しろとう

概要

カテゴリー地名
スペルWhite Tower
その他の呼び名エクセリオンの塔(Tower of Ectherion)

解説

ミナス・ティリスの最上層である第七層の城塞に聳える高さ50尋(300フィート、約91m)の塔。この塔の前にある噴水の庭には、白の木が植えられている。
第三紀1900年に、当時のゴンドールカリメヘタールによって築かれた。その後2698年に当時の執政エクセリオン一世によって再建されたためエクセリオンの塔とも呼ばれる。

ここにはゴンドール王の玉座の間があった。また塔の最上階にはパランティールが隠されていた。

ピピンが驚嘆のまなこみはっている間にも、おぼろに灰色に浮かび上がって見えた城壁が暁の光にかすかに赤く染まりながら、白く変わっていくうちに、突然東の暗い影の上に朝日が上り、さっと光のを放って城市の面を照らしました。その時ピピンは思わず声をあげました。一番高い城壁の内側に高くそびえ立つエクセリオンの塔が大空にくっきりと輝き、高く見事に形よくまるで真珠と銀の大くぎのようにきらめきわたって、その頂の尖塔せんとうが水晶で作られたように光ったからでした。*1

王たちの広間(Hall of the Kings)

塔の下に付属した館にある、ゴンドール王の玉座と執政の椅子が置かれた大広間。塔の広間(Tower Hall)、白の塔の広間(Hall of the White Tower)とも呼ばれる。

中は天井を支える高い柱の列が立ち並び、広い側廊がその両側にあり、そこの分厚い窓からはいる光で明るくなっていました。黒大理石の石柱は高くそびえ立ち、頂は異形の獣たちや葉群はむれをかたどった大きな柱頭になっていました。そしてそのずっと上の暗がりには、広い丸天井が鈍い金色に光り、連続する多彩な飾り格子トレーサリがはめこまれていました。この長い荘厳な大広間には伝説を描いた壁かけ一枚なく、布製のもの、木製のものは何一つとして見られませんでした。その代わり柱と柱の間には、冷たい石に彫った丈高い彫像の物言わぬ群れが立っていました。
遠い昔に世を去った王たちの居並ぶ通路を眺めながら、ピピンはふとアルゴナスの岩刻の像を思い出し、畏怖いふの念に襲われました。幾段もの階段のついた壇の奥には山高のかぶとの形をした大理石の天蓋てんがいの下に高い玉座が設けられていました。玉座の背後の壁面には花開く一本の木のかたちが刻まれ、宝石がはめこまれていました。しかし玉座に座る人はいませんでした。壇の下の広くて奥行きのある一段低い踏段に、黒くて飾りのない石の椅子が一脚あって、そこに一人の老人が自分の膝を見つめながら坐っていました。*2

白の塔のパランティール

塔の頂にある最上階の隠された部屋にはミナス・ティリスパランティールが置かれ、執政デネソール二世がこれを使用していた。パランティールの存在は秘密であったが、夜中に部屋の狭い窓から漏れ出る謎の光を多くの者が目撃し、執政は思念でかの敵と戦っていると噂になっていた。

画像

アラン・リー作画による白の木と白の塔 アラン・リー作画による広間のデネソール、ガンダルフ、ピピン

映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定

ミナス・ティリスパランティールは登場しない。玉座のある広間と塔は別々の建物になっており、塔は広間の入り口から見て北側に建っている。

広間でデネソール二世ファラミルのやり取りや、戦略会議が行われる。
エクステンデッド・エディション』では広間でアラゴルンがオルサンクのパランティールを使用し、サウロンと対決するシーンが追加されている。

ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定

『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における白の塔 『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における白の塔の大広間 『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における白の塔の玉座と執政の椅子 『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における白の塔のパランティールの部屋(secret chamber high in the Tower of Ecthelion)

