#author("2019-07-07T13:42:23+09:00","","")
#author("2023-08-13T12:31:36+09:00;2021-10-09T19:48:26+09:00","","")
* クルフィン [#zaf97cd3]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Curufin|
|~その他の呼び名|[[フェアノールの息子たち]] &br; 巧みのクルフィン(Curufin the crafty) &br; クルフィンウェ(Curufinwë) &br; アタリンケ(Atarincë)|
|~その他の呼び名|巧みのクルフィン(Curufin the crafty)|
|~種族|[[エルフ]]([[ノルドール]])|
|~性別|男|
|~生没年|~†[[第一紀]](506/507)|
|~親|[[フェアノール]](父)、[[ネアダネル]](母)|
|~兄弟|[[マイズロス]]、[[マグロール]]、[[ケレゴルム]]、[[カランシア]](兄)、[[アムロド]]、[[アムラス]](弟)|
|~配偶者|不明|
|~兄弟|[[マエズロス]]、[[マグロール]]、[[ケレゴルム]]、[[カランシル]](兄)、[[アムロド]]、[[アムラス]](弟)|
|~配偶者|一説では[[アマン]]に留まった妻あり((『[[The Peoples of Middle-earth>The History of Middle-earth/The Peoples of Middle-earth]]』「Of Dwarves and Men」の注7))|
|~子|[[ケレブリンボール]](息子)|

** 解説 [#Explanation]

[[フェアノール]]の五男で[[ケレブリンボール]]の父。''巧みのクルフィン''と呼ばれ、父親の手の技を最も多く受け継いでいたが、危険な怒りっぽい性格の持ち主でもあった。
クルフィンの名は、父フェアノールがつけた[[クウェンヤ]]名''クルフィンウェ''を[[シンダール語]]化したもので「技に優れた[[フィンウェ]]」を意味し、フェアノールが自らの父[[フィンウェ]]から呼ばれたのと同じ名であった。母[[ネアダネル]]は「小さき父(フェアノール)」を意味する''アタリンケ''と名づけていたという。(([[HoME>The History of Middle-earth]]12巻『[[The History of Middle-earth/The Peoples of Middle-earth]]』「The Shibboleth of Fëanor」より))
[[フェアノール]]と[[ネアダネル]]の五男で、[[フェアノールの息子たち]]のひとり。[[ケレブリンボール]]の父。
''巧みのクルフィン''と呼ばれ、父親の手の技を最も多く受け継いでいたが、危険な怒りっぽい性格の持ち主でもあった。

フェアノールと[[他の兄弟達>フェアノールの息子たち]]と共に[[シルマリル]]奪回の[[誓言>フェアノール#Oath]]を立てて[[中つ国]]に上陸。[[ベレリアンド]]では兄の[[ケレゴルム]]と行動を共にして[[アグロン]]の山道と[[ヒムラド]]の地を防衛し、力ある領主として知られた。だが[[ダゴール・ブラゴルラハ]]で敗北し、領土を失う。
フェアノールと[[他の兄弟達>フェアノールの息子たち]]と共に[[シルマリル]]奪回の[[誓言>フェアノール#Oath]]を立てて[[中つ国]]に上陸。[[ベレリアンド]]では兄の[[ケレゴルム]]と行動を共にして[[アグロン]]の山道と[[ヒムラド]]の地を防衛し、力ある領主として知られた。だが[[ダゴール・ブラゴッラハ]]の合戦に敗北し、領土を失った。

>ケレゴルムのあとには、クルフィンが話した。話し方はもっと穏やかであったが、力がこもっていることは同じで、[[エルフ]]たちの心に、戦いと、廃墟となった[[ナルゴスロンド]]の想像図を現出せしめた。この時、かれによって心の中に植えつけられた恐怖があまりにも大きかったために、この国のエルフたちは誰一人、[[トゥーリン]]の時代に至るまで、合戦場に出て行こうとはしなかった。((『[[シルマリルの物語]]』「[[クウェンタ・シルマリルリオン]]第十九章 ベレンとルーシエンのこと」))

*** [[レイシアンの歌>レイシアン]]におけるクルフィン [#jde20184]

[[ダゴール・ブラゴルラハ]]で領土を失った[[ケレゴルム]]とクルフィンは、自分たちの民を連れて[[ナルゴスロンド]]に避難した。
[[ダゴール・ブラゴッラハ]]の敗北で領土を失った[[ケレゴルム]]とクルフィンは、自分たちの民を連れて[[ナルゴスロンド]]に避難した。

