#author("2018-07-24T18:28:58+09:00","","")
* ウンバール [#v7d8e2ab]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[地名]]|
|~スペル|Umbar|

** 解説 [#Explanation]

[[ゴンドール]]の南方、[[ベルファラス湾]]の南東端にある半島に囲まれた、良質の軍港。
地域的には[[ハラド]]にあたるが、[[ヌーメノール]]の殖民都市であったことから[[ゴンドール]]が正当な主権を持つとされた。だがゴンドールが衰えてからは、[[ハラドリム]]の[[海賊]]が支配していた。

「ウンバール」(([[クウェンヤ]]でumbarは運命(fate)の意味だが、この地名とは何も関係がない))の名は[[先ヌーメノール語]]で、意味は不明。

*** 黒いヌーメノール [#j18ab8ac]

[[第二紀]]に[[中つ国]]へ航海してきた[[ヌーメノール人]]は、沿岸部にいくつもの殖民地を築き、現地人を支配するようになる。その代表的なものがウンバールであり、2280年頃にはヌーメノールの大要塞と化していた。
3261年に黄金王[[アル=ファラゾーン]]率いる艦隊が上陸して[[サウロン]]を降伏せしめたのもこの地からであり、記念碑が作られた。

>そしてかれらはウンバールの港を見下ろす岬の一番高いところに、大きな白い柱を記念碑としてうち立てたのである。その頂きには水晶の珠がのせられており、それは陽光と月光を浴びてきららかな星のように輝いたので、晴れた日にはゴンドールの沿岸にいても、あるいは遠い西の海からもこれを望むことができた。こうしてこの水晶球はサウロンの今や近づかんとしている二度目の隆盛のあと、ウンバールがかれの召使いの支配に屈し、かれの屈服の記念碑が打ち壊されるまで、ここにあった。((『[[指輪物語]] [[追補編]]』「ゴンドール、またアナリオンの後継者たち」))

この地は[[王党派]]の拠点であったことから、やがてサウロンの影響を受けて悪に染まり、[[ヌーメノール]]の没落後は[[忠実なる者]]が築いた[[ゴンドール]]に敵対する大きな勢力の一つとなった。([[黒きヌーメノール人]])

*** ゴンドールの軍港 [#pb606ff2]

[[第三紀]]のはじめ、ウンバールは[[ゴンドール]]の[[船艦王]]たちによって奪取され、その最盛期を通じて同国が[[ハラド]]を支配する重要な足がかりとなった。

933年、[[エアルニル一世]]の包囲攻撃によって、この軍港はゴンドールの手に落ちる。
ウンバールを追われた諸侯は[[ハラドリム]]を率いて反撃し、1015年には[[キアヤンディル]]が戦死したが、ゴンドールの強大な海軍力のためにウンバールが陥とされることはなかった。
1050年、[[キアヤヘア(ヒャルメンダキル一世)>ヒャルメンダキル一世]]は陸海両面から南下してハラドリムに大勝し、ハラドの王たちを完全に服属せしめた。

海軍力の強大さと、要衝となるウンバールの確保によって、ゴンドールは南方を完全に支配下に置き、[[東方>リューン]]の領土と合わせて最大版図を誇った。

*** 叛徒の拠点 [#u8569544]

[[同族の争い]]で王位を簒奪した[[カスタミア]]は海軍の総指揮官であったため、[[ペラルギア]]とウンバールからなる二大港に強い勢力基盤を持っていた。
1447年のエルイの渡しの合戦によってカスタミアは討たれたが、その息子たちは1448年にウンバールに逃れ、同地に[[ゴンドール]]に反抗する支配権を打ち立てた。カスタミアの子孫に率いられたウンバールの[[海賊]]は、繰り返しゴンドールの沿岸地方を襲い、1634年にはカスタミアの曾孫[[アンガマイテ]]と[[サンガヒャンド]]が、[[ミナルディル]]を殺した。

ゴンドールは海軍力とウンバールという海上優位を同時に失い、[[ハラド]]への支配力を喪失する。ハラドは再びゴンドールに敵対するようになり、両国の境界となる[[ハロンドール]]は以後係争の地となった。

カスタミアの子孫による支配は、1810年に[[テルメフタール・ウンバールダキル>テルメフタール]]がウンバールを奪回するまで続いた。これによってカスタミアの子孫は滅ぼされ、ウンバールは一時的にゴンドールの統治下に戻った。

*** ハラドの海賊 [#ze7deb30]

しかし結局、ウンバールは[[ハラドリム]]によって再び占拠される。
[[馬車族]]の攻撃にさらされていた[[ゴンドール]]はウンバールの防衛までは手が回らず、1856年頃にウンバールはハラドに奪われ、やがては[[サウロン]]の支配下に入った。
そのためウンバールの[[海賊]]は依然としてゴンドール沿岸の脅威であり続けた。

*** ソロンギルによる攻撃 [#r97ea24d]

[[ゴンドール]]の[[執政]][[エクセリオン二世]]に仕えていた[[ソロンギル(アラゴルン二世)>アラゴルン二世]]は、ウンバールの[[海賊]]がゴンドールにとっての災厄となることを恐れていた。そこでソロンギルはエクセリオンの許しを得て、小艦隊を率いてウンバールを奇襲した。この攻撃によりウンバールの海賊の船の大半に火が放たれ、ソロンギル自ら波止場の合戦で港の大将を倒した後、僅かな損害を出したのみで撤収に成功した。このソロンギルの活躍がなければ、[[指輪戦争]]における海賊の脅威はさらに大きなものになっていたとされる。

*** 指輪戦争において [#cdefc22a]

[[指輪戦争]]において、ウンバールの[[海賊]]は[[サウロン]]の命を受けて[[ゴンドール]]の沿岸地方を襲った。このため、[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]に送られる[[辺境の諸侯国]]の援軍は大幅に減じるところであった。
しかし[[パランティーア]]を通じて海賊の脅威を察知した[[アラゴルン二世]]は、[[死者の軍勢]]を呼び出して沿岸を襲っていた海賊を敗走せしめ、拿捕した海賊船に搭乗して[[ペレンノール野の合戦]]に馳せ参じた。

やがてアラゴルン二世がエレスサール王として即位すると、ウンバールはゴンドールによって平定されることになった。

**『[[Iron Crown Enterprises]]』による設定 [#u1f19a6d]

およそ10万人の人口を擁する北東世界屈指の一大交易都市。交易の拠点としての重要性は、[[ゴンドール]]の他のどの都市よりも高い。
[[ヌーメノール]]の冒険家バイアン(Baian)が[[第二紀]]の8世紀頃に建設した小規模な交易用の拠点として始まった。[[タル=アタナミア]]の時代に、それらを解体した基礎の上に本格的な町が築かれ、以降数度に渡って市街地の拡張が繰り返された。

南北を入り江に挟まれており、南側の入り江が軍港として利用されている。街中には英雄を奉った祠など、ヌーメノール時代から存在する古い施設が数多く存在する

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** コメント [#Comment]

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