#author("2022-10-25T15:38:34+09:00;2022-09-08T04:17:52+09:00","","")
* トゥオル [#mdf9634b]
** 概要 [#a7c6cafd]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|人名|
|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Tuor|
|~その他の呼び名||
|~種族|[[人間]]([[エダイン]])|
|~性別|男|
|~生没年|[[第一紀]]|
|~生没年|[[第一紀]](472)~|
|~親|[[フオル]](父)、[[リーアン]](母)、[[アンナイル]](養父)|
|~兄弟|なし|
|~配偶者|[[イドリル]]|
|~子|[[エアレンディル>エアレンディル(トゥオルの息子)]](息子)|

** 解説 [#j774adb5]
** 解説 [#Explanation]

[[フオル]]と[[リーアン]]の息子。[[ドル=ローミン]]の[[エダイン]]で、[[エルロンド]]と[[エルロス]]の祖父にあたる。
ゴンドリンでは、[[ドランボルレグ]]という大斧を武器に使っていた。
[[フオル]]と[[リーアン]]の息子。[[エダイン]]である[[ドル=ローミン]]の[[ハドル家]]の出身で、[[エルロンド]]と[[エルロス]]の祖父にあたる。金髪でエダインの中では最も背が高かった。
[[ゴンドリン]]では、[[ドランボルレグ]]という大斧を武器に使っていた。

*** 奴隷として生きた日々と、孤独な旅路 [#gb6aeafa]
***灰色エルフたちの養い子として [#l74c9c1b]

[[ニアナイス・アルノイディアド]]の直前に生まれる。父[[フオル]]が[[ニアナイス・アルノイディアド]]で死ぬと、[[アンナイル]]とその仲間の[[エルフ]]によって[[アンドロス]]の洞窟で育てられるが、16歳の時[[東夷]]の[[ロルガン]]に捕えられ奴隷とされる。
その3年後脱出に成功して[[アンドロス]]の洞窟に一人戻り、4年の間無法者として孤独に戦い、[[東夷]]や[[オーク]]に甚大な損害を与え、数々の勲をあげる。
父[[フオル]]が[[ニルナエス・アルノエディアド]]で死んだ後の年の冬に[[ミスリム]]で生まれる。トゥオルの母[[リーアン]]は、トゥオルの養育を[[アンナイル]]と彼の仲間の[[灰色エルフ]]たちに委ねると、[[ハウズ=エン=ヌデンギン]]に赴き、そこに身を横たえて死んだ。
トゥオルの養父となったアンナイルは、[[ヒスルム]]に侵入した[[東夷]]や[[オーク]]の襲撃を避けて仲間のエルフたちと共に[[ミスリム湖>ミスリム#Lake]]の西の山中から[[アンドロス]]の洞窟に移り住み、トゥオルはそこで育てられた。やがて彼は灰色エルフの弓や斧を扱えるまでにたくましく背の高い美丈夫に成長し、伝承の知識と技を身につけた。

*** ウルモの使者 [#i6dd262a]
*** ロルガンの奴隷と孤独な無法者として [#gb6aeafa]

やがてトゥオルは[[アンドロス]]の洞窟を去って、かつてアンナイルが話していた[[アンノン=イン=ゲリズ]]を発見する。ここでトゥオルは[[ゲルミア>ゲルミア(アングロドの民)]]と[[アルミナス]]に出会い、[[ゴンドリン]]のことを聞く。その後トゥオルは[[ネヴラスト]]に入ってそこに独りで住むが、[[ヴィンヤマール]]の無人の宮殿に到達して、かつて[[トゥアゴン>トゥアゴン(フィンゴルフィンの息子)]]が[[ウルモ]]の指示で残しておいた武具を発見、これを身につけた後、ヴィンヤマールの海岸に出る。そこでトゥオルは水の王ウルモの啓示を受けた。
トゥオルが十六歳の時、南方の[[シリオンの港]]へ移住するため[[アンナイル]]たちと共に洞窟を離れたところ、彼らを見張っていた[[東夷]]と[[オーク]]から襲撃を受けた。仲間たちが散り散りになって逃げる中、彼は逃げずに踏み留まり、斧を振るって多くの敵を殺したが最後は捕虜となり、東夷の族長[[ロルガン]]の奴隷にされた。
トゥオルはロルガンの下で三年間奴隷としての暮らしに耐えた後、森での仕事に連れ出された折、斧で番人を殺して逃亡に成功した。彼は無人になっていた[[アンドロス]]の洞窟に戻って独りで住み、孤独な無法者となって多くの東夷を殺した。彼は東夷から恐れられ、ロルガンから賞金をかけられた。

