#author("2019-08-07T22:34:53+09:00","","")
#author("2019-12-30T18:22:32+09:00;2018-08-17T00:44:20+09:00","","")
-暦の月に関しては、[[月(暦)]]を参照してください。
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* &ruby(つき){月}; [#o63939f1]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[天文]]|
|~スペル|Moon|
|~その他の呼び名|イシル(Ithil) &br; イシル(Isil) &br; ラーナ(Rána) &br; 明るく照らすもの(the Sheen) &br; 気紛れなるもの(the Wayward) &br; 月の島(Island of the Moon)|

** 解説 [#Explanation]

[[クウェンヤ]]では[[ヴァンヤール]]がつけたイシル(Isil)、[[ノルドール]]がつけたラーナ((「さまよう者(The Wanderer)」の意。))と呼ばれ、イシルの[[シンダール語]]形である''イシル''(Ithil)の名でよく知られる。

[[二つの木]]が[[モルゴス]]と[[ウンゴリアント]]に害された後、銀の木[[テルペリオン]]が最後に生じさせた銀の花から作られた。
[[ヤヴァンナ]]がその花を摘み取り、[[マンウェ]]が聖め、[[アウレ]]とその一族が作った入れ物に収められた月の島は、[[マイア>マイアール]]の''[[ティリオン>ティリオン(マイア)]]''によって舵が取られることになった。このことは[[ナルシリオン]]という歌に歌われている。
二つの木のうち、テルペリオンの方が[[ラウレリン]]より年長であったのと同様、月は[[太陽]]よりも年長であるとされ、先に準備が整えられて空に昇った。

初め月は[[ヴァルダ(エルベレス)>エルベレス]]によって、[[イルメン]]の低い領域を東西に横切って往復するよう定められた。最初の月は[[ヴァリノール]]から、すなわち西から昇った。そして天空を七度横切り、東の果てにいた時、同じく西から最初の[[太陽]]が昇った。だが月の運行を担う[[ティリオン>ティリオン(マイア)]]は気まぐれで進路と速度が定まらず、太陽を担う[[アリエン]]に接近しすぎて、太陽の光を遮ったり、黒く焼け焦げることがあった。そのためヴァルダは両者の運行を変更し、月は太陽が西に沈んだ後に東から昇り、西に沈んだ後は大地の下を通ってまた東から昇るようにした。
だがティリオンの気まぐれとアリエンに引き寄せられる傾向は変わらず、月の運行が太陽に比べて不規則な状態は現在も続いている。

最初の月が空に昇った頃、[[フィンゴルフィン]]率いる[[ノルドール]]の第二陣が[[ヘルカラクセ]]横断を成し遂げて[[中つ国]]に到達した。
月の出現は中つ国にある[[エルダール]]にとっては大きな喜びとなり、[[ヤヴァンナ]]が眠らせていた中つ国の生き物たちも眠りから覚めた。だが[[モルゴス]]とその配下にとっては大きな恐怖となる驚異だった。
太陽とは違い、月はモルゴスの送り出した翼のある影の精たちによって攻撃を受けたことがあった。だがこれはティリオンにより撃退された。

*** 月の男 [#maninmoon]

イギリスをはじめとしたヨーロッパ圏では、月には''月の男''(Man in the Moon)が住んでいるとする民話が知られており、[[トールキン>ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン]]の著作中でもしばしば言及される。
『[[指輪物語]]』本編においては、[[フロド>フロド・バギンズ]]が[[躍る小馬亭]]で歌った[[滑稽詩>月に住む男 鈍重の巻]]の中に登場する。
『[[仔犬のローヴァーの冒険]]』『[[サンタ・クロースからの手紙]]』といった、トールキンが子供達に語って聞かせた物語においては直接に登場し、白く長いひげを生やした魔法使いとして描かれる。

前述の[[ナルシリオン]]の原稿の中には、天空へ飛び立とうとする月の中に一人の[[エルフ]]が忍び込んだ、という記述があり、関連性が考えられる。

** コメント [#Comment]

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