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#author("2016-08-13T08:50:38+09:00","","")
* フアン [#k9fbf356]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Huan|
|~その他の呼び名|[[ヴァリノール]]の猟犬(Hound of Valinor)、猟犬(the wolfhound)|
|~種族|猟犬(hound)|
|~種族|猟犬|
|~性別|男|
|~生没年|~[[第一紀]]|
|~親|不明|
|~兄弟|不明|
|~配偶者|不明|
|~子|不明|

** 解説 [#Explanation]

名は「猟犬」(hound)の意((『[[シルマリルの物語]]』の索引では「大きな犬」(great dog)とも訳されている))。
元々は[[オロメ]]の猟犬で、[[ヴァリノール]]でオロメと親しかった[[ケレゴルム]]に与えられた。何者もフアンの視覚と嗅覚からは逃れ得ず、いかなる魔法(enchantment)も彼には効かなかった。俊足で疲れを知らず、昼夜を問わず眠ることはなかった。また声を持つ全ての生類の言葉を理解し、生涯に三度のみ口を利くことが許されていた。
ケレゴルムと共に[[至福の国]]から[[中つ国]]へ渡ったことで、フアンもまた[[ノルドール]]に課せられた[[滅びの運命>マンドスの呪い]]の下に置かれるが、「天が下にかつて存在したこともない強大な狼と戦うまでは死なない」という運命を下されていた。
名は「猟犬」(hound)の意((『[[シルマリルの物語]]』索引では「大きな犬」(great dog)とも訳されている))。強大な力を持った''[[ヴァリノール]]の猟犬''であり、何者もその視覚と嗅覚から逃れることはできず、いかなる魔術も彼を止めるには役に立たない。高い知能と高潔な心の持ち主でもあり、あらゆる生類の言葉を理解することができたが、彼自身は生涯で三度のみ口を利くことが許されていた。

ケレゴルムが[[ルーシエン]]を[[ナルゴスロンド]]に捕らえて己が物にしようとすると、フアンはケレゴルムに反してルーシエンを助ける。フアンはルーシエンが[[ベレン>ベレン(バラヒアの息子)]]を救う手助けをし、[[トル=イン=ガウアホス]]では[[ドラウグルイン]]を殺して、[[サウロン]]をねじ伏せた。
その後フアンはケレゴルムの元に戻ったが、[[ナルゴスロンド]]を追放されたケレゴルムが、[[ブレシル]]の森で行き遇ったベレンを殺そうとすると、フアンはケレゴルムを見放してベレンを救った。その後フアンは再びルーシエンを背に乗せて、シルマリル探索のために一人で旅立とうとしたベレンに追いつき、ルーシエンを[[アングバンド]]へ伴うようベレンに助言。また自分とは[[ドリアス]]で再会することを予言した。
元々は[[オロメ]]の猟犬であったが、[[ヴァリノール]]でオロメの友であった[[ケレゴルム]]に与えられる。ケレゴルムに付き従って[[至福の国>アマン]]から[[中つ国]]に渡ったことで、フアンも[[ノルドール]]に課された[[滅びの運命>マンドスの呪い]]に繋ぎ止められることになったが、同時に'''天が下にかつて存在したこともない強大な狼と戦うまでは死なない'''という運命を下された。

やがてルーシエンと、片手を[[シルマリル]]ごと[[巨狼]][[カルハロス]]に喰われて死に瀕しているベレンが、[[大鷲]]に運ばれて再びドリアスの国境に戻ってくると、フアンはルーシエンと共にベレンを介抱し、彼を死の淵から救い出した。
その後[[シルマリル]]を飲み込んだ[[カルハロス]]が[[ドリアス]]に近付いてくると、フアンはベレン、[[シンゴル]]ら狼狩りの一行に加わる。フアンはカルハロスと戦い、運命に定められていた通り、カルハロスと相討ちして果てた。
[[レイシアン]]において、フアンは悪業にとり憑かれた主人の[[ケレゴルム]]を見限り、[[ベレン>ベレン(バラヒアの息子)]]と[[ルーシエン]]を助けて働いた。

一度目はケレゴルムに捕われたルーシエンに対する助言に、二度目はルーシエンにシルマリル探索の旅を断念させるべきか悩むベレンへの助言に、三度目は自らの死の間際ベレンに別れを告げるため、口を利いた。
*** レイシアンにおけるフアン [#uff5d971]

[[ベレン>ベレン(バラヒアの息子)]]を追って[[ドリアス]]を出奔した[[ルーシエン]]を見つけ、彼女を[[ケレゴルム]]と[[クルフィン]]の許に連れてきたのはフアンであった。だが二人は邪心を起こしてルーシエンを[[ナルゴスロンド]]に幽閉したため、同情したフアンはケレゴルムに反してルーシエンを助ける。この時フアンはルーシエンに助言を与えるために初めて口を利き、彼女を幽閉から救い出した。

フアンはルーシエンを背に乗せて[[トル=イン=ガウアホス]]に赴き、島に巣食っていた[[ドラウグルイン]]をはじめとする[[巨狼]]を次々と仕留める。そこで[[サウロン]]はフアンに課せられた運命を思い出し、自ら史上最大の狼に姿を変えることでフアンを倒そうとした。サウロンの力は強大であったが、ルーシエンの眠りの魔術とフアンの力のために、ついにサウロンはねじ伏せられて敗退した。こうしてルーシエンは島に囚われていた[[ベレン>ベレン(バラヒアの息子)]]を救出する。

その後フアンは[[ケレゴルム]]の許に戻ったが、主従の愛は旧には復さなかった。
ケレゴルムとクルフィンが[[ナルゴスロンド]]を追放された時、主人に付き従ったのはフアンただ一匹であった。だがその二人が[[ブレシル]]の森で行き遭ったベレンを殺し、ルーシエンを連れ去ろうとした時、フアンは完全に主人への奉公を止める。フアンはベレンを殺そうとしたケレゴルムを阻み、去り際にクルフィンが放った矢からルーシエンを守った。さらに森から薬草を探してきて、ベレンの負った矢傷をルーシエンが癒やすのを助けた。
ベレンが単身[[アングバンド]]に向かおうとすると、フアンは再びルーシエンを背に乗せて彼に追いつく。この時フアンは二度目となる言葉を発し、もはやベレンとルーシエンの運命は一つであり、二人で共に難題に向かうべきであるとベレンに助言。また自分とは[[ドリアス]]で再会することになるだろうと予言し、二人と別れた。

やがてその言葉の通り、[[大鷲]]に運ばれて[[アングバンド]]から生還した二人と[[ドリアス]]で再会する。ベレンは[[カルハロス]]に片手を食い千切られて死に瀕していたが、フアンはルーシエンと共に再びベレンを介抱し、彼を死の淵から救い出した。
そして、ベレンの片手ごと[[シルマリル]]を飲み込んだ[[カルハロス]]がドリアスに侵入すると、[[シンゴル]]の結成した狼狩りの一行にフアンも加わる。[[エスガルドゥイン]]の滝の傍らにおいて、ついにフアンとカルハロスの戦いが行われ、運命に定められていた通り、フアンはこの史上最大の狼と相討ちになって果てた。

最期にフアンは三度目となる口を利き、ベレンに別れを告げて世を去った。

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