#author("2017-09-10T02:36:36+09:00","","")
#author("2023-10-30T22:36:47+09:00;2021-09-12T13:42:54+09:00","","")
* 堅鬚族 [#vfe69276]
** 概要 [#ce1d1132]

|~カテゴリー|[[種族]]|
|~スペル|Stiffbeards|
|~その他の呼び名||

** 解説 [#ccf65360]

『[[The Peoples of Middle-earth]]』に記載されている[[ドワーフ]]七氏族の一つ。その父祖は同じドワーフの氏族である[[鉄拳族]]の父祖とともに、東方の地で目覚めたという。
『[[The Peoples of Middle-earth>The History of Middle-earth/The Peoples of Middle-earth]]』に記載されている[[ドワーフ]]七氏族の一つ(“Stiffbeards”の公式訳は存在せず“堅鬚族”の訳は本サイトによる)。その父祖は[[鉄拳族]]の父祖とともに、東方の地で目覚めたという。

[[第三紀]]2790年に[[ドゥリン一族]]の王[[スロール]]が殺され、その死体が辱められた時、全ドワーフがその仕打ちに怒り、[[スライン二世]]の下に軍勢が集結したとあり、堅鬚族もスライン二世の要請に応じて[[ドワーフとオークの戦争>ナンドゥヒリオンの合戦]]に加勢したようである。
[[第三紀]]2790年に[[ドゥリン一族]]の王[[スロール]]が殺され、その死体が辱められた時、全ドワーフがその仕打ちに怒り、[[スラーイン二世]]の下に軍勢が集結したとあり、堅鬚族もスラーイン二世の要請に応じて[[ドワーフとオークの戦争>ナンドゥヒリオンの合戦]]に加勢したようである。

** 派生作品における設定 [#e4a56433]

*** 『[[Iron Crown Enterprises]]』の設定 [#df97db46]
** 『[[Iron Crown Enterprises]]』の設定 [#df97db46]
ナウグリムの第二氏族として、バーヴォールの一族(Bávor's tribe)が登場する。HoMEが出版され、長鬚族以外の氏族の名前が判明するよりも以前に作られた設定のため、本来の堅鬚族の来歴とは多少の差異がある。
最初にドゥリンの一族から分かれたドワーフで、南の地へ赴き、[[黄の山脈]](エレド・ララノール)に最初の居住地マブラド=ドゥーム(Mablad-dum)を築いた。だがその後、一族の間で内紛が起こり、バーヴォールが殺害され、一族は3つの家系に分裂した。
バーヴォールの次男ナール(Nar)に率いられた集団は山脈に沿って東に向かい、ハラドの東端の山トゥール=ベタルク(Tur Betark)にナラド=ドゥーム(Narad-Dum)を築き、麓の土地シライン(Sîrayn)に住む人間の諸都市との交易で栄えた。また、第三紀の中頃にはバルジマブール(Baruzimabûl)という都市を築き、この国は南方の人間たちに黒き炎(Blackflame)という名で呼ばれた。
別の一派は山脈に沿って南西のタニ=ハザド(Thâni-Hazâd)に移住し、その地を植民地化していたヌーメノール人との交易を行うようになった。
また、僅かだが山脈の南側のアルドール(Ardor)に住み着いた者たちもいた。
また、僅かだが山脈の南側のアルドル(Ardor)に住み着いた者たちもいた。


***『[[The Lord of the Rings RolePlaying Game]]』の設定 [#of4feba7]
**『[[The Lord of the Rings RolePlaying Game]]』の設定 [#of4feba7]

