#author("2020-09-05T02:09:52+09:00;2018-10-29T08:42:48+09:00","","")
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-川のケレブラント(Celebrant)については、[[銀筋川]]を参照してください。
-ケレブラントの野(Field of Celebrant)については、[[ケレブラントの野]]を参照してください。
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* ケレブラントの野の戦い [#l1a94c57]

#contents

** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[歴史・事件]]|
|~スペル|Battle of the Field of Celebrant|

** 解説 [#Explanation]

[[第三紀]]2510年、[[カレナルゾン]]へ侵攻してきた[[オーク]]と[[東夷]]([[バルホス族]])により危機に陥った[[ゴンドール]]軍を、北方より駆け付けた[[エオル>エオル(レオドの息子)]]率いる[[エオセオド]]の軍勢が救出し、オークとバルホス族を撃破した戦い。

この謝礼として、当時のゴンドールの[[執政]][[キリオン]]は、人口が希薄となっていたカレナルゾンをエオセオドに割譲する。エオルは、再びゴンドールの危急があれば助けに駆けつけることを誓う[[エオルの誓い>#OathofEorl]]を立てると共に、北方に残っていた一族を呼び寄せて家財を持ってこさせ、カレナルゾンに[[ローハン(リダーマーク)>ローハン]]を建国。以後彼の民は[[ロヒアリム]]と呼ばれるようになった。

詳細は『[[終わらざりし物語]]』に記載されている。

*** 参戦国、勢力 [#j6845d03]

:[[自由の民]]|[[ゴンドール]]、[[エオセオド]]
:[[サウロン]]の召使|[[ロヴァニオン]]の[[バルホス族]]、[[霧ふり山脈]]の[[オーク]]

** 戦況 [#q0bfc4bd]

*** 開戦にいたるまで [#tee943d1]

[[第三紀]]1636年に流行した[[悪疫]]と、1851年から1944年までのほぼ100年近くにわたって続いた[[馬車族]]との激戦により、[[ゴンドール]]の国力は大きく減退、東の領土が失われる。
ゴンドールの強力な同盟者であった[[北国人]]もこの災禍によって衰退し散り散りとなるが、その生き残りの一派である[[エオセオド]]は[[アンドゥイン]]の中部流域に居住し、ゴンドールとの変わらぬ同盟者であり続けた。
しかし1975年に[[アングマール]]が滅びると、エオセオドは増加した人口と、広がる[[ドル・グルドゥア]]の影に圧迫され、さらに北方であるアンドゥイン源流域に移住。ゴンドールは同盟者から引き離される。

ドル・グルドゥアの力は2060年に目に見えて強まる。これを懸念した[[ガンダルフ]]がドル・グルドゥアに潜入したことによって2063年から2460年まで[[警戒的平和]]がもたらされたものの、結局[[死人占い師]]はさらに力を増して要塞に帰還。各地で[[自由の民]]の敵たちの動きが活発化する。
2475年には[[モルドール]]の[[ウルク>ウルク=ハイ]]との戦いによって[[オスギリアス]]が廃墟となり、その後もゴンドールは沿岸を襲う[[ウンバール]]の[[海賊]]に悩まされた。
ゴンドールの力は南へ注力されたため、[[エミン・ムイル]]から北のアンドゥイン西岸沿いにある国境の砦にはどれも人員を回すことができず、その方面は無人のまま放置され、[[カレナルゾン]]の人口は希薄となっていた。
北国人が四散して以後、[[ロヴァニオン]]には[[東方>リューン]]からの侵入者を防ぐものが何もなく、当時少なからぬ[[東夷]]の一派がロヴァニオンをほしいままにしていた。この者たちは[[バルホス族]]と呼ばれ、ドル・グルドゥアの影に支配されていた。

