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* 石足族 [#u7c04f0b]
** 概要 [#b6e7347d]

|~カテゴリー|[[種族]]|
|~スペル|Stonefoots|
|~その他の呼び名||

** 解説 [#l7eeb8da]

『[[The Peoples of Middle-earth]]』に記載されている[[ドワーフ]]七氏族の一つ。その父祖は同じドワーフの氏族である[[黒巻毛族]]の父祖とともに、東方の地で目覚めたという。

[[第三紀]]2790年に[[ドゥリン一族]]の王[[スロール]]が殺され、その死体が辱められた時、全ドワーフがその仕打ちに怒り、[[スライン二世]]の下に軍勢が集結したとあり、石足族もスライン二世の要請に応じて[[ドワーフとオークの戦争>ナンドゥヒリオンの合戦]]に加勢したようである。

** 派生作品における設定 [#y1a52280]
**『[[Iron Crown Enterprises]]』の設定 [#v7decc20]

***『[[Iron Crown Enterprises]]』の設定 [#v7decc20]
ナウグリムの第七氏族としてバルインの一族(Drúin's Tribe)が登場する。HoMEが出版され、長鬚族以外の氏族の名前が判明するよりも以前に作られた設定のため、本来の黒巻毛族の来歴とは多少の差異がある。

***『[[The Lord of the Rings RolePlaying Game]]』の設定 [#g450eb5e]
第一紀の初頭、手負いのバルイン(Barin the Scarred)は一族を率いて北へ向かい、次により良い土地を求めて進路を東へと転じた。やがて彼らは風の山脈(Wind mountains)の奥深くに外界から隔絶された盆地ルーリーク(Ruuriik)を見出だしたが、そこには既に同胞であるドルインの一族(Drúin's Tribe)が住み着いていた。第二紀707年、ドルイン家の長である若ドルイン(Druin the Younger)はバルインの娘ビース(Bis)を妻とし、その見返りとしてルーリークの北半分をバルイン家の領地として割譲した。バルインは娘婿の第一の臣下となり、同時に北の王(Nothern King)と称された。ルーリークは度々、フェイル人(Fale Tribes)のルアルタール(Ruartar)をはじめとする周辺の国々の侵略にさらされたが、二つの氏族は協力して敵を退け、およそ450年間栄えた。
1157年、北から飛来した[[バルログ]]のムアール(Muar)の軍勢がルーリークの入り口を見出だし、ドワーフの守りは破られた。殆どの都市は破壊され、ドルインの民の生き残りは西方へ逃げた。唯一、バルイン家のカザド=マドゥール(Kazadmadul)だけが陥落を免れ、生き残ったバルインの民は全てそこに逃げ込んだ。洞窟は固く閉ざされ、バルインの一族は数百年間エレド・グワエン(Ered Gwaen)の地下深くに隠れて生き続けた。ムアールの包囲が解かれると、一部の者が脱出し、外界に助けを求めた。
2741年、ドルイン王家の末裔フルラが軍勢を率いてルーリークに戻ってきた。フルラはバルインの一族を解放しようとしたが、その結果領主ダーイン(Dain)とバーイン(Bain)が命を落とした。その後ムアールは石手のバルリ(Balli Stonehand)によって倒され、ルーリークは解放された。フルラは二つの氏族の王フルラ七世(Fulla VII)として戴冠した。
第三紀100年には両王家の血を受け継ぐナウグ=ジギルドゥーム(Naug Zigildum)が即位した。王は失われていた一族の神器「北の鉄槌(North Hammer)」を持ち帰り、[[アウレ]]の加護を受けた王国は「鎚の時代(Age of the Hammer)」と呼ばれる最盛期を迎えた。