堅鬚族という名称が直接登場する事はないが、身体的特徴が堅鬚族という名称に合致する氏族について言及されている。

:歴史|始祖の名をとってスーリンの一族(Thulin's Folk)と呼ばれている。[[中つ国]]の極北の地に住んでおり、氷のドワーフ(Ice-Dwarves)、雪のドワーフ(Snow-Dwarves)などとも呼ばれている。
[[中つ国]]の中央部にある山脈Spine of Ardaにあるケレドキズディン(Kheledkhizdin)(([[クズドゥル]]で「鏡の間」(Mirror Halls)の意味))で目覚めた後、極北の地にある氷の山キビル=タラグ(Kibil-tarag)の麓の荒れ果てた原野に都市を築いた。この地は中つ国から切り離され、氷河によって地続きになっているに過ぎなかったが、彼らは長年、寒さに耐えてしぶとく生き続けた。しかし、第三紀の中頃、[[ドラゴン>龍]]との戦争によって、彼らの生き方は一変する。竜を呼び起こしてしまった事で多くの者が命を落とした。また、生き残った人々は散り散りになり、安全に暮らせる場所を求めて、長い年月を[[モルゴス]]の国の痕跡が残存し、竜が数多く生息する北方の地を放浪して過ごした。しかし、それでも他の氏族と違い、彼らは自らの故郷であるその地を離れることを頑なに拒み続けた。
やがて、スーリンの民は狩猟や刀鍛冶に従事し、近隣に住む[[ロスソス]]と物々交換を行い生活するようになった。だが生活が安定してしばらくすると、一部の者たちの中に竜への復讐心が芽生える。彼らの軍勢は度々、キビル=タラグの本拠地を奪回しようと試みたが、いずれも失敗に終わった。そこで彼らは戦略を転換、氷の荒野に隠れて罠を張り、棲み処から這い出てきた竜を待ち伏せして迎え撃つようになった。それ以降、多くの者が「竜殺し(Dragon Slayers)」と呼ばれる狩人となり、間もなくスーリンの民全体が竜狩りを生業とする者たちとして知られるようになった。
[[中つ国]]の中央部にある山脈Spine of Ardaにあるケレドキズディン(Kheledkhizdin)(([[クズドゥル]]で「鏡の間」(Mirror Halls)の意味))で目覚めた後、極北の地にある氷の山キビル=タラグ(Kibil-tarag)の麓の荒れ果てた原野に都市を築いた。この地は中つ国から切り離され、氷河によって地続きになっているに過ぎなかったが、彼らは長年、寒さに耐えてしぶとく生き続けた。しかし第三紀の中頃、[[龍]]との戦争によって彼らの生き方は一変する。龍を呼び起こしてしまった事で多くの者が命を落とした。また生き残った人々は散り散りになり、安全に暮らせる場所を求めて、長い年月を[[モルゴス]]の国の痕跡が残存し、龍が数多く生息する北方の地を放浪して過ごした。しかし、それでも他の氏族と違い、彼らは自らの故郷であるその地を離れることを頑なに拒み続けた。
やがて、スーリンの民は狩猟や刀鍛冶に従事し、近隣に住む[[ロッソス]]と物々交換を行い生活するようになった。だが生活が安定してしばらくすると、一部の者たちの中に竜への復讐心が芽生える。彼らの軍勢は度々、キビル=タラグの本拠地を奪回しようと試みたが、いずれも失敗に終わった。そこで彼らは戦略を転換、氷の荒野に隠れて罠を張り、棲み処から這い出てきた竜を待ち伏せして迎え撃つようになった。それ以降、多くの者が「竜殺し(Dragon Slayers)」と呼ばれる狩人となり、間もなくスーリンの民全体が竜狩りを生業とする者たちとして知られるようになった。
:外見|ドワーフの中で最も背が高く、体格も細い。肌の色は青白く、鬚は堅く針のように刺々しい。ドワーフの同胞からは、厳しい寒さによって鬚が堅くなっていると言われる。
:文化|他のドワーフの氏族よりも貧しく、極めて質素で禁欲的な生活をしている。また、同族のドワーフとは殆ど接触せず、[[フォロヘル]]や[[ロスソス]]の民と限られた範囲内で親しい関係を持っている。毛皮で造った衣服を纏い、凍傷を防ぐために貴金属の類は殆ど身に着けない。装飾品は専ら骨や木を削って作り、腱の紐に通している。
:文化|他のドワーフの氏族よりも貧しく、極めて質素で禁欲的な生活をしている。また、同族のドワーフとは殆ど接触せず、[[フォロヒェル]]や[[ロッソス]]の民と限られた範囲内で親しい関係を持っている。毛皮で造った衣服を纏い、凍傷を防ぐために貴金属の類は殆ど身に着けない。装飾品は専ら骨や木を削って作り、腱の紐に通している。
竜殺し達は竜を殺すために有効な武器を多数編み出している。中でも槍が主要とされており、竜の骨を削り造った穂先には呪文を刻んでいる。また、竜を混乱、幻惑させる歌や音を知っており、それらを声に出す訓練を幼少より行い習得する。この声が彼らの最大の武器とされ、これを聞いた竜の多くは陶酔や混乱に陥り、その場で身動きが取れなくなるという。
狩人の多くは独身者か寡夫だが、家族がいる場合は、息子がその名を引き継ぐこと、家族が子供を成人に達するまで養育することなど、狩人と一族の間で宣誓を行う掟が存在する。そのため、狩人の妻子は夫の不在の間、庇護を受けることができた。
:住居|[[フォロドワイス]]かそれよりも北の地に住んでいる。特定の住居を持たずに放浪する者も多い。この地は凍てついた大地が広がり、大半の時期を通じて暗闇に覆われ、絶えず強風が吹き付けているが、彼ら以外にも自由の民が山間やツンドラの森や海岸に住んでおり、危険と隣り合わせの生活を営んでいる。
:言語|主に[[ロスソス]]の言語を使う。竜と接触した際には名前を問われることもあるが、真の名は明かさず、あだ名を名乗る。外向きの名前にもロスソスの名前を使用するが、個人名は持たず、集団で一つの同じ名前を共有していることが多い。しかし、ロスソスは一度に一人以上のドワーフと接触することは少ないため混乱することはない。
:言語|主に[[ロッソス]]の言語を使う。竜と接触した際には名前を問われることもあるが、真の名は明かさず、あだ名を名乗る。外向きの名前にもロッソスの名前を使用するが、個人名は持たず、集団で一つの同じ名前を共有していることが多い。しかし、ロッソスは一度に一人以上のドワーフと接触することは少ないため混乱することはない。
西方のドワーフとは違い、ルーン文字を使用することはなく、代わりにフェラクメク(felakmêk)と呼ばれる象形文字を使用している。
:人物|
|~スペル|~読み|~詳細|
|Thulin(Vanha Isa)|スーリン(ヴァンハ・イサー)|一族の始祖。キビル=タラグを築き、フェラクメクを考案した。|
|Riimukasi|(リームカーシ)|[[七つの指輪]]の一つを受け取った王。|
|Thulin(Vanha Isa)|スーリン(ヴァンハ・イサー)|一族の始祖。キビル=タラグを築き、フェラクメクを考案した。|
|Riimukasi|(リームカーシ)|[[七つの指輪]]の一つを受け取った王。|
|Jaasima|ジャーシマ|スーリン家最後の王。キビル=タラグを守り戦ったが、[[力の指輪]]諸共、竜に食われて死んだ。|
|Surmataja|スアマタジャ|最初に殺戮者の誓いを立てたドワーフ。12匹の長虫を殺したとされる。|

