#author("2016-09-16T14:47:56+09:00","","")
#author("2023-08-03T10:14:56+09:00;2023-04-12T17:48:39+09:00","","")
* 広腰族 [#o17c048f]
** 概要 [#r161f7a3]

|~カテゴリー|[[種族]]|
|~スペル|Broadbeams|
|~その他の呼び名||

** 解説 [#qa5d319e]

『[[The Peoples of Middle-Earth]]』に記載されている[[ドワーフ]]七氏族の一つ。その父祖は[[青の山脈>エレド・ルイン]]の北部で、同じドワーフの氏族である[[火の鬚族]]の父祖と共に目覚めたという。
『[[The Peoples of Middle-earth>The History of Middle-earth/The Peoples of Middle-earth]]』に記載されている[[ドワーフ]]七氏族の一つ(“Broadbeams”の公式訳は存在せず“広腰族”の訳は本サイトによる)。その父祖は[[青の山脈>エレド・ルイン]]の北部で、[[火の鬚族]]の父祖と共に目覚めたという。

父祖が目覚めた場所を考慮すると、恐らく[[上古]]の時代に[[火の鬚族]]と共に[[ドルメド]]山の近くに[[ノグロド]]、[[ベレグオスト]]を築き、[[ベレリアンド]]の[[エルフ]]達との交易で繁栄したドワーフと思われる。しかし、この二つの都市がそれぞれどちらの氏族が築いたものなのかは明らかにされていない。
[[ベレリアンド]]が崩壊した後、広腰族と[[火の鬚族]]の生き残りの多くは[[カザド=ドゥーム(モリア)>モリア]]へ移住して[[長鬚族]]と合流したと思われる。『[[追補編]]』では[[トーリンの仲間>トーリンとその仲間]]のうち、[[ビフール]]、[[ボフール]]、[[ボンブール]]の三人はモリアのドワーフの出だが[[ドゥリンの一族]]ではないとされており、この記述に従えば三人は広腰族か[[火の鬚族]]の出身である可能性もある。
父祖が目覚めた場所を考慮すると、恐らく[[上古]]に[[火の鬚族]]と共に[[ドルメド]]山の近くに[[ノグロド]]、[[ベレグオスト]]を築き、[[ベレリアンド]]の[[エルフ]]との交易で繁栄したドワーフと思われる。しかし、この二つの都市がそれぞれどちらの氏族が築いたものなのかは明らかにされていない。
[[ベレリアンド]]が崩壊した後、広腰族と[[火の鬚族]]の生き残りの多くは[[カザド=ドゥーム(モリア)>モリア]]へ移住して[[長鬚族]]と合流したと思われる。『[[追補編>指輪物語/追補編]]』では[[ビーフール]]、[[ボーフール]]、[[ボンブール]]の三人はモリアのドワーフの出だが[[ドゥリンの一族]]ではないとされており、この記述に従えば三人は広腰族か[[火の鬚族]]の出身である可能性もある。

** 派生作品における設定 [#e4a56433]

***[[Iron Crown Enterprises]]』の設定 [#df97db46]
[[トーリンの仲間>トーリンとその仲間]]のうち、[[ビフール]]、[[ボフール]]、[[ボンブール]]は明確に広腰族の出身であるとされている。
:歴史|始祖の名を取って「ドワーリンの一族」(Dwálin's folk)と呼ばれる。[[ベレグオスト]]は彼らの国とされ、[[グラウルング]]と戦った[[アザガール]]も広腰族となっている。べレグオスト滅亡後は新たな富を求めて[[エリアドール]]北部及び[[フォロドワイス]]に進出し、新たにザラク・ドゥーム(Zarak Dûm)とバラズビザール(Barazbizar)((後の[[カルン・ドゥーム]](Carn Dûm) ))という都市を築くが、それらの都市も[[アングマール]]の勃興と[[アルノール]]の衰亡に伴う戦乱の中で失われ、王家も断絶した。その後は[[長鬚族]]と合流し、[[モリア]]滅亡後は[[エレボール]]や[[くろがね連山]]に向かった。一部は[[エレド・ルイン]]に戻った者たちもおり、[[トーリン二世]]は彼らの力を借りて[[トーリンの館]]を築いた。
:外見|全[[ドワーフ]]の中で最も重く、その多くが肥満している上に大食という悪癖を持っていた。赤ら顔で髪の色は黒や茶色、赤が多い。
:能力|ドワーフの中では比較的温厚で思慮深く、他の種族か自尊心を傷つけられたと感じる事にも容易には怒らない。また、富への執着も少ない。[[ノグロド]]のドワーフ達が[[エルフ]]と戦争を起こした後もエルフの友であり続けた。
:文化|[[火の鬚族]]が優れた武器の鍛え手として知られたのに対し、広腰族は優れた甲冑の鍛え手として知られていた。身分の上下を問わず質素な服装で、外見から見分けるのは難しかった。

