#author("2024-02-18T04:09:10+09:00;2023-10-28T22:32:47+09:00","","")
* カルドラン [#w737cfc7]
** 概要 [#scdb0f5a]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|地名|
|~スペル|Cardolan|
|~その他の呼び名||
|~カテゴリー|[[地名]]|
|~スペル|Cardolan((『[[The Lord of the Rings A Reader's Companion]]』では[[シンダリン]]で"red hill country"(赤い丘の国)の意味と推測している))|

** 解説 [#d9d565f5]
** 解説 [#Explanation]

[[シンダール語]]で「赤い丘」の国。三国に分裂した[[アルノール]]のうち南の国。[[バランドゥイン]]川から[[東街道]]に至る地域。人口は最も多かったが、[[アングマール]]と[[ルダウア]]に攻撃されて荒廃し、[[第三紀]]1409年に最後の王が討ち死にして滅亡した。
三国に分裂した[[アルノール]]のうち南の国。
西は[[バランドゥイン(ブランディワイン)>ブランディワイン]]川、東は[[グワスロー(灰色川)>グワスロー]]と[[ミスエイセル(にびしろ川)>ミスエイセル]]、北は[[東街道]]を国境とした。

>「むろん覚えておる!」と、かれはいいました。「[[カルン・ドゥーム]]のやつらが昨夜われらを襲ったのだ。そしてわが陣営は敗れた、ああ! 予の心臓に突き刺さった槍の穂先!」(([[塚人]]に囚われた[[メリアドク・ブランディバック]]が口走った台詞。[[カルドラン]]の亡霊が言わせたものと思われる))
[[イシルドゥル]]の血統はほどなく絶えてしまい、[[アルセダイン]]の[[アルゲレブ一世]]が再び[[アルノール]]全土の統治権を主張するとそれに同調する(だが[[アングマール]]と結託した[[リュダウル]]はこれを拒否した)。
[[第三紀]]1356年にアルゲレブがリュダウルとアングマールの攻撃を受けて討死すると、カルドランは[[リンドン]]と共に[[アルヴェレグ一世]]を援助して[[風見丘陵]]から敵を駆逐する。その後アルセダインとカルドランは協力してリュダウルとの国境線(風見丘陵、東街道、ミスエイセル)を武力で保持した。

** コメント [#od4368c0]
- このセリフがとても痛ましい。どれほど無念だったことでしょう --  &new{2008-01-14 (月) 23:16:58};
- アングマールに滅ぼされたカルドランの最後の王がメリーの口を借りて叫んだのだとしたら、この時既にメリーがアングマールの魔王を剣で貫く事を運命づけられていたとも言えます。原作を初めて読んだ人は「王の帰還」の頃にはすっかり忘れているであろう、ものすごい伏線。 --  &new{2008-01-25 (金) 23:34:21};
だが1409年のアングマールの大攻勢によって守りは破られ、カルドランの国土は荒廃する。この時に最後の君主(last prince)が討死し、カルドランの[[ドゥーネダイン]]の残党は[[テュルン・ゴルサド(塚山丘陵)>塚山丘陵]]と[[古森]]に逃れて抵抗を続けた。
1636年には[[悪疫]]が[[エリアドール]]に広がり、カルドラン(特に[[ミンヒリアス]])に残っていた住民のほとんどが死に絶えた。これによってカルドランのドゥーネダインは滅び、塚山丘陵にはアングマールとリュダウルからやってきた悪霊([[塚人]])が棲み着くようになった。

#pcomment_nospam(,6,,,,,reply)
『[[指輪物語]]』作中で[[フロド・バギンズ]]たち4人の[[ホビット]]が[[塚人]]に囚われた[[塚>塚山丘陵]]は、1409年の戦いで討死したカルドラン最後の君主のものであったらしい。
>「むろん憶えておる!」と、[[かれ>メリアドク・ブランディバック]]はいいました。「[[カルン・ドゥーム]]のやつらが昨夜われらを襲ったのだ。そしてわが陣営は敗れた、ああ! 予の心臓に突き刺さった槍の穂先!」((塚から脱出した[[メリアドク・ブランディバック]]が口走った台詞。カルドランの亡霊が言わせたものと思われる))
<[[トム・ボンバディル]]はこの塚山から[[塚山出土の剣]]を発掘してホビット達に与えた。

