#author("2023-02-07T18:27:02+09:00;2023-02-07T16:11:18+09:00","","")
* ドルーエダイン [#v5030f5d]
** 概要 [#l2f6ea99]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|種族|
|~スペル|Drúedain((単数形ドルーアダン(Drúadan) ))|
|~カテゴリー|[[種族]]|
|~スペル|Drúedain|
|~異訳|ドルエダイン|
|~その他の呼び名|ドルグゥ、ウォーゼ(Wose)、[[プーケル人]]、&ruby(やじん){野人};(([[旧版]]では「現地の人」))(Wild Men)、オゴル=ハイ(Oghor-hai)|
|~その他の呼び名|&ruby(やじん){野人};(([[旧版]]では「現地の人」))(Wild Men) &br; ウォーゼ(Wose) &br; ドルグ、ドルフ(Drughu) &br; ドルーグ(Drûg) &br; ドルーアス(Drúath) &br; ルーアタニ(Rúatani) &br; ローグ(róg) &br; オゴル=ハイ(Oghor-hai)|

** 解説 [#z23f8f4e]
** 解説 [#Explanation]

[[シンダール語]]で「野生の人々」の意。単数形ドルーアダン(([[旧版]]ではドルアダン))。[[人間]]の一氏族で、ドルグゥ、[[プーケル人]]などとも呼ばれる。[[ローハン語]]ではウォーゼと言われる。オークからはオゴル=ハイと呼ばれ、恐れられていた。
[[シンダリン]]で、単数形は''ドルーアダン''(Drúadan)((『[[指輪物語]]』での訳は「ドルアダン」))。[[共通語]]で''&ruby(やじん){野人};''と呼ばれる[[人間]]の一氏族。[[ローハン語]]では''ウォーゼ''と呼ばれる。[[第一紀]]の[[ハレスの族]]からは''ドルーグ''と呼ばれ、[[オーク]]からは''オゴル=ハイ''と呼ばれた。

ドルーエダインは[[第一紀]]のころから歴史に存在が記されているが、当時から人口が少なかった。[[第三紀]]末の彼らは[[ドルーアダンの森]]に少数が細々と暮らしていた。ドルーアダンの森に住むドルーエダインの末裔は、自分たちのことを西方語で「野人」と呼んでいたが、彼等自身の言葉で自分たちのことを何と呼んでいるかは判らない。
[[ロヒアリム]]は、ドルーエダイン(ウォーゼ)を狩りの対象として追い回していたことがあるため、ウォーゼとロヒアリムとの関係は良くなかった。だが野人はロヒアリム以上にオークをずっと憎んでいた。そこで野人の酋長である[[ガン=ブリ=ガン]]は、[[モルドール]]と戦おうとする[[セオデン]]に対し、道案内の援助を申し出た。
>その前の地面には、奇妙な恰好にうずくまった男が一人坐っていました。古さびた石のようにごつごつしており、乏しい顎鬚はこぶのような無骨な顎に乾いた苔のように散らばっていました。脚は短く、腕は太く、体も厚みがあってずんぐりしていました。身にまとっているものといえば、僅かに腰蓑を着けているだけでした。 … [[あの古い彫像>プーケル人]]の一つがここに生を得て生き返ったのか、それとも、遠い昔の今は忘れられた技工たちによって用いられたモデルたちの血を限りない年月の間正しく伝えてきたその直系の子孫であるかもしれません。((『[[指輪物語]] [[王の帰還>指輪物語/王の帰還]]』「ローハン軍の長征」 [[メリー>メリアドク・ブランディバック]]の目撃した[[ガーン=ブリ=ガーン]]の姿))

