- 追加された行はこの色です。
- 削除された行はこの色です。
* アル＝ファラゾーン [#vc3a835d]
** 概要 [#Summary]
|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Ar-Pharazôn|
|~その他の呼び名|タル＝カリオン(Tar-Calion)&br;黄金王（the Golden）|
|~その他の呼び名|タル＝カリオン(Tar-Calion)&br;黄金王(the Golden)&br;人間の王(King of Men)|
|~種族|[[人間]]（[[ヌーメノール人]]）|
|~性別|男|
|~生没年|[[第二紀]]3118～†3319？（享年201）在位3255～3319（64年間）|
|~親|[[ギミルカード]]|
|~兄弟|なし|
|~配偶者|[[ミーリエル>ミーリエル（タル＝パランティアの娘）]]|
|~子|なし|
** 解説 [#Explanation]
[[ギミルカード]]の息子で[[タル＝パランティア]]の甥にあたる。[[クウェンヤ]]での名はタル＝カリオン。[[ヌーメノール]]25代目にして最後の王。彼の治世にヌーメノールの国威は絶頂に達し、黄金王の名で知られる。
[[ギミルカード]]の息子で[[タル＝パランティア]]の甥にあたる。[[クウェンヤ]]での名はタル＝カリオン。[[ヌーメノール]]25代目にして最後の王。彼の治世にヌーメノールの国威と堕落は絶頂に達し、黄金王の名で知られる。
*** 王位簒奪 [#g7f0f107]
ファラゾーンは父の[[ギミルカード]]に似て傲慢で、[[王党派]]の人間として[[ヴァラール]]や[[エルダール]]を敵視していた。ギミルカードは、[[タル＝パランティア]]の改悛（反ヴァラール、反エルダールを改めようとする行為）に抵抗し続けたが、ファラゾーンもそれにならい、ギミルカードの死後もそれを続けた。しかもファラゾーンは若い頃は[[中つ国]]に遠征して略奪を行い、その富を[[ヌーメノール]]に持ち帰って人々に与えたので、ヌーメノール人の人望を集めていた。
タル＝パランティアが死ぬとファラゾーンは、パランティアの娘でファラゾーンの従姉妹にあたる[[ミーリエル>ミーリエル（タル＝パランティアの娘）]]に、自分と結婚するよう強要((又従兄弟以上に近い血縁の者の結婚を禁じる、ヌーメノールの法を無視するものでもあった))、こうしてファラゾーンはヌーメノールの王位を簒奪する。
[[サウロン]]は、[[中つ国]]においての強敵であったファラゾーンが王位簒奪のためヌーメノールに戻ると、中つ国の沿岸都市から[[ヌーメノール人]]を追い落として支配下に置こうとする。さらにサウロンは、可能であれば[[ヌーメノール]]をも攻め落とすつもりでいたという。この話を聞くとファラゾーンは激怒。彼はサウロンを撃破するため、大軍を指揮して[[ウンバール]]に上陸した。
その結果、武力ではとてもヌーメノールに敵わないと見たサウロンは降伏する。ファラゾーンはサウロンを捕虜としてヌーメノールに連れ帰った。
*** 中つ国の覇権の確立 [#uab27616]
*** ヌーメノールの堕落とアマンへの進軍 [#p91124a4]
[[サウロン]]は、[[中つ国]]においての強敵であったファラゾーンが王位簒奪のためヌーメノールに戻ると、中つ国の沿岸都市から[[ヌーメノール人]]を追い落として支配下に置こうとし、自ら「人間の王」を称した。さらにサウロンは、可能であれば[[ヌーメノール]]をも攻め落とすつもりでいたという。これらの話を聞くとファラゾーンは激怒。彼はサウロンを撃破し自分こそが人間の王であることを証明するため、大軍を指揮して[[ウンバール]]に上陸した。
このときウンバールの港を埋め尽くしたファラゾーンの大艦隊は、[[忠実なる者]]達ですら思い返すたびに誇らしさを覚えるのを禁じ得ないほど壮麗なものであり、後々まで記憶された。ファラゾーンの軍勢のあまりの強大さに、サウロンは武力で抗う望みがないことを悟り、降伏して自らヌーメノールの陣営に投降することを選ぶ。
やがてファラゾーンはサウロンの甘言に操られ、サウロンを相談役にしてしまい、[[メルコール]]を崇拝するようになる。ファラゾーンは、[[ニムロス>ニムロス（植物）]]を刈り倒し（その直前に[[イシルドゥア]]が[[ニムロス>ニムロス（植物）]]の実生を盗み出していた）、反対派（[[忠実なる者]]）を拷問。ファラゾーンは不死を求め、自分の反対派を、自分たちが不死になるための儀式の生け贄にするなどの行為を行い、さらに[[中つ国]]から略奪を行った。
