* ギル=ガラド [#v4ee693d]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Gil-galad|
|~その他の呼び名|エレイニオン(Ereinion)|
|~種族|[[エルフ]]([[ノルドール]])|
|~性別|男|
|~生没年|~†[[第二紀]]3441|
|~親|[[フィンゴン]](父)(父は[[オロドレス>オロドレス(フィナルフィンの息子)]]の可能性もあり。[[後述>#t6499cb5]])|
|~兄弟|不明|
|~配偶者|なし|
|~子|なし|

** 解説 [#Explanation]

|>|>|~[[ノルドール]]の[[上級王]](フィンゴルフィン王家)|h
|CENTER:第5代&br;[[トゥアゴン>トゥアゴン(フィンゴルフィンの息子)]]&br;473 ~ 510|CENTER:第6代&br;エレイニオン&br;''ギル=ガラド''&br;[[第一紀]]510 ~ [[第二紀]]3441|CENTER:断絶|

名は[[シンダール語]]で「燦然たる輝きの星」(Star of Radiance)の意。[[フィンゴン]]の息子''エレイニオン''(([[シンダール語]]で「王家の子」(Scion of Kings)の意))の呼び名。[[中つ国]]における[[ノルドール]]最後の[[上級王]]。[[アイグロス>アイグロス(武器)]]の槍の使い手。[[エルフ]]の[[三つの指輪]]の一つ、風の指輪[[ヴィルヤ]]の最初の守護者。
名は[[シンダール語]]で「燦然たる輝きの星」(Star of Radiance)の意。[[フィンゴン]]の息子''エレイニオン''(([[シンダール語]]で「王家の子息」(Scion of Kings)の意))の呼び名。[[中つ国]]における[[ノルドール]]最後の[[上級王]]。[[アイグロス>アイグロス(武器)]]の槍の使い手。[[エルフ]]の[[三つの指輪]]の一つ、風の指輪[[ヴィルヤ]]の最初の守護者。
その最期は[[ギル=ガラドの没落]]に歌われている。

>ギル=ガラドは、エルフの王なりきと、竪琴ひきは、悲しく歌う。 &br; 海と山との間にありし、美しき自由の国の、最後の王なりきと。 &br; その剣は長く、その槍は鋭く、輝く兜は、遠くより望みえたり。 &br; 天が広野の無数の星は、その銀の盾に、映りたり。((『[[指輪物語]] [[旅の仲間]] 上』「十一 闇夜の短剣」 [[ビルボ>ビルボ・バギンズ]]が[[共通語]]に訳した'''[[ギル=ガラドの没落]]'''の一節))

*** エレイニオン・ギル=ガラド [#db1fc04a]

[[ダゴール・ブラゴルラハ]]における[[フィンゴルフィン]]の死後、[[フィンゴルフィン王家>フィンゴルフィン#House]]と全[[ノルドール]]王国の王位を継承した[[フィンゴン]]の使者として、[[ファラス]]地方の[[ブリソンバール]]と[[エグラレスト]]の港に遣わされる。
[[ニアナイス・アルノイディアド]]の後、この地が[[モルゴス]]の軍によって攻撃されると、エレイニオンは[[キーアダン]]と共に[[バラール]]島に撤退し、そこに避難所を作り上げた。やがて[[ゴンドリン]]が滅亡し[[トゥアゴン>トゥアゴン(フィンゴルフィンの息子)]]が死ぬと、エレイニオンは[[中つ国]]のノルドールの[[上級王]]に指名され、以後''ギル=ガラド''の名で呼ばれる。

>エレイニオンが、ギル=ガラド「燦然たる輝きの星」という名をおくられたのは、「彼の兜や鎧、盾には銀が被せられ、白い星の紋章が描かれており、遠くから望むと、陽光あるいは月光のもとでは、まるで一つの星のように輝いて見え、かれが高所に立っているときには、エルフの視力をもってすれば、かなりの距離からでも見ることができたからである。」と記した文章がある。((『[[終わらざりし物語]]』「アルダリオンとエレンディス」の註24))

[[モルゴス]]が[[怒りの戦い]]で打ち破られるまで、ギル=ガラドとキーアダンは[[シリオンの河口]]で持ちこたえ、生き残った[[エルダール]]と[[エダイン]]の最後の拠り所となった。