北方の情勢が極めて危険な状態にあることを承知していた[[執政]][[キリオン]]は、せめてもの人員を北の古い砦に配置するとともに、可能な限り[[ロヴァニオン]]の情報を収集するよう務めた。
かくして2509年の冬になってはじめて、ゴンドールに対する北からの大規模な攻撃が計画されていることが判明する。東方からさらなる同類を呼び寄せたバルホスの大軍が、[[闇の森]]の南に集結していたのである。

*** エオルへの急使と、バルホスの侵攻 [#ife2f4f6]

これは[[ゴンドール]]にとって極めて絶望的な状況であった。
2510年[[3月>月(暦)]]、[[キリオン]]は急ぎ援軍を要請する伝令を[[エオセオド]]の若き王[[エオル>エオル(レオドの息子)]]の許に派遣したものの、伝令は[[バルホス族]]と[[ドル・グルドゥア]]の影のただ中を危険を冒して進まねばならず、さらにゴンドールから北の彼らの国までは直線距離にして450マイル、地上を旅する者にとっては800マイルもの距離があった。そしてエオセオドは異国での戦いに赴くために、同じ途をまた南に辿らなければならないのである。
伝令が無事エオセオドに到着する望みは少なく、エオルが要請に応える望みはさらに少なかった。

バルホスの侵攻はその年の内に開始され、ゴンドールは存亡の危機に陥る。
かれらは大量の船や筏を建造すると、[[茶色の国]]から大挙して[[大河]]を渡って[[高地]]に入り、防ぎ手を一掃。さらに[[霧ふり山脈]]の[[オーク]]の大軍がそれに呼応して突如としてゴンドールに現れ、両軍は[[カレナルゾン]]を席巻する。
キリオンは北軍に迎撃を命じると共に、自ら集められるだけの南軍を率いて北上したが進路を断たれ、敵を迎え撃った北軍も、[[白光川]]の北でバルホスとオークの挟み撃ちにあい、大河に向かってじりじりと追い詰められた。

*** エオセオドの遠征 [#xcf6c159]

>エオルは黙って考え込んでいたが、さほど長い時間はかからなかった。ほどなくエオルは立ち上がって、言った。「行くことにしよう。もし、[[ムンドブルグ>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]が陥ちたら、われわれは闇からどこへ逃げればよいというのか。」そう言ってかれはボロンディアの手を取って約束の印とした。((『[[終わらざりし物語]]』「II キリオンとエオル、およびゴンドールとローハンの友情」))

[[キリオン]]は危険を考え、急使を二人一組で一日ずつ、計六人送り出したが、[[エオセオド]]の[[エオル>エオル(レオドの息子)]]の許にたどり着いたのは[[ボロンディア]]ただ一人であった。彼は3月10日に出発した最初の組の伝令であり、3月25日にエオルの許に到達した。
彼からキリオンの要請を聞いたエオルは、援軍に赴くことを決意。
ゴンドールを救うためにはエオセオドの全軍が必要であることを悟っていたエオルは、非戦闘民を守るわずか数百の兵のみを後に残し、7000騎の重装騎兵と数百騎の騎馬の弓兵からなる大[[エオヘレ>エオレド]](騎兵全軍)を率いて遠征を決行した。

エオセオドの全軍は4月6日に北を出立し、ボロンディアが道案内を務めた。
その騎馬軍団の威容のために、一行は行軍を妨げる何者にも出会わなかったが、[[ドル・グルドゥア]]に近づいた時、エオルはその暗闇を恐れて[[アンドゥイン]]の側に道を逸れる。すると[[ドゥイモルディネ(ロスロリアン)>ロスロリアン]]から仄かに光る川霧が立ち昇ってきていた。はじめは狼狽したエオセオドだが、その霧がドル・グルドゥアの闇を押し返していることに気が付くと、エオルは乗騎[[フェラロフ]]の駆けるに任せる。
光る川霧の中をフェラロフの導くまま駆けぬけたエオセオドは、予想より速い4月15日に[[ケレブラントの野]]に到着することに成功した。

