* フーリン
** 概要
#author("2022-10-25T17:00:15+09:00;2021-05-16T14:03:47+09:00","","")
-ゴンドールの執政家の祖、エミン・アルネンのフーリン(Húrin of Emyn Arnen)については[[フーリン(エミン・アルネン)]]を参照してください。
-ゴンドールの統治権を持つ5代目の執政フーリン一世(Húrin I)については[[フーリン一世]]を参照してください。
-ゴンドールの統治権を持つ14代目の執政フーリン二世(Húrin II)については[[フーリン二世]]を参照してください。
-ミナス・ティリスの鍵鑰主管長、身の丈高きフーリン(Húrin the Tall)については[[フーリン(ミナス・ティリス)]]を参照してください。
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* フーリン [#gcf379c0]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|人名|
|~スペル|'''(未入力です。協力をお願いします)'''|
|~その他の呼び名|'''(未入力です。協力をお願いします)'''|
|~種族|'''(未入力です。協力をお願いします)'''|
|~性別|'''(未入力です。協力をお願いします)'''|
|~生没年|'''(未入力です。協力をお願いします)'''|
|~親|'''(未入力です。協力をお願いします)'''|
|~兄弟|'''(未入力です。協力をお願いします)'''|
|~配偶者|'''(未入力です。協力をお願いします)'''|
|~子|'''(未入力です。協力をお願いします)'''|
|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Húrin|
|~その他の呼び名|フーリン・サリオン(Húrin Thalion) &br; 不撓不屈のフーリン、不屈なるフーリン(Húrin the Steadfast)|
|~種族|[[人間]]([[エダイン]])|
|~性別|男|
|~生没年|[[第一紀]](441)年~†(502年以降)|
|~親|[[ガルドール>ガルドール(ハドルの息子)]](父)、[[ハレス>ハレス(ハルミルの娘)]](母)、[[ハルディル>ハルディル(ハルミルの息子)]](養父)|
|~兄弟|[[フオル]](弟)|
|~配偶者|[[モルウェン>モルウェン(バラグンドの娘)]]|
|~子|[[トゥーリン]](息子)、[[ラライス]]、[[ニエノール]](娘)|

