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* &ruby(つかびと){塚人}; [#h7791e10]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[種族]]|
|~スペル|Barrow-wights((barrowは「古墳」「丘」、wightは[[古英語]]で「(不運な、惨めな)人間」の意))|
|~その他の呼び名||

** 解説 [#Explanation]

>冷えよ、手と胸と骨、冷えよ、石の下の眠り。&br;石のふしどに、もはや覚めるな、日が絶え、月が死ぬ時まで。&br;黒い風に、星々も死ぬだろう。&br;その時もなおここの黄金の上に、横たわっておれ。&br;死んだ海と枯れた陸を、冥王がしろしめす時まで。((『[[指輪物語]] [[旅の仲間]] 上』「八 霧の塚山丘陵」))

[[塚山丘陵]]の古墳に巣くう亡霊。かつて[[アングマール]]との戦いで死んだ、[[アルセダイン]]と[[カルドラン]]の[[ドゥーネダイン]]の成れの果て、また[[アングマール]]と[[ルダウア]]の悪霊と思われる。彼らは死体の中に入り、生きているものを塚の中に引きずり込む。その青白い眼光で獲物の体を硬直させ、低い冷たい声で恐怖に満ちた眠りに誘う。手は氷のように冷たい。
[[塚山丘陵]]の古墳に巣くう亡霊。かつて[[アングマール]]との戦いで死んだ、[[アルセダイン]]と[[カルドラン]]の[[ドゥーネダイン]]の成れの果て、または[[アングマール]]と[[ルダウア]]からきた悪霊と思われる。彼らは死体の中に入り、生きているものを塚の中に引きずり込む。その青白い眼光で獲物の体を硬直させ、低い冷たい声で恐怖に満ちた眠りに誘う。手は氷のように冷たい。

塚人は眠りと霧によって[[ホビット]]達を惑わして古墳におびき寄せ、墓室に幽閉して呪いの歌を歌いかけて息の根を止めようとした。しかし間一髪で勇気を取り戻した[[フロド>フロド・バギンズ]]に反撃され、最後には助けにやってきた[[トム・ボンバディル]]によって塚から追い払われた。
その後塚の副葬品からボンバディルによって、[[塚山出土の剣]]が選び出され、フロド達ホビットに与えられた。
[[フロド・バギンズ]]達4人の[[ホビット]]は[[トム・ボンバディル]]の家から[[ブリー村]]に向かう途中で[[塚山丘陵]]に迷い込み、塚人に襲われた。
塚人は眠りと霧によって[[ホビット]]達を惑わして古墳におびき寄せ、墓室に横たえて呪いを歌いかけて息の根を止めようとした。しかし間一髪で勇気を取り戻した[[フロド>フロド・バギンズ]]に反撃され、最後には助けにやってきた[[トム・ボンバディル]]の歌によって塚から追い払われた。
その後塚の副葬品からボンバディルによって、[[塚山出土の剣]]が選び出され、ホビット達に与えられた。

『[[終わらざりし物語]]』の「指輪狩り」のある草稿では、かつて[[魔王]]が[[塚山丘陵]]に送り込んだ者たちとされている。別の草稿ではホビット達を待ち伏せるために魔王自らが塚山丘陵に赴いて呼び起こしたという。
『[[終わらざりし物語]]』によると、もともと[[魔王]]が送り込んだ悪霊であり、ホビット達を待ち伏せるためにあらためて呼び起こされたという。

*** “ワイト” [#iee60bec]

元来、塚人の原語であるBarrow-wightのwightは、[[古英語]]で「(不運な、惨めな)人間」という意味であり、亡霊を直接示すものではない(barrowは英語で古墳、丘などの意)。だが13~14世紀頃に書かれたアイスランド文学Grettis saga([[WikipediaEN:Grettis saga]])がウィリアム・モリス([[Wikipedia:ウィリアム・モリス]])によって英訳されたとき、作中に登場する亡霊のことがbarrow wightと訳されたのが最初とされている。その後『[[指輪物語]]』でもBarrow-wightという言葉が使用されて有名になったことにより、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』などのゲームを中心とした作品で“ワイト”が亡霊、アンデッドモンスターとして定義されるようになった。

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