[[ゴンドール]]の北軍が大河に向かって追い詰められている間際に到着したエオセオドのエオヘレは、[[オーク]]と[[バルホス族]]の後衛部隊を強襲してこれを打ち破ると、[[高地]]に向かって押し返し、さらに[[カレナルゾン]]の平原を縦横に駆け抜けて敵を滅ぼした。
かくしてゴンドールの危機は救われる。

*** 戦後、カレナルゾンの割譲とエオルの誓い [#OathofEorl]

戦いが終わった後、[[キリオン]]は[[アモン・アンワル(ハリフィリアン)>ハリフィリアン]]の聖所へ至る道を再び開かせ、[[エレンディル]]の墓所の前で密かに[[エオル>エオル(レオドの息子)]]との会合を行う。わずかな護衛の他は、キリオンには息子の[[ハルラス]]と[[ドル・アムロス]]の大公、二人の参事のみが同行し、エオルには三人の主だった大将のみが同行した。
戦いが終わった後、[[キリオン]]は[[アモン・アンワル(ハリフィリアン)>ハリフィリアン]]の丘の聖所へ至る道を再び開かせ、[[エレンディル]]の墓所の前で密かに[[エオル>エオル(レオドの息子)]]との会合を行う。わずかな護衛の他は、キリオンには息子の[[ハルラス]]と[[ドル・アムロス]]の大公、二人の参事のみが同行し、エオルには三人の主だった大将のみが同行した。

そこでキリオンは、ゴンドールの危急を救った[[エオセオド]]の民への謝意と、それに加えてかれらが北の領地を手狭に感じておりさらなる広い国土を必要としている事、そしてゴンドールにとって北方の守りが頭を悩ます問題であった事をも念頭に、エオルとその国民に人口の希薄となった[[カレナルゾン]]を割譲することを申し出る。
そこでキリオンは、[[ゴンドール]]の危急を救った[[エオセオド]]の民への謝意と、それに加えてかれらが北の領地を手狭に感じておりさらなる広い国土を必要としている事、そしてゴンドールにとって北方の守りが頭を悩ます問題であった事をも念頭に、エオルとその国民に人口の希薄となった[[カレナルゾン]]を割譲することを申し出る。

>「レオドの息子であり、エオセオドの君主であるエオルに、火急の助けが必要なとき、ゴンドールにわれわれの望み以上の助けを与えてくれたことと、その民の戦場での勇気とに鑑み、ここにわたしは、王家の執政に就く者の権限のもとに決意したことを宣言する。エオルに対して、わたしは無償の贈与としてアンドゥインから[[アイゼン]]に至るカレナルゾン全土を与えることにする。そして、もしかれにその気があるならば、かれを王となし、そしてまた世継たちとその民も、執政家の権限が続く限り、偉大なる王還ります時まで、自由に住んでいただくこととする。かれら自身の法と意志の他にかれらを束縛するものはない。ただ一つ、ゴンドールと永遠の友情をもって暮らし、両国が続く間はゴンドールの敵は両国の敵となる。しかしながら、同様の束縛はゴンドール国民にもまた課されるものである。」
>「[[レオド]]の息子であり、[[エオセオド]]の君主である[[エオル>エオル(レオドの息子)]]に、火急の助けが必要なとき、[[ゴンドール]]にわれわれの望み以上の助けを与えてくれたことと、その民の戦場での勇気とに&ruby(かんが){鑑};み、ここにわたしは、王家の[[執政]]に就く者の権限のもとに決意したことを宣言する。エオルに対して、わたしは無償の贈与として[[アンドゥイン]]から[[アイゼン]]に至る[[カレナルゾン]]全土を与えることにする。そして、もしかれにその気があるならば、かれを王となし、そしてまた世継たちとその民も、執政家の権限が続く限り、偉大なる王還ります時まで、自由に住んでいただくこととする。かれら自身の法と意志の他にかれらを束縛するものはない。ただ一つ、ゴンドールと永遠の友情をもって暮らし、両国が続く間はゴンドールの敵は両国の敵となる。しかしながら、同様の束縛は[[ゴンドール国民>ゴンドール人]]にもまた課されるものである。」

