#author("2022-09-10T20:43:09+09:00;2021-12-10T20:00:02+09:00","","")
* レンバス [#j6b6a255]
** 概要 [#e0cd0917]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|物・品の名前|
|~カテゴリー|[[物・品の名前]]|
|~スペル|lembas|
|~その他の呼び名|レンバスの焼き菓子(wafer of lembas)、コイマス(coimas)|
|~異訳|レムバス|
|~その他の呼び名|エルフの行糧(waybread of the Elves) &br; レンバスの薄焼き菓子(wafer of lembas) &br; エルフの薄焼き菓子(elven-cake) &br; コイマス(coimas)|

** 解説 [#n063dbe3]
** 解説 [#Explanation]

原形はLennmbassで旅のパンの意。[[クウェンヤ]]では「命のパン」の意のコイマスとも言う。行糧、[[エルフ]]の焼き菓子。
[[エルフ]]の携行・保存食。粗碾きの粉を焼いて作った焼き菓子。一枚食べるだけで一日たっぷり歩けるほど力が付くし、非常に美味。[[エルダリエ]]の習慣によると、[[レンバス]]を貯蔵することも与えることも王妃のみに属する権限であるという。[[ロスローリエン]]で[[ガラドリエル]]が[[指輪の仲間]]に与えたほか、[[第一紀]]に[[メリアン]]が[[ベレグ>ベレグ(ドリアス)]]に与えたという記録がある。
原形は[[シンダリン]]のlenn-mbassで「旅行用食糧(journey-bread)」の意。[[クウェンヤ]]では「命の糧(life-bread)」の意のコイマスと呼ばれる。単に''行糧''や''薄焼き菓子''とも呼ばれる、[[エルフ]]の携行保存食。
一枚食べるだけで一日たっぷり歩けるほど活力が付き、走りながら食べることもできるほど扱いやすく、非常に美味。軽く持ち運びに適し、また葉に包まれたままで割れなければ何日でも効能が落ちない。

** 外部リンク [#e2087710]
>食べものの大部分が非常に薄い焼き菓子の形をしていて、それは外側がうすいとび色に焼け、中がクリーム色をしており、あら&ruby(び){碾};きの粉でできていました。((『[[指輪物語]] [[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「さらば、ローリエン」))

- [[木のひげ:http://www.din.or.jp/~kinohige/]]
大変貴重なものであり、[[エルダール]]の習慣によると、レンバスを貯蔵することも与えることも、王妃のみに属する権限であるという。
エルフ以外の種族の者にこれが与えられるのは極めて稀なことであった。[[第一紀]]には[[メリアン]]が[[トゥーリン>トゥーリン]]を助けに向かう[[ベレグ>ベレグ(ドリアス)]]に与え、べレグはこれを[[ガウアワイス]]の負傷者や病人を癒すのに用いた。また、[[ゴンドリン]]を目指す[[トゥオル]]と[[ヴォロンウェ]]はヴォロンウェが持っていたレンバスで[[過酷な冬]]の飢えを凌いだ。

** コメント [#b821dc37]
[[第三紀]]末の[[指輪戦争]]では[[ガラドリエル]]から[[指輪の仲間]]に与えられた。最初レンバスを見た[[ギムリ]]は[[クラム]]だと勘違いして顔をしかめたが、試しに少し口にするとすぐに態度を変え、ひとつ平らげてしまった。
指輪の仲間は各々その旅路においてレンバスの効能に大いに助けられた。特に他の食糧が尽きた中で[[モルドール]]の荒地を横断しなければならなかった[[フロド・バギンズ]]と[[サムワイズ・ギャムジー]]は、これによって命をつないだ。
一方でフロドからレンバスを分けてもらった[[ゴクリ]]は吐き出して咳こみ、これを「埃と灰」と形容した。[[オーク]]もまたレンバスを嫌悪したらしく、[[キリス・ウンゴルの塔]]のオークはフロドの所持品の中にあったレンバスを床にぶちまけている。

