* ビルボ・バギンズ [#c893577e]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Bilbo Baggins|
|~その他の呼び名|[[忍びの者]] &br; [[エルフの友]] &br; [[指輪所持者]] &br; たるにのるぞう(Barrel-rider)((岩波版の訳。[[原書房版>ホビット ゆきてかえりし物語]]では「樽乗り」、[[映画ホビット>ホビット(映画)]]では「樽にのる者」となっている)) &br; ビルボ大旦那(Old Mr. Bilbo) &br; いかれバギンズ(Mad Baggins) |
|~種族|[[ホビット]]|
|~性別|男|
|~生没年|[[ホビット庄暦]]1290年9月22日~不明(1421年(([[第三紀]]3021年))9月29日、131歳で[[中つ国]]を去る)|
|~親|[[バンゴ・バギンズ]](父)、[[ベラドンナ・トゥック]](母)|
|~兄弟|無し|
|~配偶者|無し|
|~子|[[フロド・バギンズ]](養子)|

** 解説 [#Explanation]
『[[ホビットの冒険]]』の主人公。[[バンゴ・バギンズ]]と[[ベラドンナ・トゥック]]の一人息子で、[[トゥック翁]]の孫にあたる。[[一つの指輪]]を発見した[[指輪所持者]]であり、[[フロド・バギンズ]]の伯父((正確にはフロドの母の従兄弟で、フロドの父の再従兄弟))。後にフロドの養父となる。
若い頃は未知の世界や冒険の物語に憧れてもいたが、壮年に入ってからは[[バギンズ家]]の者らしく安穏な暮らしをよしてしており、自ら冒険したがるタイプでは決してなかった。だが[[トゥック>トゥック一族]]の血を引いているためか、[[ガンダルフ]]と[[ドワーフ]]たちの訪問を受けたことで眠っていた冒険心や詩心が目覚め、次第に[[はなれ山]]への旅や[[五軍の合戦]]において重要な人物となり、[[エルフ]]たちとも親しんで[[エルフの友]]と称された。

[[ホビット庄]]に帰郷後、ビルボは元は自分の日記だった[[西境の赤表紙本]]に、『[[ホビットの冒険]]』の元となった冒険の記録を残し、[[エルロンド]]の客人として[[裂け谷]]に隠居してからは『[[シルマリルの物語]]』の元となった伝承集を編纂した。
また自作の詩((『[[指輪物語]]』作中では[[アラゴルン二世]]のために作った詩や[[「最後の憩」館]]で披露した[[エアレンディル>エアレンディル(トゥオルの息子)]]の詩などがある))や物語も多く書き残し、その一部は『[[トム・ボンバディルの冒険]]』に収録されている。

*** 『[[ホビットの冒険]]』のビルボ・バギンズ [#uec3d6e3]

[[ホビット庄]][[ホビット村]]の[[袋小路屋敷]]に一人で暮らしていたが、[[はなれ山]]の[[龍]]の元へ向かう[[ドワーフ]]の助っ人として[[ガンダルフ]]に選ばれる。ビルボは50歳を迎えた4月のある日に、ガンダルフ及び[[トーリン二世]]ら13人のドワーフと共に、はなれ山への旅に[[忍びの者]]という名目で同行する。その旅の途中で[[トロル]]の宝の分け前として、[[つらぬき丸]]を手に入れている。
一行は[[裂け谷]]に一時滞在し、そこから[[霧ふり山脈]]を[[本道]]を通って東に越えようとするが、山中の[[ゴブリン町]]で[[オーク]]に捕まってしまう。ガンダルフの力で逃げ出したものの、ビルボは一人霧ふり山脈の洞窟の中で仲間とはぐれた。そこで“偶然”[[一つの指輪]](その時にはこの指輪の正体はわからなかった)を拾い、(自分が指輪を落としていたことに気がついていなかった)[[ゴクリ]]に出会う。
ビルボはゴクリと[[なぞなぞ遊び]]をした後、指輪の力によって透明になる。ビルボを見失ったため出口で待ち伏せしようとしていたゴクリの後を追跡し、オークからも逃げ出して、ビルボは洞窟から脱出。[[ガンダルフ]]たち仲間と再会した。