人口が少なく、歴史の表舞台に出てくることは少ない。『[[指輪物語]]』でわずかに登場する他、詳細は『[[終わらざりし物語]]』で語られている。
気むずかしく素朴な民族だが、いくつかの特異な特徴で知られており、特に''[[見張り石]]''という魔法の彫像を作る力があった。[[第一紀]]には[[ハレスの族]]と行動を共にして[[エダイン]]の一員と見なされており、[[第二紀]]には[[ヌーメノール]]に渡って[[ドゥーネダイン]]と共に住んだこともあった。[[中つ国]]では[[白の山脈>エレド・ニムライス]]の周辺に定住していたが、次第に数を減じ、[[第三紀]]には[[ドルーアダンの森]]や[[ドルーワイス・ヤウル]]のあたりにわずかな末裔が隠れ住むのみとなっていた。

[[やしろ岡]]の石像''[[プーケル人]]''はかれらが作ったものだと考えられる。
[[ロヒルリム]]はかれら野人を[[人間]]とは見なさず、狩りの対象として追い回したことがあったため、両者の関係は良くなかった。だが野人はロヒルリム以上に[[オーク]]を憎んでおり、[[暗黒時代]]の再来を恐れてもいたため、[[指輪戦争]]では酋長[[ガーン=ブリ=ガーン]]が[[セーオデン]]に助力を申し出た。野人の警戒と道案内のおかげで[[ロヒルリム]]は[[石車谷]]を通って安全かつ迅速に[[ミナス=ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]に到達することができ、[[ペレンノール野の合戦]]に勝利をもたらすことができた。

[[サウロン]]が滅ぼされた後、[[エレッサール王>アラゴルン二世]]によって[[ドルーアダンの森]]はドルーエダインのものとされ、他の人間には不可侵の地域とされた。

** 特徴 [#de2c40a6]

:外見|~身長は低くがっしりしていた。頭にはまばらに毛が生えているだけで、外見は比較的[[ドワーフ]]に似ており、性格もドワーフに似ていた。感情を表に出すことは余り無いが、変わった声で笑った。
:能力|~優れた狩猟者で、狩りや追跡などの能力では他のどの種族にも勝っていた。彫像のように何日もじっと座っていることができた。一般の[[人間]]より短命。
:文明・文化|~高い文明は持たず、文字も使わない。木や石を掘る優れた細工者で、[[見張り石]]という彫像を作った。[[オーク]]に対しては毒矢で戦った。
:住居|~森林地帯に、原始的な生活を営む。
:歴史|~[[第一紀]]、[[ハレス>ハレス(ハルダドの娘)]]([[ハラディン]])の族と共に暮らしていた[[人間]]の種族。[[ハレス>ハレス(ハルダドの娘)]]の族からはドルグゥと呼ばれていた。[[第一紀]]の頃からその数は非常に少なかったが、彼らはハレスの族の同盟者として[[オーク]]と戦った。&br;一説によると彼らの一部は[[ヌーメノール]]の建国と共にかの地に渡ったが、[[ヌーメノール]]の没落の前に(警告を感じたのか)皆その地を去った。&br;また一部の者は[[白の山脈]]の麓に住み始めた。[[第二紀]]に[[ヌーメノール人]]が沿岸地方にやってくると、アンドラス岬の山地や[[アノリアン]]の東端に生き延びたが、[[第三紀]]の終わりには後者は著しく減少した。[[第三紀]]の[[ガン=ブリ=ガン]]らは彼らの子孫である。
:言語|~彼等自身の言語([[プーカエル]])はあるが文字はなく、象形文字のような記号を使うのみである。一応[[西方語]]を話す者もいる。
:偏見|~[[ロヒアリム]]はスポーツとしてドルーエダインを狩っていた事があったため確執があるが、ドルーエダイン自身は[[ロヒアリム]]よりも[[ゴルグン(オーク)>オーク]]を遙かに強く憎んでいた。[[オーク]]にはドルーエダインはオゴル=ハイと呼ばれており、恐れられていた。
:外見|身長は低くがっしりしている。顔は横に広く、大きく窪んだ目と濃い眉があり、目は瞳があまりにも黒いために瞳孔が識別しがたいほどであった。頭にはまばらに毛が生えているだけで、眉から下には毛が生えないが、僅かな者には顎の中央に小さな黒い房状の髭が生えており、この特徴は誇りとされた。
普段は表情に乏しく、感情を表に出すことは余り無いが、他の種族なら歌うような時に変わった声でよく笑い、その笑い声には耳にした者を一緒に笑い出させてしまう不思議な魅力があった。

