#author("2024-01-16T18:03:46+09:00","","")
* ウンバール [#v7d8e2ab]
** 概要 [#i927f27c]
#contents
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|地名|
|~カテゴリー|[[地名]]|
|~スペル|Umbar|
|~その他の呼び名||
|~その他の呼び名|海賊根拠地(City of the Corsairs)|

** 解説 [#g009e426]
** 解説 [#Explanation]

[[ベルファラス]]湾を挟んで[[ゴンドール]]の東南の地。良質の軍港がある。
[[ゴンドール]]の南方、[[ベルファラス湾]]の南東端にある港湾。
半島に囲まれた良質の軍港で、地域的には[[ハラド]]にあたるが、[[ヌーメノール]]の殖民都市であったことから[[ゴンドール]]が正当な主権を持つとされた。だがゴンドールが衰えてからは、[[ハラドリム]]の[[海賊]]が支配していた。

*** 第二紀、第三紀初期のウンバール [#j18ab8ac]
「ウンバール」の名は[[先ヌーメノール語]]で、意味は不明。

[[第二紀]]に[[ヌーメノール人]]がこの地に上陸して、[[中つ国]]の現地人を支配した。2280年頃にはウンバールはヌーメノールの大要塞と化していた。3261年に[[ヌーメノール]]軍が上陸して[[サウロン]]を降伏せしめたのもこの地からであり、これを記念する記念碑が作られた。
*** 黒いヌーメノール [#j18ab8ac]

>そしてかれらはウンバールの港を見下ろす岬の一番高いところに、大きな白い柱を記念碑としてうち立てたのである。その頂きには水晶の珠がのせられており、それは陽光と月光を浴びてきららかな星のように輝いたので、晴れた日にはゴンドールの沿岸にいても、あるいは遠い西の海からもこれを望むことができた。こうしてこの水晶球はサウロンの今や近づかんとしている二度目の隆盛のあと、ウンバールがかれの召使いの支配に屈し、かれの屈服の記念碑が打ち壊されるまで、ここにあった。((『[[指輪物語]]』[[追補編]]))
[[第二紀]]に[[中つ国]]へ航海してきた[[ヌーメノール人]]は、沿岸部にいくつもの殖民地を築き、現地人を支配するようになる。その代表的なものがウンバールであり、2280年頃には[[ヌーメノール]]の大要塞と化していた。
3261年に黄金王[[アル=ファラゾーン]]率いる大艦隊が上陸して[[サウロン]]を降伏せしめたのもこの地からのことであった。

やがてこの地のヌーメノール人は[[王党派]]の拠点となって悪に染まり(後の[[黒きヌーメノール人]])、[[エレンディル]]とその子孫らが作った[[ゴンドール]]に反抗する勢力の拠点の一つとなった。
>そしてかれらはウンバールの港を見下ろす岬の一番高い丘に、大きな白い柱を記念碑としてうち立てたのである。その頂には水晶の珠がのせられており、それは陽光と月光を浴びてきららかな星のように輝いたので、晴れた日にはゴンドールの沿岸にいても、あるいは遠い西の海からもこれを望むことができた。こうしてこの水晶球はサウロンの今や近づかんとしている二度目の興隆のあと、ウンバールがかれの召使の支配に屈し、かれの屈服の記念碑が打ち壊されるまで、ここにあった。((『[[指輪物語]] [[追補編>指輪物語/追補編]]』「ゴンドール、またアナリオンの後継者たち」))

*** カスタミアの子孫による支配 [#gec96ce9]
この地は[[王党派]]の拠点であったことから、やがてサウロンの影響を受けて悪に染まり、[[ヌーメノールの没落>世界の変わる日]]後は[[節士派>節士]]が築いた[[ゴンドール]]に敵対する大きな勢力の一つとなった([[黒きヌーメノーレアン]])。

ウンバールは、[[第三紀]]933年にゴンドールの王[[エアルニル一世]]によって占領される。1015年には、[[ハラドリム]]がウンバールを包囲攻撃し、[[キアヤンディル]]王が戦死した。それでもゴンドールの海軍力によって、ウンバールはゴンドールにより確保され続けていた。[[キアヤヘア]]は1050年には陸海両面からウンバールを南下し、[[ハラド]]人を撃破して、ハラド人を従属せしめた。
*** ゴンドールの軍港 [#pb606ff2]