ファラゾーンは、サウロンの臣従の監視と彼の王国に対する人質として、また、自らの権勢を示す証として、サウロンを捕虜としてヌーメノールに連れ帰った。
最後にはファラゾーンはサウロンの口車に乗り、[[アマン]]から不死を獲得しようとする。ファラゾーンはアマンへ攻め入る大軍を自ら指揮し、[[アルカロンダス]]に乗り込んで[[ヴァリノール]]に上陸した。
だがその時[[イルーヴァタール]]の手によって世界は作り替えられる。結果アル＝ファラゾーンは配下の騎士と共に、崩れる山々の下に埋められた。彼らは、[[ダゴール・ダゴラス]]と最後の審判の日までそこに閉じ込められていると言われている。ヌーメノールもイルーヴァタールの手によって水中に没せられ、滅亡した。そのことは[[アカルラベース]]に語られている。
*** ヌーメノールの堕落 [#p91124a4]
しかしサウロンはほどなくして、大部分の人々の堕落した心と死を恐れる気持ちに付け込み、影響力を行使するようになる。
ファラゾーンはサウロンの甘言に耳を傾け、彼を自らの相談役に引き立てると、その助言のもとでますます中つ国から富の収奪を繰り返し、いよいよ国力を増大させていった。
さらにサウロンは王に[[メルコール]]への崇拝を吹き込み、[[エル（イルーヴァタール）>イルーヴァタール]]は[[ヴァラール]]が考え出した嘘に過ぎないと説く。メルコールとその暗黒を崇拝するようになったファラゾーンと追従者達は、神官たるサウロンの指導の下、自分たちが不死になることを願って人身御供をはじめとした数々の忌まわしい儀式を執り行い、反対派（[[忠実なる者]]）を迫害した。
ファラゾーンは、かつて[[タル＝パランティア]]が[[ニムロス>ニムロス（植物）]]と王家の運命は結びついていると予言したことをまだ覚えており、サウロンがニムロスを刈り倒すよう勧めても当初は難色を示していた。しかし結局はサウロンに従い、ニムロスを刈り倒す（その直前に[[イシルドゥア]]がニムロスの実生を救い出した）。
こうした行状とともに、次第にヌーメノールに与えられていた恩寵は薄れていった。悪天候や船の難破が頻発するようになり、人心は荒廃して争いが絶えず、人々を襲う死はいっそう速やかかつ惨たらしくなり、かき立てられた憎悪と恐怖はサウロンによっていっそう煽り立てられた。
だが国力は増大し続けたため、多くの国民はヌーメノールの繁栄を疑わなかった。
*** アマンへの進軍 [#p376fd44]
やがて忍び寄る死への恐怖を感じ始めたファラゾーンは、いよいよ判断力を失い、[[ヴァラール]]から不死を奪い取ることが可能だというサウロンの甘言を信じ込む。
ファラゾーンは長い時間をかけてヴァラールと戦うための軍備を整え、集結した大艦隊はヌーメノールの西の海上を真っ黒に埋め尽くした。その軍勢は世界にかつて比を見ないほど強大なものであったという。
西方からは数々の警告の印がもたらされたが、ファラゾーンはあくまで心を変えようとはせず、武装して王冠を戴くと旗艦[[アルカロンダス]]に乗り込み、落日とともに挑戦のトランペットを吹き鳴らして進軍を開始した。
[[ヴァラールの禁]]を破って禁じられた海域を越えたアル＝ファラゾーンの大艦隊は[[アマン]]に到達し、[[エレッセア]]を包囲してその海上をびっしりと埋め尽くした。この世ならぬ[[タニクウェティル]]と不死の国の岸辺を目にしたファラゾーンはふと恐怖を覚えたが、しかしとうとう彼は不死の国に足を印し、この地は自分のものだと宣言する。上陸したファラゾーンとヌーメノールの軍勢は[[エルフ]]達が逃げ去ったあとの[[トゥーナ]]のまわりで野営した。
だがその時、ヴァラールは[[アルダ]]の統治権を一時放棄して[[イルーヴァタール]]の采配を仰ぎ、イルーヴァタールは世界そのものを作り変えた。結果、ヌーメノールの島は覆って海中に沈み、大艦隊もその淵に引き寄せられ、飲み込まれて消滅した。
ファラゾーンと軍勢は崩れる山々の下敷きとなって埋まってしまったが、彼らはその忘却の洞窟の中で、[[世界が終わる日>ダゴール・ダゴラス]]まで閉じ込められているのだと言われている。
このことは[[アカルラベース]]に語られている。
** コメント [#Comment]
#pcomment_nospam(,,noname,,,,reply)