体が透明になる指輪を手に入れたビルボは、一行のお荷物から一転して要になり、[[闇の森]]の中では[[蜘蛛]]に襲われた仲間のドワーフたちを助け出した。その後、誤解のため闇の森のエルフ王[[スランドゥイル]]にドワーフたちが捕らえられた時も、ビルボは自らの知恵と、体が透明になる指輪の力を使いながら仲間を助け出し、[[森の川]]を利用して全員で[[エスガロス]]までたどり着くことに成功した。また[[はなれ山]]では[[スマウグ]]を仕留めることができる弱点である、龍の左胸にあった宝石の鎧の穴を見付け出した。結局[[スマウグ]]は、ビルボの話を聞いた[[ツグミ]]より情報を得た[[バルド]]によって仕留められた。
ビルボは、スマウグがいない間にと全員で大広間に降りた際、[[トーリン]]から[[ミスリルの胴着]]を貰っている。また、[[湖の町>エスガロス]]がスマウグに襲われたことによる賠償として、はなれ山の宝の分け前を要求する[[バルド]]たちと、一切の交渉を拒否するトーリンの対立を見かねたビルボは、密かに手に入れていた[[アーケン石]]をバルドに渡し、トーリンとの交渉の材料に使うよう勧めた。このビルボの行動が明らかになるとトーリンは激怒し、ビルボをはなれ山から追放する。だがビルボは後悔しなかった。

その後の[[五軍の合戦]]では、ビルボは指輪の力を使ってなるべく戦いを避けていたが、それでも[[からすが丘]]の[[スランドゥイル]]のもとに留まり、最後は彼を守って戦うつもりでいた。だが落石を兜に受けて気絶する。しかしどうにか生き残ったビルボは救出され、重傷を負って今わの際にあったトーリンと再会して最後の言葉を交わす。ビルボは、冒険に参加した時の契約にあった「はなれ山の財宝の14分の1」をすべてバルドたちに与えようとしたが、分けても財宝はまだ膨大であったためもあり、バルドの厚意を受けて、宝の分け前を少々貰う。それから途中までスランドゥイルの一行、ビヨルン、ガンダルフと共に帰路につき、エルフたちと別れた後は闇の森を北に迂回してからビヨルンの屋敷に立ち寄り、ガンダルフと共にしばらく過ごす。そして[[裂け谷]]を経由した後、[[バート]]、[[ウイリアム]]、[[トム]]が使っていた[[トロル]]の岩屋に残っていた財宝のを回収して[[ガンダルフ]]と分け合ってから、ホビット庄へと帰った。
その時ホビット庄では、死んだと思われていたビルボの遺産の分配が行われているところであり、[[袋小路屋敷]]も[[オソ>オソ・サックビル=バギンズ]]と[[ロベリア>ロベリア・サックビル=バギンズ]]のサックビル=バギンズ夫妻によって乗っ取られようとしているところであったが、ビルボはそれを防ぐのに、ぎりぎり間に合った。もっとも、競売にかけられた家具を買い戻すのに、もらった財宝をかなり使うことになった。

こうして死んだと思われていたビルボが帰ってきたことや、(ビルボ自身はフロド以外のホビットには冒険のことを話さなかったが)宝の伝説のこと、一般のホビットたちにとっては得体の知れない余所者である[[エルフ]]や[[ドワーフ]]、そして勿論[[ガンダルフ]]とも付き合い続けたことなどによって、ビルボはホビット庄中ですっかり有名人かつ「変人」として知れ渡ってしまった。だがビルボは、財宝の一部を贈り物として使ったため、年若い親戚の甥や姪たちや、名もなく貧しいホビットたちからは非常に慕われた。

*** 『[[指輪物語]]』のビルボ・バギンズ [#f33d49e8]

ビルボはその後も一人で袋小路屋敷に暮らし、独身を通していたが、自分が99歳の時に、78歳年下で21歳だった甥の[[フロド・バギンズ]]を養子として引き取った。ビルボはフロドがお気に入りだっただけではなく、フロドの両親が早くに事故で死んでいたこと、ビルボとフロドの誕生日が同じで「一緒に誕生祝いをするのに都合が良い」ことなどが理由である。
[[自分の111歳の誕生日の祝宴の夜>ビルボの別れの宴]]、ビルボは袋小路屋敷や[[一つの指輪]]を[[フロド>フロド・バギンズ]]に託すと、ホビット庄から文字通り姿を消すが、この際の(真相はビルボ本人の他は、火花の魔法で目くらましの手伝いをした[[ガンダルフ]]しか知らない)派手な演出は後々まで[[ホビット庄]]中で語り草となり、'''やがてこの事件は、ホビットの子供たちが炉辺でせがむお話の一つとなり、いかれバギンズといえば、爆発音と閃光とともに消え去り、黄金と宝石の袋をいくつもたずさえてふたたび現われる、子供たちにとっては、人気ある伝説上の人物として、実際の事件が忘れ去られた後までも、いつまでも生き続けました。'''という。
以後ビルボは[[エルロンド]]の客人として[[裂け谷]]で隠遁生活を送り(その間に、一度[[はなれ山]]を再訪している)、『[[シルマリルの物語]]』の元となった伝承集を編纂した。