** 解説
** 解説 [#Explanation]

Húrin。[[サリオン]]、不動の・強固なると呼ばれる。[[トゥーリン]]と[[ニエノール]]の父。
[[ドル=ローミン]]の領主で[[ハドル>ハドル(ハソルの息子)]]の息子である[[ガルドール>ガルドール(ハドルの息子)]]を父とし、[[ハラディン]]族の王[[ハルミア]]の娘[[ハレス>ハレス(ハルミアの娘)]]を母とする。[[フオル]]の兄。[[モルウェン>モルウェン(バラグンドの娘)]]の夫で[[トゥーリン]]の父。
[[ブレシル]]で、母方の叔父の[[ハルディア>ハルディア(ハルミアの息子)]]によって養育された。[[オーク]]との戦いに弟の[[フオル]]と共に出陣するが、ブリシアッハの浅瀬で[[オーク]]に包囲されたところを[[ウルモ]]に救われて逃れる。その後さまよっていたところを[[ソロンドール]]の鷲達によって救い上げられ、[[ゴンドリン]]へと送られた。
[[フオル]]と共にその地に一年近く滞在し、[[エルフ]]から様々なことを学んだが、やがて同族の元に戻ることを望む。彼らは[[トゥアゴン>トゥアゴン(フィンゴルフィンの息子)]]に別れを告げてまた[[大鷲]]によって運ばれ、[[ドル=ローミン]]に戻った。
[[ガルドール>ガルドール(ハドルの息子)]]が[[エイセル・シリオン]]の包囲戦で[[オーク]]の矢を受けて死ぬと、フーリンは[[ハドル>ハドル(ハソルの息子)]]王家を継承して[[フィンゴン]]に仕えた。そして[[ベオル]]王家の[[バラグンド]]の娘[[モルウェン>モルウェン(バラグンドの娘)]]・[[エレズウェン]]を妻とし、[[トゥーリン]]と[[ニエノール]]の父となった。
そして[[ニアナイス・アルノイディアド]]と呼ばれることになる戦いに、[[フオル]]と共に[[ドル=ローミン]]の軍勢を率いて参戦する。その大乱戦のさなかに[[トゥアゴン>トゥアゴン(フィンゴルフィンの息子)]]と再会したが、[[ウルドール]]らの裏切りによって部隊は崩れ、撤退する[[トゥアゴン>トゥアゴン(フィンゴルフィンの息子)]]の部隊の最後衛を守って助ける。彼は[[セレヒ]]の沢地にまで退き、[[フオル]]も他の者も全て斃れた中でただ一人戦い続けたが、遂に自らが切り落とした[[オーク]]の腕に埋もれて身動きが取れず、生きながら[[オーク]]に捕らえられ、[[ゴスモグ>ゴスモグ(バルログ)]]に引きずられて[[アングバンド]]に連れ去られた。
彼は[[モルゴス]]の前に引き出されて尋問されたが、[[モルゴス]]を歯牙にもかけず嘲る。その結果[[モルゴス]]によって彼や彼の家族は呪われ、彼自身は[[サンゴロドリム]]の高みにある石の椅子に座らされて金縛りにあい、[[モルゴス]]のねじ曲がった目と耳によって[[中つ国]]の出来事を知ることになり、[[エルフ]]、特に[[シンゴル]]と[[メリアン]]への憎しみが増大されるように仕組まれた。
その後、[[トゥーリン]]の死の一年後に釈放される。彼は再び[[ゴンドリン]]に行くことを望み、ディムバールに入った。
さまよっている彼の姿は[[ソロンドール]]に発見され、その事は[[トゥアゴン>トゥアゴン(フィンゴルフィンの息子)]]に知らされた。最初[[トゥアゴン>トゥアゴン(フィンゴルフィンの息子)]]は、フーリンが[[モルゴス]]に屈したと思って警戒した。だが後に考えを改めて、フーリンを[[ゴンドリン]]に連れてこさせようとする。だがその時には、既にフーリンは見つからなかった。
一方、絶望したフーリンは[[ゴンドリン]]の方角に向けて、[[トゥアゴン>トゥアゴン(フィンゴルフィンの息子)]]を呼んで叫んだ。その声は[[モルゴス]]の間者に聞かれ、その結果[[モルゴス]]に[[ゴンドリン]]のおおよその位置を知らせてしまうことになる。
その後フーリンは[[ブリシアハ]]に戻り、[[トゥーリン]]と[[ニエノール]]の墓に辿り着いた。この場所で[[モルウェン>モルウェン(バラグンドの娘)]]に再会して彼女の死を看取り、葬る。そして[[カベド・ナイラマルス]]の[[トゥーリン]]と[[ニエノール]]の墓石に[[モルウェン>モルウェン(バラグンドの娘)]]の名を刻んだ。
その後フーリンは[[ナルゴスロンド]]の廃墟へ赴き、[[トゥーリン]]を裏切った者への復讐として、そこにいた[[小ドワーフ]]の[[ミーム]]を殺しす。それから[[ナルゴスロンド]]の財宝の中からただ一つ[[ナウグラミーア]]だけを手に、[[ドリアス]]へと向かった。
彼は、[[トゥーリン]]、[[モルウェン>モルウェン(バラグンドの娘)]]、[[ニエノール]]が、[[シンゴル]]によって[[ドリアス]]から追放されたという[[モルゴス]]の吹聴に怒りを滾らせ、[[シンゴル]]に[[ナウグラミーア]]を叩き付ける。だがその時[[メリアン]]によって呪いから解放された。すると彼は改めてナウグラミーアを贈り物としてシンゴルに捧げる。その後は目的も望みも全て失って、西海に身を投じたという。
[[ハドル家]]の当主[[ガルドール>ガルドール(ハドルの息子)]]と、[[ハレスの族]]の族長の娘[[ハレス>ハレス(ハルミルの娘)]]との間の息子。[[フオル]]の兄。妻は[[ベオル家]]の[[モルウェン>モルウェン(バラグンドの娘)]]で、息子に[[トゥーリン]]、娘に[[ラライス]]と[[ニエノール]]がいた。
[[第一紀]]の[[人間]]([[エダイン]])の英雄の一人。[[ドル=ローミン]]の領主で、[[ハドル家]]の事実上最後の当主であった。

** コメント
[[シンダリン]]で「不動なる者、強き者(Steadfast, Strong)」を意味する''サリオン''と呼ばれ、[[モルゴス]]ですら覆し得ないほどの強固な意志の持ち主だった。だがそのためにモルゴスの呪いを受け、彼の一族に非業と破滅がもたらされることになった。このことは[[ナルン・イ・ヒーン・フーリン]]すなわち「フーリンの子らの物語」に歌われている。

