* フィンロド [#c0702359]
** 概要 [#c578b565]

|~カテゴリー|人名|
|~スペル|Finrod|
|~その他の呼び名|フェラグンド(Felagund)((ドワーフ語のフェラク=グンドゥ(Felak-gundu)が語源で「洞窟を切り拓く者」の意))、信義厚き(the Faithful)、人間の友(the Friend of Men)、ノーム(Nóm)|
|~種族|[[エルフ]]([[ノルドール]])|
|~性別|男|
|~生没年||
|~親|[[フィナルフィン]](父)、[[エアルウェン]](母)|
|~兄弟|[[オロドレス>オロドレス(フィナルフィンの息子)]]、[[アングロド]]、[[アイグノール]](弟)、[[ガラドリエル]](妹)|
|~配偶者|なし|
|~子|なし|

** 解説 [#sb7b2d97]

[[フィナルフィン]]の長男。弟に[[オロドレス>オロドレス(フィナルフィンの息子)]]、[[アングロド]]、[[アイグノール]]がおり、また妹に[[ガラドリエル]]がいる。従兄弟の中では[[トゥアゴン>トゥアゴン(フィンゴルフィンの息子)]]と特に親しかった。

***中つ国帰還への参加からノルドールのベレリアンド定住における貢献 [#x37cfe02]
[[ノルドール]]の[[中つ国]]帰還に参加し、父[[フィナルフィン]]が[[マンドスの呪い]]の宣告を聞いてひき返した後も妹の[[ガラドリエル]]と共にフィナルフィン家の軍勢を指揮して[[ヘルカラクセ]]を横断した。

[[ベレリアンド]]では、フィンロドにとっては母[[エアルウェン]]の伯父である[[ドリアス]]の王[[シンゴル]]や、[[ファラス]]の領主[[キーアダン]]と友好関係を築き、[[ノルドール]]と[[テレリ]]の橋渡し役をこなした。また、[[ブリソンバール]]と[[エグラレスト]]の港の改修を援助し、[[バラド・ニムラス]]の塔を築くなどの事業を行った。自身は[[シリオンの山道]]の防備のために築いた[[トル・シリオン]]に住まっていたが、後にこの地は弟の[[オロドレス>オロドレス(フィナルフィンの息子)]]に委ね、自身は新たに建造した[[ナルゴスロンド]]へ移った。

*** ナルゴスロンドの建造 [#o0481742]

フィンロドは、[[トゥアゴン>トゥアゴン(フィンゴルフィンの息子)]]と共に[[シリオン]]の川辺を旅した時に、夢の中で[[ウルモ]]より啓示を受け、[[シンゴル]]の[[メネグロス]]の館を模倣した隠れた要塞都市を造ることを考える。フィンロドは[[シンゴル]]にこの意図を打ち明けると、彼から[[ファロス高地]]の洞窟のことを教えられる。フィンロドは[[ドワーフ]]の協力を受けて、この地に[[ナルゴスロンド]]の要塞都市を築き、この都市を中心とする領国の王となった。そのためフィンロドは、[[クズドゥル]]で「洞窟を切り拓く者」という意味の言葉に由来するフェラグンドと呼ばれた。またドワーフによって[[ナウグラミーア]]の頸飾りが彼のために作られ、フィンロドは[[ナルゴスロンド]]の全ての財宝にも増してこれを大切にしていた。
フィンロドは生涯独身で子を持たなかったが、その訳を[[ガラドリエル]]に'''予もまたある誓言をなすだろう。それを成就し、暗闇に入ってゆくには自由でなければならぬ。それにわが王国には息子に次がせるべきものは何一つ残らないであろう'''((『[[シルマリルの物語]]』第十五章))と話し、自身とナルゴスロンドの運命を予言した(だが[[アマン]]にいた時は、フィンロドは[[アマリエ]]を愛していた)。

***人間の友として [#f7884e38]

フィンロドは、[[青の山脈]]を越えて[[オッシリアンド]]に到来した最初の[[人間]]たち(後の[[ベオルの族>ベオル#House]])に初めて出会った[[ベレリアンド]]の[[エルフ]]となる。人間たちはフィンロドを彼らの言葉で「智慧」を意味するノームと呼んで慕い、彼の一族である[[ノルドール]]を「智慧ある者たち」を意味するノーミンと呼んだ。ベオルの族の始祖バランはフィンロドに終生仕えたことから、人間の言葉で「家臣」を意味する[[ベオル]]と呼ばれた。

またフィンロドは、[[ハレスの族>ハレス(ハルダドの娘)#House]]が[[シンゴル]]から[[ブレシル]]の森に住まう許しを得られるよう助力した。

*** バラヒアへの誓いと、ベレンとの旅 [#c34991b0]

フィンロドは、[[ダゴール・ブラゴルラハ]]の戦いで敵に包囲されたところを[[バラヒア>バラヒア(ブレゴールの息子)]]によって救われたため、以後バラヒアとその一族が危急に瀕した際には必ず助けるという誓言を立て、その証として[[自らの指輪>バラヒアの指輪]]をバラヒアに与えた。
その後、[[シンゴル]]から[[ルーシエン]]との結婚の条件として[[シルマリル]]を要求された[[ベレン>ベレン(バラヒアの息子)]]が、[[バラヒアの指輪]]を手に[[フィンロド]]を頼って[[ナルゴスロンド]]にやってくると、彼は誓言を守って、[[モルゴス]]の元へと向かうベレンと行動を共にしようとする。しかし[[フェアノールの息子たち]]である[[ケレゴルム]]と[[クルフィン]]を恐れたナルゴスロンドの民のほとんどはフィンロドを見捨て、[[エドラヒル]]を頭とした十人の忠臣だけがフィンロドに付き従った。フィンロドはナルゴスロンドの王位を弟の[[オロドレス>オロドレス(フィナルフィンの息子)]]に託して旅立った。
彼らは途中で出会った[[オーク]]の装備を奪うとフィンロドの魔法でオークの姿に変装し、モルゴスの勢力圏に潜入する。だが[[サウロン]]に正体を見抜かれ、フィンロドはサウロンと歌で戦うが敗れたため、一行は[[トル=イン=ガウアホス]]に囚われた。
サウロンは、一行の意図を探るために脅迫し、投獄された彼らを一人ずつ狼に喰わせたが、狼がベレンを食べに来た時、フィンロドは力の限りを尽くして自らの縛めを破り、ベレンを守って狼と相討ちになった。

>「わたしはこれから[[大海]]のかなた、[[アマンの山脈>ペローリ]]のかなた、[[時なき館>マンドスの館]]に赴き長い休息につく。私の姿が再び[[ノルドール]]の間に見られるのは遠い先のことであろう。恐らくわれらは両人は、それぞれの種族の運命が異なる故に、幽明いずれにあろうと再び相会うことはなかろう。ではさらばじゃ!」((『[[シルマリルの物語]]』第十九章 ベレンに別れを告げるフィンロドの最期の言葉))

[[マンドスの館]]に来たフィンロドはそこから出て、父の[[フィナルフィン]]と共に[[エルダマール]]の樹々の下を逍遥しているという。

** コメント [#ra74cd04]

#pcomment_nospam(,6,,,,,reply)