鬚族ひげぞく

概要

カテゴリー種族
スペルFirebeards
その他の呼び名

解説

The Peoples of Middle-earth』に記載されているドワーフ七氏族の一つ(“Firebeards”の公式訳は存在せず“火の鬚族”の訳は本サイトによる)。その父祖は青の山脈の北部で、広腰族の父祖と共に目覚めたという。

父祖が目覚めた場所を考慮すると、恐らく上古広腰族と共にドルメド山の近くにノグロドベレグオストを築き、ベレリアンドエルフとの交易で繁栄したドワーフと思われる。しかし、この二つの都市がそれぞれどちらの氏族が築いたものなのかは明らかにされていない。
ベレリアンドが崩壊した後、火の鬚族と広腰族の生き残りの多くはカザド=ドゥーム(モリア)へ移住して長鬚族と合流したと思われる。『追補編』ではビーフールボーフールボンブールの三人はモリアのドワーフの出だがドゥリンの一族ではないとされており、この記述に従えば三人は火の鬚族か広腰族の出身である可能性もある。

Iron Crown Enterprisesによる設定

火の鬚族に該当する種族としてスラールの一族(Thrár's Folk)とよばれる種族が登場する。

ドゥリンの一族、バヴォールの一族、ドワリンの一族に次ぐ、ドワーフの第四氏族で、ドルメド山の南側にノグロドを築いた一族とされる。彼らの父祖の名は冷酷なるスラール(Thrár the Cold)といい、ドワーフとしては並外れた長命を与えられ、第一紀の大半の期間を通して一族の王であり続けた。

ノグロドのドワーフ達がシルマリルの輝きに魅了され、ナウグラミールを奪おうとして殺された時、僅かに生き残り逃げ戻った者たちは「報酬を渋ったエルフたちが仲間を殺した」と事実を偏向して王に報告した。これを聞いたスラール王は直ちに軍勢を招集。べレグオストの王ドワリン(Dwálin)の制止も聞かずドリアスとの戦争を開始した。スラール率いる軍勢はドリアスを蹂躙し、マブルングをはじめとする多くのエルフを殺害。ナウグラミールを奪った。その後はノグロドへ凱旋しようとするが、サルン・アスラドべレンとその息子ディオルの率いる緑のエルフの待ち伏せに遭い、スラールはべレンによって殺された。

その後、一族の長の地位はスラールの甥スルール(Thrúr)が引き継ぎ、戦禍からの再建に努めたが、間もなくして起こった怒りの戦いの余波によってノグロドは崩壊。第二紀に入り、スラールの一族の生き残りはエレド・ルインの残存地域に新しい居住地を築いたが、その数も規模も第一紀の頃と比べると非常に小さいものとなった。

