#author("2017-01-05T21:38:08+09:00","","")
#author("2017-02-22T03:56:44+09:00","","")
* ワーグ [#f6b82e06]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[種族]]・[[動物]]|
|~スペル|Wargs|
|~異訳|&ruby(ワーグ){魔狼};、アクマイヌ、キチガイイヌ|
|~その他の呼び名|狼 (wolves)|
|~異訳|&ruby(ワーグ){魔狼};((『[[指輪物語]]』での異訳)) &br; キチガイイヌ、アクマイヌ(([[岩波書店]]版『[[ホビットの冒険]]』での訳。当初は「キチガイイヌ」と訳されたが、後に「アクマイヌ」に改訂された。))|
|~その他の呼び名||

** 解説 [#Explanation]

狼の一種。通常の狼よりはるかに高い知性を持ち、吠え声からなる原始的な言語で同族間においてや他種族との意思疎通をはかることができる。[[オーク]]と共に行動することが多く、オークを背中に乗せて走ることもある(狼乗り)。
[[第一紀]]の歴史に登場した[[巨狼]]との正確な関係は不明だが、[[ニアナイス・アルノイディアド]]には狼や狼乗りがいたと述べられている。
[[第三紀]]には主に[[ロヴァニオン]]に棲息し、[[五軍の合戦]]に[[ゴブリン]]の同盟者として参加したほか、[[大いなる年]]には[[霧ふり山脈]]の西側に現れ、[[指輪の仲間]]を襲撃している。この指輪の仲間を襲撃したワーグ達は、朝になるとあるはずの死体が消失しているといった超自然的な特徴を備えていた。
また[[ガンダルフ]]のセリフによると、サウロンの軍勢の中にも[[&ruby(おおかみびと){狼人};>巨狼]](werewolves)と共に存在するという。
[[ロヴァニオン(荒れ地の国)>ロヴァニオン]]に生息する邪悪な[[狼]]のこと。鳴き声で互いに会話を行い、[[オーク]]([[ゴブリン]])よりも鋭い嗅覚を持つ。[[霧ふり山脈]]のオークとは協同で略奪や戦闘を行う場合があり、その際にはオークを背中に乗せることもあった([[狼乗り>狼#wolfrider]])。

邦訳『[[指輪物語]]』では「&ruby(ワーグ){魔狼};」と訳されていることもある。[[岩波書店]]版『[[ホビットの冒険]]』では当初「キチガイイヌ」と訳されたが、後に「アクマイヌ」に改訂された。
『[[ホビットの冒険]]』ではワーグの群れが[[ゴブリン町]]から逃亡する[[トーリンの一行>トーリンとその仲間]]とオオカミ広場で遭遇し、[[ガンダルフ]]から魔法の火の攻撃を受けたことで、以降はゴブリンと協力してトーリンの一行を付け狙った。[[五軍の合戦]]には[[ゴブリン]]の同盟者として参戦し、ゴブリンが戦闘で混乱に陥って三軍の攻撃から逃れようとすると、仲間である彼らに襲い掛かって死傷者を引き裂くという残酷さをみせている。合戦での敗北後、ワーグは森から姿を消したという。
『[[指輪物語]]』では[[第三紀3019年(大いなる年)>大いなる年#year3019]]の1月12日から13日にかけて、[[霧ふり山脈]]の西側に現れ、[[指輪の仲間]]を襲撃して撃退された。[[ガンダルフ]]のセリフによると、[[サウロン]]の軍勢の中には[[&ruby(おおかみびと){狼人};>巨狼]](werewolves)と共にワーグがいるという。

*** 語源 [#u22b674e]

『[[ホビットの冒険]]』において、ワーグ(Wargs)の名は「[[荒地のくに>ロヴァニオン]]のさかいからさきにいる、たちの悪いオオカミはこう呼ばれていました」((『[[ホビットの冒険]]』「6 一難去ってまた一難」原文:(for so the evil wolves over the Edge of the Wild were named) ))と説明されている。
『[[ホビットの冒険]]』において、ワーグ(Wargs)の名は「[[荒地のくにのさかい]]からさきにいる、たちの悪いオオカミはこう呼ばれていました」((『[[ホビットの冒険]]』「6 一難去ってまた一難」原文:(for so the evil wolves over the Edge of the Wild were named) ))と説明されている。

『[[ホビット ゆきてかえりし物語]]』によると、[[トールキン]]はジーン・ウルフ(Gene Wolfe)に宛てた手紙の中でwargの意味について以下のように説明している。
>「オオカミを意味する古語で、無法者、犯罪者の意味でも使われました。現存するテクストでは、むしろあとのほうが普通の意味です。本書の悪魔のようなオオカミを呼ぶのにこの語を選んだのは、その意味を表すのに、いかにもそれらしい響きを持っているからです。」((『新版 [[ホビット ゆきてかえりし物語]]』第6章註7。原文:It is an old word for wolf, which also had the sense of an outlaw or hunted criminal. This is its usual sense in surviving texts. I adopted the word, which had a good sound for the meaning, as a name for this particular brand of demonic wolf in the story.))
<またこの手紙ではwargは[[古英語]]のwearg、古高地ドイツ語のwarg、古ノルド後のvarg-rと説明されている。特にvargrは北欧神話に登場するフェンリル([[Wikipedia:フェンリル]])などの伝説上の狼に用いられる。

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#Lotrmovie]
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[[シャーク]]率いるワーグ乗りが[[アイゼンガルド]]軍の斥候として登場する。[[ミナス・ティリス]]の攻囲戦では[[魔王]]配下の[[ゴスモグ>ゴスモグ(ミナス・モルグル)]]がワーグに乗っており、市内での戦いにも登場している。
ハイエナのような風貌の獣として登場。『二つの塔』では[[シャーク]]率いる[[オーク]]のワーグ乗りが[[アイゼンガルド]]軍の斥候((原作の[[アイゼンガルド]]軍にも[[狼]]や狼乗りはいたが、ワーグであったとは述べられていない。))として登場する。『王の帰還』では[[ミナス・ティリス]]の攻囲戦の場面で[[ゴスモグ>ゴスモグ(ミナス・モルグル)]]がワーグに乗っており、市内での戦いにも登場している。

** 映画『[[ホビット>ホビット(映画)]]』における設定 [#Hobbitmovie]

[[アゾグ]]及びその配下のオーク達が乗っている。アゾグのワーグだけ白い。
ワーグの知性の高さについては特に触れられていない。[[五軍の合戦]]の''五軍''のなかには、ワーグの代わりに[[グンダバド]]の軍勢が入っているものと思われる(別のオークは[[ドル・グルドゥア]]の軍勢)。
映画『ロード・オブ・ザ・リング』よりも[[狼]]らしい風貌。[[アゾグ]]及びその配下の[[オーク]]が乗っており、アゾグのワーグだけが白い。
原作と異なりワーグはあくまでオークの乗用獣の扱いであり、[[五軍の合戦]]の''五軍''のなかには、ワーグの代わりに[[グンダバド]]の軍勢が入っているものと思われる(別のオークは[[ドル・グルドゥア]]の軍勢)。

** ゲーム『[[ロード・オブ・ザ・リングス オンライン]]』における設定。 [#x13342b3]

敵として登場するだけではなく、[[モンスタープレイ>ロード・オブ・ザ・リングス オンライン#MP]]においてユーザーが操作することが可能。
オークを背中に乗せて走ることはできないが、移動力が高い。姿を隠す能力と、その状態からの奇襲攻撃能力があり、成功すれば敵を失神状態にさせられる。

** コメント [#Comment]

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