#author("2017-03-13T01:18:59+09:00","","")
* &ruby(ひ){火};の&ruby(ひげぞく){鬚族}; [#o6c9770f]
** 概要 [#m07de0d1]

|~カテゴリー|[[種族]]|
|~スペル|Firebeards|
|~その他の呼び名||

** 解説 [#y2e0c412]

『[[The Peoples of Middle-earth]]』に記載されている[[ドワーフ]]七氏族の一つ。その父祖は[[青の山脈>エレド・ルイン]]の北部で、同じドワーフの氏族である[[広腰族]]の父祖と共に目覚めたという。

父祖が目覚めた場所を考慮すると、恐らく[[上古]]の時代に[[広腰族]]と共に[[ドルメド]]山の近くに[[ノグロド]]、[[ベレグオスト]]を築き、[[ベレリアンド]]の[[エルフ]]達との交易で繁栄したドワーフと思われる。しかし、この二つの都市がそれぞれどちらの氏族が築いたものなのかは明らかにされていない。
[[ベレリアンド]]が崩壊した後、火の鬚族と[[広腰族]]の生き残りの多くは[[カザド=ドゥーム(モリア)>モリア]]へ移住して[[長鬚族]]と合流したと思われる。『[[追補編]]』では[[トーリンの仲間>トーリンとその仲間]]のうち、[[ビフール]]、[[ボフール]]、[[ボンブール]]の三人はモリアのドワーフの出だが[[ドゥリンの一族]]ではないとされており、この記述に従えば三人は火の鬚族か[[広腰族]]の出身である可能性もある。

**[[Iron Crown Enterprises]]による設定 [#t8d8838c]

火の鬚族に該当する種族としてスラールの一族(Thrár's Folk)とよばれる種族が登場する。

ドゥリンの一族、バヴォールの一族、ドワリンの一族に次ぐ、ドワーフの第四氏族で、ドルメド山の南側に[[ノグロド]]を築いた一族とされる。彼らの父祖の名は冷酷なるスラール(Thrár the Cold)といい、ドワーフとしては並外れた長命を与えられ、[[第一紀]]の大半の期間を通して一族の王であり続けた。

ノグロドのドワーフ達が[[シルマリル]]の輝きに魅了され、[[ナウグラミーア]]を奪おうとして殺された時、僅かに生き残り逃げ戻った者たちは「報酬を渋った[[エルフ]]たちが仲間を殺した」と事実を偏向して王に報告した。これを聞いたスラール王は直ちに軍勢を招集。べレグオストの王ドワリン(Dwálin)の制止も聞かず[[ドリアス]]との戦争を開始した。スラール率いる軍勢はドリアスを蹂躙し、[[マブルング]]をはじめとする多くのエルフを殺害。ナウグラミーアを奪った。その後はノグロドへ凱旋しようとするが、サルン・アスラドで[[べレン]]とその息子[[ディオル]]の率いる[[緑のエルフ]]の待ち伏せに遭い、スラールはべレンによって殺された。

その後、一族の長の地位はスラールの甥スルール(Thrúr)が引き継ぎ、戦禍からの再建に努めたが、間もなくして起こった[[怒りの戦い]]の余波によってノグロドは崩壊。第二紀に入り、スラールの一族の生き残りはエレド・ルインの残存地域に新しい居住地を築いたが、その数も規模も第一紀の頃と比べると非常に小さいものとなった。

**『[[The Lord of the Rings RolePlaying Game]]』の設定 [#v303b589]

火の鬚族という名称自体は使用されていないが、身体的な特徴によって火の鬚族であることが示唆されている氏族が登場する。

:歴史|始祖の名を取って「ウーリの一族」(Úri's Folk)と呼ばれる。[[ノグロド]]は彼らの国とされており、ドワーフの名工[[テルハール]]と[[ガミル・ジラク]]もウーリの家の[[ドワーフ]]とされている。ノグロド滅亡したとき、多くの生存者がこの災いを欲望のために無益な戦争を起こした自分たちへ下された罰と捉えた。そうした者たちは同族に見切りをつけて[[長鬚族]]へと合流し、故国や王家への忠節を捨てきれない者たちは青の山脈の南側に新たな都市を築いた。[[カザド=ドゥーム]]へ移住した一族はその後もドゥリンの一族とは殆ど交わることなく、氏族としての血筋やその独自性を保持し続けた。[[エレド・ルイン]]に留まったグループは[[エリアドール]]南部にも居住し[[エネドワイス]]や[[霧ふり山脈]]南西部の[[褐色人の国]]との交易に従事していたが、第三紀の中頃、リンナルの一族との争いによって王家はモリアへ逃れ、ドゥリンの一族の庇護を受けた。第三紀末、[[スマウグ]]によって[[エレボール]]を滅ぼされ、[[スライン二世]]と[[トーリン二世]]の一党がウーリの同胞を頼り、彼らの助けを得て[[トーリンの館]]などの居住地を築いた。彼らをそこで交易によって力を取り戻し、以後エレボールが再建されるまでの間本拠地とした。ウーリの一族はモリアが奪還されることを強く望んでおり、[[ナンドゥヒリオンの合戦]]でそれが断念された時、多くの者が落胆した。そのため、後年、[[バーリン]]がモリアの再興を試みた際には多くの一族が彼に従いモリアへと入植した。
:性格と外見|火のように赤く巨大な鬚を持つ。気性が激しく容易に怒る性格で、同時に傲慢かつ執念深い。[[サウロン]]は全てのドワーフがウーリの民のように生来持った気性によって破滅への道を辿ることを目論んで[[力の指輪]]を授けた。その目論見はある程度成功したと言えるが、自ら進んでサウロンへ協力した[[シンドリの一族>鉄拳族]]や[[ヴァールの一族>黒巻毛族]]とは違い、ウーリの一族が進んで[[冥王]]の手先になることはなかった。因縁のあった[[エルフ]]とはその後も友好的な関係を築くことはなかったが、[[人間]]とは友好的だった。ドワーフとしては比較的スリムな体系をしていた。
:文化|鬚を銀製の装飾品で飾っている。それらは氏族内における地位の象徴であると同時に、年齢や所属する家系、受けた栄誉などを示しており、王や家長などから授与される。そのため各個人はいずれもそうした鬚に非常な誇りを持っていた。全ドワーフの中で最も優れた武器の鍛え手であり、軍隊と戦士たちは高度に統率され、非常に勇敢なことで知られていた。そのため、長鬚族の庇護を受けて以降は多くの者が戦士階級に属した。
:人物|
|~スペル|~読み|~人物|
|Úri|ウーリ|一族の祖。ノグロドの建設者|
|Dwari|ドワリ|青の山脈に残存した一族の王。リンナルの一族との争いで殺された|
|Kuri|クーリ|ドゥリン一族配下の長。[[灰色山脈]]が[[竜]]の襲撃を受けた際、脱出する民の殿を務め、配下の戦士と共に犠牲となった|

** コメント [#xa0c576d]

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