#author("2022-09-10T20:43:09+09:00;2022-09-02T01:00:12+09:00","","")
* クウェンヤ [#z23a7999]
** 概要 [#v5406de0]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|言語|
|~カテゴリー|[[言語]]|
|~スペル|Quenya|
|~その他の呼び名|&ruby(かみ){上};のエルフ語(High-elven)|
|~異訳|クゥエンヤ|
|~その他の呼び名|古き言葉、古い言葉(Ancient Tongue, Ancient Speech)&br;&ruby(かみ){上};のエルフ語、上のエルフの言葉(High-elven (speech))&br;古エルダール語(High Eldarin tongue)&br;西方の正統語(High Speech of the West)&br;タルクウェスタ(tarquesta)((「上の言葉」の意))&br;パルマランベ(parmalambe)((「綴り言葉」の意))|

** 解説 [#l3df2978]
** 解説 [#Explanation]

[[エルフ語]]の一種。クウェンヤは元来「言葉」の意。
元々クウェンヤは全ての[[エルフ]]が使う言語であったが、[[至福の国>アマン]]に渡らず[[中つ国]]に残ったエルフは言語が変化し、[[シンダール語]]を使うようになった。そのためクウェンヤは、至福の国に渡った[[エルフ]]([[ノルドール]]、[[ヴァンヤール]])の言葉となった。
やがて、アマンより帰還した[[ノルドール]]によって、中つ国にこの言葉が再びもたらされる。だがノルドールも[[シンダール語]]を使うようになり、また[[シンゴル]]が[[同族殺害]]を犯したノルドールを忌避してクウェンヤの使用を禁止したため、中つ国においてクウェンヤはほとんど使われなかった。ただし、ノルドールが儀礼などにおいてクウェンヤを使用することはあった。『[[指輪物語]]』劇中では、[[旅の仲間]]出立時に[[ガラドリエル]]が歌ったのが、クウェンヤの歌である。
[[エルフ語]]の一つ、[[上のエルフ]]の言葉。クウェンヤは元来「言葉」の意。

*** 備考 [#e78dae67]
クウェンヤはもともと全ての[[エルダール]]が使う言語であったが、[[大いなる旅]]で同族と分かれて[[中つ国]]に留まった[[エルフ]]の言葉はしだいに変化していき、別の言語となった。このため古くから続くクウェンヤを保っているのは[[アマン]]へ渡った[[上のエルフ]]のみとなった。
[[第一紀]]に[[ノルドール]]族がアマンから中つ国に戻ってきたことで、クウェンヤも再び中つ国にもたらされる。以後、クウェンヤは古雅な上の言葉として、エルフと親交のある種族にも教養語として用いられるようになった。

[[トールキン>ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン]]は「エルフ語のラテン語」に相当するものとしてこの言葉を作った。フィンランド語が元にされている。
>エレン スィーラ ルーメン オメンティエルヴォ
Elen síla lúmenn' omentielvo
>われらのあい出会う時、一つ星が輝く
(A star shines on the hour of our meeting)((『[[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「三人寄れば」[[フロド>フロド・バギンズ]]が[[ギルドール>ギルドール(フィンロド王家)]]にかけた挨拶の言葉))

** コメント [#ad481581]
*** エルフのクウェンヤ [#c72e6fcc]

#pcomment_nospam(,6,,,,,reply)
[[アマン]]に暮らす[[上のエルフ]]のうち、[[ヴァンヤール]]族と[[ノルドール]]族はクウェンヤを日常語とした。[[テレリ]]族([[ファルマリ]])は他の二氏族としばらくの間分かれて暮らしていたため、そのクウェンヤはやや異なったものになった([[テレリ語]])。

[[第一紀]]に流謫のノルドール族がアマンから[[中つ国]]の[[ベレリアンド]]に帰還したが、彼らが[[同族殺害]]を犯したことを知った同地の[[シンダール]]族の王[[シンゴル]]は、クウェンヤを忌避してシンダール族にその使用を禁じる命令を出した。一方のノルドール族も自分たちより数の多いシンダール族と交じって暮らすために[[シンダリン]]を習得して日常で使うようになった。
こうしてクウェンヤは中つ国においては日常的に用いられない言語となったが、ノルドール族は儀礼、伝承、歌などには相変わらずクウェンヤを使用し、クウェンヤは高尚な言葉として残り続けた。しかし伝わった当時のままにはならず、幾分の変化も遂げた。

『[[指輪物語]]』劇中では、[[ガラドリエル]]の哀歌「[[ナマーリエ]]」が、クウェンヤの歌である。

*** 人間のクウェンヤ [#t196a9aa]

[[第一紀]]の[[エダイン]]は[[エルダール]]諸侯に仕えて[[エルフ語]]を教わり、中にはクウェンヤを習得した者達もいた。

その知識は[[第二紀]]の[[ヌーメノール人]]に受け継がれた。[[ヌーメノール]]の公用語は[[アドゥーナイク]]であり、エルダールと交流する時には[[シンダリン]]が用いられたが、伝承に通じた者はクウェンヤも解し、重要な地名・人名などにはクウェンヤで名がつけられた。歴代のヌーメノール王もクウェンヤの名で即位した。
しかしヌーメノール人が堕落してエルダールと疎遠になるにつれてエルフ語は忌避され、後期の王たちはアドゥーナイクの名で即位するようになった(とはいえ古来の習慣を破ることが恐れられたため、後期の王たちもクウェンヤの名を併せ持っていた)。

エルダールへの敬愛とエルフ語の知識は[[節士]]によって保たれ、[[ヌーメノールの没落>世界の変わる日]]後は[[亡国の民の王国]]([[アルノール]]と[[ゴンドール]])に受け継がれた。両国の[[ドゥーネダイン]]は[[西方語]]を母語としたが、地名や人名は[[シンダリン]]で名付け、クウェンヤも高尚な伝承の言葉として扱われた。
両国の王侯は元々クウェンヤの名を持ったが、アルノールでは国が分裂して生まれた後継国家の[[アルセダイン]]の王がシンダリンで名付けられるようになり、その後継である[[野伏]]の族長もそれに倣った。ゴンドールでも王統が途絶えた後に国を統治するようになった[[執政]]はクウェンヤではなくシンダリンの名を持った。
王国の再統一を果たした[[アラゴルン二世]]は、再びクウェンヤの名[[エレッサール]]で王に即位した。

*** ホビットのクウェンヤ [#vbec8fcf]

[[ホビット]]の大半はクウェンヤはもとより、[[エルフ語]]を解さない。
だが[[エルフ]]と親しく交わった[[ビルボ・バギンズ]]および[[フロド・バギンズ]]はエルフ語に堪能で、クウェンヤすら解した。ビルボは[[裂け谷]]の伝承から[[上古]]の歴史である「[[エルフ語から翻訳したもの>シルマリルの物語]]」を著した。フロドもまた、[[ギルドール>ギルドール(フィンロド王家)]]の一行にクウェンヤで話しかけて彼らを驚かし、かつ喜ばせた。

** 備考 [#e78dae67]

日本語の資料として『[[指輪物語 エルフ語を読む]]』がある。
[[トールキン>ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン]]は「エルフにとって(日常では使用されないが、日常言語の元になり、儀礼などでは使用され続けている)ラテン語[[(Wikipedia:ラテン語)]]に相当するもの」としてこの言葉を位置づけた。言葉自体はフィンランド語[[(Wikipedia:フィンランド語)]]が元にされている。

** 外部リンク [#Links]

- [[Quenya - the Ancient Tongue:http://folk.uib.no/hnohf/quenya.htm]]

** コメント [#Comment]

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