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* &ruby(あんこくご){暗黒語}; [#jed05455]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[言語]]|
|~スペル|Black Speech|
|~異訳|黒のことば|

** 解説 [#Explanation]

[[第二紀]]の[[暗黒時代]]に[[サウロン]]が配下たちの共通語とするために作ったといわれている言葉。この言語の統一という試みは失敗したが、[[第三紀]]では[[オーク]]の間で暗黒語を由来とする多くの単語が広く使用されるようになった。
サウロンが[[最後の同盟]]に倒された後、古い形の暗黒語を覚えているのは彼以外には[[ナズグール]]だけとなった。だがサウロンが力を盛り返すと再び[[バラド=ドゥーア]]で使用される言葉となり、[[モルドール]]の指揮官たちも使うようになった。また第三紀末に登場した[[オログ=ハイ]]は暗黒語しか言葉を知らなかった。

[[一つの指輪]]には、銘として[[サウロン]]が一つの指輪を完成させた時に口にした詩の一部が暗黒語で[[フェアノール文字]]を使って記されている。フェアノール文字が使われている理由は、[[イシルドゥア]]の推察によると、暗黒語の文字が精細な細工に向かないため。
[[一つの指輪]]には、銘として[[力の指輪の詩]]の一節が暗黒語で[[フェアノール文字]]を使って記されている。フェアノール文字が使われている理由は、[[イシルドゥア]]の推察によると、暗黒語の文字が精細な細工に向かないため。

>アッシュ ナズグ ドゥルバトゥルーク、 アッシュ ナズグ ギムバトゥル、 アッシュ ナズグ スラカトゥルーク、 アグ ブルズム=イシ クリムパトゥル
(Ash nazg durbatulûk, ash nazg gimbatul, ash nazg thrakatulûk agh burzum-ishi krimpatul)
>一つの指輪は、すべてを統べ、一つの指輪は、すべてを見つけ、一つの指輪は、すべてを捕らえて、くらやみのなかにつなぎとめる。
>一つの指輪は、すべてを統べ、一つの指輪は、すべてを見つけ、一つの指輪は、すべてを捕えて、くらやみのなかにつなぎとめる。
(One Ring to rule them all, One Ring to find them, One Ring to bring them all and in the Darkness bind them.)

[[自由の民]]にとって暗黒語の響きは非常に不快であり、イシルドゥアは暗黒語を解さなかったが、一つの指輪に刻まれた言葉の不快な響きだけで、これを[[モルドール]]の言葉と推察している。また特に[[エルフ]]は暗黒語を嫌悪した。
[[自由の民]]にとって暗黒語の響きは非常に不快であり、イシルドゥアは暗黒語を解さなかったが、一つの指輪の銘をその音の不快な響きだけで[[モルドール]]の言葉と推察している。また特に[[エルフ]]は暗黒語を嫌悪した。

>魔法使いの声の変化は胆もつぶれるほどでした。その声はにわかにたけだけしく威圧的になり、石のようにきしみました。高く上った日の上を影がよぎり、一瞬、ポーチも暗くなったように思われました。一座の者はみな身を震わせ、エルフたちは耳にふたをしました。((『[[指輪物語]] [[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「エルロンドの会議」 [[ガンダルフ]]が指輪の銘を発した時の様子))
>魔法使いの声の変化は胆もつぶれるほどでした。その声はにわかにたけだけしく威圧的になり、石のようにきしみました。高く上った日の上を影がよぎり、一瞬、ポーチも暗くなったように思われました。一座の者はみな身を震わせ、エルフたちは耳にふたをしました。((『[[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「エルロンドの会議」 [[ガンダルフ]]が[[一つの指輪]]の銘の言葉を発した時の様子))

*** 単語一覧 [#words]

本編中にはごく断片的にしか登場せず、その全貌は明らかではない。以下が登場する暗黒語の単語の一覧である。[[オーク語]]も参照のこと。

:[[ナズグール]] (Nazgûl)|「指輪の幽鬼」の意。
:[[ルグブルズ]] (Lugbúrz)|[[バラド=ドゥーア]]を指す暗黒語。
:[[ウルク=ハイ]] (Uruk-hai)|「オーク族」の意。
:[[スナガ]] (Snaga)|「奴隷」の意。
:[[オログ=ハイ]] (Olog-hai)|「トロル族」の意。

[[一つの指輪]]の文字以外に纏まった暗黒語の文章としては、[[メリー>メリアドク・ブランディバック]]と[[ピピン>ペレグリン・トゥック]]を捕えた[[オーク]]達の中で、[[バラド=ドゥーア]]のオークが[[アイゼンガルド]]の[[ウルク=ハイ]]を罵ったものがある。意味は不明だが、これはバラド=ドゥーアの兵士たちが使用していた、崩れた暗黒語である。
[[一つの指輪]]の銘以外に纏まった暗黒語の文章としては、[[メリー>メリアドク・ブランディバック]]と[[ピピン>ペレグリン・トゥック]]を捕えた[[オーク]]達の中で、[[バラド=ドゥーア]]のオークが[[アイゼンガルド]]の[[ウルク=ハイ]]を罵ったものがある。意味は不明だが、これはバラド=ドゥーアの兵士たちが使用していた、崩れた暗黒語である。

>[[ウグルク]] ウ バグロンク シャ プシュドゥグ [[サルマン]]=グロブ ブボシュ スカイ &br; (Uglúk u bagronk sha pushdug Saruman-glob búbhosh skai)

また[[オーク語]]で「老人」を意味する''シャーク (sharkû)''も、この崩れた暗黒語の単語である。

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#Lotrmovie]

言語監修のDavid Saloにより、『[[指輪物語]]』では登場しなかった[[力の指輪]]の詩の前半の暗黒語が作られた。

>Shre nazg golugranu kilmi-nudu, Ombi kuzddurbagu gundum-ishi, Nugu gurunkilu bard gurutu, Ash Burz-Durbagu burzum-ishi Daghburz-ishi makha gulshu darulu.
(シュレ ナズグ ゴルグラヌ キルミ=ヌドゥ、 オムビ クズッドゥルバグ グンドゥム=イシ、 ヌグ グルンキル バルド グルトゥ、 アシュ ブルズ=ドゥルバグ ブルズム=イシ ダグブルズ=イシ マハ グルシュ ダルル)
>(Three Rings for the Elven-kings under the sky, Seven for the Dwarf-lords in their halls of stone, Nine for Mortal Men doomed to die, One for the Dark Lord on his dark throne In the Land of Mordor where the Shadows lie.) &br; ([[三つの指輪]]は、空の下なる[[エルフ]]の王に、[[七つの指輪]]は、岩の館の[[ドワーフ]]の君に、[[九つ>九つの指輪]]は、死すべき運命の[[人の子>人間]]に、[[一つ>一つの指輪]]は、暗き御座の[[冥王]]のため、影横たわる[[モルドール]]の国に。)

サウンドトラックでは「アイゼンガルドの戦い」(Treason of Isengard)の題で収録された曲に、詩の一部の'''Ash Burz-Durbagu burzum-ishi Daghburz-ishi makha gulshu darulu'''がコーラスで歌われている。

** 映画『[[ホビット>ホビット(映画)]]』における設定 [#Hobbitmovie]

[[アゾグ]]を中心に、劇中でかなり暗黒語を使用しているが、暗黒語の中でもモルドール語とは別の[[オーク語]]という設定になっている。

[[死人占い師]]が使う暗黒語は、演じる[[ベネディクト・カンバーバッチ]]が、暗黒語をあえて逆から読み、それをさらに反転して再生したものを使用している。

** コメント [#Comment]

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