* トゥオル [#mdf9634b]
** 概要 [#a7c6cafd]

|~カテゴリー|人名|
|~スペル|Tuor|
|~その他の呼び名||
|~種族|[[人間]]([[エダイン]])|
|~性別|男|
|~生没年|[[第一紀]]~|
|~親|[[フオル]](父)、[[リーアン]](母)、[[アンナイル]](養父)|
|~兄弟|なし|
|~配偶者|[[イドリル]]|
|~子|[[エアレンディル>エアレンディル(トゥオルの息子)]](息子)|

** 解説 [#j774adb5]

[[フオル]]と[[リーアン]]の息子。[[エダイン]]である[[ドル=ローミン]]の[[ハドル家>ハドル(ハソルの息子)#q65837b9]]の出身で、[[エルロンド]]と[[エルロス]]の祖父にあたる。
ゴンドリンでは、[[ドランボルレグ]]という大斧を武器に使っていた。
[[第一紀]]の[[エダイン]]の中で最も背が高かった。

***灰色エルフたちの養い子として [#l74c9c1b]

父[[フオル]]が[[ニアナイス・アルノイディアド]]で死んだ後、その年の冬に[[ミスリム]]で生まれる。母[[リーアン]]は彼の養育を[[アンナイル]]とその仲間の[[灰色エルフ]]に委ねると、[[ハウズ=エン=ヌデンギン]]に赴き、そこに身を横たえて死んだ。
トゥオルの養父であるアンナイルは[[東夷]]や[[オーク]]の襲撃を避けて[[ミスリム]]湖の西の山中から[[アンドロス]]の洞窟に移り住み、トゥオルはそこで育てられた。やがて彼は灰色エルフの弓や斧を扱えるまでにたくましく背の高い美丈夫に成長し、伝承の知識と技を身につけた。
だが16歳の時、アンナイルたちと[[シリオンの港]]へと避難する途中、[[東夷]]の[[ロルガン]]に捕えられ奴隷とされる。

*** 奴隷として生きた日々と、孤独な戦いの日々 [#gb6aeafa]

トゥオルは[[ロルガン]]の元で3年間奴隷としての暮らしに耐え、3年目の終わりに脱出に成功して、無人になっていた[[アンドロス]]の洞窟に戻る。トゥオルは4年の間無法者として孤独に戦い、[[東夷]]や[[オーク]]に甚大な損害を与え、数々の勲をあげた。

*** ウルモの使者となる [#i6dd262a]

トゥオルが孤独な無法者の暮らしを始めて4年経った頃、[[ウルモ]]が彼の心に父祖の地を去ろうという気を起こさせた。トゥオルは[[アンドロス]]の洞窟を去り、[[ドル=ローミン]]を横切って西へ向かい、かつてアンナイルが話していた[[アンノン=イン=ゲリズ]]を発見する。ここでトゥオルは[[キーアダン]]の使者として[[ナルゴスロンド]]へ向かう途中の[[ゲルミア>ゲルミア(アングロドの民)]]と[[アルミナス]]に出会い、[[ゴンドリン]]のことを聞く。その後トゥオルは[[ネヴラスト]]に入って秋が来るまで独りで住まい、今度は白鳥に導かれて[[ヴィンヤマール]]の無人の宮殿に到達し、かつて[[トゥアゴン>トゥアゴン(フィンゴルフィンの息子)]]が[[ウルモ]]の指示で残しておいた剣と兜、鎖帷子、そして白鳥の翼の紋章のついた青い盾という一揃いの武具を発見する。これを自身の宿命の証しと受けとったトゥオルが発見した武具を身につけてヴィンヤマールの海岸に出た時、トゥオルは西方からの嵐と共に出現した水の王[[ウルモ]]自身から啓示を受けた。
その翌朝トゥオルはウルモの予告通り、ウルモの力で船の難破からただ一人救われてヴィンヤマールの海岸に打ち上げられていた[[ヴォロンウェ]]を発見する。トゥオルはヴォロンウェに導かれて、[[エルフ]]の[[隠れ王国]][[ゴンドリン]]を目指して旅立った。
二人はこの年の過酷な冬に悩まされながら[[エレド・ウェスリン]]に沿って東へ向かったが、その途中通りかかった[[グラウルング]]に汚された後の[[エイセル・イヴリン]]で、トゥオルの従兄弟にあたる[[トゥーリン]]と、互いにそれと気づかぬまますれ違った。

*** ゴンドリンのトゥオル [#ocb79468]

[[ゴンドリン]]に到達したトゥオルは、身につけていた武具から[[ウルモ]]の使者と認められ、ゴンドリンを放棄するべきであるというウルモの啓示を[[トゥアゴン>トゥアゴン(フィンゴルフィンの息子)]]に伝える。トゥアゴンはその啓示は受け入れなかったがトゥオルを寵愛し、彼がゴンドリンに住んで7年の後には[[イドリル]]との婚姻を認め、盛大な祝宴を開いた。その翌年の春、トゥオルは[[エアレンディル>エアレンディル(トゥオルの息子)]]の父となった。

だがエアレンディルが7歳になった年、イドリルの従弟である[[マイグリン]]の裏切りによってゴンドリンの場所を突き止めていた[[モルゴス]]の軍勢がゴンドリンを急襲した。トゥオルはマイグリンを討ち取り数々の偉大なる勲をあげるが、ゴンドリンの陥落を防ぐことはできず、トゥアゴンも死ぬ。トゥオルらはゴンドリンの残党を率い、イドリルの用意した秘密の抜け道を通り脱出。その後過酷な旅を果たし、[[ナン=タスレン]]で休息とゴンドリンの戦死者を悼む宴を催した後ついに[[シリオンの港]]に辿り着き、[[エルウィング]]を始めとした[[ドリアス]]の遺民に迎えられた。

*** シリオンの港から大海へ [#za9e89d9]

やがて忍び寄る老いを感じ始めた頃、海への憧れを強くした[[トゥオル]]は、[[イドリル]]と共に[[エアルラーメ]]に乗って[[大海]]を西へと船出した。そして死すべき[[人間]]の中で唯一特例として[[アマン]]へ渡ることを許され、人間の運命から切り離されたという。

** コメント [#ia9a9203]

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