* ペレグリン・トゥック [#ncc7607d]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Peregrin Took|
|~その他の呼び名|ピピン(Pippin)、ピップ(Pip)|
|~種族|[[ホビット]]|
|~性別|男|
|~生没年|[[ホビット庄暦]]1390~不詳(1484年に[[メリー]]と共に[[ホビット庄]]を去って[[ローハン]]に赴き、数年後に[[ゴンドール]]で死去)|
|~親|[[パラディン・トゥック二世]](父)、エグランティン・バンクス(母)|
|~兄弟|パール、ピンパネル、ペルヴィンカ(姉)|
|~配偶者|[[ロング・クリーヴのダイアモンド]]|
|~子|[[ファラミア・トゥック]](息子)|

** 解説 [#Explanation]

[[指輪の仲間]]の一人の[[ホビット]]。[[指輪の仲間]]の4人のホビットの中では唯一人の未成年だった。本名はペレグリンだが、この名を覚えている者は友人達の中でも少なく、もっぱらピピンやピップと呼ばれていた。[[フロド]]の母方の祖母の兄の曾孫、つまりフロドよりも1世代下で、22歳年下。少々迂闊者な性格で、[[ガンダルフ]]からは「トゥックの馬鹿息子」と叱責されることもあった。
後に[[トゥック家>トゥック一族]]輩出の20代目の[[セイン]]となる。

[[パラディン・トゥック二世]]とエグランティン・バンクスの四人の子供のうち末っ子。三人の姉の名はパール、ピンパネル、ペルヴィンカ。曾々祖父は[[トゥック翁]]であり、[[ビルボ]]、[[フロド]]、[[メリー]]も[[トゥック翁]]の子孫にあたる。[[メリーことメリアドク・ブランディバック>メリアドク・ブランディバック]]とは父方の従兄弟。子供の頃からビルボを慕って[[袋小路屋敷]]に出入りしていたビルボの甥や姪たちの一人で、[[ビルボの別れの宴]]にも招待されていた。

***パルス・ガレンでの指輪の仲間の離散まで [#a0e127c9]

ピピン、[[メリー>メリアドク・ブランディバック]]、[[フレデガー>フレデガー・ボルジャー]]、[[サム>サムワイズ・ギャムジー]]ら[[フロド>フロド・バギンズ]]の親しい友人達は、フロドが密かに[[ホビット庄]]から旅立つつもりでいるのに気付くと、メリーから[[指輪>一つの指輪]]の秘密を打ち明けられて結託し、フロドを一人で行かせないように策を練った。彼らはフロドが[[堀窪]]へ引っ越すのを手伝い、ピピンとサムは堀窪への旅に同行してフロドから目を離さないように努めた。そして堀窪で陰謀を明らかにしてからは、親族としての絆と友情からあくまでフロドの危険な旅に同行する覚悟であることを告げた。
フロドが[[エルロンドの会議]]で正式に[[指輪所持者]]として認められ、使命を帯びて[[モルドール]]に向かうことになった後も、ピピンとメリーはホビット庄に返されるところだったのを頑固に反対して、同行することを主張した。[[エルロンド]]は特に年少のピピンが[[指輪の仲間]]に加わることに難色を示したものの、彼らの決意の固さと、[[ガンダルフ]]の口添えもあり、最終的には仲間の一員として旅を続けることを許された。
一行が[[モリア]]を通過中、ピピンは出来心から井戸に大石を投げ込むことをしでかしてしまう。おそらくはこれが原因になり、その後に一行はモリアの[[オーク]]と[[ドゥリンの禍]]の攻撃を受け、ガンダルフが奈落へ落ちることにつながった。

フロドが[[エルロンドの会議]]で正式に[[指輪所持者]]として認められ、使命を帯びて[[モルドール]]に向かうことになった後も、ピピンとメリーはホビット庄に返されるところだったのを頑固に反対して、同行することを主張した。[[エルロンド]]は、最年少のピピンが[[指輪の仲間]]に加わることに特に難色を示した(ホビット達が邪悪な勢力を警戒するための伝言を伝えるよう、[[ホビット庄]]へと戻るのがいいとエルロンドは考えていた)ものの、ピピン、メリーの決意の固さと、[[ガンダルフ]]の口添えもあり、最終的には仲間の一員として旅を続けることを許された。

