#author("2018-03-01T03:38:17+09:00","","")
* サルバド [#t6c4f4a1]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[地名]]|
|~スペル|Tharbad|

** 解説 [#Explanation]

『[[シルマリルの物語]]』によると、[[シンダール語]]で「辻、交差路(crossway)」の意味((『[[unfinished index]]』によると[[シンダール語]]で'road-crossing'の意味))。[[エリアドール]]の南東[[エネドワイス]]地方の、[[グワスロ(灰色川)>グワスロ]]と[[南北街道]]が交わる地点にあった河港及びその町。[[第三紀]]2912年([[凶年の冬]]の翌春)の大洪水により廃墟となった。
浅瀬があり、かつては有名な''サルバドの橋''(Bridge of Tharbad)がかかっていた。だが[[ボロミア]]は、[[裂け谷]]を探して北上する旅の途中、サルバドを渡河する際に[[ローハン]]で借りた馬を失っている。

>かれ(ボロミア)はおそらく、そこ(南北街道)を通って、サルバドへの危険に満ちた旅を成し遂げたのだろうが、見いだしたものはただ、時とともに崩れゆく塚の跡と、そしてもし川がゆるやかで浅くなければ――幅は広かったが――渡ることのできない、橋の残骸が形づくった危険な瀬だけであっただろう。((『[[終わらざりし物語]] 上』「IV ガラドリエルとケレボルンの歴史」より、当時のサルバドの様子))

『[[終わらざりし物語]]』によると、サルバドの浅瀬は[[第二紀]]の頃から[[グワスロ]]の主要な渡河地点であった。
第二紀1699年に[[エリアドール]]を席巻した[[サウロン]]は、南東から呼び寄せた援軍によってサルバドを打ち破り、手中に収める。しかし1700年から1701年にかけて[[ギル=ガラド]]と[[タル=ミナスティア]]の連合軍に追われたサウロンはサルバドまで逃れ、その地の援軍と合流。しかし[[ヴァンヤロンデ>ロンド・ダイア]]に上陸していた[[ヌーメノール]]分遣艦隊との挟み撃ちにあい、サウロンはグワスロの戦いで惨敗を喫して東方に駆逐された。

サルバドに町と橋が築かれたのは第二紀末から[[第三紀]]にかけて、[[亡国の民の王国]]の時代になってからである。
[[グワスロ]]河口の[[ロンド・ダイア]]はすでに廃墟となっていたため、サルバドに航洋船が入れる港が整備され、川の両岸には土塁を積み上げて、サルバドの橋を守る砦が築かれた。当時は船で海からグワスロを遡ってサルバドの港に上陸し、そこから[[南北街道]]を行くのが[[アルノール]]と[[ゴンドール]]間での最速のルートだった。こうしてサルバドは南北街道の要衝帯として栄えるとともに、両国によって共同管理されていた。
しかし第三紀1636年の[[悪疫]]の大流行と、それに伴う南北両王国の衰退によって、サルバドも急速に寂れていき、1974年に[[北方王国]]が滅び、その後[[ゴンドール]]の王統も途絶えると、橋と要塞群は打ち捨てられ、一帯はもとの浅瀬と沼地に戻っていった。
第三紀2912年には[[凶年の冬]]の影響による大洪水が発生し、これによってサルバドは完全に廃墟と化し、無人の地となった。

[[大いなる年]]に[[ホビット庄]]と捜索していた[[ナズグール]]は、サルバドの近くで[[サルマン]]の手下の[[褐色人]]を捕らえている。この男は秘密裡に物資の買い付けを行うために[[アイゼンガルド]]とホビット庄を往復しており、そのためにサルバドの渡り場を利用していた。ナズグールはこの男を恐怖の影によって支配し、間者として[[ブリー村]]に送り込んだ([[フロド・バギンズ]]達が[[躍る小馬亭]]で目撃した、いやな目つきの南から来た男のこと)。しかし、水を忌むナズグールがどうやって橋の落ちたサルバドの浅瀬を越えたのかは明らかではない。

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