***『[[The Lord of the Rings Roleplaying Game]]』の設定 [#of4feba7]
広腰族に該当する氏族として、始祖の名を取って「ドワリンの一族」(Dwálin's folk)と呼ばれる氏族が登場する。

始祖の名を取って「リンナルの一族」(Linnar's Folk)と呼ばれる。[[第三紀]]の終り頃には、その多くが[[くろがね連山]]に居住していた。
ドゥリンの一族、バヴォールの一族、ドワーフの第三氏族で、ドルメド山の北側にべレグオストを築いた一族とされる。彼らの父祖の名はドワリン(Dwálin)といい、ドワーフとしては並外れた長命を与えられ、第一紀の大半の期間を通して一族の王であり続けた。
[[ニルナエス・アルノエディアド]]の時、ドワリンの一族のドワーフ達は、恩義のあった[[マエズロス]]をはじめとする[[ノルドール]]の味方として戦った。この戦いは[[エルフ]]の大敗に終わり、ドワリンの息子の王[[アザグハール]]も討ち死にした。しかし、べレグオストの軍勢は他の軍が敗走する中で踏みとどまって戦い、[[グラウルング]]に手傷を追わせて追い返した。その結果[[自由の民]]は全滅を免れた。
その後もドワリンの一族はエルフの友であり続け、ノグロドのスラールの一族が、[[シルマリル]]と[[ナウグラミール]]を巡り戦争を起こした時も、同胞のドワーフを制止しようとした。しかし、その後に起こった[[怒りの戦い]]の余波によってべレグオストは崩壊。第二紀に入り、一族の生き残りは[[エレド・ルイン]]の残存地域に新しい居住地を築いたが、その数も規模も[[第一紀]]の頃と比べると非常に小さなものとなった。
第二紀、ザグラガソル(Zagragathol)の王子ラーリン(Ralin)は、[[アウレ]]からドワリンに授けられ、その後行方不明になっていた大石鎚(Great Stone Hammer)を見出だし、二人目の鎚の王(Seven Lords of the Stone Hammer)となった。ラーリンの仲間として[[半エルフ]]のバルド、ランダエ・リンヴァイレ(Randae Linvaire)、チィンタ・カリ(Chinta Kari)、[[ウォマウ]]の[[野伏]]タシュ・エナモ(Tash Enamo)が同行し、一行は探索の途上で[[ウンゴリアント]]の末裔エアゴス(Eagoth)や堕落した[[アヴァリ]]の魔術師アルダニエン(Ardanien)、モウルマエルガクス(Mourmaelgax)、ジルドフォス(Jirdfos)を倒した。

***『[[The Lord of the Rings RolePlaying Game]]』の設定 [#of4feba7]

広腰族という名称そのものは使用されていないが、青の山脈で目覚めたドワーフとして「リンナルの一族」(Linnar's Folk)と呼ばれる氏族について言及されており、その身体的特徴が、彼らが広腰族であることを示唆している。

