰色山脈へ移住し本拠地を移した。当時の灰色山脈は資源が豊かであまり開発が進んでおらず、ドゥリンの一族の多くが集っていたからである。

しかしその先の[[荒れ地>ヒースのかれ野]]には龍たちがいた。何年かあと龍たちはふたたび力を得、数を増した。そしてドワーフ達に戦いを仕掛け、彼らの作り上げたものを略奪した。

第三紀2589年には[[冷血竜]]に襲撃され、当時の長鬚族の王[[ダイン一世]]とその次男[[フロール]]らは死に、翌2590年にダインの世継[[スロール]]と父の弟[[ボーリン]]と残った民とともにエレボールへ戻り、三男[[グロール]]は多くの家来を連れて[[くろがね連山]]へと去って行った。((『指輪物語』追補編AⅢドゥリンの一族、では「それからまもなく、ドゥリンの民のほとんどは灰色山脈を捨てて去った」と書かれている。であればその後もごく少数が残っていたとも考えられる。もちろん龍やオークに対する備えは必要だが。))
2770年には[[スマウグ]]が灰色山脈の方面からエレボールへ飛来した。

それとは別に、第三紀2480年頃、オークが[[霧ふり山脈]]に侵入し始め、灰色山脈にも広がる。

『[[ホビットの冒険]]』中での[[ガンダルフ]]の発言によると、この地の麓には[[ゴブリン]]や[[ホブゴブリン>ゴブリン#Explanation]]((『ホビットの冒険』原書のトールキンの序文(岩波版にはない)によると「ゴブリンの大型のものはホブゴブリンと呼ぶ」とある。))
、[[オーク]]がいるという。((7ふしぎな宿り「~その前にたそがれ山の山脈のふもとにかかり、そこにはゴブリンやホブゴブリンのほかに何ともたとえようのない悪いオーク鬼がいて、てごわいことじゃ。」))

しかし、第三紀2941年の[[五軍の合戦]]の後、灰色山脈のオークを含めその数は大幅に減少した。((『ホビットの冒険』18帰りの旅「~北の国にさかえたゴブリンの四分の三がこの日にほろび、山々はそののち長らく平和になった、ということです。」))


***ハラドの灰色山脈 [#gd4ab711]

『[[The Shaping of Middle-earth>The History of Middle-earth/The Shaping of Middle-earth]]』に収録されている、[[灯火の時代]]から[[二つの木の時代]]にかけての[[アルダ]]の地図には、[[中つ国]]の南東部([[ハラド]]の西岸付近)に同名の山脈があるのが確認できる。その後この山脈がどうなったのかは資料がなく不明((『[[「中つ国」歴史地図>「中つ国」歴史地図 トールキン世界のすべて]]』では[[第二紀]]以降も、[[ウンバール]]の南部から始まって、[[ハラド]]の西海岸に沿うように連なっているとしている。))。

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