- モルゴスにゴンドリンの場所を教えることになってゴンドリンを滅ぼすことになってしまう、そしてナウグラミーアをシンゴルにもたらすことによってドリアス滅亡の切っ掛けを作ることになってしまう不幸の人物。 -- 都々目さとし
- サリオンと呼ばれた彼にして、こういった不幸の元としてしまうとは、さすがモルゴス恐るべし。また、モルゴスのもとから運良く逃げ出せた者も仲間から忌み嫌われた、というのもわかるような気がした。 -- カイト
- 生き残った彼がこんなにも恐ろしい不幸に見舞われることを考えると死んだ弟・フオルは幸せだった。
- デビット・デイのトールキン指輪物語事典の中で、数えつくせぬ涙の合戦で一人でトロル70人を殺したととあり、強すぎ~ひょっとしてゴスモグより強いんじゃない・・などと思ったが、オーク70人の間違いだったのかな? -- ギャムリング
>フーリンは[[父>ガルドール(ハドルの息子)]]やその父祖たちにくらべ、あるいは[[息子>トゥーリン]]にくらべても背はそれほど高くはなかったが、疲れを知らず、耐久力があり、母方即ち[[ハラディン>ハレスの族]]の[[ハレス>ハレス(ハルミルの娘)]]の血を&ruby(う){享};けて、身のこなしがしなやかで&ruby(びんしょう){敏捷};であった。((『[[シルマリルの物語]]』「ベレリアンドの滅亡とフィンゴルフィンの死のこと」))

#comment
>[[ガルドール>ガルドール(ハドルの息子)]]と[[ハレス>ハレス(ハルミルの娘)]]の間にはフーリンと[[フオル]]のふたりの息子が生まれた。三歳年長のフーリンは[[一族>ハドル家]]の中では小柄な方で、この点では[[母方の一族>ハレスの族]]似といえたが、それ以外の面では祖父[[ハドル>ハドル(ハソルの息子)]]に似て、高貴な顔立ちに金色の髪、屈強な体軀に炎のごとき気性の持ち主だった。かれの中の炎は絶えず燃え続けており、また強い忍耐心をも備えていたのだった。北方の全ての[[男たち>人間]]の中で、かれが最もよく[[ノルドール]]の計画について知っていた。((『[[終わらざりし物語]]』「[[ナルン・イ・ヒーン・フーリン]]」))

*** ブレシルでの少年時代 [#h78c9226]

フーリンと弟の[[フオル]]は[[エダイン]]の慣習に基づき、[[ブレシル]]で母方の伯父の[[ハルディル>ハルディル(ハルミルの息子)]]によって養育された。[[ダゴール・ブラゴッラハ]]で[[ベオル家]]が没落する以前には、フーリンと[[ベレン>ベレン(バラヒルの息子)]]は友人であったという。
[[ダゴール・ブラゴッラハ]]の後の時代、16歳のフーリンと13歳のフオルは、ブレシルを襲撃に来た[[オーク]]との戦いに出陣するが、彼らは仲間とはぐれ、[[ブリシアハ]]の浅瀬でオークに包囲された。しかし[[ウルモ]]の加護によって立ち昇った川霧に救われて敵の目から逃れ、それから[[ディンバール]]をさまよっていたところを[[ソロンドール]]の[[大鷲]]達によって救い上げられ、[[ゴンドリン]]に送られた。

***ゴンドリンへの滞在 [#p316ef65]

フーリンと[[フオル]]は[[トゥルゴン>トゥルゴン(フィンゴルフィンの息子)]]に受け入れられ、[[ゴンドリン]]に一年近く滞在し、[[エルフ]]から様々なことを学んだ。だが二人は同族の元に戻ることを望むようになり、ゴンドリンの存在は秘密にすると誓い((実際彼らは[[大鷲]]によって空を一気に運ばれたため、[[ゴンドリン]]の正確な位置は知らなかった。))、トゥルゴンに別れを告げると、再び[[大鷲]]によって運ばれて[[ドル=ローミン]]に戻った。フーリンとフオルは誓いを守り、自分たちが約一年間どこで何をしていたのかは誰にも語らなかった。

***ハドル家の当主として [#s58c5852]

父[[ガルドール>ガルドール(ハドルの息子)]]が[[エイセル・シリオン]]の包囲戦で戦死すると、フーリンは[[ハドル家]]を継承して[[フィンゴン]]に仕えた。また[[ダゴール・ブラゴッラハ]]の際に[[ドルソニオン]]から逃れてきた[[ベオル家]]の[[モルウェン>モルウェン(バラグンドの娘)]]を妻とし、[[トゥーリン]]、[[ラライス]]、[[ニエノール]]の父となった。

