#author("2017-12-02T06:50:16+09:00","","")
* 寒き霧まく山なみをこえ [#u8303160]
** 概要 [#oaa252a7]

|~カテゴリー|[[詩・歌]]|
|~スペル|Far over the misty mountains cold|

** 解説 [#c8724cbc]

[[袋小路屋敷]]に集まった[[13人のドワーフ>トーリンとその仲間]]が歌ったもの。
彼らは宵闇が部屋に忍び込む中で音楽を演奏し((彼らはめいめいに楽器を持ち寄っていた。[[フィーリ]]と[[キーリ]]は小さなバイオリン、[[ドーリ]]と[[ノーリ]]と[オーリ]]は笛、[[ボンブール]]は太鼓、[[ビフール]]と[[ボフール]]はクラリネット、[[ドワーリン]]と[[バーリン]]は大きなヴィオラ、[[トーリン二世]]は金のハープ。))、やがて完全に暗くなった頃に伴奏に合わせて歌を歌い出した。この歌には[[ドワーフ]]の美しい細工物に対する激しい愛着が込められており、歌を耳にした[[ビルボ]]は我知らず冒険心を目覚めさせられた。
本に書かれているのは'''そのほんのおもかげをつたえたものにすぎません'''という。

-『[[ホビットの冒険]]』での邦訳((『[[ホビットの冒険]]』「思いがけないお客たち」))
>>寒き霧まく山なみをこえ、
古き洞穴の地の底をめざして、
われらは夜明け前に旅立たねばならぬ、
青く光る魔の黄金をさがし求めて。
>>そのかみドワーフたちは強き呪文を唱え、
その槌音は鐘のようになりわたった、
万物ねむる地の底深く、
山々の下に口をあけた大広間で。
>>いにしえの王やエルフの殿のために、
ドワーフたちが作り仕上げた、
きらめく黄金の宝ものや、
剣のつかにちりばめた宝石はおびただしかった。
>>ドワーフたちは銀の首飾りに
星の花々をつづり、
冠の上に竜の火をかかげ、
かがる鉄線には月光と日光をまぶした。
>>寒き霧まく山なみをこえ、
古き洞穴の地の底をめざして、
われらは夜明け前に旅立たねばならぬ、
忘れられたわれらの黄金を手にいれるため。
>>われを忘れて刻みあげた大さかずきや、
黄金のハープが、まだ人間に掘られずに、
長の年月、うずもれてきた。
人にもエルフにもきかれぬ歌がうたわれてきた。
>>あの日、松林は山の背にうめき、
風は夜のやみになげいていた。
火は赤々と、炎をあげてもえ広がり、
木々がたいまつのようにかがやいた。
>>鐘は谷間に鳴りわたり、
人々は顔青ざめて空を見あげた。
竜の怒りはすさまじく、
その火が、塔も家もやきほろぼした。
>>山は月あかりにかすんでいた。
ドワーフたちは、ほろびの音をきいた。
そして住居の穴からにげるうちに、
月光の下、竜の足にかかって死んだ。
>>お暗き霧まく山なみをこえ、
古き洞穴の地の底をめざして、
われらは夜明け前に旅立たねばならぬ、
竜からハープと黄金をとりもどすため。

** コメント [#fa2de813]

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