* アイゼンガルド [#e03e872e]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[地名]]|
|~スペル|Isengard|
|~異訳|イセンガルド|
|~その他の呼び名|アングレンオスト(Angrenost)|

** 解説 [#Explanation]

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[[ローハン語]]で「鉄の砦」の意。[[シンダール語]]のアングレンオストに由来する。
[[霧ふり山脈]]の南端[[ナン・クルニーア]]に位置する、「アイゼンガルドの環」とその中心に建つ「[[オルサンク]]の塔」からなる、半天然の要塞。
[[ローハン]]の西に位置しており、[[角笛城]]と並んで霧ふり山脈と[[白の山脈]]の間の[[ローハン谷]]を見下ろす戦略的要所であった。[[メセドラス]]より流れ出す[[アイゼン川>アイゼン]]がそばを通過しており、[[アイゼンの浅瀬]]を防衛・通行するのにも非常に有利な場所にあった。

[[指輪戦争]]時、アイゼンガルドの入り口には、領有を示していたと思しいサルマンの印である[[白の手]]の石が掲げられていたと思われる。

*** 構造 [#ic6d81f5]

アイゼンガルドは、「アイゼンガルドの環」と、それに囲まれたすり鉢状の庭園、その中心に建つ[[オルサンク]]の塔からなる。

''アイゼンガルドの環''(the Ring of Isengard)は、要塞の周囲を円形に取り囲む岩壁を加工した城壁であり、ただ一つある南の入り口には堅固なアーチ型の城門とトンネルがある。城壁はかなり厚く、内部に衛兵所や貯蔵庫をはじめとしたいくつもの部屋が穿たれており、この城壁それ自体が大軍でなければ陥とし得ない砦であった。

''円形広場''は、かつてはいくつもの池と果樹がある美しい庭園になっていた。
しかし[[サルマン]]がアイゼンガルドの要塞化を推し進めた結果、緑は根こそぎにされ、多くの立抗がうがたれ、地下の洞窟群には工場や溶鉱炉やその他多くの施設が設けられた。地下施設には機械仕掛けの装置がめぐらされており、蒸気や火を噴射し、オルサンクの内部から稼働できるようになっていた。
中央のオルサンクからは放射状に道が伸びており、その舗装された道の両側には鎖でつながれた柱が並んでいた。

''[[オルサンク]]の塔''は、円形広場の中央に岩の小島のように聳えている。詳細は該当記事を参照。

*** 歴史 [#o389ba65]

元来アイゼンガルドは[[ゴンドール]]の砦で、[[カレナルゾン]]が[[ロヒアリム]]に割譲された後も、この地はゴンドールの領有地として世襲の太守と守備隊が置かれていた。ただしオルサンクは閉ざされ、鍵はゴンドールの[[執政]]が保管していた。
だが[[北方王国]]の滅亡後、ゴンドールの国威の衰退とともに本国との連絡が疎遠になった結果、アイゼンガルドの環とその守備隊はほとんどが[[褐色人]]に占領されるに到った。褐色人の支配下に落ちたアイゼンガルドは[[ローハン]]とゴンドールに敵対し、両国は[[アイゼンの浅瀬]]を確保するために多大な労力を割くことを強いられた。この状態は2758年から59年にかけてのローハンと褐色人との戦争で、褐色人が降伏するまで続いた。

そのため白の賢者[[サルマン]]が、要塞の補修と租借を申し出た時、両国はこれを大いに歓迎した。[[第三紀]]2759年、サルマンはゴンドールの[[執政]][[ベレン>ベレン(エガルモスの息子)]]より[[オルサンク]]の鍵を受け取って、この地に居を構える。
当初サルマンはゴンドールとローハンの同盟者として働き、彼がアイゼンガルドに定住したことで両国は[[アイゼン川>アイゼン]]を警備する負担を大幅に軽減することができた。

だが次第にサルマンは堕落していき、やがてアイゼンガルドとオルサンクの領有を宣言してそこに閉じこもるようになる。環の内側で、サルマンは要塞化を推し進め、秘密裏に[[ワーグ]]や[[半オーク]]等からなる独自の軍勢を築き上げていった。
[[指輪戦争]]において、公然とローハンへの敵対行動を開始したサルマンは、この地から軍を出撃させて[[アイゼンの浅瀬]]を抑えることでローハンの国土を分断し、[[ヘルム峡谷]]を攻撃する。だがそのために防備が手薄になっていたところを、[[ファンゴルンの森>ファンゴルン]]からやってきた[[エント]]と[[フオルン]]に攻撃された。
いかに堅固なアイゼンガルドの環といえどもエントの力の前には無力であり、城壁は粉砕され、要塞施設は破壊された。[[オルサンク]]自体は非常に強固であったため破壊されなかったが、エントは[[アイゼン]]の水を引き込んで円形広場を水没させることで、要塞を無力化するとともにサルマンを閉じ込めた。
かくしてアイゼンガルドは陥落した。

指輪戦争後は引き続きエントによって管理がなされ、また木々が植えられて緑の谷間となったが、オルサンク自体は再び[[西方の王>アラゴルン二世]]の管理下に戻った。

** コメント [#Comment]

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