コメント

最新の6件を表示しています。 コメントページを参照

  • 白の塔がない間、王と執政はどこで執務をとっていたんだろう…? -- 2014-06-05 (木) 01:48:40
    • もともとオスギリアスを守るための出城ですし、首都でなかった時代にもそれなりに堅固な塔があったのでしょう -- 2014-06-05 (木) 21:06:36
    • ミナスティリスの旧名からしてミナスアノール=日の没りの“塔”ですので塔が要塞の中心にあったことは確かでしょう -- 2014-06-06 (金) 20:20:57
    • 建国当初は、太陽宮(アノール ロンド)のように呼ばれていた立派な王の館であったのかもしれない。時代が進むにつれ、必要に応じてその都度改築改装された結果、今の姿になったのだろう。 -- 2018-10-30 (火) 17:47:10
      • それでは「太陽港」(lond)か「太陽洞」(rond)です……(実際には「ロンド・アノール」にするかアノールを属格にしないといけないかも)。「宮殿」はシンダリンでなんと言うのかな…… -- 2018-10-30 (火) 19:54:40
      • エルロンド Elrond やメレスロンド Merethrond の訳をみるにアノールロンド Anorrondで太陽の広間、太陽の宮館と訳せそうだと勝手に思ったけど間違いかな。 -- 2018-10-30 (火) 20:30:18
      • あー、アグラロンドのrondは「館」の意味になるのか。それならいけそうですね、申し訳ない -- 2018-10-30 (火) 22:25:11
  • 画像の左から5番目(ロード・オブ・ザ・リングス オンラインのエクセリオンの塔内)。執政の椅子のあまりの質素さに感動してしまった。この椅子に座って千年近くゴンドールを支えたんだもんな。 -- 2015-10-30 (金) 23:25:33
    • 多分その間に椅子は何度か取り替えられているか作り替えられていると思いますが……。歴代の執政で座高も異なるでしょうし。しかしこの椅子は、鎧を着たまま座っていたら足が折れそう -- 2015-11-02 (月) 03:30:01
      • どうでしょう、由緒ある品をそう簡単に取り替えたりしないと思いますよ。使用者にいちいち合わせてオーダーメイドするという発想もおそらくないと思いますし。 -- 2016-02-22 (月) 17:24:45
      • アメリカ大統領の大統領執務室の椅子などはオーダーメイドですよ。いつからそうなったのか、古い椅子をどこに保管しているのかまではわかりませんが -- 2016-02-23 (火) 21:42:19
      • 比較するならアメリカ大統領よりイギリス王室とかでは。そういう血統や伝統を重視するところの座が頻繁に作り変えられたという話はあまり聞かないです。 -- 2016-02-24 (水) 17:45:29
  • 高さ90メートルって現実の建築物で言うとどの位? -- 2017-04-20 (木) 17:56:04
    • 横浜マリンタワー106mより、ちょっと低い。もっとも白の塔はもともと標高が高いところに立ってますから、見晴らしはむちゃくちゃ良いでしょうね -- 2017-04-20 (木) 18:54:18
  • 『黒大理石の石柱』や『黒くて飾りのない石の椅子』はオルサンク等に使われている、例の黒い滑らかな物質と同じものなのでしょうか? -- 2018-10-02 (火) 10:03:13
  • 列柱、側廊、高窓、連続するアーチ形状の天井はバシリカ(ローマの集会堂を起源)型教会の特徴。葉群をかたどった柱頭は古代ギリシャ発祥のコリント式建築様式。異形の獣はガーゴイルのことか。トレーサリー は西暦1150~1500年頃の中世ヨーロッパで広く普及した、ゴシック建築の特徴の一つ。壁掛け布の習慣は、十字軍が持ち帰った東方の絨毯を壁の装飾としたことから始まる。 -- 2019-02-27 (水) 08:27:25
  • 再建されたとは言うけど、倒壊したとか撤去されたとか言う記述はあったっけ? -- undefined 2020-02-27 (木) 00:39:47
    • ヌメノール以来の宮殿や要塞の建築規格が、体格の縮んだゴンドール人には合わなくなったのだと思う。 江戸時代の天守閣が現代人には狭すぎるのとは逆に、第三紀末のゴンドール人には建国時代の規格では大きすぎて運用に支障が有ったと推測。 -- 2020-02-27 (木) 14:02:38
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