* ミナス・モルグル [#j7f8a8f8]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[地名]]|
|~スペル|Minas Morgul|
|~その他の呼び名|ミナス・イシル(Minas Ithil)、月の出の塔(Tower of the Rising Moon)|

** 解説 [#Explanation]

「呪魔の塔」の意。[[モルドール]]が支配する、[[モルドール]]と[[ゴンドール]]の国境付近にある塔。
元々はミナス・イシル(「[[月>月(天文)]]の塔」の意)という名で、[[オスギリアス]]の東部を防衛するための砦として[[ミナス・アノール]]([[太陽]]の塔)と対になる形で[[ゴンドール]]人によって築かれた。

[[第二紀]]3429年には[[モルドール]]軍の攻撃を受けて一時陥落するが、[[最後の同盟]]の戦いの後に奪回され、以後は[[モルドール]]を監視する役目を担う。
だがゴンドールの国力の衰退によってミナス・イシルは防備が手薄となる。[[第三紀]]2000年より[[ナズグール]]に攻撃され、2002年に陥落。以後はミナス・モルグルと呼ばれるようになった(その時、この塔に置かれていた[[パランティーア]]の一つも奪われ、[[サウロン]]の手に渡ることになった)。モルドールでは、[[ナズグール]]は主にこの場所にいた。

[[フロド・バギンズ]]、[[サムワイズ・ギャムジー]]、[[ゴクリ]]は、モルドールに潜入するときにこの地の前を通っている。その時、[[魔王]]が率いるモルドールの軍勢が、[[ゴンドール]]攻撃のためにミナス・モルグルを出撃する場面を目撃した。

>今や足もとの道が急な登りになってきたのを感じ、かれはうんざりして上を担げました。すると、見えたのです。見えるよと[[ゴクリ]]がいったのもちょうどその時でした。[[幽鬼>ナズグール]]たちの城塞でした。[[フロド>フロド・バギンズ]]は怖じ気づいて石の多い土手によりかかりました。
 長く傾斜した谷間が影のように暗い深い動け目となって、山脈のはるか奥の方まではいりこんでいました。フロドたちのいる所より遠いの側、腕のように伸びた谷間をいくらか中にはいった所、[[エフェル・ドゥアス>エフェル・ドゥーアス]]の黒々とした膝のように曲がった部分に、岩の台座の上高く、ミナス・モルグルの城壁と塔が立っていました。その周囲は空も地もすっかり真っ暗でしたが、そこだけは光で照らされていました。といっても昔のミナス・イシル、すなわち[[月>月(天文)]]の塔が山々の谷あいに美しく輝いていたころ、大理石の壁から流れ出ていた閉じこめられた月の光ではありません。
緩慢な月食に病む月の光よりも実際のところもっとおぼろな光でした。いやなにおいを放つ腐敗物の光、死屍の燐光のようにちらちらとゆらぎ、風になびいて、何物をも照らさない光なのです。城壁にも塔にも窓が見えました。内なる虚無に向かって開いている無数の黒々とした穴のようです。しかし塔の石積みの一番上の層はゆっくりと回転するのでした。まず一方へそれから反対の方向へと。閣を睨めつける巨大な幽霊の頭のように。しばしの間三人の道連れたちはしりごみしてそこに立ったまま、気の進まぬ目を凝らしてじっと見上げていました。

>こうしてかれらは遅々として歩を運びながら白い橋にやって来ました。ここで道路はかすかに光りながら、谷間の真ん中を流れる渓流を越え、そのあとさらにうねうねとこの城塞の門に向かつて上っていました。城門は北に面してめぐらされた外側の城壁に黒々と口を開けていました。谷川の両岸には広い平地があり、そこはおぼろな白い花々でみたされた小暗い草地でした。これらの花々もまた光を発していました。美しくはあっても、ぞっとするような恐ろしい形で、ちょうど不安な夢に現われる錯乱した物の形のようでした。そしてこの花は胸の悪くなるような墓所のにおいをかすかに放っていました。腐臭は空気をみたしています。橋は草地から草地へと渡されていました。橋の頭部には彫像がいくつか立っていました。人間の姿をしたのもあれば獣の姿をしたものもあり、いずれも巧みに彫られてはいるものの、どれもみな堕落した忌わしいものでした。橋の下を流れる水は音を立てず、水蒸気を立ち昇らせていました。しかし橋の周りに渦巻き絡まりながら立ち昇ってくる需は寒気立つような冷たさでした。((『指輪物語』二つの塔 八 キリス・ウンゴルの階段))

その後、西軍と共に[[黒門]]に向かう途中に立ち寄った[[ガンダルフ]]と[[アラゴルン>アラゴルン二世]]らによって、都に通じる橋は落とされ、原には火が放たれた。

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