歩く歌

概要

カテゴリー詩・歌
スペルA Walking Song
その他の呼び名古い散歩の歌(old walking-song)

解説

ビルボ・バギンズが古い曲に合わせて歌うように作詞した歌。かつてビルボはフロド・バギンズと冒険の話をしながら豊水谷の小道を歩いたとき、彼にこの歌を教えた。
第三紀3018年(大いなる年)にフロドがサムワイズ・ギャムジーペレグリン・トゥックと共に袋小路屋敷から堀窪へ向かい、末つ森小道を通っていた時に三人はこの歌を歌った。歌い終わった直後に小道に黒の乗手ハムール)が現れたが、ギルドール率いる上のエルフの一団が「ヴァルダへ捧げる歌」を歌いながらやって来たので、黒の乗手は退散した。

邦訳

炉端に、火が赤く、
屋根の下、ベッドあり。
けれどまだ、足はつかれない。
(かど)を曲がれば、まだあるだろうか、
われらの他に見た者のない、
ふいの立木が、たて石が。
 木に花に葉に、草そよぐ原、
 そのままゆこう、そのままゆこう!
 空の下には、山と川。
 通りすぎよう、通りすぎよう!

角を曲がれば、待ってるだろうか、
新しい道が、秘密の門が。
今日はこの道、す通りしても
明日またこの道、来るかもしれぬ。
そして隠れた小道を通り、
太陽へ、ゆくかもしれぬ。
 りんごにさんざし、くるみにすもも、
 通りすぎよう、通りすぎよう!
 砂場に石場に、池に谷、
 さらばよ、さらば!

わが家は後ろ、世界は前に、
ふむ道、小道、数多く、
影をくぐって、夜ふけるまで。
星くずがみな、光るまで。
それから世界を後ろ、わが家を前に、
なつかしのベッドを慕い帰る。
 霧に黄昏(たそがれ)、雲に影、
 消えよ、薄れよ!
 煖炉にランプ、肉にパン、
 それから寝よう、それから寝よう!*1

原文

Upon the hearth the fire is red,
Beneath the roof there is a bed;
But not yet weary are our feet,
Still round the corner we may meet
A sudden tree or standing stone
That none have seen but we alone.
 Tree and flower and leaf and grass,
 Let them pass! Let them pass!
 Hill and water under sky,
 Pass them by! Pass them by!

Still round the corner there may wait
A new road or a secret gate,
And though we pass them by today,
Tomorrow we may come this way
And take the hidden paths that run
Towards the Moon or to the Sun.
 Apple, thorn, and nut and sloe,
 Let them go! Let them go!
 Sand and stone and pool and dell,
 Fare you well! Fare you well!

Home is behind, the world ahead,
And there are many paths to tread
Through shadows to the edge of night,
Until the stars are all alight.
Then world behind and home ahead,
We'll wander back to home and bed.
 Mist and twilight, cloud and shade,
 Away shall fade! Away shall fade!
 Fire and lamp, and meat and bread,
 And then to bed! And then to bed!

フロドが旅立ちに際して歌った歌

指輪戦争後の第三紀最後の年(3021年)にフロドサムワイズ堀窪へ向かったのと同じ道を通って、末つ森に向かった。森でフロドが「歩く歌」を異なる歌詞で口ずさむと、ギルドールの一団が「ヴァルダ讃歌」を歌いながら現れ、そこでフロドは西方へ去るエルロンドガラドリエル、そしてビルボと合流した。

邦訳

角を曲がれば、待ってるだろうか、
新しい道が、秘密の門が。
たびたび旅路を通ったものの、
ついにその日がやってくるだろう――
の西との東を通る
隠れたあの小(みち)辿(たど)る日が。*2

原文

Still round the corner there may wait
 A new road or a secret gate;
And though I oft have passed them by,
 A day will come at last when I
Shall take the hidden paths that run
 West of the Moon, East of the Sun.

映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定

ペレグリン・トゥックデネソールの前で歌う曲“The Edge of Night”の歌詞はこの歌から取られている。

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