#author("2017-04-06T18:30:53+09:00","","")
* &ruby(ゆびわ){指輪};の&ruby(なかま){仲間}; [#la99cc7e]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[役職・組織・団体]]|
|~スペル|Fellowship of the Ring, Company of the Ring, the Company, Companions of the Ring|
|~異訳|[[旅の仲間]]、指輪隊|
|~その他の呼び名|九人の徒歩の者、九人の旅人(Nine Walkers)|

** 解説 [#Explanation]
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[[一つの指輪]]を[[滅びの罅裂]]に投じるために[[裂け谷]]を出発した、九人の旅人を指す。

>指輪とともに行く者たちは、戦いや武力の助けをかりてその使命を果たそうと考えてはならぬ。かれらは側面からの援助を受けることなく、自分達だけで敵の本拠に入り込まねばならぬ。 …… その数は少数でなければならぬ。速やかで隠密な行動にこそ、[[そなた>指輪所持者]]の望みは託されるのだから。 ……
>指輪の仲間は九人としよう。[[悪しき九人の乗手ども>ナズグール]]に対し、九人の&ruby(かち){徒歩};の者が行くのだ。((『[[指輪物語]] [[旅の仲間]] 下』「三 指輪、南へ行く」[[エルロンド]]の言葉。なお旧版邦訳ではここは「指輪隊」))

参加者は、[[中つ国]]の[[自由の民]]の代表ということで、[[ホビット]]、[[エルフ]]、[[人間]]、[[ドワーフ]]からそれぞれ[[エルロンド]]によって選ばれた。道をよく知る[[ガンダルフ]]と[[アラゴルン二世]]が一行の統率者を務めた。

*** 指輪の仲間 [#x33b2af0]

-[[フロド・バギンズ]]([[ホビット]]、[[指輪所持者]])
-[[サムワイズ・ギャムジー]](ホビット)
-[[ペレグリン・トゥック(ピピン)>ペレグリン・トゥック]](ホビット)
-[[メリアドク・ブランディバック(メリー)>メリアドク・ブランディバック]](ホビット)
-[[ガンダルフ]]([[魔法使い]])
-[[アラゴルン二世]]([[人間]])
-[[ボロミア]](人間)
-[[レゴラス]]([[エルフ]])
-[[ギムリ]]([[ドワーフ]])

>かれ([[指輪所持者]])以外の者はすべて、途すがらかれを助けるべく、自由意志による道連れとしてかれに同道されよ。留まるもよし、立ち戻ってこられるもよし、あるいは成り行きにまかせ、途中から別の道をとられるのもよかろう。 …… しかしいかなる誓言も義理のしがらみもあなた方をしばってはおらぬから、あなた方は自らの意志に反して遠くまで行くことはない。((同上))

** 指輪の旅 [#yb3558d0]

*** 結成 [#a7902088]

[[エルロンドの会議]]の後、[[エルロンド]]によって選出される。指輪の仲間は[[大いなる年]]([[第三紀]]3018年)の12月25日の夕暮れ、[[裂け谷]]を出発した。

当初、[[滅びの罅裂]]がある[[モルドール]]の[[オロドルイン]]を目指すことが決められていたのは[[指輪所持者]]である[[フロド]]とその従者の[[サム]]だけで、恐らく[[ガンダルフ]]も彼らを助けるためそれに同行するはずだった。
[[アラゴルン>アラゴルン二世]]と[[ボロミア]]は、途中で分かれて[[ゴンドール]]へ凱旋する予定であり、また[[レゴラス]]と[[ギムリ]]の同行が決まっていたのは[[ロヴァニオン]]にある彼らの故郷への帰路と一致するまでで、それ以後は別れることもありえた。
[[メリー]]と[[ピピン]]は当初エルロンドから一行への参加に難色を示されたものの、ガンダルフの口添えもあって同行を許され、二人はあくまでフロドの旅に付き従う決意だった。