エオルは感嘆してこの申し出を受け取り、両国の永久の友情を約束する''エオルの誓い(Oath of Eorl)''を立てた。
エオルは感嘆してこの申し出を受け取り、エレンディルの塚の前で両国の永久の友情を約束する''エオルの誓い''(Oath of Eorl)をエオセオドの言葉で立てた。以下はその翻訳である。

>今こそ聴け、東方の影に屈せぬすべての民よ、[[ムンドブルグ>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]の君主の&ruby(へいもつ){聘物};を賜り、かれが[[カレナルゾン]]と呼ぶ地に住まい、よってここに、わたしの名において、そして北方の[[エオセオド]]を代表者として、われわれと[[西方の偉大なる民>ゴンドール人]]との間に&ruby(とこしえ){永久};の友情を誓う。かれらの敵はわれらの敵、かれらの難局はわれらの難局、邪悪なもの、脅威となるもの、襲いかかるものが、何であろうとかれらのもとに来るときは、われわれの最後の力を尽くすまでかれらを助ける。この誓いは、わたしの世継たち、わたしとともに新しい国へ来る者たちに引き継がれ、決して破ることなく誓いを守り、影がかれらのもとに降り来たり、かれらが呪われた者になることを防ぐものとなろう。

これに対しキリオンはゴンドールも同様の友情の絆で結ばれ、助けることを誓い、[[クウェンヤ]]で以下の言葉を発した。

>ヴァンダ シナ テアマルヴァ [[エレンナノーレ>ヌーメノール]]オ アルカル エンヤリエン アル [[エレンディル ヴォロンド>エレンディル]] ヴォロンウェ。 ナイ ティルヴァンテス イ ハーラル [[マハルマッセン ミ ヌーメン>審判の輪]] アル イ [[エル>イルーヴァタール]] イ オル イルイェ マハルマル エア テンノイオ。
Vanda sina termaruva Elenna-nóreo alcar enyalien ar Elendil Vorondo voronwë. Nai tiruvantes i hárar mahalmassen mi Númen ar i Eru i or ilyë mahalmar eä tennoio.

そして再度[[共通語]]で言った。

>この誓いは、[[星の国>ヌーメノール]]の栄光と、[[西方の玉座>審判の輪]]に坐る方々とあらゆる玉座の上に&ruby(とこしえ){永久};に君臨する[[唯一なる神>イルーヴァタール]]のもとに&ruby(おわ){御座};す[[節士エレンディル>エレンディル]]の忠誠とを記念して成すものである。

こうして誓約が結ばれ、一行は[[アモン・アンワル(ハリフィリアン)>ハリフィリアン]]を下りた。そしてキリオンとエオルは、[[ドル・アムロス]]の大公とエオセオドの軍勢の大将の長エオムンド(([[同名の人物>エオムンド]]とは別人))の同席のもとでエオルの国の国境を画定した。

その後、エオルは北方に残っていた国民を引き連れてカレナルゾンに移住。彼の民はゴンドールでは[[ロヒアリム]]と呼ばれるようになり、その国土は[[ローハン]]と呼ばれるようになった((これらの名前を考案したのは[[キリオン]]の息子[[ハルラス]]であるという))。
両国の友情と誓いはその後も途絶えることなく続き、[[指輪戦争]]でロヒアリムは再びゴンドールの危急を救う。そして(キリオンの言葉にも述べられているごとく)帰還を果たした[[エレスサール王>アラゴルン二世]]によって、カレナルゾンはあらためてロヒアリムに与えられ、[[セオデン]]の後を継いてロヒアリムの王となった[[エオメル]]によって、エオルの誓いも新たにされた。

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