* &ruby(しょうドワーフ){小ドワーフ}; [#j74a2e21]
** 概要 [#tb4e9ed6]
#author("2023-10-28T22:17:18+09:00;2022-10-27T20:50:23+09:00","","")
* &ruby(しょう){小};ドワーフ [#j74a2e21]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|種族|
|~スペル|Petty-dwarf|
|~その他の呼び名|ノイギス・ニビン(Noegyth Nibin)|
|~カテゴリー|[[種族]]|
|~スペル|Petty-dwarves((英語のpettyには卑小など侮蔑的な意味合いも含んでいるので、小ドワーフという日本語訳は漢語の小人(しょうじん)にちなんだものか。))|
|~その他の呼び名|ノエギュス・ニビン、ノイギス・ニビン(Noegyth Nibin) &br; ニビン=ノグリム(Nibin-Nogrim) &br; ニビン=ノイグ(Nibin-Noeg)|

** 解説 [#j238d9ea]
** 解説 [#Explanation]

[[シンダール語]]のノイギス・ニビンの訳(Pettyには卑小などの意味があるので、小ドワーフという日本語訳はやや不適切)。
かつて[[ドワーフ]]の都市から追放されたドワーフ族の事で、[[モルゴス]]の[[中つ国]]帰還より遙か以前に[[ベレリアンド]]に入るが、その頃には身長も技術も退化していた。[[ノグロド]]と[[ベレグオスト]]のドワーフが[[ベレリアンド]]に来る以前は、小ドワーフは[[ベレリアンド]]の[[エルフ]]に駆り立てられ、やがては存在を無視されるようになる。小ドワーフは、[[オーク]]を憎むのに劣らずエルフ、特に[[ノルドール]]を憎んでいた。
[[ナルゴスロンド]]の地が[[フィンロド]]によって発見されるより遙か以前に、そこに住み着いていたが追われ、[[アモン・ルーズ]]を最後の住居としていた。だが、[[ミーム]]、[[イブン]]、[[キーム]]を最後に絶滅した。
[[シンダリン]]の''ノエギュス・ニビン''の訳。『[[終わらざりし物語]]』では、シンダリンの別の呼び名としてニビン=ノグリム、ニビン=ノイグが言及されている。
[[星々の時代]]に「東の大きな都市」から追放された[[ドワーフ]]の末裔。西へ放浪して[[ベレリアンド]]に入ったが、身長も技術も退化していき、隠れ潜んで暮らすようになった。

** コメント [#vf391b5e]
- ・・・なんで追放されたんだ? -- ホビット &new{2008-08-15 (金) 17:04:47};
小ドワーフは自分の一族以外は愛さず、[[オーク]]を憎むのに劣らず[[エルフ]]を、わけても自分たちの家と土地を奪ったという理由で[[ノルドール]]族のエルフを憎んでいた。
かつて[[シンダール]]族のエルフからは動物の一種だと思われており、狩り立てられて殺されることもあった(([[ノグロド]]と[[ベレグオスト]]の[[ドワーフ]]に出会うまで[[ベレリアンド]]の[[エルフ]]はエルフ以外の[[子ら>イルーヴァタールの子ら]]の存在を知らず、自分達以外は鳥獣しかいないと思っていた。『[[The War of the Jewels>The History of Middle-earth/The War of the Jewels]]』によると、当時の小ドワーフは[[シンダリン]]で「二本足の獣」(Two-legged animals)の意味である'''Levain tad-dail'''や、単に'''Tad-dail'''と呼ばれた。))。[[ノグロド]]と[[ベレグオスト]]の[[ドワーフ]]がやって来てエルフと交流を持つようになると、その素性も知られたが、同時に相手にもされなくなった。

#comment
後に[[ナルゴスロンド]]が築かれる洞窟はもともと小ドワーフが開拓し住んでいたものだが、そこを追われた後は[[アモン・ルーズ]]を最後の住居としていた。だが数を減らしてゆき、[[ミーム]]、[[イブン]]、[[キーム]]の親子を最後に[[第一紀]]で絶滅した。

>そしてミームは、ドワーフの年齢からいってももう老齢であった。年を取り、忘れられた存在であった。かれの館では、鍛冶工たちは怠惰で斧は錆び、かれらの名前は、ドリアスとナルゴスロンドの古い物語の中に記憶されているに過ぎなかった。((『[[シルマリルの物語]]』「トゥーリン・トゥランバールのこと」))

*** 文化 [#sa60e8f4]

:[[ヌルッキズディーン>ナルゴスロンド]] (Nulukkizdîn)|後に[[ナルゴスロンド]]となる洞窟を指す小ドワーフの言葉だが、意味は不明。[[フィンロド]]がここを自らの居館に定めて開拓を始めると、先に住んでいた小ドワーフは追い散らされた。

