* エアレンディル [#sd3dd652]
** 概要 [#qeb33dd9]

|~カテゴリー|人名|
|~スペル|Eärendil|
|~その他の呼び名|[[半エルフ]]、称うべき(the Blessed)、輝かしき(the Bright)、航海者(the Mariner)|
|~種族|[[半エルフ]]([[エダイン]]と[[ノルドール]]の血を引く)|
|~性別|男|
|~生没年|[[第一紀]]~|
|~親|[[トゥオル]](父)、[[イドリル]](母)|
|~兄弟|なし|
|~配偶者|[[エルウィング]]|
|~子|[[エルロンド]]、[[エルロス]](息子)|

** 解説 [#u3f17d83]

名は[[シンダール語]]で「わたつみを愛する者」の意。
[[第一紀]]の[[ゴンドリン]]にて、[[人間]]の[[トゥオル]]と[[エルフ]]の[[イドリル]]の息子として生まれる。彼は、[[ゴンドリン]]の没落を両親と共に逃れて[[シリオン]]に達し、[[ディオル>ディオル(ベレンの息子)]]の娘[[エルウィング]]と結婚。[[エルロンド]]と[[エルロス]]の二人の息子の父となった。

その後もエアレンディルは[[シリオン]]に留まったが、トゥオルとイドリルが西方へと航海して去ると、その後を追いたいという望みを強く抱くようになった。さらに彼は[[至福の国]]に到達して[[ヴァラール]]に対し、[[中つ国]]の民に対する助力と憐れみを請うという目的をも達成したいと願う。そこでエアレンディルは家族をシリオンに残し、三人の水夫([[ファラサール]]、[[エレルロント]]、[[アイランディア]])と共に、[[ヴィンギロト]]という船に乗り込んで航海に出発する。

だがその航海は一時失敗し、彼らは失望して[[中つ国]]に戻ろうとする。だがその時、[[シルマリル]]を持ったエルウィングがヴィンギロトに辿り着いた。すると彼らはシルマリルを掲げ、改めて西方への航海を再開し、その力に守られて遂に至福の地に到達する。エアレンディルは至福の国に上陸して、[[ヴァラール]]に[[中つ国]]の民のため、哀れみと助力を請うた。

エアレンディルの願いは聞き入れられたが、彼が[[中つ国]]に戻ることは許されず、至福の国にて[[エルフ]]として生きることを定められた。ヴィンギロトは[[シルマリル]]を取り付けられて天空を航行する船となり、[[中つ国]]の住民の希望の星とされた。我々の世界で「明けの明星」「宵の明星」として知られているのが、エアレンディルの星である。

エアレンディルは[[怒りの戦い]]には、空から[[ヴィンギロト]]に乗って[[中つ国]]に駆けつけ、黒竜[[アンカラゴン]]を打ち倒している。だが彼は中つ国には上陸することなく、至福の国へと戻った。

『[[指輪物語]] [[旅の仲間]]』本文中にて[[裂け谷]]で[[ビルボ>ビルボ・バギンズ]]が歌っていたのが彼の歌であり、[[ガラドリエル]]が[[フロド>フロド・バギンズ]]に与えた[[玻璃瓶]]には、エアレンディルの星の光が込められている。

** コメント [#c38fd029]

- 時々混同されるが、エレンディルは彼とは別人。エアレンディルはエレンディルの祖先に当たるが。 -- 都々目さとし
- 「エアレンディル」がシンダール語だということは、彼の出自から考えるとクウェンヤ語の名前もありそうな気がする。どんな名前だったのだろう? -- カイト
- どうにもこの人はヴァラールの助けを請うためというより、単に航海がしたかったために海に出たような気がする。そんな彼にはやはり航海者の呼び名がふさわしい。ガンダルフや指輪所持者が宿命付けられたように、彼もまた放浪に心惹かれていたのでしょう。そして、最後は星になって終わりのない航海へ……。 -- トミー

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