** [[Iron Crown Enterprises]]による設定 [#x87329c0]
***歴史 [#y63267f2]
[[アルノール]]王[[エアレンドゥル>エアレンドゥル(エレンドゥルの息子)]]は3人の息子たちの内、次男のエルダカールを最も寵愛していた。彼が[[ドゥーネダイン]]の基準でも並外れて強健な心身の持ち主だったのがその理由だった。彼は本来の名よりも[[シンダリン]]で黒い鷲を意味するソロンドゥア(Thorondur)の名で知られていた。
ソロンドゥアに王杖を渡そうとするエアレンドゥルに、王の議会は慣習に従って長子の[[アムライス]]に王位を継がせるよう異を唱えた。そして、ソロンドゥア自身も、内心では兄を愚鈍で虚弱だと見下し、玉座を欲していた。
エアレンドゥルは王国を分割し、息子たちにそれぞれの国の王として相続させる事で王家の不和を解決する道を選んだ。かくしてアルノールは三国に分かれ、[[アルセダイン]]を[[アムライス]]が、カルドランをソロンドゥアが治める事になった。末子のアルダリオンには[[リュダウル]]が与えられた。

ソロンドゥアは都に定めた[[サルバド]]を要塞化し、商業によって国力の充実を図った。だが、死後に[[アモン・スゥル]]に置かれた[[パランティール]]の管理権を巡って三国が争い始めると、ソロンドゥアの事業が財政を圧迫するようになった。四代王タランディル(Tarandil)は、多数の村落を大規模な牧羊場として囲い込み、組合と商人に特権を与えることで経済の建て直しを試みた。この試みは成功し、一時期のカルドランは三国で最も強固な軍を保持するまでになった。

1215年、五代王カリメンディル(Calimendil)は、父王の軍事力をもって王統の断絶したリュダウルに侵攻した。だがリュダウルでは[[山岳人]]の首長ルッガ(Rhugga)が人々の支持を得て即位しており、両者は20年に渡って争った。1235年、カリメンディルはリュダウルの王都カメス・ブリン(Cameth Brin)の城外に到達し、そこで二度目の戴冠を行おうとした。だがルッガと同盟を結んだ[[霧ふり山脈]]の[[オーク]]が夜陰に紛れて陣地を襲撃し、王と諸侯の大半を討ち死にさせた。

領土の東半分を喪失し、イシルドゥルの王統が途絶えたカルドランは激しい内紛に陥った。サルバドから地方の田舎まで、至る地域で暴動が起こり、アルセダインと[[ゴンドール]]もこれに介入、一時期は[[モリア]]の[[ドワーフ]]までもが交易を守るために出兵する事態となった。最終的に宮廷は[[節士]]の家系の出のタルキル(Tarcil)を6代王に選び、内紛の終結を見た。

この頃より、北方で[[アングマール]]が台頭し[[リュダウル]]を影響下に置いた。そのため、七代王タラストール(Tarastor)の弟で摂政のミナルカールは、アルセダイン王[[アルゲレブ一世]]をアルノール全土の[[上級王]]として名目上承認することで、兄王の死後に八代王となった。両王はアングマールに対する共同戦線を張り、一時的に侵略軍を追い返す事に成功した。
1408年、再びアングマールの侵略が始まると、九代王オストヘルは軍を率いてアモン・スゥルに布陣し、アルセダインと[[裂け谷]]からの援軍を待った。だが、援軍の到来を前に[[魔王]]は[[風見が丘]]に攻撃を仕掛け、これを落城させた。カルドラン軍は[[塚山丘陵]]の西に逃れ、[[古森]]の軒下に誘い込む作戦で敵を殲滅したが、オストヘルと王子たちは全員戦死、サルバドに残っていた娘のニナルデル(Ninardel)だけが残された。そのニナルデルも宰相ニムヒア(Nimhir)の謀略で暗殺され、再び王統は途絶えた。

ゴンドールはサルバドに総督職(Canotar)を置きフェオタール(Feotar)の領主アンナエル(Annael)を据えてカルドランを支配下に置こうとした。しかし、諸侯がこれを権威として承認する事はもはやなく、国家としてのカルドランは事実上消滅した。

分裂後の諸公国は、カランティアとドル・ティナレが独立を保つ一方、テュルン・ゴルサドとギリスリンはアルセダインに臣従した。また、ドゥーネダインの力が減じた事で、多くの民が諸侯の支配から脱して独自の生活を営むようになり、彼らの一部は総督から自治を認められた。サラライン(Saralainn)のように、武力でドゥーネダインを追い出して国を築く勢力も現れた。しかし、そうした民も含めた全ての国々が[[悪疫]]や[[塚人]]などの脅威によって緩やかに数を減らしていく運命を辿った。

1974年、アングマールとアルセダインの双方が戦争で滅びると、ゴンドール軍は敵の残党に利用されるのを避けるため、エリアドールの各地に残っていた居住地と要塞の多くを破棄した。2052年にサルバドの駐屯軍が解散、本国へ撤退すると、わずかに残っていた住民もそれに付き従った。こうしてカルドランの名残は全て失われた。