*** ゴンドリンへの到達 [#ocb79468]
*** ウルモの使者となる [#i6dd262a]

彼は[[ヴォロンウェ]]に導かれて、[[エルフ]]の[[隠れ王国ゴンドリン>ゴンドリン]]に到達し、ゴンドリンを放棄するべきであるというウルモの啓示を[[トゥアゴン>トゥアゴン(フィンゴルフィンの息子)]]に伝える。
トゥアゴンはその啓示は受け入れなかったがトゥオルを寵愛し、トゥオルと[[イドリル]]の婚姻を認める。その結果トゥオルは[[エアレンディル>エアレンディル(トゥオルの息子)]]の父となった。
トゥオルが孤独な無法者の暮らしを始めて四年経った頃、[[ウルモ]]が彼の心に父祖の地を去ろうという気を起こさせた。トゥオルは[[アンドロス]]の洞窟を去り、[[ドル=ローミン]]を横切って西へ向かい、かつて[[アンナイル]]が話していた[[アンノン=イン=ゲリュズ]]を発見する。ここでトゥオルは[[キールダン]]の使者として[[ナルゴスロンド]]へ向かう途中の[[ゲルミル>ゲルミル(アングロドの民)]]と[[アルミナス]]に出会い、[[ゴンドリン]]のことを聞く。トゥオルは[[キリス・ニンニアハ]]の峡谷を通って[[ネヴラスト]]に入り、[[大海]]を初めて目の当たりにして魅了され、そのままネヴラストに独りで住まった。
秋になると今度は七羽の白鳥たちに導かれて[[ヴィンヤマール]]の無人の宮殿に到達し、かつて[[トゥルゴン>トゥルゴン(フィンゴルフィンの息子)]]が[[ウルモ]]の指示で残しておいた剣と兜、鎖帷子、そして白鳥の翼の紋章のついた青い盾という一揃いの武具を発見する。これを自身の宿命の証しと受けとったトゥオルは、発見した武具を身につけてヴィンヤマールの海岸に出た時、西方からの嵐と共に出現した水の王[[ウルモ]]自身から彼の使者としてゴンドリンへ行くよう指示を受け、マントを与えられた。
その翌朝トゥオルはウルモの予告通り、ウルモの力で船の難破からただ一人救われてヴィンヤマールの海岸に打ち上げられていた[[ヴォロンウェ]]を発見する。トゥオルはヴォロンウェに導かれて、ゴンドリンを目指して旅立った。
二人はこの年の[[過酷な冬]]に悩まされながら[[エレド・ウェスリン(影の山脈)>エレド・ウェスリン]]に沿って東へ向かった。その途中で[[グラウルング]]に汚された後の[[エイセル・イヴリン]]の淵に通りかかったとき、トゥオルは従兄である[[トゥーリン]]と、互いにそれと気づかぬまますれ違った。

その後も彼は[[ゴンドリン]]に留まり幸福な日々を送るが、イドリルの従兄弟である[[マイグリン]]の裏切りにより、[[モルゴス]]軍が[[ゴンドリン]]を急襲した。トゥオルはマイグリンを討ち取り数々の偉大なる勲をあげるが、[[ゴンドリン]]の陥落を防ぐことはできず、トゥアゴンも死ぬ。トゥオルらはゴンドリンの残党を率い、イドリルの用意した秘密の抜け道を通り脱出、その後過酷な旅を果たしついに[[シリオンの港]]に辿り着き、[[エルウィング]]の族に迎えられた。
*** ゴンドリンのトゥオル [#ocb79468]

*** シリオンの港から大海へ [#za9e89d9]
[[ゴンドリン]]に到達したトゥオルは、身につけていた武具から[[エクセリオン]]より[[ウルモ]]の使者と認められ、ゴンドリンを放棄するべきであるというウルモの警告をゴンドリンの王[[トゥルゴン>トゥルゴン(フィンゴルフィンの息子)]]に伝えた(トゥルゴンは結局その警告を受け入れなかった)。ゴンドリンに魅了されたトゥオルはそのまま留まり、トゥルゴンから寵愛を受け、彼の娘[[イドリル]]と両想いの仲になった。トゥオルがゴンドリンに住んで七年後には、イドリルとの婚姻がトゥルゴンに認められ、盛大な祝宴が開かれた。その翌年の春、トゥオルとイドリルの間には息子の[[エアレンディル>エアレンディル(トゥオルの息子)]]が生まれた。