その後シルマリル奪取の誓言を立てた[[ベレン>ベレン(バラヒアの息子)]]がやってきて、[[フィンロド]]に助力を請う。すると[[フェアノールの誓言>フェアノール#Oath]]に駆られたケレゴルムとクルフィンは、ベレンの探求行を妨害。さらに自分たちがシルマリルを奪回する足がかりとするためにナルゴスロンドの王位を狙った。
二人はナルゴスロンドの民心を支配してフィンロドとベレンを見捨てさせ、王位を継いだ[[オロドレス>オロドレス(フィナルフィンの息子)]]から実権を奪う。さらにベレンを捜しにやってきた[[ルーシエン]]を騙して幽閉し、[[ケレゴルム]]と政略結婚させることで[[ベレリアンド]]における自分たちの権力を増大しようと目論んだ。
その後[[シルマリル]]奪取の誓言を立てた[[ベレン>ベレン(バラヒルの息子)]]がやってきて、ナルゴスロンドの王[[フィンロド]]に助力を請う。すると[[フェアノールの誓言>フェアノール#Oath]]に駆られたケレゴルムとクルフィンは、ベレンの探求行を妨害((この時クルフィンが行った演説により[[ナルゴスロンド]]のエルフは戦いと国の滅亡への恐怖を植え付けられたため、[[トゥーリン]]がやって来るまで表立って戦おうとはしなかった。))。さらに自分たちがシルマリルを奪回する足がかりとするためにナルゴスロンドの王位を狙った。
二人はナルゴスロンドの民心を支配してフィンロドとベレンを見捨てさせ、王位を継いだ[[オロドレス>オロドレス(フィナルフィンの息子)]]から実権を奪う。さらにベレンを捜しにやってきた[[ドリアス]]の王女[[ルーシエン]]を騙して幽閉し、[[ケレゴルム]]と政略結婚させることで[[ベレリアンド]]における自分たちの権力を増大しようと目論んだ。

だがルーシエンは[[フアン]]の助けを得て脱出し、[[トル=イン=ガウアホス]]を陥としてそこに囚われていたベレンを救出する。これにより囚われていた他の[[エルフ]]たちもナルゴスロンドに戻ってきてフィンロドの非業の死を伝えたため、兄弟は民心を失って追放された。
だがルーシエンは猟犬[[フアン]]の助けを得て脱出し、[[トル=イン=ガウルホス]]を陥としてそこに囚われていたベレンを救出する。これにより囚われていた他の[[エルフ]]たちもナルゴスロンドに戻ってきてフィンロドの非業の死を伝えたため、兄弟は民心を失って追放された。
兄弟に[[マンドスの呪い]]がつきまとっていることが誰の目にも明らかであったため、追放される二人に従おうとする者は彼らの民の中にすらおらず、この時[[ケレブリンボール]]は父を見限ってナルゴスロンドに留まった。

そこで二人は[[東街道>東街道(ベレリアンド)]]を通って兄[[マイズロス]]がいる[[ヒムリング]]へ向かう。だがその道中、偶然[[ベレン>ベレン(バラヒアの息子)]]と[[ルーシエン]]の姿を目撃した二人はベレンを殺してルーシエンを奪い取ろうとした。
そこで二人は[[東街道>東街道(ベレリアンド)]]を通って長兄の[[マエズロス]]がいる[[ヒムリング]]へ向かう。だがその道中、偶然[[ベレン>ベレン(バラヒルの息子)]]と[[ルーシエン]]の姿を目撃した二人はベレンを殺してルーシエンを奪い取ろうとした。
クルフィンは馬上にルーシエンを抱え上げたが、ベレンに跳びかかられて落馬し、喉首を締め上げられる。ルーシエンのとりなしで一命は取り留めたものの、短剣[[アングリスト]]と馬をベレンに取り上げられた。これを恨みに思ったクルフィンは去り際にケレゴルムの弓を取って矢を放ち、ルーシエンを庇ったベレンが傷を負う。兄弟は[[フアン]]に追い立てられて逃げ去った。

*** クルフィンの最期 [#b4fa7f40]

[[ニアナイス・アルノイディアド]]の敗北の後は、他の[[兄弟達>フェアノールの息子たち]]と共に[[エレド・リンドン]]に山麓に逃れて[[緑のエルフ]]と交わり、森で放浪の暮らしを行うようになる。
[[ニルナエス・アルノエディアド]]の合戦での敗北後は、他の[[兄弟達>フェアノールの息子たち]]と共に[[エレド・リンドン]]に山麓に逃れて[[緑のエルフ]]と交わり、森で放浪の暮らしを行うようになる。

だがベレンの奪回した[[シルマリル]]が[[ドリアス]]の[[ディオル・エルヒール>ディオル(ベレンの息子)]]のものになっていることが知れると、再び[[フェアノールの誓言>フェアノール#Oath]]に縛られる。兄弟は集結してドリアスを襲撃したが、クルフィンは[[メネグロス]]の戦いで戦死した(他に[[ケレゴルム]]、[[カランシア]]も戦死した)。
だがベレンの奪回した[[シルマリル]]が[[ドリアス]]の王[[ディオル・エルヒール>ディオル(ベレンの息子)]]のものになっていることが知れると、再び[[フェアノールの誓言>フェアノール#Oath]]に縛られる。兄弟は集結してドリアスを襲撃したが、クルフィンは[[メネグロス]]の戦いで戦死した(他に[[ケレゴルム]]、[[カランシル]]も戦死した)。

*** 名前について [#v402d37d]

以下の名前及びその説明は『[[The Peoples of Middle-earth>The History of Middle-earth/The Peoples of Middle-earth]]』の「The Shibboleth of Fëanor」による。

:クルフィンウェ(Curufinwë)|父[[フェアノール]]が与えた[[父名>エッシ]]。フェアノールは自分と同じ気質と才能を持つこの息子を気に入り、自分の父名を与えた。この名の[[シンダリン]]形が''クルフィン''(Curufin)である。
:Atarinkë(アタリンケ)|母[[ネアダネル]]が与えた[[母名>エッシ]]。[[クウェンヤ]]で"little father"の意味。フェアノールと外見が似ていること(顔も非常に似ていた)を指す名。後に内面も似ていることが判明した。

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