:歴史|[[ベレグオスト]]は彼らの国とされ、[[グラウルング]]と戦った[[アザグハール]]もリンナルの一族となっている。べレグオストの滅亡後も、その王家は青の山脈に留まることを選び、しばらくの間はその地で一族の数が再び増えるのを待った。[[第二紀]]の半ばになり、[[力の指輪]]を受け取った王は新たな富を求めて[[エリアドール]]北部及び[[フォロドワイス]]に進出し、新たな都市バラズビザール(Barazbizar)((後の[[カルン・ドゥーム]](Carn Dûm) ))を築くが、それも[[アングマール]]の勃興と[[アルノール]]の衰亡に伴う戦乱の中で失われ、王家も断絶した。その後は[[長鬚族]]と合流し、[[モリア]]滅亡後はその多くが[[くろがね連山]]に向かった。彼らはその地で鍛冶師となり、殆ど失われていた祖先の甲冑制作の技術を復元し、[[ナーイン二世]]やその息子の[[ダーイン二世]]の軍勢に供した。他にも[[エレド・ルイン]]に戻った者たちもおり、[[ソーリン二世]]は彼らの力を借りて[[ソーリンの館]]を築いた。また、リンナルの一族の[[ビーフール]]、[[ボーフール]]、[[ボンブール]]は[[ソーリンの仲間>ソーリンとその仲間]]に加わり、[[はなれ山>エレボール]]への遠征に参加した。
:外見|全[[ドワーフ]]の中で最も鈍重で、その多くが肥満している。その臀部は他の氏族からはしばしば笑いものにされた。赤ら顔で髪の色は黒や茶色、赤が多い。
:能力|血の気が多く好戦的な[[ウーリの一族>火の鬚族]]とは反対に冷静かつ慎重で、深く物事を熟慮する性格。他の氏族なら矜持を傷つけられ、憤るような事でも容易には怒らず寛大で、富に対する執着も少ない。これは彼らの聡明さと言うよりは忍耐強さに由来する気質で、ドワーフが持つ技術への探究心や愛着によって培われたものである。[[ノグロド]]のドワーフ達が[[エルフ]]と戦争を起こした後もエルフの友であり続けた。
:文化|多くの者が大食という悪癖を持っており、彼らを過度に肥満させる原因となっている。ウーリの一族が優れた武器の鍛え手として知られたのに対し、広腰族は優れた甲冑の鍛え手として知られていた。身分の上下を問わず質素な服装で、外見から見分けるのは難しかった。
:人物|
|~スペル|~読み|~人物|
|Linnar|リンナル|一族の祖。べレグオストの建設者。|
|Narvi|[[ナルヴィ]]|リンナル一族随一の石工。モリアの西門を築いた|
|Bruni|ブルーニ|アングマールの谷にバラズビザールを築く|
|Bor|ボール|リンナル一族最後の王。[[魔王]]の侵略によりカルン=ドゥームが奪われた時に死んだ|


** 『[[ロード・オブ・ザ・リングス オンライン]]』における設定 [#LotRO]

シンダリンで幅広い人々(Broad people)を意味するランドリム(Landorrim )と呼ばれる。
ドワーフとオークの戦争には族長の益荒なるアグニ(Agni the wild)に率いられて参戦し、アザヌルビザールの戦いの後、息子のオヌール(Onúr)が王位を引き継いだ
指輪戦争の終結後は、ソーリン三世の招集に応じ、グンダバドを奪還するための連合軍ガビルァッカ(Gabil'akkâ)に他の三氏族([[Zhélruka>鉄拳族]]、[[Stout-axe]]、[[Narfangoth>火の鬚族]])と共に参加している。

***備考 [#sb9ca6cc]
Beamという単語は西ゲルマン祖語で樹木や木製の梁などを意味するBaumという単語に由来する(ドイツ語ではそのまま木を意味する単語になっている)。
それを踏まえてか、ゲーム内でLandorrimが掲げている旗には枝を大きく広げた木が描かれている。

#include(Include/ドワーフ,notitle)

** コメント [#m8c1ad73]

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