#author("2017-04-19T22:53:19+09:00","","")
#author("2017-06-25T23:47:29+09:00","","")
* エルフ王の岩屋 [#td20e7d2]

** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[地名]]|
|~スペル|Elvenking's Halls|
|~異訳|エルフ王の館(Elven-king's halls)|
|~その他の呼び名||

** 解説 [#Explanation]

[[闇の森]]の北東部にある丘陵に穿たれた、[[森の王国]]の地下宮殿。王国が闇の森の北東部へと縮小するに伴い、[[スランドゥイル]]によって築かれた。『[[二つの塔]]』での[[ギムリ]]の発言によると、建造には[[ドワーフ]]の助力があったという。

『[[ホビットの冒険]]』において、闇の森で彷徨っていたところを森の王国の[[エルフ]]に捕らえられた[[トーリン>トーリン二世]]ら[[13人のドワーフ>トーリンとその仲間]]は、旅の目的を話そうとしなかったため、[[エルフ王(スランドゥイル)>スランドゥイル]]によって岩屋の各所にある独房にそれぞれ監禁された。一方[[ビルボ・バギンズ]]は[[一つの指輪]]を使って姿を隠し、エルフの食べ物を盗み食いして食を繋ぎながら((その償いとしてビルボは[[五軍の合戦]]後、[[ダイン>ダイン二世]]から貰った真珠と銀の首飾を[[スランドゥイル]]に贈っている。))、1~2週間岩屋の内部や周辺を探検しつつ機会を窺っていた。そして秋の宴が行われている夜に、[[ドルイニオン]]産のワインで[[ガリオン]]とともに酔いつぶれた[[番兵長>番兵長(エルフ)]]から牢屋の鍵を盗み、ドワーフたちを解放。彼らを空の樽に入れて地下を流れる小川に流し、脱出させた。
『[[ホビットの冒険]]』において、闇の森で彷徨っていたところを森の王国の[[エルフ]]に捕らえられた[[トーリン>トーリン二世]]ら[[13人のドワーフ>トーリンとその仲間]]は、旅の目的を話そうとしなかったため、[[エルフ王(スランドゥイル)>スランドゥイル]]によって岩屋の各所にある独房にそれぞれ監禁された。一方[[ビルボ・バギンズ]]は[[一つの指輪]]を使って姿を隠し、エルフの食べ物を盗み食いして食を繋ぎながら((その償いとしてビルボは[[五軍の合戦]]後、[[ダイン>ダイン二世]]から貰った真珠と銀の首飾を[[スランドゥイル]]に贈っている。))、1~2週間岩屋の内部や周辺を探検しつつ機会を窺っていた。そして秋の宴が行われている夜に、[[ドルイニオン]]産のワインで酔いつぶれた[[番兵長>番兵長(エルフ)]]から牢屋の鍵を盗み、ドワーフたちを解放。彼らを空の樽に入れて岩屋の地下を流れる小川に流し、脱出させた。

*** 構造 [#b6da9b82]

[[闇の森]]の端から数マイル内側にある木々に覆われた丘の地下に築かれており、戦時には砦を兼ねる。ブナの大木が生える丘の南側には[[森の川]]が流れ、川に架けられた橋を渡った先にある丘の険しい南斜面に入口があり、その石の大扉は魔法によって自在に開閉する。内部の洞窟は松明で照らされ、幾つも枝分かれしており、自然石から刻みだされた列柱がある王の大広間や、宝物庫、地下牢など大小様々な洞窟に繋がっている。
『[[終わらざりし物語]]』によると、この地下宮殿の様式は[[ドリアス]]の[[メネグロス]]に倣ったものだが、[[シルヴァン・エルフ]]はドリアスの[[シンダール]]に劣る上、[[スランドゥイル]]には技術も財産も[[ドワーフ]]の助力もなかったので、メネグロスには到底及ばないものであったという(ただしドワーフの助力に関しては[[ギムリ]]の発言と矛盾する)。

岩屋の最下層の地下には一つの小川が流れ、丘陵の東斜面にある普段は落とし格子で閉じられた水門から流れ出て[[闇の森]]の東端付近で[[森の川]]に注いでいる。この小川の真上にあたる部分は酒樽などを貯蔵する王の穴倉になっており、エルフたちはこの小川を[[エスガロス]]との物流に利用した。すなわち穴倉の落とし戸から空の樽をそのまま小川に投げ落とし、それから水門の格子を引き上げれば、エルフの筏乗りがいる下流の集積場まで樽を流せるようになっていた。
岩屋の最下層の地下には一つの小川が流れ、丘陵の東斜面にある落とし格子で閉じられた水門から流れ出て[[闇の森]]の東端付近で[[森の川]]に注いでいる。この小川の真上にあたる部分は酒樽などを貯蔵する王の穴倉になっており、エルフたちはこの小川を[[エスガロス]]との物流に利用した。すなわち、エスガロスへ返却する空の樽を穴倉の落とし戸から小川に投げ落とし、それから水門の格子を引き上げれば、エルフの筏乗りがいる下流の集積場まで樽を流せるようになっていた。

*** 画像 [#a7d39b9b]

&ref(gateofelvenkingshalls_bytolkien.jpg,,10%,トールキンが描いた「エルフ王の岩屋の門」); &ref(elvenkingsgate_bytolkien.jpg,,20%,トールキン作画「エルフ王の門」);
『[[ホビットの冒険]]』の挿絵の為にトールキンはエルフ王の岩屋のイラストを何枚か描き、実際に掲載された「エルフ王の門」を完成させた。それらには[[ナルゴスロンド]]と同一のイメージが用いられている。門の手前に階段が描かれているが、本文中では触れられていない。

** 映画『[[ホビット>ホビット(映画)]]』における設定 [#Hobbitmovie]

[[13人のドワーフ>トーリンとその仲間]]が牢に捕らえられている期間は大幅に短縮され、1日に満たないと思われる。宮殿ではちょうど[[メレス・エンギリス]]が行われており、そのため葡萄酒が用意されていた。一行の脱出場面では、原作に登場する[[ガリオン]]のほか、牢屋番のエルフに[[エルロス>エルロス(闇の森)]]という名がつけられて登場している。

** コメント [#Comment]
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