1448年に、ゴンドールの王位簒奪者[[カスタミア]]の息子達がウンバールに逃亡して、ゴンドールに反抗する支配権を打ち立てた。彼らは[[海賊]]として何度もゴンドールを攻撃して悩ませ、[[ミナルディル]]を殺した。だが1810年に[[テルメフタール・ウンバールダキル>テルメフタール]]によって再びゴンドールに制圧され、[[カスタミア]]の子孫である[[アンガマイテ]]と[[サンガヒャンド]]も滅ぼされる。かくてカスタミアの血統は途絶えた。
[[第三紀]]のはじめ、ウンバールは[[ゴンドール]]の[[船艦王]]たちによって奪取され、その最盛期を通じて同国が[[ハラド]]を支配する重要な足がかりとなった。

*** ハラド人による占領 [#i16a3c1e]
933年、[[エアルニル一世]]の包囲攻撃によって、この軍港はゴンドールの手に落ちる。
港を追われたウンバールの諸侯は[[ハラドリム]]を率いて反撃し、1015年には[[キルヤンディル]]が戦死したが、ゴンドールの強大な海軍力のためにウンバールが陥とされることはなかった。
1050年、[[キルヤヘル(ヒャルメンダキル一世)>ヒャルメンダキル一世]]は陸海両面から南下してハラドリムに大勝し、ハラドの王たちを完全に服属せしめた。

しかし今度は[[ハラド]]国人がウンバールに攻め込んできた。当時ゴンドールは[[馬車族]]の攻撃にさらされていたため、ウンバールの防衛までは手が回らなかった。ためにウンバールは1856年頃にハラド人に奪われ、やがては[[サウロン]]の支配下に入った。以後ウンバールの[[海賊]]はゴンドールの南部沿岸領土を攻撃するようになり、ゴンドールを悩ませた。
海軍力の強大さと、要衝となるウンバールの確保によって、ゴンドールは南方を完全に支配下に置き、[[東方>リューン]]の領土と合わせて最大版図を誇った。

*** ソロンギルによるウンバール攻撃 [#q8835a11]
*** 叛徒の拠点 [#u8569544]

[[ゴンドール]]の[[執政]][[エクセリオン二世]]に仕えていた[[ソロンギル(アラゴルン二世)>アラゴルン二世]]は、ウンバールの[[海賊]]がゴンドールにとっての災厄となることを恐れていた。そこでソロンギルはエクセリオンの許しを得て、2980年頃に小艦隊を率いてウンバールを奇襲。ウンバールの海賊の船に火を放ち、ソロンギル自らはウンバールの港の大将を倒した後、僅かな損害を出したのみで撤収に成功した。このソロンギルの活躍がなければ、[[指輪戦争]]における海賊の脅威はさらに大きなものになっていただろう。
やがてアラゴルン二世がエレスサール王として即位すると、ウンバールはゴンドールによって平定されることになった。
[[同族の争い]]で王位を簒奪した[[カスタミル]]は海軍の総指揮官であったため、[[ペラルギル]]とウンバールからなる二大港に強い勢力基盤を持っていた。
1447年のエルイの渡しの合戦によってカスタミルは討たれたが、その息子たちは1448年にウンバールに逃れ、同地に[[ゴンドール]]に反抗する支配権を打ち立てた。カスタミルの子孫に率いられたウンバールの[[海賊]]は、繰り返しゴンドールの沿岸地方を襲い、1634年にはカスタミルの曾孫[[アンガマイテ]]と[[サンガヒャンド]]が、[[ミナルディル]]を殺した。

