灰色の一行

概要

カテゴリー役職・組織・団体
スペルGrey Company

解説

アラゴルン二世に率いられた、レゴラスギムリエルロンドの息子たち、そしてハルバラド北方の野伏からなる一行のこと。彼らは死者の道を通り抜けて死者の軍勢を召集し、ゴンドール横断を成し遂げてペレンノール野の合戦の勝利に貢献した。

少し離れたところに野伏たちが黙々として鞍の上に腰を下ろしていました。整然とした一団で、槍と弓と剣で武装していました。黒っぽい灰色のマントに身を包み、頭巾は今は兜をつけた頭の上にかぶせられていました。かれらの乗馬は強壮でその身ごなしは堂々としていましたが、粗い剛い毛をしていました。 … 馬たちの馬具にはどれも、宝石や金のきらめきはおろか、何一つ美しい飾りは付いていませんでした。またその主人たちも徽章や紋章の類は何も身に帯びず、ただどのマントにも左肩に放射状の光を放つ星形をかたどった銀のブローチが留めてありました。*1

アラゴルン二世が心で願った救援が(おそらくガラドリエルの読心と連絡によって)裂け谷に伝わり、ハルバラドと三十人の野伏がその招集に応えて馳せ参じた。ハルバラドはアルウェンの旗印を携えてきた他、戦いに赴くことを望んだエルラダンエルロヒル兄弟も加わった。また、アラゴルンの乗馬ロヘリンも一行と共に連れられてきた。

彼らは第三紀3019年(大いなる年)の3月6日、ローハン側のアイゼンの浅瀬近辺でアラゴルンを見出す。
パランティールを使い、海賊の脅威がゴンドール沿岸部に迫っていることを知ったアラゴルンの意向を受け、一行は8日未明に死者の道に突入。日中を費やして精霊山の下をくぐり抜けて夜半にエレヒの丘に達し、旗印を掲げて死者の軍勢を召集した。
そのまま一行は死者たちが引き起こす恐怖を露払いとしてゴンドールを横断するようにペラルギルに至るまで駆け抜け、そのために彼らの行く先々では敵味方が等しく逃げ出した。

かれらが行くと、家々村々の明かりは消え、戸口は閉められ、畑にいた人々は恐ろしさのあまり大声をあげて、まるで追われた鹿のように一目散に逃げ出しました。しだいに色濃くなる暗闇にいつも同じ叫び声があがりました。「死人たちの王だ! 死人たちの王がわしらを襲いに来た!」
遥か下の方で鐘が鳴り響き、人々は残らずアラゴルンの面前から逃げうせました。*2

13日にペラルギルに到達した一行は、死者の軍勢を呼び出して同地を襲っていた海賊の主力艦隊を一掃せしめる。(この働きにより死者たちは呪縛から解き放たれた)
灰色の一行は艦船を拿捕し、噂を聞きつけて集まってきた辺境の諸侯国の者たちを乗せ、解放した船の奴隷たちを鼓舞してアンドゥインを遡上する。15日、旗印を掲げてハルロンドに劇的な上陸を果たした一団は、ミナス・ティリス救援に駆けつけた最後にして決定的な援軍となり、ペレンノール野の合戦に勝利をもたらした。

灰色の一行の行程

月日出来事
3月6日早朝、ハルバラド野伏エルロンドの息子たちアイゼンの浅瀬付近でロヒルリムと行動を共にしていたアラゴルン二世を見出す。アラゴルン、角笛城にてパランティールを使用、ゴンドール沿岸部に迫る海賊の脅威を知る。昼過ぎ、ロヒルリムと別れる。夕刻、角笛城を出立。
7日夕刻、やしろ岡に到着してエーオウィンに出迎えられる。
8日夜明けにやしろ岡を発ち、死者の道に入る。日中、精霊山の下を通り、夕刻(日没の二時間前)に黒根谷側へ出る。夜半、エレヒにて死者の軍勢を召集。
9日夜明けにエレヒを発つ。タルラングの地峡からラメドンに入る。夕刻にキリル川を渡り、カレンベルを通過。
10日曙光のない朝。(恐らくエスリングで)リングロー川を渡る。
11日リンヒルで浅瀬の争奪戦をしていたラメドンの民と海賊を等しく潰走せしめる。踏みとどまったアングボールに、兵を集めてペラルギルに向かうよう指示する。ギルライン川を渡り、レベンニンに入る。小休止の後に行軍再開。
12日敵を追ってペラルギルへ向かう。
13日ペラルギルで海賊の主力兵士及び船員を潰走せしめ、艦船を鹵獲する。死者の軍勢を解放する。夕方から翌朝にかけて、参集した辺境の諸侯国の兵の乗船と出港の準備。
14日朝、艦隊でアンドゥイン遡上を開始。
15日曙光。朝の第三時、ペレンノールに到着し、ハルロンドから上陸。ペレンノール野の合戦の勝利。

エレヒからペラルギルまでは約93リーグ(約449km)。ペラルギルからハルロンドまでは約42リーグ(約203km)。

映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定

登場しない。死者の道にはアラゴルンレゴラスギムリのみが向かっている。
原作ではエルロンドの息子が携えてきた、死者の道についてのエルロンドの助言は、エルロンド本人がやしろ岡にやってきて、アラゴルンにアンドゥーリルを手渡すときに直接伝えている。

ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定

エピッククエスト Volume III. Allies of the Kingにて冒険者が、エリアドール各地にいる野伏に連絡を取り、灰色の一行の招集を手伝う。
召集後も、灰色の一行の旅に同行する。
三十人を超える野伏が旅に参加するが、サルマンの妨害などにより死亡、あるいは死亡した者を故郷に返すために脱落し、アイゼンの浅瀬での再会までに残った人数が三十人となっている。
サウロンの没落後も生き残った者は、北方に戻った者と、イシリエンの野伏と合流しモルドールに入ってエレスサール王の補佐をする者に分かれた。