[[指輪戦争]]時もビルボは裂け谷で平穏に暮らしており、[[黒の乗手]]から避難するために裂け谷にやって来た[[フロド>フロド・バギンズ]]と再会する。フロドが[[指輪所持者]]としての使命を帯びて[[モルドール]]へ旅立つことになると、餞別に[[ミスリルの胴着]]と[[つらぬき丸]]を与えた。だがフロドが使命を達成して[[一つの指輪]]が破壊されると、指輪の力で遠ざけられていた老いが、一気にビルボにふりかかってきてしまう。ビルボは帰りの旅の途中で再び裂け谷へ立ち寄ったフロドに[[西境の赤表紙本]]を渡し、伝承集の編纂の仕上げと[[指輪戦争]]についての記録をまとめる仕事を託した。
[[第三紀]]最後の年に、ビルボは131歳となって、[[トゥック翁]]を超えるホビットの最長寿記録保持者となった。その年に、[[指輪所持者]]として[[至福の国>アマン]]へと去った。

*** 略歴 [#lc962e57]

- 2890年 生誕
- 2911年 21歳。酷寒の冬で[[ホビット庄]]に大雪。[[ブランディワイン川>ブランディワイン]]等が凍結
- 2920年 30歳。[[トゥック翁]]死去。[[ガンダルフ]]の訪庄途絶える
- 2941年 50~51歳。4月に[[ガンダルフ]]、[[トーリン二世]]らと共に[[はなれ山]]に出発。同年末に[[五軍の合戦]]
- 2942年 51歳。ホビット庄に帰還
- 2949年 59歳。ガンダルフと[[バーリン]]がビルボのもとを訪れる
- 2989年 99歳。21歳の[[フロド・バギンズ]]を養子に迎える
- 3001年 111歳の誕生日に[[別れの宴>ビルボの別れの宴]]を催す。フロド・バギンズに[[袋小路屋敷]]、[[一つの指輪]]、その他の財産を与えて[[ホビット庄]]を去る
- 3002年 [[裂け谷]]に落ち着く
- 不明 [[はなれ山]]へ旅をして、裂け谷に戻る
- 3018年 128歳。[[大いなる年]]。裂け谷でフロド・バギンズと再会
- 3019年 129歳。一つの指輪の破壊後、裂け谷でフロド・バギンズと再会。
- 3021年 131歳で[[ホビットの最長寿記録>トゥック翁]]を更新。その後フロドたちと共に[[西方>アマン]]へと去る

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#Lotrmovie]

|~俳優|[[イアン・ホルム]]|
|~日本語吹き替え|[[山野史人]]|
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[[ホビット庄]]を去って[[裂け谷]]に隠遁している期間は、原作より大幅に短くされている。その間に[[はなれ山]]へと旅したエピソードも登場しない。

** 映画『[[ホビット>ホビット(映画)]]』における設定 [#Hobbitmovie]

|~俳優|[[マーティン・フリーマン]](青年期)/イアン・ホルム(老年期)|
|~日本語吹き替え|[[森川智之]]/山野史人|

[[ガンダルフ]]に危険だと止められたにもかかわらず、[[アーケン石]]を持ち出したことを告白するため[[エレボール]]の[[トーリン二世]]のもとへ戻る、戦いの中、[[からすが丘]]にいるトーリンたちのもとへ伝令に向かうことを志願するなど、特に物語後半は勇気を示す場面や、[[五軍の合戦]]でのアクションシーンが増えている。
また原作に比べ、偶然拾った「[[魔法の指輪>一つの指輪]]」に執着を示すシーンが増えている((これは原作執筆時、原作者の[[トールキン>ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン]]が『指輪物語』の構想や一つの指輪の設定を考えていなかったためもある))。ビルボは、この指輪のことは終始秘密にしていたが、ガンダルフには彼が魔法の指輪を拾ったことに気づかれていた。ガンダルフとの別れ際「魔法の指輪は軽々しく使うものではない」と忠告された時「もう落とした」と噓をついている。原作の「[[なぞなぞ遊び]]で勝ったことによってゴクリ(ゴラム)から貰った」という噓の代わりに入れられたものと思われる。
また原作に比べ、偶然拾った「[[魔法の指輪>一つの指輪]]」に執着を示すシーンが増えている((これは原作執筆時、原作者の[[トールキン>ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン]]が『指輪物語』の構想や一つの指輪の設定を考えていなかったためもある))。ビルボは、この指輪のことは終始秘密にしていたが、ガンダルフには彼が魔法の指輪を拾ったことに気づかれていた。ガンダルフとの別れ際「魔法の指輪は軽々しく使うものではない」と忠告された時「もう落とした」と噓をついている。
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