** コメント [#db249f70]
- ここはアルジェで間違いないだろう --  &new{2008-12-15 (月) 21:06:08};
- イメージはヴァンダルかな? --  &new{2008-12-18 (木) 07:34:52};
- ↑バルバロス・ハイレッティン率いるイスラム勢力だったかもしれません。ここが現在のアルジェに当たることを考えれば。バルバロスはその後モルドールならぬオスマン帝国に仕えていますし。 -- ホビット &new{2008-12-21 (日) 13:42:53};
- ボニファティウス叛乱時のカルタゴだったかもしれない。状況が似ているし、ヨーロッパ人にとってローマ史は身近 --  &new{2008-12-21 (日) 18:34:22};
- カルタゴじゃないでしょうかね?ハラド→北アフリカ、ゴンドール→東ローマと考えればヴァンダル海賊やボニファティウス叛乱を経て、最終的にはイスラムに征服されたこととマッチするので。 --  &new{2009-03-10 (火) 12:56:59};
ゴンドールは海軍力とウンバールという海上優位を同時に失い、[[ハラド]]への支配力を喪失する。このためハラドは再びゴンドールに敵対するようになった。

#comment
カスタミルの子孫による支配は、1810年に[[テルメヘタール・ウンバールダキル>テルメヘタール]]がウンバールを奪回するまで続いた。これによってカスタミルの子孫は滅ぼされ、ウンバールは一時的にゴンドールの統治下に戻った。

*** ハラドの海賊 [#ze7deb30]

しかし結局、ウンバールは[[ハラドリム]]によって再び占拠される。
[[馬車族]]の攻撃にさらされていた[[ゴンドール]]はウンバールの防衛までは手が回らず、1856年頃にウンバールはハラドに奪われ、やがては[[サウロン]]の支配下に入った。
そのためウンバールの[[海賊]]は依然としてゴンドール沿岸の脅威であり続けた。

*** ソロンギルによる攻撃 [#r97ea24d]

2980年頃、[[ゴンドール]]の[[執政]][[エクセリオン二世]]に仕えていた[[ソロンギル(アラゴルン二世)>アラゴルン二世]]は、ウンバールの[[海賊]]がゴンドールにとっての災厄となることを恐れていた。そこでソロンギルはエクセリオンの許しを得て、小艦隊を率いてウンバールを奇襲した。この攻撃によりウンバールの海賊の船の大半に火が放たれ、ソロンギル自ら波止場の合戦で港の大将を倒した後、僅かな損害を出したのみで撤収に成功した。このソロンギルの活躍がなければ、[[指輪戦争]]における海賊の脅威はさらに大きなものになっていたとされる。

*** 指輪戦争において [#cdefc22a]

3018~3019年の[[指輪戦争]]において、ウンバールの[[海賊]]は[[サウロン]]の命を受けて[[ゴンドール]]の沿岸地方を襲った。このため、[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]に送られる[[辺境の諸侯国]]の援軍は大幅に減じるところであった。
しかし[[パランティール]]を通じて海賊の脅威を察知した[[アラゴルン二世]]は、[[死者の軍勢]]を呼び出して沿岸を襲っていた海賊を敗走せしめ、鹵獲した海賊船に搭乗して[[ペレンノール野の合戦]]に馳せ参じた。

やがてアラゴルン二世がエレッサール王として即位すると、ウンバールはゴンドールによって平定されることになった。

**『[[Iron Crown Enterprises]]』による設定 [#u1f19a6d]

およそ10万人の人口を擁する北東世界屈指の一大交易都市。交易の拠点としての重要性は、[[ゴンドール]]の他のどの都市よりも高い。
[[ヌーメノール]]の冒険家バイアン(Baian)が[[第二紀]]の8世紀頃に建設した小規模な交易用の拠点として始まった。[[タル=アタナミル]]の時代に、それらを解体した基礎の上に本格的な町が築かれ、以降数度に渡って市街地の拡張が繰り返された。

南北を入り江に挟まれており、南側の入り江が軍港として利用されている。街中には英雄を奉った祠など、ヌーメノール時代から存在する古い施設が数多く存在する

&ref(Umbar.jpg,,20%); &ref(UmbarHavenMap.jpg,,8%);

** ゲーム『[[ロード・オブ・ザ・リングス オンライン]]』における設定 [#LotRO]

2023年11月のアップデートで実装。

都市ではなく周辺の土地を含む国自体がウンバールという名称で、その首都である港はウンバール・バハルベル(Umbar Baharbêl)と呼ばれる。
指輪戦争の終結後、Kindred of the Coinsという7人の有力者たちによる評議会の支配下となり、自由都市として再編された。

** コメント [#Comment]

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