*** リンドンの王として [#fb5a5ca1]

[[第二紀]]になってもギル=ガラドは流離のノルドールの上級王として[[中つ国]]に留まり、[[キーアダン]]、[[エルロンド]]と共に中つ国北西部に残った[[エルダール]]を指揮する。かれらは[[ベレリアンド]]の最後の名残りである[[リンドン]]に[[灰色港]]を建造した。
ギル=ガラドとエルロンドは正体を隠して接近してきた[[サウロン]]を信用せず、やがて正体を現したサウロンによって[[エレギオン]]が滅ぼされると、その力に対抗して戦った。当時、リンドンのギル=ガラドの許には[[ヌーメノール]]の船団がしばしば訪れて交流が行われており、ギル=ガラドは[[ヌーメノール人]]の援助を得て第二紀1700年にサウロンを[[エリアドール]]から駆逐することに成功した。

それ以後もヌーメノールとの交流は続いたが、ヌーメノール人が次第に堕落し[[エルフ]]の不死を羨むようになるとそれも途絶え、ギル=ガラドの許にはヌーメノールを逃れたわずかな[[忠実なる者]]達しか訪れなくなる。[[王党派]]のヌーメノール人は過酷な略奪者として中つ国の沿岸を襲うようになったが、ギル=ガラドの勢力があるため北西部にやってくることはなかった。
第二紀3262年に[[アル=ファラゾーン]]によってサウロンが連れ去られると、ギル=ガラドは一時の平和を享受して勢力を[[霧ふり山脈]]を越えた先にまで拡大させる。[[ヌーメノールの没落>アカルラベース]]を逃れた[[エレンディル]]は灰色港にたどり着いてギル=ガラドの援助を受け、[[アルノール]]を建立した。

*** 最後の同盟 [#m3a3a1ec]

しかしサウロンの脅威もまた中つ国に戻ってきたことが明らかとなると、ギル=ガラドとエレンディルは[[最後の同盟]]を結んだ。
同盟軍は[[霧ふり山脈]]を越えて[[ダゴルラド]]の合戦で勝利して[[モルドール]]に入り、[[バラド=ドゥーア]]を包囲攻撃した。当時のエルフと人間の力は強く、'''ギル=ガラドの槍[[アイグロス>アイグロス(武器)]]と、エレンディルの剣[[ナルシル]]には、何者も抗しがたかった'''((『旅の仲間 下』「二 エルロンドの会議」))という。
ついに自ら姿を現したサウロンとの戦いにより、ギル=ガラドとエレンディルはサウロンを打ち倒したが、二人の王もまたこの戦いによって討ち死にした。ギル=ガラドの死の因は'''サウロンの手の黒くして、火のごとく燃えいたる熱気'''によるという((同上 [[ガンダルフ]]が発見した[[イシルドゥア]]による[[一つの指輪]]についての記録より))。

その死は''[[ギル=ガラドの没落]]''に歌われ、彼の死によって[[中つ国]]における[[ノルドール]]の[[上級王]]は絶えた。

ギル=ガラドは、[[三つの指輪]]の内でもっとも力のある風の指輪[[ヴィルヤ]]を[[ケレブリンボール]]より受け取っていた。彼は死ぬ前にこれを[[エルロンド]]に譲った。
『[[終わらざりし物語]]』によると、ギル=ガラドがエルロンドにヴィルヤを譲ったのはサウロンがエリアドールから駆逐された[[第二紀]]1701年のことであり、この時ギル=ガラドはエルロンドを[[エリアドール]]の副摂政に任じたという。

*** 親についての設定 [#t6499cb5]

『[[The History of Middle-Earth]]』によると、ギル=ガラドは[[フィンゴン]]の息子ではなく[[オロドレス>オロドレス(フィナルフィンの息子)]]の息子であった可能性があり、[[クリストファー・トールキン]]は(『[[シルマリルの物語]]』における)「フィンゴンの息子」という記述を誤りだったとしている。また、彼が港へと送られるエピソードは彼が[[フェラグンド]]の息子として構想されていた時期の原稿から採用したものであるという。先に出版されて物語上も矛盾がなく広まっている説を受け入れるべきか、クリストファーの訂正説を受け入れるべきかは議論になっており、どちらを正史とすべきかはファンの間でも意見が分かれている。

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#Lotrmovie]

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|~俳優|[[マーク・ファーガソン]]|
|~日本語吹き替え||

名前は一切登場しないが、[[旅の仲間]]冒頭の、[[最後の同盟]]の戦いの回想シーンにおいて、[[ヴィルヤ]]を手にしている姿や、[[最後の同盟]]の戦いで槍([[アイグロス>アイグロス(武器)]])を持って戦っている姿がわずかに描写されている。

** コメント [#Comment]

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