#author("2022-10-26T16:18:09+09:00;2022-09-05T23:15:37+09:00","","")
* &ruby(はん){半};エルフ [#df87924e]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[種族]]|
|~スペル|Half-elven|
|~スペル|Half-elven, Halfelven|
|~その他の呼び名|ペレジル(Peredhil)((単数形ペレゼル(Peredhel) ))|

** 解説 [#Explanation]

[[シンダール語]]''ペレジル''の訳語。[[エルフ]]と[[人間]]の間に生まれ、そのいずれの種族に属するかの選択を[[ヴァラール]]より与えられた者達。[[エアレンディル>エアレンディル(トゥオルの息子)]]、[[エルウィング]]、[[エルロンド]]、[[エルロス]]の親子4人を指す。エルロンドの子供達である[[エルラダン]]、[[エルロヒア]]、[[アルウェン]]もこれに準じるものとして扱われることがある。
かれら半エルフは、エルフの三氏族([[ヴァンヤール]]、[[ノルドール]]、[[テレリ]])および人間の[[エダイン]]三家([[ベオルの族]]、[[ハレスの族]]、[[ハドルの族]])の血を全て引いており、さらに[[メリアン]]を通じて[[マイアール]]の血をも受け継いでいた。
[[シンダリン]]''ペレジル''の訳語。[[エルフ]]と[[人間]]の間に生まれ、そのいずれの種族に属するかの選択を[[ヴァラール]]より与えられた者達。[[エアレンディル>エアレンディル(トゥオルの息子)]]、[[エルウィング]]、[[エルロンド]]、[[エルロス]]の親子4人を指す。エルロンドの子供達である[[エルラダン]]、[[エルロヒル]]、[[アルウェン]]もこれに準じるものとして扱われることがある。

かれらは、エルフの[[エルダール]]三氏族([[ヴァンヤール]]、[[ノルドール]]、[[テレリ]])の王家および人間の[[エダイン]]三家([[ベオル家>ベオルの族]]、[[ハレス家>ハレスの族]]、[[ハドル家>ハドルの族]])の血を全て引いており、さらに[[メリアン]]を通じて[[マイアール]]の血をも受け継いでいた。
[[第二紀]]以降は、エルロンドとエルロスの中にのみ、[[第一紀]]におけるエダインの英雄的な首長たちの血脈が保たれていた。[[ギル=ガラド]]の没後は[[上のエルフ]]の王たちの血筋も、中つ国ではただこの2人の子孫たちによってのみ継承された。

[[第三紀]]の[[中つ国]]が舞台の『[[ホビットの冒険]]』『[[指輪物語]]』では、もっぱらエルロンドの別称として使われている。

*** 歴史 [#history]

[[エアレンディル>エアレンディル(トゥオルの息子)]]と[[エルウィング]]は[[シルマリル]]の光に助けられて[[惑わしの島々]]を突破し、[[アマン]]に到達して[[自由の民]]の窮状を[[ヴァラール]]に訴えかけた。
アマンの地に足をつけることは、定命の者には許されていないことであった。そのため[[マンドス]]は二人の罪を糾弾しようとしたが、[[ウルモ]]は二人を弁護し、[[エルフ]]と[[人間]]の血を等しく引くかれらは定命の者とは言い切れないと指摘する。そこで[[マンウェ]]は、二人が[[中つ国]]の民のために危険を承知でアマンに上陸したことを重視して、かれらに[[エルフ]]と[[人間]]いずれの種族に属する者として裁かれたいか選択を与えることにした。いずれの種族に属するかという選択は、中つ国に留まっていた二人の息子たちにも与えられた。
[[エアレンディル>エアレンディル(トゥオルの息子)]]と[[エルウィング]]は[[シルマリル]]の光に助けられて[[ヴァリノール隠し>ヌルタレ・ヴァリノーレヴァ]]を突破し、[[アマン]]に到達して[[自由の民]]の窮状を[[ヴァラール]]に訴えかけた。
アマンの地に足をつけることは、定命の者には許されていないことであった。そのため[[マンドス]]は二人の罪を糾弾しようとしたが、[[ウルモ]]は二人を弁護し、[[エルフ]]と[[人間]]の血を等しく引くかれらは定命の者とは言い切れないと指摘する。そこで[[マンウェ]]は、二人が[[中つ国]]の民のために危険を承知でアマンに上陸したことを重視して、かれらに[[エルフ]]と[[人間]]いずれの種族に属する者として裁かれたいか選択を与えることにした。いずれの種族に属するかという選択は、中つ国に留まっていた二人の息子[[エルロンド]]と[[エルロス]]にも与えられた。