** コメント [#q9613e00]
- ネアンデルタール人を念頭においたのでは…というのは邪推すぎか? --  &new{2008-08-08 (金) 01:30:24};
- サンカとか、山に住む人ってのは、日本にも居るので、海外にもいるそういう民族のイメージだと思います --   &new{2008-12-01 (月) 23:57:42};
:能力|優れた狩猟者。暗闇でも見通せる視力や、特に極めて優れた嗅覚を持ち、狩りや追跡などの能力では他のどの種族にも勝っていたという。
護衛としても名高く、その注意力、威嚇の力の強さは、侵入者がかれらの見えざる警戒を感じ取って恐れ退くほどだった。彫像のように何日もじっと座っていることができ、威嚇の力もそうした時に発揮された。さらにこうした能力を[[見張り石]]に移し込むことができた。
奇妙な予知能力を持っていたともいい、[[ヌーメノール]]の没落を2000年も前から感じ取っていたといわれる。
一般の人間より短命。

#comment
:文明・文化|高い文明は持たず、文字も使わないが、木や石を彫る優れた細工者で、[[見張り石]]という魔法の石像を作ることができた。オークに対しては毒矢で戦ったが、彼らの掟ではオーク以外の生命を毒で傷つけることは禁じられていたという。あらゆる生き物について、[[エルフ]]に教えられたわけでもないのにエルフと同じぐらい詳細に把握していた。生活はつましく、質素な食事と水しか摂ろうとしなかった。

:住居|森林地帯で、原始的な生活を営む。身体が頑強なため、基本的には家屋を必要としないが、定住する場合は大きな木の幹の周りに簡素な天幕や小屋を建てて満足していた。またそれとは別に、秘密の貯蔵庫や避難所として山中の洞窟を使うが、そちらは他の種族にはたとえ親しい者であろうと招かれなかった。

:歴史|[[ゴンドール]]の歴史家が信じるところによれば、[[アンドゥイン]]を渡った最初の[[人間]]こそドルーエダインであった。かれらは[[近ハラド>ハラド]]を通って[[イシリエン]]を北上し、他の人間がやってくるずっと前に[[白の山脈>エレド・ニムライス]]の谷間や山裾の森林に住みつき、[[モルゴス]]の力に何の関心も示さず、東からの人間の侵入を嫌っていたという。
[[ベレリアンド]]では(経緯は定かではないが)[[ハレスの族]]と非常に親しく、共に暮らしていた。ハレスの族は彼らのことを、ドルーアダン自身の言葉でドルーグと呼んでいた。[[第一紀]]の頃からドルーグの数は非常に少なかったが、彼らはハレスの族の同盟者として[[オーク]]と戦い、[[エダイン]]の一員と見なされた。
一説によると彼らの一部は[[ヌーメノール]]の建国と共にかの地に渡ったが、ヌーメノールの没落の前に(警告を感じたのか)皆その地を去った。
[[第二紀]]の[[中つ国]]では、[[暗黒時代]]の到来とともに[[サウロン]]を崇拝する[[&ruby(ダンレンデイング){褐色国人};>褐色国人]]のような民族や、沿岸地方にやってきた[[ヌーメノール人]]に圧迫され、[[アンドラスト]]岬の荒れ地([[ドルーワイス・ヤウル]])や[[アノーリエン]]の東端([[ドルーアダンの森]])に生き延びた。
[[第三紀]]の終わりには数は著しく減少し、アノーリエンに残っている者のみがドルーエダインの生き残りとして知られていた。[[第三紀]]の[[ガーン=ブリ=ガーン]]らは彼らの末裔である。