一行が[[モリア]]を通過中、ピピンは出来心から井戸に大石を投げ込むことをしでかしてしまう。おそらくはこれが原因になり、一行の存在がモリアの[[オーク]]などに知られることになる。その後一行はモリアのオークと[[ドゥリンの禍(バルログ)>バルログ#DurinsBane]]の攻撃を受け、ガンダルフが奈落へ落ちることにつながった。

***指輪戦争での活躍 [#rb6e9208]

[[パルス・ガレン]]で[[指輪の仲間]]が[[オーク]]に襲撃された時、[[メリー>メリアドク・ブランディバック]]と共に捕えられる。ピピンはオーク達の隙をついて密かに手の縄を切って外し、またエルフのブローチを道に落とすことに成功する。オーク達が[[ローハン]]の騎士に襲撃されると、二人は[[グリシュナッハ]]を騙して脱出し、[[ファンゴルン]]の森に逃げ込む。
[[パルス・ガレン]]で[[指輪の仲間]]が[[オーク]]に襲撃された時、ピピンは、[[メリー>メリアドク・ブランディバック]]と共に捕えられる。ピピンはオーク達の隙をついて密かに手の縄を切って外し、また[[エルフのマント]]のブローチを道に落とすことに成功する。オーク達が[[ローハン]]の騎士に襲撃されると、二人は[[グリシュナッハ]]を騙して脱出し、[[ファンゴルン]]の森に逃げ込む。
二人はそこで出会った[[木の鬚]]のもとに身を寄せてサルマンの事などを話し、[[エント]]による[[アイゼンガルド]]攻撃のきっかけを作った。また、この時にメリーと共に[[エント水]]を飲んだため、後にホビットの最高記録をしのぐ高身長となる。アイゼンガルドがエントに制圧されると、ピピンとメリーは、サルマンと話すためにアイゼンガルドにやってきた[[ガンダルフ]]達を出迎えた。
そこでピピンは、[[オルサンク]]から落ちてきた[[パランティーア]]を拾い上げてしまう。パランティーアに魅せられてしまったピピンはその夜、[[ガンダルフ]]の許からパランティーアを持ち出して覗き込み、[[サウロン]]に自分の身を晒してしまう。サウロンがピピンを詳しく尋問しなかったため、[[一つの指輪]]の行方などの秘密を白状してしまうことは避けられた。さらに幸運なことに、オルサンクのパランティーアに[[ホビット]]が姿を現したことは、図らずもサウロンの思考を混乱させ、彼が拙速に戦争に打って出ることにつながった。ガンダルフはここで生じたわずかな隙を活かすため、急ぎ[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]へ向かい、ピピンはパランティーアから遠ざかる意味からも彼に同行させられた。

セオデンやガンダルフたちとサルマンが話した後、ピピンは[[オルサンク]]から落ちてきた[[パランティーア]]を拾い上げてしまう。[[ガンダルフ]]はすぐにピピンからパランティーアを取り上げたが、ガンダルフを含めて誰もこのときは、この品がパランティーアであるということは気付かなかった。パランティーアに魅せられてしまったピピンはその夜、ガンダルフの許からパランティーアを持ち出して覗き込み、[[サウロン]]に自分の身を晒してしまう。幸い、サウロンがピピンを詳しく尋問しなかったため、ピピンが[[一つの指輪]]の行方などの秘密を白状してしまうことは避けられた。さらに幸運なことに、オルサンクのパランティーアに[[ホビット]]が姿を現したことは、図らずも「サルマンがホビットをオルサンクに捕らえている」ように見せることに繋がり、サウロンの思考を混乱させた(これがサウロンが、[[ゴンドール]]攻撃を性急に行った理由のひとつと考えられる)。ガンダルフはここで生じたわずかな隙を活かすため、急ぎ[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]へ向かうことにする。このときガンダルフは、パランティーアから遠ざかる意味からも、ピピンを自分に同行させた。