***歴代王 [#tbc95ecf]

|>|~名前|~在位|
|初代|ソロンドゥア(Thorondur)|861~936 (75年間)|
|2代|トゥランバール|936~1001 (66年間)|
|3代|キリオン|1001~1079 (78年間)|
|4代|タランディル(Tarandil)|1079~1153 (74年間)|
|5代|カリメンディル(Calimendil)|1153~1235 (82年間)|

カリメンディルを最後にイシルドゥルの血統は途絶え、代わって王に付き従っていた[[節士]]の子孫の家系から王が輩出された。

|>|~名前|~在位|
|6代|タルキル(Tarcil)|1235~1287 (52年間)|
|7代|タラストール(Tarastor)|1287~1332 (45年間)|
|8代|ミナルカール|1332~1381 (49年間)|
|9代|オストヘル|1381~1409 (28年間)|
|10代|ニルナデル(Nirnadel)|1409~1412 (3年間)|

***諸侯国 [#dcc031c5]

グワスロー流域には[[ヌーメノール]]時代から多数の入植地が築かれており、その一部は公国に発展した。後からやって来た[[イシルドゥル]]の家系が王として一帯を治めるためには、こうした諸侯の支持を取り付け、時には利害関係を調停する必要があった。そのためカルドランは、第三紀に開かれた[[アルセダイン]]や元々人口の少ない[[リュダウル]]と比べると国家としてのまとまりに欠けている面があった。
そして実際、諸侯の多くは王家の断絶後も長い間、祖先の開拓した領地を保持し続けていた。

:ギリスリン|ミンヒリアスの南西、ギリスリン高地(Girithlin Highland)と呼ばれる一帯の地域。[[第二紀]]の2700年頃、[[ヌーメノール人>ヌーメノール]]が森林を切り開いて築いた入植地を始まりとする。バランドゥイン河口の川床から採取される琥珀によって、諸侯国で最も強権的かつ富裕な領域として繁栄した。東端の半島に[[エリュン・ヴォルン]]の森があり、その中に住む先住民や[[フオルン]]を監視する役割も担っていた。17世紀頃から悪霊らしき存在が跋扈するようになり、急激に衰退した。その後何度が再建が試みられるが、いずれも謎の存在に追い払われて失敗した。
:ドル・カラディア(Dor Caladir)|[[サルバド]]の南東部、[[グワスロー]]の中流域一帯の名称。[[第二紀]]27世紀頃に[[ヌーメノール]]の入植地が築かれ、カルドランの時代には同国を構成する諸地域の中でも最も豊かな土地として栄えた。公国はカルドランの滅亡後も[[第三紀]]1700年頃まで存続し、ドゥーネダインが去った後も土着のエリアドール人の集落が多数残っていた。
:エン・エレドリアス(En Eredoriath)|
:テュルン・ゴルサド|後の[[塚山丘陵]]。バランドゥインから[[アモン・スゥル]]まで、南街道沿いに50マイル程広がる帯状の領域。王族の埋葬地としての重要性から、比較的多くのドゥーネダインの人口を抱えていた。[[ブリー郷]]の南にあるフェアギル(Feagil)がその首府とされていたが、1409年頃、アングマールとの戦争で破壊されると、さらに南のミナス・マッロス(Minath Malloth)に政治の中心を移した。[[塚人]]の侵入以降はアルセダインに臣従し、その庇護を受けた。
:ドル・ティナレ(Dor Tinare)|ドル・ティネレブ(Dol Tinereb)ともいう。テュルン・ゴルサドのすぐ南、[[モリア]]より発する[[ドワーフ道]]沿いの領域。
:フェオタール自由州(The free cantons of Feotar)|ファエルドール(Faerdor)ともいう。[[エレギオン]]の東、グワスローを挟んだ対岸の地域。カルドラン最後の王の死後、土着の人間たちと軍が結託して反乱を起こし、圧政を敷く領主を倒して自治を認められた。中小規模の町や村の緩やかな連合帯で、比較的長く、[[バルログ]]によって[[モリア]]が滅ぼされ取引相手を失うまで国としての形を保った。
:サララニン(Kingdom of Saralain)|


** ゲーム『[[ロード・オブ・ザ・リングス オンライン]]』における設定 [#LotRO]

2022年11月に北部地域が実装化された。
南連丘の他に塚山丘陵の真南に位置するRuddymore、サルバドの真北に位置するSedgemeadなどのエリアで構成される。
南街道沿いのHerneという町が中心地となっており、CaranostやAmon Firn、Dol Ernilなど王国時代の都市の遺跡が点在している。

カルドラン最後の王はアルタンディル(Artandil)という名前になっている。また、王の戦死後はティルンゴルサドの領主アモンディル(Amondir)が継承権を得たものの戴冠を固辞し、カルドラン大公としてアルセダインに臣従したとされている。

** コメント [#Comment]

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