The Lord of the Rings RolePlaying Game』の設定

火の鬚族という名称自体は使用されていないが、身体的な特徴によって火の鬚族であることが示唆されている氏族が登場する。

歴史
始祖の名を取って「ウーリの一族」(Úri's Folk)と呼ばれる。ノグロドは彼らの国とされており、ドワーフの名工テルハールガミル・ジラクもウーリの家のドワーフとされている。ノグロドが滅亡したとき、多くの生存者がこの災いを欲望のために無益な戦争を起こした自分たちへ下された罰と捉えた。そうした者たちは同族に見切りをつけて長鬚族へと合流し、故国や王家への忠節を捨てきれない者たちはエレド・ルインの南側に新たな都市を築いた。カザド=ドゥームへ移住した一族はその後もドゥリンの一族とは殆ど交わることなく、氏族としての血筋やその独自性を保持し続けた。エレド・ルインに留まったグループはエリアドール南部にも居住しエネドワイス霧ふり山脈南西部の褐色国ダンランドとの交易に従事していたが、第三紀の中頃、リンナルの一族との争いによって王家はモリアへ逃れ、ドゥリンの一族の庇護を受けた。第三紀末、スマウグによってエレボールを滅ぼされ、スラーイン二世ソーリン二世の一党がウーリの同胞を頼り、彼らの助けを得てソーリンの館などの居住地を築いた。彼らをそこで交易によって力を取り戻し、以後エレボールが再建されるまでの間本拠地とした。ウーリの一族はモリアが奪還されることを強く望んでおり、ナンドゥヒリオンの合戦でそれが断念された時、多くの者が落胆した。そのため、後年、バリンがモリアの再興を試みた際には多くの一族が彼に従いモリアへと入植した。
性格と外見
火のように赤く巨大な鬚を持つ。気性が激しく容易に怒る性格で、同時に傲慢かつ執念深い。サウロンは全てのドワーフがウーリの民のように生来持った気性によって破滅への道を辿ることを目論んで力の指輪を授けた。その目論見はある程度成功したと言えるが、自ら進んでサウロンへ協力したシンドリの一族ヴァールの一族とは違い、ウーリの一族が進んで冥王の手先になることはなかった。因縁のあったエルフとはその後も友好的な関係を築くことはなかったが、人間とは友好的だった。ドワーフとしては比較的スリムな体系をしていた。
文化
鬚を銀製の装飾品で飾っている。それらは氏族内における地位の象徴であると同時に、年齢や所属する家系、受けた栄誉などを示しており、王や家長などから授与される。そのため各個人はいずれもそうした鬚に非常な誇りを持っていた。全ドワーフの中で最も優れた武器の鍛え手であり、軍隊と戦士たちは高度に統率され、非常に勇敢なことで知られていた。そのため、長鬚族の庇護を受けて以降は多くの者が戦士階級に属した。
人物
スペル読み人物
Úriウーリ一族の祖。ノグロドの建設者
Dwariドワリ青の山脈に残存した一族の王。リンナルの一族との争いで殺された
Kuriクーリドゥリン一族配下の長。灰色山脈の襲撃を受けた際、脱出する民の殿を務め、配下の戦士と共に犠牲となった

ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定

シンダリンで火の鬚の衆を意味するナルファンゴス(Narfanghoth)と呼ばれる。
霧ふり山脈で行われたドワーフとオークの戦争には女王ドロガール(Drógar Bloodwhisker)に率いられ、六つの氏族の中で最初にスラーイン二世の下へ参じた。指輪戦争の終結後は、ソーリン三世の招集に応じ、グンダバドを奪還するための連合軍ガビルァッカ(Gabil'akkâ)に他の三氏族(Zherluka、Staut-Axes、Landorrim)と共に参加している。

hothという単語には「大群」という意味があり、バルホス族のようなシンダリンの使用者に敵対的な民や、ロッソスのような未開の氏族に対して用いられる傾向がある。それを踏まえると、Narfanghothという名称は彼らがエルフと非友好的な経緯を持つ氏族、すなわちシンゴルを殺害したノグロドのドワーフであった事を示している可能性がある。

Include/ドワーフ

コメント

最新の6件を表示しています。 コメントページを参照

  • 名前から推察するに、赤毛なのか? -- 2016-05-05 (木) 19:33:19
  • 武器の取引以外では、関わりたくない連中だね。 常に下手に出て、相手をおだてあげるとか( ̄▽ ̄;) -- 2016-10-24 (月) 06:26:07
    • 後の時代にはロヒアリムともゴタゴタを起こしてる -- 2016-10-24 (月) 16:19:54
    • その気持ちわかります。怒りっぽいし、傲慢だし、執念深いし、何かしらのきっかけで何されるか分かりませんからね。 -- 2021-10-15 (金) 13:02:21
  • 医者は赤ひげ先生と呼ばれました(嘘 -- 2016-10-24 (月) 08:26:51
  • Fireって単語が短気なイメージと結びつけやすいのかな。どのゲームでもノグロドのドワーフとして扱われてるし -- 2021-10-26 (火) 01:29:03
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