*** ニルナエス・アルノエディアドでの悲劇 [#xb11878b]

フーリンは、[[ニルナエス・アルノエディアド]]と呼ばれることになる戦いに、[[フオル]]と共に[[ドル=ローミン]]の軍勢を率いて参戦した。その大乱戦のさなかにフーリンは[[トゥルゴン>トゥルゴン(フィンゴルフィンの息子)]]と再会したが、[[ウルドール]]ら[[東夷]]の裏切りによって部隊は崩れ、フーリンの部隊は撤退するトゥルゴンの部隊の最後衛を守った。彼らは[[セレヒ]]の沢地にまで退き、フオルも他の者も全て討ち死にした中で、フーリンはただ独り斧を振るって[[ゴスモグ>ゴスモグ(バルログ)]]の護衛の[[トロル]]たちと戦い続けた。だが遂にフーリンは、自らが切り落とした[[オーク]]たちの腕に埋もれて身動きが取れなくなったことで捕らえられ、ゴスモグによって[[アングバンド]]に連行された。
フーリンは[[モルゴス]]の前に引き出されて尋問されたが、モルゴスを歯牙にもかけず嘲った。するとモルゴスはフーリンやフーリンの家族を呪った。フーリン自身は[[サンゴロドリム]]の高みにある石の椅子に座らされて金縛りにあわされ、モルゴスのねじ曲がった目と耳によって[[中つ国]]の出来事を知ることになり、[[エルフ]]、特に[[シンゴル]]と[[メリアン]]への憎しみが増大されるように仕組まれた。

*** 釈放後、不幸をもたらした行動 [#jf124b12]

フーリンは[[トゥーリン]]の死の一年後([[アングバンド]]に囚われてから二十八年後)に[[モルゴス]]によって釈放された。フーリンはまず自身の領国[[ドル=ローミン]]があった[[ヒスルム]]に向かったが、ヒスルムまでの道中ではアングバンドの兵たちが護衛に付き、モルゴスから重要人物として礼遇されているように見えた。そのため[[東夷]]はフーリンに手を出さずヒスルムの地を自由に歩かせ、[[ハドルの族]]の生き残りは彼を避けた。

フーリンは再び[[ゴンドリン]]に行くことを望み、ヒスルムを去って、かつて[[ソロンドール]]に見出され救い上げられた[[ディンバール]]に入り、[[エホリアス]]の麓に来た。フーリンの姿はソロンドールに発見され、[[トゥルゴン>トゥルゴン(フィンゴルフィンの息子)]]に知らされたが、フーリンがモルゴスに屈して間者になったのではと恐れたトゥルゴンは、フーリンの救出を躊躇した。その後考えを改めたトゥルゴンは[[大鷲]]たちにフーリンを連れて来るよう命じたが、遅すぎて彼らはフーリンを発見できなかった。
一方、ゴンドリンを発見することができず絶望したフーリンは、ゴンドリンがあるはずの方角に向けてトゥルゴンを呼んで叫んだ。その声はモルゴスの間者に聞かれ、モルゴスにゴンドリンのおおよその位置を知らせてしまうことになった。

その後フーリンは、眠りの中で妻[[モルウェン>モルウェン(バラグンドの娘)]]の嘆きの声を聞いたため、声がする方へ向かい、[[カベド・ナエルアマルス]]にある[[トゥーリン]]と[[ニエノール]]の墓石([[不運なる者たちの墓石]])に辿り着いた。この場所でフーリンはモルウェンと再会して彼女の死を看取り、墓石のそばに葬った。

それからフーリンは[[ナルゴスロンド]]の廃墟へ赴き、そこでトゥーリンを裏切った者への復讐として[[ミーム]]を殺した。そしてナルゴスロンドの大量の財宝の中から[[ナウグラミール]]だけを持ち出して[[ドリアス]]へ向かい、[[アエリン=ウイアル]]で国境警備の[[エルフ]]に捕えられ、[[メネグロス]]に連行された。
[[シンゴル]]の御前でフーリンは、自分の妻子がシンゴルによってドリアスから追放されたという[[モルゴス]]の目によって見せられた偽りのために怒りを滾らせ、妻子の保護への返礼と称してシンゴルの足許にナウグラミールを投げ出した。だがその時、彼の言動を咎める[[メリアン]]の言葉によって呪いから解放され、自分がモルゴスに惑わされていたことを悟った。フーリンは改めてナウグラミールを自身の形見としてシンゴルに贈ると、ドリアスを去った。彼がもたらしたナウグラミールは、この後のシンゴルの死とドリアス滅亡の原因となった。

最後にフーリンは目的も望みも全て失って、[[西海>大海]]に身を投じたという。

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