ミナス・ティリスで[[デネソール二世]]と謁見し、彼から尋問を受けたピピンは、不意に沸き起こった自尊心と[[ボロミア]]への恩から、デネソールに奉公を願い出る。これは頑なになっていたデネソールの心をわずかに開かせ、ピピンは奉公を嘉納されて[[ゴンドール]]の近衛兵として彼に仕えることになった。そこで近衛兵の[[ベレゴンド>ベレゴンド(バラノールの息子)]]や、彼の息子の[[ベアギル]]と親交を結ぶ。
[[ペレンノール野>ペレンノール]]の包囲がはじまると、ピピンは次第に狂気に走るデネソールを見つめることになる。そして重傷を負った[[ファラミア]]をデネソールが自分もろとも火葬しようとしたときには、このことをベレゴンドとガンダルフに告げ、ファラミアが救出されるきっかけを作った。
[[アンドゥイン]]の通行権を巡るゴンドールとモルドールの戦闘が激しくなるにつれ、ピピンは次第に狂気に走るデネソールを見つめることになる。そして[[ペレンノール野の合戦]]の際、重傷を負っていた[[ファラミア]]を、デネソールが自分もろとも火葬しようとしたときには、事態をベレゴンドとガンダルフに告げ、ファラミアが救出されるきっかけを作った。
その後は[[自由の民]]のホビット代表として、[[黒門]]前の戦いにも参加した。ピピンは、自分の近くで[[山トロル>トロル]]と戦って気を失ったベレゴンドを助けるため、[[塚山出土の剣]]でトロルを刺している。そのトロルの下敷きになって自分自身も気を失ったが、戦闘後に死体の下からホビットの裸足だけが出ているところを[[ギムリ]]に発見され、救出されて治療を受けた。
[[コルマルレンの野>コルマルレン]]におけるフロドとサムの栄誉礼では、ゴンドールの近衛兵として宴の給仕を務め、エレスサール王の戴冠式と結婚式にも参加した。

[[ホビット庄]]に戻ると、メリーと共にホビットたちの指揮官として、[[水の辺村の合戦]]で大きな役割を果たし、[[サルマン]]配下の[[人間]]のごろつきを撃破した。

***指輪戦争後 [#b2db8685]

[[ロング・クリーヴのダイアモンド]]と結婚し、[[ファラミア・トゥック]]の父親となる。また[[トゥック一族]]の家長となり、[[セイン]]となった。

多くの著作を残した[[メリアドク>メリアドク・ブランディバック]]とは違い、ペレグリン自身は本を一冊も書かなかったが、彼の下で形成された[[大スミアル]]の蔵書には[[エアレンディル>エアレンディル(トゥオルの息子)]]に関するものや、[[第一紀]]、[[第二紀]]にまつわる伝承が広汎に収集されており、[[ゴンドール]]の史料の写しも数多く収蔵されていた。メリアドクはこの文庫の資料から「西国年代記」を編纂したと考えられている。

老後は息子に財産と職務を譲るとメリアドク・ブランディバックと共に[[ローハン]]に赴き、[[エオメル]]王を看取った。その後二人は[[ゴンドール]]で短い余生を過ごしたが、この時ピピンは[[西境の赤表紙本]]の写本の一冊([[セイン]]本)を[[エレスサール]]王に献じている。
このセイン本から[[フィンデギル]]が筆写し、大スミアルに納められた写本が、[[トールキン]]による翻訳の底本となった。

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#Lotrmovie]

|~俳優|[[ビリー・ボイド]]|
|~日本語吹き替え|[[飯泉征貴]]|
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[[ガンダルフ]]の指示によって、[[エレド・ニムライス]]に連なる[[ローハン]]への連絡用の烽火台の、[[ミンドルルイン]]の最初の炎を点じている。
[[デネソール二世]]は自尊心故か、(原作とは異なり)[[ローハン]]に救援を求めるための[[エレド・ニムライス]]に連なる連絡用の烽火台を点火していなかった。そこで[[ガンダルフ]]の指示によって、[[ミンドルルイン]]の最初の炎を点じている。

また[[ベレゴンド>ベレゴンド(バラノールの息子)]]が映画に登場しない分、[[ファラミア]]救出におけるピピンの役割が大きくなっている。

** コメント [#Comment]

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