アイゼンの浅瀬でアラゴルンと合流した三十人

ゲームオリジナルキャラクターでも、ゲームの日本語版において翻訳名が登場していたキャラクターについては翻訳名も表記。

ハルバラド
旅の召集前はエステルディンにいる。ペレンノール野の合戦で死亡。アラゴルン不在の間の灰色の一行の統率者。
Amlan(アムラン)
旅の召集前の派遣地はブリー村。指輪戦争において生き残る。
Angwedh
旅の召集前の派遣地はミスエイセル三角地。指輪戦争において生き残る。エレッサール王とアルウェン王妃の結婚式後は北に戻ると言っているが、具体的な目的地は決めていない。
Brungos(ブルンゴス )
旅の召集前の派遣地はトロルの森。指輪戦争において生き残る。
Calenglad(カレングラド)
旅の召集前の派遣地は夕おぼろ。黒門の戦いで死亡。
Celairant(セライラント)
旅の召集前の派遣地はエレド・ルイン。ペレンノール野の合戦で死亡。
Corunir(コルニア)
旅の召集前の派遣地はアングマール。指輪戦争において生き残る。
Culang(クラング)
旅の召集前の派遣地は夕おぼろ。指輪戦争において生き残る。サウロンの没落後はミナス・モルグル制圧にも参加。
Daervunn(ダエアヴン)
旅の召集前はエステルディンにいる。指輪戦争において生き残る。黒門の戦いではハルバラドに替わりアラゴルンの旗手を務めた。
Dagoras(ダゴラス)
旅の召集前はエステルディンにいる。指輪戦争において生き残る。サウロンの没落後はミナス・モルグル制圧にも参加。
Faeron
旅の召集前の派遣地はミスエイセル三角地。指輪戦争において生き残る。サウロンの没落後はゴルゴロスミナス・モルグル制圧にも参加。
Golodir(ゴロディア)
旅の召集前の派遣地はアングマール。ペレンノール野の合戦で死亡。
Halros(ハルロス)
旅の召集前の派遣地はホビット庄。プレイヤーの選択次第では、旅に参加せずにホビット庄に残留する。旅に参加した場合はペレンノール野の合戦で死亡。
Helchon
旅の召集前の派遣地はミスエイセル三角地。指輪戦争において生き残る。
Idhrenfair
旅の召集前の派遣地はドル・グルドゥル近辺。ペレンノール野の合戦で死亡。
Idhrien
旅の召集前の派遣地はミスエイセル三角地。指輪戦争において生き残る。エレッサール王とアルウェン王妃の結婚式後、エステルディンに戻ったもよう。
Langlas(ラングラス)
旅の召集前の派遣地はエレド・ルイン。指輪戦争において生き残る。エレッサール王とアルウェン王妃の結婚式後、エステルディンに戻ったもよう。
Lothrandir(ロスランディア)
旅の召集前の派遣地はフォロヒェル。指輪戦争において生き残る。エレッサール王とアルウェン王妃の結婚式後、フォロヒェルに戻ったもよう。
Mandan
旅の召集前の派遣地はトロルの森。ペレンノール野の合戦で死亡。
Mincham(ミンハム、ミンチャム)
旅の召集前の派遣地はフォルンオスト近辺。指輪戦争において生き残る。サウロンの没落後はエステルディンに戻ったもよう。
Mithrendan
旅の召集前の派遣地はミスエイセル三角地。指輪戦争において生き残る。サウロンの没落後はミナス・モルグル制圧にも参加。
Naeglanc
旅の召集前の派遣地は不明。ペレンノール野の合戦で死亡。
Nestadron
旅の召集前の派遣地は不明。ペレンノール野の合戦で死亡。
Nethraw(ネスラウ)
旅の召集前の派遣地はアングマール。指輪戦争において生き残る。
Orthonn
旅の召集前の派遣地はエステルディン近辺。指輪戦争において生き残る。
Prestadir
旅の召集前の派遣地はドル・グルドゥル近辺。ペレンノール野の合戦で死亡。
Radanir(ラダニア)
旅の召集前の派遣地はトロルの森。指輪戦争において生き残る。
Techeron(テヘロン)
旅の召集前はエステルディンにいる。指輪戦争において生き残る。エレッサール王とアルウェン王妃の結婚式後、イヴンディムに戻る行程の途中で、道中で死亡した仲間の遺体を故郷に戻すため一足先に一行を離脱していたSaeradan(サエラダン)を尋ねる予定とのこと。
残り二名について
アイゼンの浅瀬での再会以降、アラゴルンらと同行しているのが明示されるのは上記二十八名で、残り二名については当記事作成時点(2021年7月)ではゲーム中では明示されない。

コメント

最新の6件を表示しています。 コメントページを参照

  • 映画TTTで角笛城にハルディア隊が参加するのが、この灰色の一行の置き換えのように思える。せっかくなら、そこに野伏の一行も加えてほしかった。 -- 2010-10-28 (木) 18:43:53
    • 生き残りの中にエルフが見当たりませんがよもや全滅でしょうか…? -- 2014-12-17 (水) 18:30:06
  • 30人+2+3で35人で最初出発したのか・・・超少数精鋭だな。 -- 2015-03-21 (土) 07:55:43
お名前:

人種差別をあおるもの、公序良俗に反するもの、項目とは関係ないコメント、他コメント者への個人攻撃及び価値観の押しつけや、相手を言い負かすことが目的の非建設的な議論、現実世界の政治および近代・現代史、特定国家、団体、民族などに結びつけ批判、揶揄するようなコメントなどは削除の対象となります。その他コメントについて。
Last-modified: