#author("2017-04-09T02:02:18+09:00","","")
* ウンゴリアント [#pb60d6f8]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Ungoliant|
|~その他の呼び名||
|~種族|[[蜘蛛]]の形をした悪霊|
|~性別|女|
|~生没年|不明|
|~配偶者|多数|
|~子|多数|

** 解説 [#Explanation]

[[二つの木の時代]]以前よりいた[[大蜘蛛>蜘蛛]]の形をした悪霊。
[[エルダール]]はこの悪霊がどこから来たのかを知らなかったが、一部に伝えられた話では[[アルダ]]を取り巻く暗闇からやって来たという。[[メルコール]]は自分の召使とするためにウンゴリアントを堕落させたが、彼女は自らの食欲を満たすことのみをよしとしてメルコールとは袂を分かっていた。彼女は巨大な蜘蛛の姿をとり、次第に光に引き寄せられて[[アマン]]へ忍び寄り、[[エルダマール]]湾の南、[[ペローリ]]山脈の東の裾の[[アヴァサール]]に潜んでいた。
彼女は光を喰らって暗闇を紡ぎだすことができ、彼女の吐き出す暗闇と黒煙は[[マンウェ]]ですら見通すことはできず、[[オロメ]]や[[トゥルカス]]もそれに取り巻かれると成す術もなく力を失ってしまった。とはいえウンゴリアントは[[ヴァラール]]を恐れていた。

そこに[[ヴァリノール]]から逃走した[[モルゴス(当時はまだメルコールと呼ばれていた)>モルゴス]]がやってきて、自分の[[ヴァリノール]]に対する復讐に協力するよう要求した。渋るウンゴリアントに対してモルゴスは、代償として彼女の飢えが満たされるまで望むものを何でも与えると空約束をして、協力を取り付けた。
二人は共に[[ヴァリノール]]を襲撃し、ウンゴリアントはモルゴスが傷つけた[[二つの木]]から樹液を吸いつくした。この時、彼女の体内の毒が木に入ったことで、二つの木は枯死した。だがそれでも彼女の渇きは治まらず、[[ヴァルダの泉]]も全て飲み干した。さらに二人は[[フォルメノス]]を襲撃して[[フィンウェ]]を殺し、その宝物庫から[[シルマリル]]をはじめとした[[ノルドール]]の宝石を奪い取った。それからヴァラールの追撃を振り切り、[[ヘルカラクセ]]を渡って[[中つ国]]へと逃げおおせた。
ウンゴリアントは暗闇を紡ぎだして襲撃と逃走を大いに助けたが、そのためにモルゴスは彼女から逃れることができなかった。

ウンゴリアントは二つの木の樹液とヴァルダの泉の水を飲み干して巨大に膨れ上がり、さらに逃走後にはノルドールの宝石を要求してそれらをすべて喰らい、さらに強力になってしまった。彼女はシルマリルをも要求したが、モルゴスが拒んだため、彼に糸をかけて捕らえ、息の根を止めようとした。だがこの時にモルゴスは恐ろしい叫び声を上げ(ためにその地は以後[[ランモス]]と呼ばれるようになった)、その声に呼び起こされて[[アングバンド]]から[[バルログ]]がやって来た。バルログは火の鞭で糸を切り裂いてモルゴスを救出し、ウンゴリアントは煙幕を吐いて逃走した。

その後ウンゴリアントは[[エグラドール>ドリアス]]への侵入を試みたが、[[メリアン]]の力に阻まれたため、その北にある[[ドルソニオン]]の断崖の麓に長く住み着いてその地を恐怖で満たした。そのため、断崖は[[エレド・ゴルゴロス]]、その麓の谷間は[[ナン・ドゥンゴルセブ]]と呼ばれるようになった。彼女はその地に元々住んでいた[[蜘蛛]]とつがい、かつ彼らを喰らっては自分の子を残した([[シェロブ]]や[[闇の森]]の蜘蛛はその子孫に当たる)。

やがてウンゴリアントは忘れられた南の地へと去った。彼女のその後は不明だが、飢えた極みに自分自身を喰ってしまったとも言われている。

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