エルフの運命を選べば[[世界が終わる>ダゴール・ダゴラス]]まで世界の圏内に留まり続けることになり、人間の運命を選べばやがて世界の圏外へと旅立ってゆくことになる。このため、運命の選択は一方の種族に永遠に迎え入れられることを意味すると同時に、もう一方の種族の許には永遠に戻れなくなることを意味していた。
エルフの運命を選べば[[世界の終末>ダゴール・ダゴラス]]まで[[世界の圏内>世界の圏]]に留まり続けることになり、人間の運命を選べばやがて[[世界の圏外へ旅立つ>死すべき運命]]ことになる。このため、運命の選択は一方の種族の許に永遠に迎え入れられることを意味すると同時に、もう一方の種族の許には永遠に戻れなくなることを意味していた。

エルウィングはエルフの運命を選び、選択を妻に委ねたエアレンディルもエルフの運命となった。このため二人はアマンに足を踏み入れたまま、同胞の留まる中つ国の地には二度と戻らなかった。
かれらの息子である[[エルロンド]]もエルフの運命を選ぶ。エルロンドは[[第二紀]]以後も中つ国に残留した[[エルダール]]の間で暮らし、かれらと運命を共にした。
だが、もう一人の息子であるエルロスは人間の運命を選んだ。エルロスは[[怒りの戦い]]を生き残った[[エダイン]]を率い、[[エアレンディルの星]]に導かれてヴァラールからの賜物の地である[[エレンナ大島(ヌーメノールの島)>ヌーメノール]]に到着し、[[ヌーメノール人(ドゥーネダイン)>ドゥーネダイン]]の最初の王となった([[エルロス・タル=ミンヤトゥア>エルロス]])。エルロスは500歳まで生き、人間として死んだ。エルロスの子孫も皆人間であった。
だが、もう一人の息子である[[エルロス]]は人間の運命を選んだ。エルロスは[[怒りの戦い]]を生き残った[[エダイン]]を率い、[[エアレンディルの星]]に導かれてヴァラールからの賜物の地である[[ヌーメノール]]に到着し、[[ヌーメノール人(ドゥーネダイン)>ドゥーネダイン]]の最初の王となった([[エルロス・タル=ミンヤトゥル>エルロス]])。エルロスは500歳まで生き、人間として死んだ。エルロスの子孫も皆人間であった。

エルロンドの子供たちには、また違った運命と選択が与えられていた。かれらはエルロンドが中つ国に留まっている限りは、エルフの運命に準じていた。しかしエルロンドが[[西方>アマン]]へ去る時、自らは中つ国に留まり続けることを選べば、人間の運命に組み込まれることになっていた。
エルロンドの子供たちには、また違った運命と選択が与えられていた。かれらはエルロンドが中つ国に留まっている限りは、エルフの運命に準じていた。そしてエルロンドがアマンへ去る時に同行すれば、そのままエルフとしてアマンで生き続けることになる。しかし父に同行せず中つ国に留まり続けることを選べば、人間の運命に組み込まれることになっていた。

かくして、エルフと[[アイヌア]]の血はドゥーネダイン王朝の中に脈々と受け継がれ、その遠い末裔である[[アラゴルン二世]]と、エルロンドの娘[[アルウェン]]の結婚によって、後の世の人間達の内にも伝えられていくこととなった。
かくして、[[エルフ]]と[[アイヌル]]の血はドゥーネダイン王朝の中に脈々と受け継がれ、その遠い末裔である[[アラゴルン二世]]と、エルロンドの娘[[アルウェン]]の結婚によって、後の世の人間達の内にも伝えられていくこととなった。

*** その他の混血例 [#other]

[[ベレン>ベレン(バラヒアの息子)]]と[[ルーシエン]]の息子[[ディオル>ディオル(ベレンの息子)]]は、[[シンゴル]]の跡継ぎとなったためもあり、半エルフとは呼ばれていない。[[イムラゾール]]と[[ミスレルラス]]のように、他にも人間とエルフの血が交わった例はあるが、彼らの子孫も半エルフとは呼ばれていない。
[[ベレン>ベレン(バラヒルの息子)]]と[[ルーシエン]]の息子[[ディオル>ディオル(ベレンの息子)]]は、[[シンゴル]]の跡継ぎとなったためもあり、半エルフとは呼ばれていない。[[イムラゾール]]と[[ミスレルラス]]のように、他にも人間とエルフの血が交わった例はあるが、彼らの子孫も半エルフとは呼ばれていない。
かれらの運命がどのように定められていたのかは不明。

** コメント [#Comment]

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