#author("2018-04-28T18:23:35+09:00","","")
* &ruby(つかびと){塚人}; [#h7791e10]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[種族]]|
|~スペル|Barrow-wights|

** 解説 [#Explanation]

[[塚山丘陵]]の古墳に巣くう亡霊。かつて[[アングマール]]との戦いで死んだ、[[アルセダイン]]と[[カルドラン]]の[[ドゥーネダイン]]の成れの果て、または[[アングマール]]と[[ルダウア]]からきた悪霊と思われる。彼らは死体の中に入り、生きているものを塚の中に引きずり込む。その青白い眼光で獲物の体を硬直させ、低い冷たい声で恐怖に満ちた眠りに誘う。手は氷のように冷たい。
[[エルロンド]]によると多くの名で知られているといい、[[ホビット庄]]でもその存在は恐ろしい噂として知られていた。

>冷えよ、手と胸と骨、冷えよ、石の下の眠り。
石のふしどに、もはや覚めるな、日が絶え、月が死ぬ時まで。
黒い風に、星々も死ぬだろう。
その時もなおここの黄金の上に、横たわっておれ。
死んだ海と枯れた陸を、冥王がしろしめす時まで。((『[[指輪物語]] [[旅の仲間]]』「霧の塚山丘陵」))

[[フロド・バギンズ]]達4人の[[ホビット]]は[[トム・ボンバディル]]の家から[[ブリー村]]に向かう途中で[[塚山丘陵]]に迷い込み、塚人に襲われた。
塚人は眠りと霧によって[[ホビット]]達を惑わして古墳におびき寄せ、墓室に横たえて呪いを歌いかけて息の根を止めようとした。しかし間一髪で勇気を取り戻した[[フロド>フロド・バギンズ]]に反撃され、最後には助けにやってきた[[トム・ボンバディル]]の歌によって塚から追い払われた。
その後塚の副葬品からボンバディルによって、[[塚山出土の剣]]が選び出され、ホビット達に与えられた。

『[[終わらざりし物語]]』によると、もともと[[魔王]]が送り込んだ悪霊であり、ホビット達を待ち伏せるためにあらためて呼び起こされたという。

*** “ワイト” [#iee60bec]

元来、塚人の原語であるBarrow-wightのwightは、[[古英語]]で「人間」という意味であり、亡霊を直接示すものではない(barrowは英語で墳丘墓のこと)。だが13~14世紀頃に書かれたアイスランド文学Grettis saga([[WikipediaEN:Grettis saga]])がウィリアム・モリス([[Wikipedia:ウィリアム・モリス]])によって英訳されたとき、作中に登場する亡霊のことがbarrow wightと訳されたのが最初とされている。なお『[[Guide to the Names in The Lord of the Rings]]』で[[トールキン]]は'Barrow-wights'の語は造語で、「塚山に住む生き物」と説明している(('''Creatures dwelling in a 'barrow' (grave-mound)'''))。
『[[指輪物語]]』でもBarrow-wightという言葉が使用されて有名になったことにより、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』などのゲームを中心としたファンタジー作品で“ワイト”は亡霊、アンデッドモンスターとして定義されるようになった。

** コメント [#Comment]

#pcomment(,,noname,,,,reply)