その後、海への憧れを強くしていた[[トゥオル]]は[[イドリル]]と共に、[[エアルラーメ]]に乗って西へ船出した。そして死すべき[[人間]]の中で唯一特例として[[アマン]]の国へ渡ることを許され、人間の運命から切り離されたという。
エアレンディルが七歳になった年、イドリルの従弟である[[マエグリン]]の裏切りによってゴンドリンの場所を突き止めた[[モルゴス]]の軍勢が、ゴンドリンを急襲した。トゥオルは数々の偉大なる勲をあげ、妻子を襲ったマエグリンを城壁から投げ落として倒したが、トゥルゴンは戦死し、ゴンドリンの陥落を防ぐことはできなかった。トゥオルらはゴンドリンの生存者を率い、イドリルの用意した秘密の抜け道を通り脱出。その後一行は過酷な旅を果たし、一時[[ナン=タスレン]]で休息し、ゴンドリンの戦死者を悼む宴を催した後、ついに[[シリオンの港]]に辿り着き、そこで[[ドリアス]]の遺民と共に住んだ。

** コメント [#ia9a9203]
*** シリオンの港から大海へ [#za9e89d9]

- ベレン、アラゴルンと同じくエルフと結婚した人間であり人間としてはじめて不死の国へと渡りさらにエルロンドの祖父と言う結構おいしい役どころの人なのにいまいち影が薄く追補編の人名事典にも表記されなかった悲劇の人。結構好きなキャラクターなんですけどね。 -- watata
- 他の英雄達は大体悲劇的な最後になっているのに、この人物だけハッピーエンドになっているような。 
- ↑人名辞典に記載されなくても、幸福な英雄として不死の国に渡る道を選んだと考えるとか…(違;)。 -- TOKO
- 愚問ですが、エルフと人間の結びつきって人間の男とエルフ乙女の組み合わせばかりですね。エルフの殿方と人間の娘の組み合わせはなぜないのでしょう。人間の女性ってそんなに魅力がないのか… -- 緋桐
- ↑自分を人間に、妻のエディスをエルフになぞらえていたトールキンの意志が反映しているのでしょう。ベレンもトゥオルもアラゴルン二世もトールキン本人であり、ルーシエンもイドリルもアルウェンもエディスの表れですから。 
- エアレンディルより早く不死の国に到達したのに、中つ国のエルフ・人間たちのために憐れみを乞うたりしなかったのだろうか? -- カイト
- たしかに、トゥオルとイドリル達の乗った船はエアレンディルよりも先に出航しましたが、当時不死の国の周りにはエルフでも通り抜けることができない障害物がたくさんあったのでシルマリルなしでは不死の国にはたどり着けないはずです。
おそらく、トゥオルとイドリル達は惑わせ島のどれかにひっかかって眠ってしまい、不死の国に到着したのはエアレンディルの後になったのだと思います。 -- 大きい羊
- ↑結婚には至らない例なら、実はエルフ男性と人間女性の結びつきもあったようです。HoMeにはアイグノールとベオル一族のアンドレスが恋仲であったという記述があります。フィンロドがベレンを応援したのもこの二人を見ていたからだとか。ぜひとも本編に入れておいて頂きたかった・・・! -- 風花
- 従兄弟のトゥーリンにその幸福を少しでいいから分けて欲しかった、と思わずにいられない。
- 第一紀の英雄で最後に幸せになったのはトゥオルとエアレンディルだけな気がする… --  &new{2008-04-15 (火) 20:50:36};
- 確かこの人、エルフの諸将と比べても強烈に強いですよね。バルログを5柱討ち取って包囲を切り破るとは。もしかしたら『泉の』エクセリオンに匹敵しませんか? -- 「ど」の字 &new{2008-09-20 (土) 14:26:34};
- どうでもいい突込みだが、バルログの数え方って柱かな? 一応、神はエルだけのような --  &new{2008-12-18 (木) 20:05:58};
- ↑「匹」、或いは「頭」でよくない? -- ホビット &new{2008-12-21 (日) 16:27:02};
- 確かに、鬼のよーに強いです。フーリン・トゥーリン親子に匹敵しうる、人間族では最強戦士。 --  &new{2009-04-22 (水) 23:09:50};
- 「サリオン」フーリン、「エルフ人間」トゥーリン、そして生涯のほとんどをエルフと共に過ごし、最後は自らもアマンに渡りノルドとなったトゥオル…全員エルダール並であることもむべなるかな --  &new{2009-04-29 (水) 17:50:54};
やがて忍び寄る老いを感じ始めた頃、海への憧れを強くしたトゥオルは、[[イドリル]]と共に[[エアルラーメ]]に乗って[[西方>アマン]]へ船出した。後世の歌によると、彼のみが死すべき[[人間]]の中で特例として[[ノルドール]]に加えられることで[[人間の運命>死すべき運命]]から切り離されたという。

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