**『[[The Lord of the Rings RolePlaying Game]]』の設定 [#g450eb5e]

石足族という名称は直接は登場しないが、身体的特徴が名称に合致する氏族について言及されている。

:外見|[[東方の山脈>オロカルニ]]から取れる顔料で髪や肌を赤く染めており、同じ地に住む他の種族からはしばしば「赤いドワーフ」(Red Dwarves)の異名で呼ばれている。
:文化|始祖の名をとって「ヴィグディスの一族」(Folk of Vigdís)ないしは「マーリンの一族」(Malin's folk)と呼ばれている。ドワーフの中で最も風変わりで謎めいた氏族。体に赤色を塗る理由も秘密とされ、他の種族には決して明かそうとしない。そのため、この風習は「ドワーフは石から生まれる」「石を食べて生きている」などといった迷信が広まる要因となっている。だが、彼ら自身が不可解で謎めいた存在であり続けることを望んでいるため、そうした噂を肯定も否定もせず、ただ流布するのに任せている。
非常に内向的な性格で、血族の絆を重んじ、同族のドワーフとも積極的に関わろうとしない。ドワーフの例に漏れず、戦いの際には敵にとって恐るべき存在となったが、彼ら自身は好戦的でも勇猛でもなく、戦うことに消極的な者が多い。常に外界を侵略するよりも住処を防衛することを好んでおり、例外としてエルフの同盟者たちが危機に瀕した時と、[[ヴァールの一族>黒巻毛族]]との内乱の時のみ外界での戦いに従事した。
東方は[[冥王]]の影響下に置かれた領域が多く、交易にはしばしば大きな危険が伴った。そのためヴィグディスの民の隊商は、ヴァールの戦士たちの護衛部隊を伴って中つ国を横断した。
:住居|東方の山脈(おそらく[[オロカルニ]])に住んでおり、最大の都市であるバラズ=ラギル(Baraz-ragil)は難攻不落の要塞として知られる。また、一族の最盛期には、東方の山脈の至る所に都市が築かれていた。それら全てが竜戦争によって奪われるか放棄されてしまったが、本拠地であるバラズ=ラギルだけは一貫して守り続けた。
:歴史|ドワーフの伝説では、ヴィグディスは7人の父祖の中でただ一人死を受け入れて同胞の下から去るのを拒んだと言われている。この伝説のように頑なな性格が、彼らの別名である鉄の心(Iron Heart)や、石の足の由来となった。東方の山脈の麓には森が広がっており、ドワーフたちが目覚める以前の時代から[[暗闇のエルフ]]たちが暮らし、星々の下を自由に歩き回っていた。ヴィグディスの一族のドワーフが目覚めて以降、二つの種族は互いに協力して、[[冥王>モルゴス]]の影の支配を退けた。しかし、ドワーフ達は隣人との交わりが彼らの良しとするやり方に変化をもたらすことを好まず、両者の間に深い友情や永続的な交流が生まれることはなかった。しかしながら、たとえ断続的であったにせよ、エルフとの繋がりが、彼らが破滅に追いやられるのを防ぐことになった。ヴィグディスの民は[[サウロン]]の欲求を最終的には拒絶したが、反対にヴァールの一族はその思惑に翻弄されることになった。
[[第三紀]]の中頃、白の魔法使い[[サルマン]]は東方の地を旅し、水面下で邪悪な影が再び[[中つ国]]を征服するべく広がりつつあることを見て取った。そこで、ドワーフ達の要塞を闇の勢力に対する防塁として機能させようと考え、竜との戦いの最中にあった彼らの元に現れた。ヴィグディスの一族は[[イスタリ]]と協力して、竜を撃退する強力な兵器「爆発する火」を編み出した。また、サルマンはヴァールの一族の住むナルグブラズ(Nargbraz)に隠れていたサウロンを見つけ、これを追い出すことに成功、長年続いた2氏族の争いを終結させた。その結果、[[魔法使い]]は東方に平和をもたらした者として、ドワーフたちに深く敬愛された。
魔法使いが彼らの元を去った後も、ヴィグディスの一族は敵の攻撃に耐えて国を堅持し続けた。赤いドワーフとエルフの同盟は周辺の[[人間]]の国々を守り、サウロンの領域に組み込まれて堕落するのを防いだ。同時に、ナルグブラズの斧(ナルグブラズの軍団)との対立が解消された事で、ヴァールの一族が闇の勢力と戦う傭兵として東方世界を転戦する一方、ヴィグディスの一族は本来生業としていた工芸に専念し、同胞を援助するという関係が成立した。
指輪戦争の直前、サルマンは東方の山脈と再び接触し、西方世界の防衛に利用するという名目でヴィグディスのドワーフたちに多数の物資を発注した。しかし、それは後に建前であった事が明らかとなり、西方におけるサルマンの悪事に利用されてしまった。


:言語|暗闇のエルフの言葉を話すことができた。だがそれを外向きの名前として使うことはなく、むしろ羊毛などの行商のため、定期的にバラズ=ラギルを訪れる山の民の名前を好んで使用する。

** コメント [#kf2496ee]

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