:言語|彼ら自身の言語はあるが、彼らなりのやり方で他の人間と同じ言葉を話した。しかしそれも彼らに固有の単語を多くとどめていた。第三紀には[[西方語]]を話す者もいた。
文字は持たず、象形文字のような記号を使うのみである。

:偏見|[[オーク]]の不倶戴天の敵で、互いに強く憎み合っている。迫害されることが多かったため、他の[[人間]]のこともほとんど信用しない。中にはドルーエダインをオークの親類と見なす者もいたが、[[エルダール]]は「かれらの笑いとオークの笑いは、[[アマン]]の光と[[アングバンド]]の闇ほども違う」と言って反論したという。
[[ロヒルリム]]はかれらを[[人間]]の一種族とは認めず、スポーツの対象として狩り立てていたことがあるため、両者の間には確執がある。

>「しかし、あんたがたこの暗闇のあとも生きたら、森の野人かまわないでくれ。獣のように追うこと、もうしないでくれ。」((『[[指輪物語]] [[王の帰還>指輪物語/王の帰還]]』「ローハン軍の長征」 ガーン=ブリ=ガーンの言葉))

*** 多数の名の意味 [#i3f53d0c]

:ドルグ、ドルフ(Drughu)|ドルーエダイン自身の言語での自称。
:ドルーグ(Drûg)|ドルーエダインと行動を共にしていた[[ハレスの族]]がドルーエダインの言葉を用いて呼んだ名。
:ドルー(Drû)|「ドルグ」が[[ベレリアンド]]の[[シンダリン]]に取り入れられた語。ドルーは単数形で、複数形は''ドルーイン''(Drúin)。集合名詞(種族名)は''ドルーアス''(Drúath)。また、''ドルーの民''(Drû-folk)という表現もある。((ドルーエダインの名称ができて以降、ドルー(Drû)の語は「ドルーの民の家族(a family of the Drû-folk)」の意味のドルーノス(Drúnos)や、「ドルーの民の荒れ地(the wilderness of the Drû-folk)」の意味の[[ドルーワイス>ドルーワイス・ヤウル]](Drúwaith)のような複合語の要素としてのみ残った。))
:ドルーエダイン(Drúedain)|彼らが[[オーク]]と敵対関係にあることを知った[[エルダール]]が、ドルー(Drû)に[[エダイン]](Edain)の語を称号として加えた名。単数形は''ドルーアダン''(Drúadan)。
:ルーアタニ(Rúatani)|「ドルグ」がクウェンヤに取り入れられて変化した形のルー(Rú)に、[[アタニ>エダイン]](atani)の語を加えた名。単数形は''ルーアタン''(Rúatan)。ルーはシンダリンのドルーに相当し、ルーアタニはドルーエダインに相当する。
:&ruby(やじん){野人};(Wild Men)|[[共通語]]での呼び名。
:ウォーゼ(Wose)|[[ロヒルリム]]からの呼び名。[[古英語]]で「森の野人」の意味のウドゥ=ワーサ(wudu-wása)のワーサ(wása)を現代化した形。
:ローグ(róg)|ウォーゼに「翻訳」される前の[[ローハン語]]の原語。ローグは単数形で、複数形は''ローギン''(rógin)。
:オゴル=ハイ(Oghor-hai)|[[第一紀]]の[[オーク]]が用いた名。意味は不明。

*** 登場するドルーエダイン [#bc05c66c]

-[[ガーン=ブリ=ガーン]]
-[[アグハン]]
-[[サドル]](一説によればドルーエダイン)

** [[Iron Crown Enterprises]]による設定 [#ICE]

ドルーエダインの使用する言語はプーカエル語(Pûkael)とされている。

** 『[[The Lord of the Rings Strategy Battle Game]]』 [#s5398fc4]

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** コメント [#Comment]

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