** 『[[ロード・オブ・ザ・リングス オンライン]]』における設定 [#LotRO]

ドラサの一族(Drása's Folk)、カンブラダ(Kámbrada)、堅斧族(Stout-axes)など複数の名がある。Stout-axeは『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』で独立した種族としてプレイヤーが選択可能になっている。

***Kámbrada [#yf5c6497]
Drásaの一族とも呼ばれる。東方の山脈[[エレド・ケルニン(Ered Cernin)>オロカルニ]]に住んでいた。隣接した地に住んでいた別の氏族ゼウルカ(Zhélruka)とは対立していた。
第二紀にはサウロンからドワーフの七つの指輪の一つであるマンスリフ(Manthríf)を与えられた。サウロンは後に彼らに指輪の返還を要求したがドワーフたちはそれを拒絶し、冥王は彼らの家を破壊し力ずくで指輪を奪い返した。多くの人々は殺害され、残った人々は奴隷としてモルドールに連れて行かれた。

霧ふり山脈で行われたドワーフとオークの戦争では、ウスク王(Usk)に率いられて参戦した。アザヌルビザールの戦いで王は命を落とし、息子であるウグン(Ugún)が王位を継いだ。

***[[Stout-axes>Stout-axe]] [#l90041b4]
モルドールの奴隷となったKámbradaは一族の歴史と文化の多くを抹消され、自らをキルヴィサ(Khirvísa)、共通語でStout-axesと名乗るようになった。指輪戦争の時点でStout-axesは要塞ルガシュ(Lûghash)の城主である[[黒きヌーメノーレアン]]ゾレス(Zôreth)の監督下に置かれた。また彼らの主君のヴァスクムン灰歯王(Váskmun Greytooth)は[[バラド=ドゥール]]に投獄され、再びManthrífを嵌められその奴隷となった。

戦争が終わり塔から解放された後、Váskmunは指輪を取り戻そうと、民を率いて[[ゴルゴロス]]の地下に広がるモルダスの深淵(The Abyss of Mordath)に向かった。この行動に反対した者は追放されるか殺された。追放された人々のうちスパコルス(Spakorth)に率いられた一団は[[ギムリ]]の協力で[[エレボール]]に避難し、Váskmunに追従した残りの人々は火角族(Firehorns)と呼ばれるようになった。

***備考 [#iff094f7]
Kamという音節はスラヴ系の諸言語において石を意味する言葉に多く用いられている(旧ユーゴスラヴィア諸国、ロシア語のkamenなど)。また、バルト・フィン諸語における堅い(stiff)を意味する言葉にも類似している(エストニア語のkange、フィンランド語のkankeaなど)。さらに、ゲルマン祖語で櫛状の物を意味するkambazやそこから派生した北欧の諸言語にも類似している(古ノルド語のkambr、ノルド語のkam、アイスランド語のkamnurなど)。

一方、Bradaは南スラヴ語で髭を意味する他、バルト語にも同じ意味の似た単語がある(ラトビア語のbārda、リトアニア語のbarzdaなど)。

したがって、Kámbradaという名称は石の鬚ないしは櫛状の鬚を意味するスラヴ語を[[クズドゥル]]風にもじったものであると推察される。また、Kámbradaと隣接した地に住んでいたというZhélrukaは鉄拳族である事が示唆されているため、鉄拳族と共に目覚めたと草稿に記述のある堅鬚族がKámbradaである事が分かる。

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** コメント [#k99963e7]

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