- 中学生の時、初めて読んだ指輪物語ですっかりレンバスを食べてみたくなった(凄く美味しそうなんですもん!)人間としては、映画で出てこなかったのが悲しかったです。 -- TOKO
- どうも「おばあちゃんのぽたぽた焼き」というイメージが私にはある。 -- 都々目さとし
- 私にとっては「ラングドシャクッキー」です。 -- ジャック・ランタン
- 私は「カロリーメイト」を食する度、「ああ、これがレンバスだったらなぁ・・・」と思わずにはいられません。 -- 斐水
- 映画では正方形の柔らかそうな?物体らしい。私のイメージでは円形のゴーフレットだったのだが…。 -- X68ker
- それがしのイメージは本高砂屋のエコルセ(緑の包み紙の三角のやつ) -- とと屋
- 映画の二つの塔では出てきたので、嬉しかったですが、4枚切りの食パンかと思ってしまいました。なんか。ガッカリ。 -- ハスノ
- いまやお菓子のイメージしかないビスケットも、当初は糧食だった(保存のために「二度焼きした」が語源・要するに堅パンとほぼ同じ)ことを考えれば、PJ映画のそれはリアルだと思う。エルフが作ったから美味しいだろうけど。 -- A3
- 一部で劇場ではでなかったけれどDVDのスペシャル・エクステンデッド・エディションには未公開シーンとしてでてましたよ♪
- 個人的には、もうちょっと美味しそうに食べて欲しかったです(笑)。>ねぇ、香り草入り兎肉シチューも食べれてなかったサムさん。 -- TOKO
- 『武者がえし』という和菓子の外見がレンバスにそっくりだと思ったのは私だけだろうか? -- ららら
- SEE版だと「一口で1日持つ」とレゴラスが言ってた。原作より腹持ちが良くなったらしい。 -- イシリンディル
- その割には映画版のTTTではサムがムシャムシャ食べてたような。 -- ららら
- 映画版での材料はスコーンミックスだとか…。
- 小道具としてのレンバスは、喉につかえて演技しづらくなるらしい。所詮今の人間はゴクリ並みに汚れているんでしょうか…… -- たー
-  このレンバス、を売るお店が東京にはある。正確には名前は「エルフの焼き菓子」だが、そのお店の名前は「木のひげ」。店長さんが指輪物語のファンだとかで、天然酵母をつかったパンや焼き菓子が食べられる。件のレンバスのお味は、素朴かつちょっとの酸味が香ばしい。人を選ぶ味だが、あとを引いて飽きず一袋で腹も膨れてまさにレンバス。 -- kingbird
『[[終わらざりし物語]]』によると、[[最後の同盟]]当時の[[ドゥーネダイン]]も、エルフのレンバスに準ずる効能を持つ「行糧の薄焼きパン(wafers of a waybread)」を持っていたという。

#comment
*** 『The Peoples of Middle-earth』における記述 [#o6747644]

『[[The Peoples of Middle-earth>The History of Middle-earth/The Peoples of Middle-earth]]』“Of Lembas”には、レンバスについてより多くのことが述べられている。

[[エルダール]]によると、レンバスは元々[[大いなる旅]]において長い旅路の助けとなるよう、[[ヤヴァンナ]]が[[アマン]]で育つ穀物の一種から作りだし、[[オロメ]]を通じて与えられたものだった。

レンバスの材料となる穀物は降り注ぐあらゆる光を栄養とするため、僅かな[[太陽]]の光のみで実を結ぶ。また寒期を除けばどの季節に蒔いてもすぐに生育した。ただし[[中つ国]]の植物の影の下では育たず、[[モルゴス]]が住む北方から来る風にも耐えられなかった。そのためエルダールはこの穀物を守られた土地や、日の光が当たる空き地で育てた。穀物にはアマンの強い生命力が含まれ、レンバスを食す者にその力を与えた。

収穫には金属の刃は用いられず、大きな金色の穂が一つずつ手で集められた。地面から手で引き抜かれた白い茎からは穀粒を保管するための籠が編まれた。その輝く藁に触れる虫や害獣はおらず、腐敗やカビ等の中つ国の害悪とも無縁だった。
レンバス作りに携わるのは「ヤヴァンナの乙女(maidens of Yavanna)」である[[エルフ]]の女性のみで、[[ヴァラール]]から教わったその技は彼女たちの秘密であった。彼女たちは[[クウェンヤ]]で'''Yavannildi'''(ヤヴァンニルディ)、[[シンダリン]]では'''Ivonwin'''(イヴォンウィン)と呼ばれた。
ヤヴァンナに起源を持つものゆえ、レンバスの保管と贈与はエルダールの民の中で王妃のような最高位の女性の権限とされた。そのような女性は[[クウェンヤ]]で'''massánie'''(マッサーニエ)、[[シンダリン]]で'''besain'''(ベサイン)((どちらもbreadgiver(パンを与えるもの)の意味でLadyと訳される。[[クリストファ・トールキン]]は[[古英語]]でbread-kneader(パンをこね混ぜる人)の意味であるhlǣf-dīġeが現代英語のladyの語源であることを指摘し、父[[トールキン>ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン]]が参考にしたことは間違いないとしている。なお、'''besain'''は'''besoneth'''(ベソネス)に訂正されたようである。))と呼ばれた。

中つ国にあってはレンバスは常に貴重なものであったため、エルダールの間にあってもこれは困難な長旅を行く者や、怪我・苦痛で命が危険な者にのみ与えられた。
レンバスは基本的に[[人間]]には与えられなかった(エルフから愛された人間が必要に迫られた際に与えられた、僅かな例があるのみ)。これはエルダールがレンバスを[[有限の命の者>死すべき運命]]には広めないよう命じられていたためであり、有限の命の者が頻繁にレンバスを食すると、その命に倦み疲れてエルフたちの間に留まりたくなり、禁じられたアマンへ行くことを望むようになるからだと言われていた。

*** 薄焼き菓子(wafer) [#le8cc7c5]

英語のウェハー(wafer)とはイーストを用いない薄焼きのパンのことで、いわゆるウェハースの類の菓子を意味する他、キリスト教の聖体受領式に使われる&ruby(せいへい){聖餅};を指す語でもある。

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#Lotrmovie]

劇場公開版ではカットされたが、『[[ロード・オブ・ザ・リング>ロード・オブ・ザ・リング#FellowshipOfTheRing]]』の[[エクステンデッド・エディション]]で、[[指輪の仲間]]がレンバスを与えられる場面が直接描かれている。この場面では原作と異なり、レンバスを口にするのは[[ギムリ]]ではなく、[[ピピン>ペレグリン・トゥック]]と[[メリー>メリアドク・ブランディバック]]になっている。
『[[二つの塔>指輪物語/二つの塔#TheTwoTowers]]』および『[[王の帰還>指輪物語/王の帰還#ReturnOfTheKing]]』では劇場公開版でも、[[フロド>フロド・バギンズ]]と[[サム>サムワイズ・ギャムジー]]がレンバスを食べている様子が描かれた。『王の帰還』では、[[ゴラム(ゴクリ)>ゴクリ]]がサムとフロドの間を裂こうとした目論見にレンバスの欠片が使われた。

なお、『旅の仲間 エクステンデッド・エディション』に登場したものと、『二つの塔』『王の帰還』に登場したものとでは厚みが大幅に異なり、後者では大きな乾パンのようになっている。

** 外部リンク [#Links]

- [[木のひげ:http://www.din.or.jp/~kinohige/]](「エルフの焼き菓子」というパンを売っているパン屋)

** コメント [#Comment]

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