一行は翌年([[3018年>大いなる年]])の1月に[[柊郷]]を経て赤角山道から[[霧ふり山脈]]の山越えを図ったものの、[[カラズラス]]の敵意に阻まれる。柊郷で[[クリバイン]]の偵察と[[ワーグ]]の襲撃を受けたことで、一行は敵の目から姿をくらますべく[[モリア]]横断を決行することになった。

*** 離散 [#z61a7884]

だが一行は[[モリア]]で[[オーク]]の襲撃を受け、さらに[[ガンダルフ]]が[[バルログ]]と共に[[ドゥリンの橋]]から墜落したことで統率者を失う。
[[アラゴルン>アラゴルン二世]]が代わって当面の統率を引き受け、無事に[[ロスローリエン]]まで辿り着いたものの、そこから誰が最後までフロドの旅に同行するか、あるいはフロドと指輪がどの道を取るべきか、仲間の中で意見が割れるようになる。

[[ボロミア]]をはじめとした仲間の多くは、比較的安全な[[大河]][[アンドゥイン]]の西岸を通って一旦[[ゴンドール]]へ向かい、同地の援助を受けるのが最善だと主張したが、それでは徒に時を費やすことになり[[サウロン]]の追跡と包囲を受ける懸念があった。隠密と迅速を期するなら大河の東岸から一路[[モルドール]]へ向かうべきであったが、そこにどのような危険が待ち受けているか誰も確言することはできなかった。
統率者となったアラゴルンは[[指輪所持者]]への義務と故国への凱旋とで逡巡し決断を下すことができず、また[[フロド]]は内心では後の道を取るのが正しいと確信しつつも、恐れから決意を固めることができずにいた。

一行は2月16日に[[ロスローリエン]]を出立。[[アンドゥイン]]を[[エルフの小船>小船]]で下り、26日に[[アルゴナス]]を過ぎて[[パルス・ガレン]]に到着したが、依然として意見はまとまらないままであった。
だがそこで[[一つの指輪]]に誘惑されていたボロミアがフロドに襲いかかる事態となる。指輪の魔力が仲間に作用し始めたことを悟ったことで、フロドは単身モルドールへ向かう決意を固め、その決意を察した[[サム]]だけを連れて仲間の許から離脱した。
さらに時を同じくして一行は[[オーク]]に襲撃される。[[ピピン]]と[[メリー]]はオークに連れ去られ、二人を助けようとしたボロミアが命を落とした。
一連の事態を把握したアラゴルンは、[[指輪所持者]]すなわちフロドの運命が自分の手から離れたことを悟り、フロドを追わずにピピンとメリーの救出に向かう決断を下した。仲間を見捨てることを潔しとしなかった[[レゴラス]]と[[ギムリ]]もまた、アラゴルンに従った。

*** 再会と解散 [#dd5ad4ec]

[[指輪所持者]]の任務達成後、生き残った指輪の仲間は[[コルマルレン]]の野で再会する。
彼らは[[エレスサール王>アラゴルン二世]]の戴冠式に参列した後、そのまま王の希望でしばらく[[ゴンドール]]に滞在し、夏至に行われたエレスサール王と[[アルウェン]]妃の結婚式にも参列した。その後[[自由の民]]が各地の故郷へ帰還していくに伴い、指輪の仲間も一人、また一人と道を別れていった。

** 訳について [#ze916d05]

『[[指輪物語]]』の第一部の副題も‘The Fellowship of the Ring’。これは邦訳では『[[旅の仲間]]』と意訳されているが、『[[二つの塔]]』『[[王の帰還]]』と韻を合わせるためと思われる。

言うまでもないが、‘The Fellowship of the Ring’の‘the Ring’(単数)は[[一つの指輪]]のことであり、『[[指輪物語]]』の原題‘The Lord of the Rings’の‘the Rings’(複数)は「全ての[[力の指輪]]」を意味している。

** コメント [#Comment]

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