:[[シャルブフンド>アモン・ルーズ]] (Sharbhund)|小ドワーフの言葉で[[アモン・ルーズ]]のことを指すが、意味は不明。頂上付近に小ドワーフの岩屋が穿たれていたが、[[ミーム]]は自らの身代にここを[[ガウアワイス]]に明け渡した([[バル=エン=ダンウェズ]])。

:[[大地のパン]] (earth-bread)|小ドワーフが食糧にしている荒れ地の根くず。小ドワーフの言葉による呼び名もあるようだが、[[ミーム]]は明かさなかった。

**[[Iron Crown Enterprises]]による設定 [#j751ca92]

***外見 [#b7eaa1cf]

ホビットと同じ位の背丈しかないが、頭はそれよりも大きく不格好。姿勢は曲がり、手足は節くれだって捻じれている。わずかばかりの鬚は土や埃、食物の根くずがこびり付いて汚れている。

***歴史 [#occ0a50c]

[[トールキン>ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン]]の資料では語られていない、彼らの起源やその後について語られている。

[[星々の時代>二本の木の時代]]、[[モルゴス]]が解放されるよりも昔、[[トゥムンザハール>ノグロド]]のドワーフたちは内紛に陥った。その発端となったのは、剛拳のブロール(Bror Grimfist)だった。彼の祖父フロールン(Frorn)は、多くの[[恐るべき獣]]を狩った者として名声を得ていた。その戦鎚モルセレグ(Morsereg)は偉大なる戦士の証として、息子のズリム(Zrim)に受け継がれた。ブロールはこれを大いに欲したが、その所有権は叔父の死後、賢者である兄ブローリン(Brorin)に移った。ブロールはブローリンが鎚を受け継ぐ器に相応しくないと、再三に渡って自分に譲るように要求したが、兄は頑なにそれを拒んだ。ブローニンは恨み言を呟き続ける弟を平手打ちにし、頭から流血させた。それを見たブロールは激昂し、兄を殴り殺してしまった。

怒りと悲嘆にくれながら、ブロールは[[ノグロド]]から追放された。妹の子オルン(Orn)、ゾルン(Zorn)、フォーリ(Foli)が彼に付き従った。彼の同志であったキーム(Khim)、ズロール(Zror)、イビール(Ibir)も共に去った。彼らのうちでもっとも哀れなのが、末の姪シースト(Thist)であった。彼らは何か月もの間、住処を求めて荒れ地を彷徨った。そしてある冬の日、[[月]]が西方の地平線から射した日に、[[リングウィル]]川と[[ナログ]]川の合流する地に仮住まいを築いた。それから間もなく、シーストは洞窟の入り口を発見した。内部は大理石や宝石などの壁や柱が複雑に入り組んでおり、住居とするのに最適な壮大な空間が広がっていた。彼らはそこで放浪をやめ、[[ヌルッキズディーン>ナルゴスロンド]]の掘削を始めた。

ブロールの一族はしばらくの間は栄え、噂を聞きつけた他の追放されたドワーフが洞窟に集まるようになった。だが次第に、彼らの元には星の如き瞳を持つ、弓の扱いに長けた背が高い民の噂がもたらされるようになった。[[ベレリアンド]]に進出してきたエルフたちは、小さく醜い彼らを動物の一種と思うだけでなく、こそこそと隠れ潜む姿からオークの仲間かもしれないと警戒心も抱いていた。災いの種を取り除こうと、彼らは手当たり次第に小ドワーフを狩った。ノグロドと[[ベレグオスト]]の正式な使者がエルフの下を訪れると、彼らは過ちに気付いた。だが結局、小ドワーフはヌルッキズディーンを捨てて、より隔絶された[[シャルブフンド>アモン・ルーズ]]の地下に隠れた。何者からも干渉されずただひっそりと静かに暮らすことを望んでいた彼らは数を減らし続け、何処とも無く去って行く者も少なくなかった。

ナルゴスロンドの廃墟で[[フーリン>フーリン(ガルドールの息子)]]と対峙した時、ミームは自身を“わが同族の最後の者”と名乗った。だが実際は彼が小ドワーフの最期の者というわけではなかった。ミームと共にオークに捕らわれ、その後消息不明となった息子のイブンは、父の手引きによって[[バル=エン=ダンウェズ]]が襲撃された時、荒野に身を潜めて難を逃れていた。そして、フーリンがナルゴスロンドに来る直前にミームと決別して去っていた。母方の親族を訪ねたイブンは、[[エリアドール]]に向かい、カメス・ブリン(Cameth Brin 後の[[リュダウル]])で再開した。また、そこから南に旅を続け、後の[[カルドラン]]にあるラスト・ヴォルン(Rast Vorn)に辿りつき、一族の長となった。

生き残った小ドワーフたちは、氏族が反映する陰で細々と命脈を保ち、決して繁栄しなかった。どちらの一族も、[[第一紀]]と同様に貧しく卑しい存在であり続けた。

***出典 [#c0d797aa]

-『Lords of Middle Earth Vol 3』

#include(Include/ドワーフ,notitle)

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