* グラムドリング [#ma2327f8]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[物・品の名前]]|
|~スペル|Glamdring|
|~その他の呼び名|敵くだき(Foe-hammer)、なぐり丸(Beater)|

** 解説 [#Explanation]

[[シンダール語]]で「グラムホス砕き」(([[シンダール語]]で[[オーク]]を指す語グラムホス(glamhoth)と、hammerの意味のドリング(dring)を合わせた語))の意。『[[ホビットの冒険]]』『[[指輪物語]]』において[[ガンダルフ]]が振るう、[[ゴンドリン]]で鍛えられた[[エルフ]]([[ノウム]]((第三版を底本とした『[[ホビット ゆきてかえりし物語]]』では「西の[[高貴なエルフ>上のエルフ]]」)))の名剣。[[トーリン二世]]の[[オルクリスト]]と対になっている。柄には宝石があしらわれ、美しい鞘に納められた刃は[[オーク]]([[ゴブリン]])が近くにいると青白く輝いて警告を発する。
[[シンダール語]]で''敵くだき''の意(([[シンダール語]]で「[[オーク]]」を指す「グラムホス」(glamhoth)と、「槌」(hammer)を意味するドリング(dring)からなる))。『[[ホビットの冒険]]』『[[指輪物語]]』において[[ガンダルフ]]が振るう[[エルフ]]の名剣。
柄には宝石があしらわれ、美しい鞘に納められた刃は[[オーク]]([[ゴブリン]])が近くにいると青白く輝いて警告を発する。[[トーリン二世]]の[[オルクリスト]]と対になっている。

[[はなれ山]]へ旅をする途中の[[ビルボ>ビルボ・バギンズ]]、[[ガンダルフ]]達一行が、[[バート]]、[[トム]]、[[ウイリアム]]たちの[[トロル]]の岩屋を調べ、[[オルクリスト]]、[[つらぬき丸]]と共に発見した。剣を鑑定した[[エルロンド]]によると、元来は[[ゴンドリン]]の王([[トゥアゴン>トゥアゴン(フィンゴルフィンの息子)]])が身に付けていた剣((『[[終わらざりし物語]]』 「I トゥオルおよびかれがゴンドリンを訪れたこと」の註三一には、[[トゥアゴン>トゥアゴン(フィンゴルフィンの息子)]]が「ルエルの骨(象牙)の鞘に入った白と黄金の剣」を帯びていたとあるが、これがグラムドリングであるかは不明))だが、ゴンドリンの没落によってオルクリストともども失われ、それが流れ流れて、[[エリアドール]]のトロルが死蔵する事になったと考えられるという。また彼は剣に[[ルーン文字>キアス]]で刻まれていたグラムドリングの名を「敵くだき」と訳した。
[[ゴブリン町]]の[[ゴブリン]]にもこの剣は「なぐり丸」の名で知られており、「かみつき丸」ことオルクリストよりも憎まれていた。
[[一行>トーリンとその仲間]]が[[バート]]、[[トム]]、[[ウイリアム]]たち[[トロル]]の岩屋を調べた際、財宝の中から[[オルクリスト]]、[[つらぬき丸]]と共に発見された。そこでガンダルフが自らの剣として選び出し、身に帯びるようになる。
剣を鑑定した[[エルロンド]]によると、元来は[[ゴンドリン]]の王([[トゥアゴン>トゥアゴン(フィンゴルフィンの息子)]])が身に付けていた剣((『[[終わらざりし物語]]』 「I トゥオルおよびかれがゴンドリンを訪れたこと」の註三一には、[[トゥアゴン>トゥアゴン(フィンゴルフィンの息子)]]が「ルエルの骨(象牙)の鞘に入った白と黄金の剣」を帯びていたとあるが、これがグラムドリングであるかは不明))であり、ゴンドリンの没落によってオルクリストともども失われ、それが流れ流れて[[エリアドール]]のトロルが死蔵する事になったと考えられるという。また彼は剣に[[ルーン文字>キアス]]で刻まれていたグラムドリングの名を「敵くだき」と訳した。
[[ゴブリン町]]の[[ゴブリン]]にもこの剣は''なぐり丸''の名で知られており、「かみつき丸」ことオルクリストよりも憎まれていた。

トロルの岩屋での発見以来、ガンダルフはこの剣を所持し続けた。[[指輪戦争]]でも[[指輪の仲間]]の統率者として[[裂け谷]]を出立した時から身に帯びていた。[[ドゥリンの橋]]で[[バルログ(ドゥリンの禍)>バルログ]]と対峙した際には、バルログが繰り出した火の剣を受け止めて粉々に打ち砕くなどしている(剣の強さによるものか、ガンダルフの力によるものかは不明)。
[[指輪戦争]]でも、[[指輪の仲間]]の統率者として[[裂け谷]]を出立したガンダルフはこの剣を見に帯びていた。
[[ドゥリンの橋]]で[[バルログ(ドゥリンの禍)>バルログ]]と対峙した際には、バルログが繰り出した火の剣を受け止めて粉々に打ち砕くなどしている(剣の強さによるものか、ガンダルフの力によるものかは不明)。
ガンダルフが白のガンダルフとして蘇生した後も、彼はこの剣を帯び続け、[[サウロン]]の敗北後も、少なくとも[[ブリー村]]への旅までは帯剣している記述がある。

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#Lotrmovie]
#amazon(B00CPH6QAE)
ガンダルフが持っているのが確認ができるが、原作とは異なり、オークが近くにいても光らない。
DVDのオーディオコメンタリーで[[ピーター・ジャクソン]]は「予算削減のため」と言っているが恐らくジョークで、[[つらぬき丸]]との差別化を図るためのものと思われる。また『[[ホビット>ホビット(映画)]]』のメイキングでジャクソンは、原作だとグラムドリングと同様にオークに反応して光るが、映画では光らない[[オルクリスト]]のこともあわせて「光る剣がたくさんあると、(スターウォーズの)ライトセイバーみたいになってしまう」とコメントしている。

鍔の部分には[[ルーン文字>キアス]]で、次のような[[シンダール語]]の銘が彫られている。

>Turgon aran Gondolin tortha gar a matha / vegil Glamdring gûd dae[dhe]lo[th] dam an Glamhoth
(Turgon king [of] Gondolin wields, has and holds / [the] sword Glamdring, Foe [of] Morgoth's Realm, hammer to Glamhoth.)
([[ゴンドリン]]の王[[トゥアゴン]]が帯びて握りし剣グラムドリング、[[モルゴス王国>ドル・ダイデロス]]の敵、[[グラムホス>オーク]]砕き)

** 映画『[[ホビット>ホビット(映画)]]』における設定 [#Hobbitmovie]
#amazon(B009OCRXNW)
#amazon(B00A800LWY)
入手の経緯や、エルロンドによる由来の説明が、原作とほぼ同じように描かれている。
やはりオークが近くにいても光らない。

** コメント [#Comment]

#pcomment(,,noname,,,,reply)